だからなのか少し出来を悪くというかちょっと違うように感じてます。もしかしたら後で大幅に追記・修正が入るかも。
ところでリボーンととあるのクロス小説が増えてるけど、禁書目録サイドで書いてるの私だけで他みんな超電磁砲サイド。何故だ……やっぱツナ達と同年代の美琴の方が絡ませやすいのか?
ツナは上条さんとも結構相性良いと思うんだけどなぁ…。
使い終わった炎剣が消えた。
ステイル=マグヌスは壁に埋め込まれた『グレゴリオの聖歌隊』の核を魔力の感知により特定し、壁の隙間から炎を流し込む事で破壊した。『コインの裏表』で仕切りを作ろうと、ほんの僅かな歪みからできた隙間に炎を流し込めば核の破壊はさほど難しくはない。
結果、ステイルは『グレゴリオの聖歌隊』を食い止めた。
「……それにしても血路とは、また見ない間に錬金術師も歪んだものだ。血路とは他人ではなく己を切り開いて作るものだろうに」
能力者が魔術を行使すれば『回路』の違いによって魔力が暴走し、全身の血管と神経がズタズタに引き裂かれる。現にこれまで接触した塾生達はそれによって倒れている。もう動かない者すらいる。
こうして考えるとステイル自身、少々あの二人……特に沢田綱吉に毒されたかと思えてくる。
通路の向こうから足音が聞こえてきた。極自然に歩くその様は焦りも殺意も無い。絶対的な自信の元に歩んでいるのがステイルには分かった。
「自然、『
「呑まれてくれてたら大助かりだけどね。生憎、アレは想像以上にしぶといんでね。それと使い魔と呼べる程可愛らしいものでもない」
どうやら、奴は沢田綱吉には気付いていないようだ。魔力を持つ訳でもなく、オートで魔術を勝手に消してしまう訳でもないあいつはやはりこの錬金術師の感知の対象外のようだ。こういう時に能力者は意外と役に立つとステイルは思う。
「それで、戦闘向きでもないお前が僕を招き寄せるとはどういうつもりなんだい?お前じゃ僕を足止めする事すらできないと分かっているだろう?それとも何かい?今日は何十もの魔道具を隠し持っているのかい?」
「……」
錬金術師が前線に立つには何十何百という魔道具に頼ってようやく、目の前にいるステイルクラスの力を出せるのだ。
「何とか言ったらどうなんだい?アウレオルス=イザード」
****
「見た目が派手なだけ。傷は酷くない。手当すれば平気」
『
「こんなに傷だらけなのに平気だと…?」
「そ、そうだよ!コイツこんなに血塗れじゃねーか」
「皮膚を剥がされた事で毛細血管が傷ついてるだけ。動脈を切られたらこれでは済まない。噴水みたいに血が出る」
「……医者でもないのに何故断言できる?」
ツナは眉間に皺を寄せて姫神を訝しげに見る。口先八丁で適当な事を言っている訳ではなさそうだが、それでもこれだけの怪我をした人を前に大丈夫だという言葉を鵜呑みにはできない。
「血の流れについてなら。私は他の人より詳しい」
その一言で上条はギョッとした。同時に彼女の能力について思い出した。それが何か彼女の知識に関係しているのかもしれない。
「手伝って」
姫神は躊躇なく怪我をした少女の服を脱がせ始める。いくら服も血塗れとはいえ、思春期の男子二人の前でうら若き乙女の服をひん剥くのは些か不味いような気もする。
「な、何を!?」
「うわっ、ちょ…」
「狼狽ない。怪我人に失礼」
怪我を見てそんな反応をした訳ではないが、よくよく考えればこの状況で乙女の裸を意識する方が不謹慎かもしれない。
そこから先はまさしく医師や救急隊員の仕事振りだった。ハンカチを使っての的確な止血。手首の出血はハンカチで押さえても止まらないので上条のベルトで腕ごと締め付けて動脈の流れを止める。裂けた腹は怪我をした少女の髪の毛と裁縫セットの針で強引に縫い止めた。
プロ並の医療技術を前に呆然とするだけで上条にもツナにも何もできなかった。いつの間にかツナは死ぬ気モードを解いて姫神の指示に従って腕や足を持ち上げたり、上条も傷口をハンカチで押さえたりと本当に小さな事をしただけだった。
