とある魔術のボンゴレX世   作:メンマ46号

19 / 45
遅くなりました。リアルの方で中々時間も取れず……


新たなリング来る!

 ステイルからの協力要請を受けた後、上条、ツナ、インデックスの三人は上条の学生寮へと戻って来ていた。

 

「はぁ……ん?」

 

 ステイルに聞かされた話の事を考え、気が重くなっていたツナはインデックスの修道服の腹部が何やらモゾモゾと蠢いているのに気付いた。

 

「インデックス?」

 

「お前、その腹どうした?」

 

 遅れて気付いた上条もインデックスの腹部について指摘し、インデックスは目線を逸らしながら下手くそな口笛を吹いて誤魔化そうとする。

 

「……何を隠してる?」

 

「え?な、何も隠してないよ?天にまします我らの父に誓って、シスターさんが嘘を吐くはずがないんだから」

 

 そう言った瞬間、インデックスのモゾモゾと動くお腹の辺りから「みー」という猫の鳴き声が聞こえてきた。

 

(言ってるそばから嘘吐いてるーー!!シスターなのにそれで良いの!?)

 

「ぐるあっ!!テメェの信仰心はその程度か思いっきり誓い破ってんじゃねーか!!何でもいいからさっさと服ん中に隠した野良猫出しやがれ!!」

 

 そういえばステイルの件の前にインデックスは猫を拾えという結構キツい要求を上条にしていた。ルーン魔術を追っていたはずの彼女だが、いつの間にか目的が猫の保護に切り替わっていたようだ。

 

「む。と、とうま、つな。この服は『歩く教会』って言うんだよ?」

 

「だから何だ」

 

「てゆーか、当麻君の右手で壊れたよね?」

 

「例え壊れてしまっても教会は迷える子羊に無償で救いの手を差し伸べるのです。よって路頭に迷ったスフィンクスは教会の手で保護しました。アーメン」

 

「「……」」

 

 上条の頬が引きつる。ツナはインデックスの主張という名の屁理屈に愕然とする。上条はブチ切れ爆発を我慢しながらインデックスへの反論に出る。

 

「で、お前その中で野良猫飼ってくんだな?よし分かった。で、猫用のトイレの砂はやっぱり襟元からザザーッと流し込みゃ良い訳か?」

 

(当麻君キレてる……)

 

「な、なっつと一緒につなのリングの中に……!」

 

「いや無理だからーー!!」

 

 このリングはそんな便利な収納アイテムではない。というかあんだけ熱弁してたくせに猫の扱いそれで良いのかシスター。

 それに元々が匣兵器だったものをアニマルリングにしてボンゴレリングとボンゴレⅠ世(プリーモ)の血と合わせ、三位一体にしたのがVG(ボンゴレギア)だ。後付けなどできない。

 

「計画性ねぇなお前!生き物の命を扱う責務ぐらい考えろー!」

 

「家族と思って飼えば大丈夫なんだよ!つなとなっつを見て!」

 

「ナッツは匣アニマルだから色々と違うだろが!!」

 

 インデックスは事あるごとにナッツを引き合いに出す傾向にあるが、そもそも天空ライオン(レオネ・ディ・チェーリ)であるナッツは他の動物とは色々と前提が違うのだ。

 

 結局、飼うと言って聞かないインデックスに上条が折れた。

 

「………仕方ないから、飼って良し。ペット禁止だからバレないようにな」

 

 そんな一言で涙さえ浮かべそうな程に喜ぶインデックスの顔が見れればそれもまた良いかなと、上条は思ったが……。

 

「ああ、天にまします我らの父よ、貴方の温かな光が非情で残忍で冷血でサディストで蛇みたいな目をしたとうまにもようやく届いたみたいです。一匹の野良猫、その無垢なる魂をお救い頂いた御恩は一生忘れません」

 

(いや、当麻君にお礼言わないどころかディスってるしーーー!!)

 

 インデックスの言動に色々とツッコみたいが、まずはこれだけハッキリ言おう。礼を言う相手を間違えている上に罵っている。本当にそれで良いのかシスター。

 

 

****

 

 

 その後、ツナが9月から学園都市内の中学校に通う事になったという話を利用して、二人でその手続き関連の為に出掛けるとインデックスを誤魔化して部屋を出た。

 

 寮の部屋を出ると待機していたらしいステイルが通路に何やらカードをペタペタと貼り付けていた。何故かツナにはその姿がシールをそこら中に貼って悪戯するランボと重なって見えた。煙草を吸う様は獄寺に近いか。

 

「何やってんだお前。近所迷惑だろうが」

 

「これ、ルーン魔術だよね?」

 

 ツナはカードに刻まれたルーンを見て尋ねる。ステイルは上条とツナ、双方の質問に対して淡々と答える。

 

「見ての通り、結界を張りこの場に神殿を築いている。僕達が三沢塾にかまけてる間に他の魔術師が禁書目録(インデックス)に手出ししないなんて確約は無いからね。ま、気休めとは思うけど“魔女狩りの王(イノケンティウス)”を置いておけばあの子が逃げ出す時間くらいは稼いでくれると楽観してみるよ」

 

「……そんなもん置くくらいなら、俺とお前の二人だけで三沢塾に行って、その間ツナにインデックスを守って貰えば良いじゃねーか。あの炎の巨人よりツナの方が断然強えんだから」

 

 それに、ここに“魔女狩りの王(イノケンティウス)”を配置するという事はステイルの強力な手札が一つ減るのだ。不完全な実力しか出せなくなるくらいなら、最初から戦力を分けるべきではないのか。上条はそう思った。

 

 しかしステイルとしてはツナの実力を知っていても、上条やツナにインデックスの事を完全に任せるのは不服なようだ。

 

「……言っておくけど、あれは決して僕の実力が沢田綱吉に劣るという訳ではないからな。あの訳の分からない炎の効果を把握さえすれば……」

 

「お前結構ボコボコにされてたよな?つかどっち道その“魔女狩りの王(イノケンティウス)”、ツナに二回負けてんじゃん」

 

「ぐっ…!と、とにかく!この一枚を貼れば結界の準備は完了だ。僕達も本題の三沢塾に向かう。……全く世話の焼ける。魔術師を退ける為の結界だというのに、余り強力過ぎるとあの子に気付かれてしまうんだから」

 

 もう敵対しておらず、インデックスもステイルの事情を把握しているとはいえ、それと何もかもを明かして巻き込むというのは別の話だ。

 しかしそれでも本人にバレないようにと言えど、インデックスを堂々と守れるという事実があるからかツナにはステイルが少しばかり嬉しそうに見えた。

 

(もしかしてステイルって……)

 

 その様子を見て直感の優れているツナにとある疑念が生まれた。そういった話題に馴染みが無ければ『少し考える』という事をせずにストレートに尋ねてしまうのだが、ツナ自身、そういった話題で(主にリボーンに)弄られて色々とキツい経験をした為、言葉を呑み込む。

 

 しかし上条は平気でその辺を踏み抜く。

 

「お前、インデックスが好きなの?」

 

「ぶっ!!?」

 

(普通に聞いたこの人ーーー!!!)

 

「そういやツナも手作りの御守りとかよく握り締めてるよな?もしかして好きな子とかが作ってくれたのか?」

 

「んなーーー!?」

 

(俺にも流れ弾が来たーー!?てゆーか見られてたーー!!)

 

 何故このタイミングでツナにも飛び火するのか。いや、ある意味で極自然な流れなのだが、正直恥ずかしくて堪らない。今後絶対に上条の前で京子の名前を出してはいけない。上条に知られたが最後、一切の悪気がなくツナの恋愛事情についての情報が拡散してしまう気がした。

 

 下手をすれば死ぬ気弾による暴走状態(死ぬ気モード)から来たパンツ一丁での京子への告白の事すら知れ渡ってしまうのではないか。何故かそんな気さえしてきた。多分京子はその辺忘れていると思うが。……忘れていると良いなぁ。

 

「な、何をいきなり言い出すんだ君は!!あ、アレはあくまでも守るべき対象であり、決して恋愛対象にはーーーッ!!」

 

 そしてステイルときたら完全にバレバレである。ステイルはインデックスに惚れている。ツナでも分かる。

 とまあ、空気を読まない上条のせいで少々取り乱したステイルだが、気を取り直して今回の任務の話へと強引に話題転換する。

 

「……殺し合いなら三沢塾に潜む錬金術師を仕留めてからだ。それと言い忘れてたけど、吸血殺し(ディープブラッド)の本名は姫神秋沙だ。これが彼女の顔だ」

 

(何でいきなり殺し合いとか言ってんのーーー!?もしかして俺達口封じに殺されるのーーー!?)

 

 そう言ってステイルが投げ渡した写真は上条とツナの二人の前で停止した。そのまま空中で止まっているのを見るに、ルーンが刻んであるのだろう。

 物騒な能力を持つ能力者の顔はどんなもんかと二人は写真を見た。そして絶句する。

 そこには昼間出会った自称魔法使いの巫女さんの顔があった。

 

「……当麻君」

 

「ああ……」

 

 手持ちの金がほとんどなく、あんなファーストフード店にいたのは身の着のまま逃げ出して、交通機関を乗り継いで金を減らし、逃げるお金も尽きてしまったからせめて最後にお腹いっぱいに食べて思い出を作ろうとしていたのではないか?

 

 あの時、ツナに強請った100円があれば、三沢塾から逃げ切れたのではないか?

 たった一つの願いだった。それを阻んだのは誰か?

 

『だから、やけ食い』

 

 彼女の言葉が二人の脳裏に過ぎる。

 姫神秋沙は『塾の先生』という名の三沢塾の追手に取り囲まれた際、抵抗の一つもせずに連行されて行った。死に物狂いで逃げ出しておいて、連れ戻される事を良しとするはずがない。

 普通の人間ならまた逃げ出すはず。

 

 一人で無理なら周りに助けを求める。だが助けを求めるという事は、助けを求めた他人を巻き込むという事だ。

 

 上条は何も考えられなくなるぐらいに苛立つ。そんな少女を物みたいに扱い、監禁する三沢塾、それを横取りしようとこれまた物扱いする錬金術師、そして彼女の持つ吸血殺し(ディープブラッド)の能力を……いや、彼女を吸血殺し(ディープブラッド)という力としてしか見ていないステイル。

 

 そして何より上条やツナを庇って自分で自分の退路を絶った姫神秋沙。いや、ツナを庇うのは良い。どういう理由にせよ、彼は一度は彼女に100円を払おうとした。だがそれを阻んだのは上条だ。彼女は自分を助けてくれようとした人間だけでなく、絶望させた人間までを助ける為に死に物狂いで逃げ出した三沢塾に連れ戻されたのだ。そんなのは間違っている。

 

「くそったれが……!!」

 

 一方でツナは上条程複雑には物事を考えてはいなかった。この街で開発している超能力の事なんて未だに良く分からないし、まして魔術なんて尚更分からない。

 

 けど分かる事もある。吸血殺し(ディープブラッド)という能力だけを見て、誰も彼女本人を……『姫神秋沙』を見ていない。そしてその能力だけに目を付けて自分勝手に利用しようとしている。どうしてそんな酷い事ができるのだ。三沢塾も、錬金術師も。

 

 故に彼の中にある感情はただ一つ。

 

「助けなきゃ……!!」

 

 上条もツナもやりたい事は同じ。たった一人で苦しめられているであろう女の子をどうあっても助け出す。

 

「行くぞ、ツナ」

 

「うん…!」

 

****

 

 -並盛、沢田家

 

「ざっけんな!最低10日だと!?」

 

 銀髪の少年、獄寺隼人は目の前にいる小太り低身長の男性、ジャンニーニの胸倉を掴み上げ、壁に叩き付ける。

 

「匣兵器の解析だけで何でそんなにかかるんだよ!未来と違って匣についての十分な情報が今のボンゴレにはあるはずだろうが!!」

 

「し、しかし今回10代目を拉致したと思われる学園都市によって送り込まれた転送用の匣兵器には未解明な部分も多く、その上開匣後に消えてしまうという問題もクリアしなければ……」

 

 ツナが謎の匣兵器によって学園都市に飛ばされて約二週間。ツナのX BURNER用のヘッドホンとの通信を介して学園都市の情報を集めつつ、こちらから学園都市へ行く方法を模索していたボンゴレファミリーだったが、やはり異世界故に中々その手掛かりが掴めずにいた。

 

 そんな中、ようやく獄寺の元に件の匣兵器が届いたのだ。ツナの元にも同じ匣兵器が届き、学園都市からは既に獄寺達ツナの守護者の存在がマークされている以上、この匣兵器が学園都市行きの片道切符である事は間違いない。

 

 しかし同時にこれはボンゴレが唯一持つ学園都市への手掛かりでもある。獄寺の元にこれが届いたと言えど、そのまま獄寺が開匣してしまえば獄寺が学園都市に行ける代わりに匣兵器そのものがツナの時同様に消えてしまうだろう。それでは結局手掛かりが得られない上、援軍を送る事も連れ戻す事も叶わなくなる。

 

 獄寺自身、それは分かってはいるのだが、ツナへの強過ぎる忠誠心故にまずは自分がボスの守護者として、そして右腕として一刻も早く学園都市に行くべきだと主張していた。最優先はツナの安否を直接確認し、守る事。解析ならば後から送られてくるだろう同じ匣兵器でもできるはずだと。

 

「落ち着けって獄寺。逆に言えば10日ちょっとで何とかできるって事じゃねーか」

 

「うむ。たったの10日だ。騒ぐ事もあるまい。沢田ならば極限に耐え凌げる期間だ。頼れる味方もいるのだろう」

 

「何でてめーらはそんなに能天気なんだ野球バカに芝生頭!その学園都市ってのは10代目を拉致したんだぞ!いつ何をされるか分からねー以上、一刻も早く俺達の手で救出するべきだろうが!!」

 

 山本と了平が獄寺を宥めようとするが、やはり獄寺は頭に血が上って冷静に意見を聞き入れるのが難しいようだ。何より、獄寺としてはツナの近くにいる上条当麻という高校生も信用できるのか怪しいと考えている。かなり疑心暗鬼になっている。

 

 しかし、彼らが学園都市に行くには他にも問題があった。

 

「獄寺、少し頭を冷やせ」

 

「リボーンさん……!」

 

 すると何処かに出掛けていたはずのリボーンが神妙な雰囲気を醸しながら短く告げた。世界最強の殺し屋であり、ツナの家庭教師(かてきょー)であるリボーンの言葉だからこそ、獄寺は瞬時に息を呑み、押し黙った。

 

「ボスがいねぇ今、守護者の統率が取れてねーのは問題アリだな」

 

「うぐ……」

 

「ジャンニーニに当たっても時間の短縮はできねーぞ獄寺。むしろ作業が遅れるだけだ。何より今のお前達には例の匣を開ける為のリングが無い」

 

「そ、それは…!!」

 

 そう、今の10代目ボンゴレファミリーには強力なリングが無い。継承式の際に起きたシモンファミリーとの事件により、原型(オリジナル)のボンゴレリングをVG(ボンゴレギア)としてver.アップさせた為にツナ以外の守護者達のリングは全く別の形へと変わってしまったのだ。

 

 バックルやネックレス、バングルでは匣兵器を開匣する事はできない。

 

 かと言ってすぐに調達できる程度のリングでは精製度も良くてDランク程度のものしか無いだろう。それでは未来での戦いや、虹の代理戦争などで成長した今の獄寺達の波動に耐えられずに砕けてしまう。炎を灯し、匣を開くのも一回切りだ。10年後の雲雀という実例が既にある。

 学園都市に行くだけならばそれでも良いだろう。しかし向こうからこちらに帰って来る手段を向こうで手に入れるにしろ、こちらで開発するにしろ、それが匣兵器になる可能性は高い。その為の匣兵器を何らかの方法で手に入れられたとしてもそれを開けるリングが無くては意味が無い。

 

 獄寺はSISTEMA C.A.I.に使う雨、雲、晴、雷の属性のリングがあるが、やはり彼には嵐属性の強力なリングが必要だ。

 

「だがそこは心配いらねーぞ。近い内に9代目から届くはずだ。新しいリングがな。俺はその為に9代目と連絡を取っていた」

 

「新しいリング?」

 

「ああ。今のお前達の炎に耐え、砕ける事なく死ぬ気の炎を灯せるリングはそうそうねぇだろう。ボンゴレリングやマーレリングに続いて強力なリングと言えば、ヴァリアーリングとかだ」

 

 ヴァリアーリング。その名の通り、ヴァリアーの幹部七人が使うリングを示す。つまりそのリングの保持者はXANXUS達だ。勿論リングとしての性能も精製度Aランクという破格のリングだ。

 聞けばそのヴァリアーリングもまた、VG(ボンゴレギア)同様にタルボの手で彼等の保有する匣兵器と融合し、新生(ニュー)ヴァリアーリングとして生まれ変わったのだとか。

 

「ん?もしかしてスクアーロ達にヴァリアーのリングを貸して貰えるのか?」

 

「……10代目を助けに行くって理由じゃなくても奴らが貸してくれるとは思えねー」

 

「確かにタコ(ヘッド)の言うように、極限に頼みを聞いてくれるとは思えんぞ」

 

 山本はヴァリアーから新生(ニュー)ヴァリアーリングを借りて匣を開くのかと思ったようだが、ツナを殺したがっているXANXUSがそんな話を容認する訳が無いし、獄寺の言う通り、そもそも自分達のリングを如何なる理由でも他者に貸し与えるような連中ではない。尤も、ボンゴレそのものの危機であれば話は別かもしれないが、それも手を貸すという話でリングそのものは貸してくれないだろう。

 

「そのヴァリアーリングを作った原石をお前達は知っているか?」

 

「いえ…聞いた事無いっスけど……」

 

「極限に知らんぞ」

 

「ボンゴレⅡ世(セコーンド)が遺した至宝……『虹の欠片』だ」

 

 それについては山本や了平は勿論、獄寺も知らない。代々ヴァリアー幹部が継承していた宝ではあるのだが、その詳細が外部に出回るはずもない。

 

「つまり、俺達学園都市ってとこに行くのに使うリングはその欠片で新しく作ったリングなのか?」

 

「半分正解だ、山本」

 

「しかしリボーンさん、『虹の欠片』はヴァリアーリング製造に使われたと……」

 

「何も『虹の欠片』はヴァリアーリング製造に全て使い込まれた訳じゃねえ。ちゃんと『虹の欠片』そのものは少しだが余ってるんだ。特に雲属性の分はな」

 

 ヴァリアーは現在雲属性の幹部がいない。それ故、雲属性のヴァリアーリングは製造されていないのだ。

 ともかく、精製度Aランクのヴァリアーリングと同じ材料を使って作られるリングならば今の獄寺達の波動にも耐えられるだろう。だが了平はその話の中に少し気になる点を見つけた。

 

「しかし赤ん坊よ、他の属性に関しては余っている『虹の欠片』は僅かなのだろう?いくら原石が上質でもほんの少しだけでは雲雀の分以外、強いリングは作れないのではないか?」

 

「極限に問題ねぇぞ了平。余りの『虹の欠片』はあくまで混ぜ物だからな。そのリングの核になっているのはお前達も良く知っているボンゴレリングだ」

 

『!?』

 

 ボンゴレリングが核になっている。リボーンはそう言ったが当然獄寺達は耳を疑う。そんな事はあり得ないと彼ら自身が良く知っているからだ。

 

「な、何を言ってるんスかリボーンさん!?ボンゴレリングはあの継承式で俺達のVG(ボンゴレギア)に……!!」

 

 獄寺の言う通り、ボンゴレリングは今やボンゴレ10代目とその守護者達の専用シリーズ、VG(ボンゴレギア)として生まれ変わっている。なのに何故その新しいリングの核がボンゴレリングなのか。

 

「そうだな。ボンゴレリングは継承式で砕け、シモンリングに対抗する為にVG(ボンゴレギア)にver.アップした」

 

「だがボンゴレリングは(トゥリニセッテ)の一角……。あの時タルボが言ったように、もしVG(ボンゴレギア)へのver.アップが失敗すれば(トゥリニセッテ)バランスが崩れ、未曾有の事態も考えられた。

 

だからこそ、タルボは砕けたボンゴレリングの全てをVG(ボンゴレギア)の原石にはせず、破片を少しだけ残していたんだ」

 

『な!?』

 

 これまで知らされなかった真実。確かにタルボがVG(ボンゴレギア)の原石を彫金した際に破片を取り分けていても不自然ではないが。

 

(トゥリニセッテ)バランスを保つ為の保険だ。お前達がver.アップに失敗した時の為、原型(オリジナル)のボンゴレリングの一部の破片とヴァリアーリングを作って余った『虹の欠片』を使って新たなリングを作っていたんだ。流石に炎の出力は原型(オリジナル)には及ばねえが、ハーフリングに分割できた頃の借りの姿のボンゴレリングを上回る力を持つリングとしてな」

 

 つまりはボンゴレリングのスペアとして製造されたリングという事だ。ある意味では当然の保険だろう。ボンゴレリングが完全に壊れてしまえば世界そのものの危機なのだから。

 

「そのリングは現在、9代目とその守護者が保持している。まだツナがちゃんとボスを継いでねぇからな。ボンゴレ本部にもリングの力による戦力が必要だった」

 

 これも当然だろう。現ボンゴレの全指揮権は未だ9代目にある。その9代目ファミリーを差し置いて暫定10代目ファミリーの彼等がリングを保持している現状が特殊なのだ。

 ならばせめてそのリングは9代目とその守護者が持つべきだという事になる。

 

「まぁ俺も今回の件で初めて聞かされたんだがな」

 

「つまり、リボーンさんが言う俺達が学園都市に行く為に使うべきリングが……」

 

「ああ、Ⅰ世(プリーモ)原型(オリジナル)のボンゴレリングの破片とⅡ世(セコーンド)の至宝、『虹の欠片』が合わさったニューリング。

 

その名も、ネオ・ボンゴレリングだ」




実際タルボもそれくらいの保険はかけてそう。てかかけなきゃ不味くね?
ヴァリアーリングの原石である『虹の欠片』については独自解釈。原石を丸々リングに加工は流石にしてないと思う。一応Ⅱ世(セコーンド)の遺産でもあるし。
虹の代理戦争ではヴァリアーリング7つあったけど、多分アレだ。雲属性はマーモンの幻覚。雲の幹部いないのと予算(マーモンの全財産)を他の六つにふんだんに使う為、雲のリング製造はケチったけど一応揃ってないと格好付かないからとかそんな理由だ多分。
一応フランの分で霧二つとかも考えたけど、霧のネオ・ボンゴレリングを作る為の『虹の欠片(霧)』が失くなりそうだから没にした。
これほぼリングもVG(ボンゴレギア)も無いクロームの為の設定だし。

Q.そのリング、元の世界に置いておくべきじゃね?

A.未来ではボンゴレリング破棄されてたし、その未来に持ってった事もあるから、ある程度の期間は大丈夫じゃね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。