「とりあえず。おしまい。止血は完了。血液の凝固時間は15分。それで傷は塞がる。けど消毒が不完全。二時間くらいは安全。病院に連れて行って処置し直した方が確実」
命は助かったが、身体は酷いものだ。全身が血塗れのボロボロ。何も知らずに魔術を使わされた結果、命以外の全てを失くしたと言っても過言ではない。
ここまでボロボロでは晴の炎による“活性”でもどこまで治せるか……。
「やれる事はやったし、あとは
「整形手術なら平気。お尻の皮膚を張れば治る」
「てか、お前凄え腕前だったな。無免許の名医さんですか?」
「医者じゃない。私。魔法使い」
ファーストフード店でも聞いたフレーズだ。何故頑なに魔法使いを自称するのか気になったツナだが、今はそれどころではない。この女子生徒は勿論、今も尚操られて魔術の行使を強制されている能力者達がいるのだ。
「当麻君、この後どうしよう……」
「一旦帰ろう。操られてる人を助けるとしてもこんな所に怪我人を置いておけないし、外に救急車を待機して貰った方がやりやすいかもしれないし」
「うん。それはいい。怪我人は一人じゃない。予め救急車を用意しておけば病院までの時間をある程度短縮する事もできる」
「……他人事みたいに言ってんなよ。お前も帰るんだろが」
「?」
姫神は心の底から不思議そうに上条を見た。長い間続いた監禁生活が逃げるという発想すら彼女から奪ってしまったのだろうか。
(……あれ?でもそうだとしたら昼間あんな店にいる訳ないし、電車賃をタカったりしないよな……?)
「だからこんな所に押し込められてねーで、外に出ようって言ったんだよ。ってか、その為に俺達は態々来てんだぞ?」
「何で?」
「何でって、理由がなきゃ人を助けられないのか?」
姫神はただ呆然としていた。理由がなくても人を助けるという上条の言葉にこれまでの固定概念でも壊されたのか。そして次第に上条を見る彼女の顔は赤くなっていった。
「けど私は……」
姫神が何かを言おうとした時に、事態は動いた。階段の方から何かをズルズルと引き摺るような音が聞こえた。荒い息遣いからは憎しみや怒りのようや負の感情が読み取れた。
「くそっ、くそっ!断然、何だこの重さは!たかが材料の癖に足を引っ張るとは…!くく、足、か。足を引っ張ると来たかアウレオルス=イザード!今の
支離滅裂で常軌を逸した内容。明らかにイカレた思考の持ち主だった。白いスーツを着た緑の髪の外国人が、左腕と左脚を切断され、金色な変な棒を傷口に無理矢理突き刺して義手義足として使っていた。
痛みも苦しみも感じているようには見えない。しかしあまりに痛々しい姿に思わずツナは軽く悲鳴を上げてしまう。
「ひっ…!」
だがその人物そのものよりも遥かに気になるものを彼は引き摺っていた。血塗れでボロボロの状態になった学生達だった。
「おい…お前、何を引き摺ってんだ……?」
「は、何だこれは?何故『ここ』にいる、少年達?『こちら』にいるべきは魔術師のみだろう?貴様らも侵入者か?あの炎の顔見知りか?否、そもそも侵入者は二人だったはずだ」
炎とは恐らくステイルの事だろう。そしてこの男はステイルと交戦した結果、これだけの満身創痍となった。それは分かる。しかしこいつは上条の疑問に答えてはいない。
「何を引き摺っているのかって聞いてんだよ!!」
「当然、ただの材料だ。錬金には材料が必要なんだ」
アウレオルスを名乗る男の言っている事が一瞬良く分からなかった。しかしこの男は己の手で引き摺る血塗れの少年少女を何と言ったか、そしてその意味はツナにも理解できた。
「材、料……?」
命ある人間を“材料”と呼称したのだ。魔術を無理矢理行使する操り人形にするだけではなく、この後更に悍しい何かをするという事だ。
「だから何故材料など見る?おかしい、貴様らは今もこのアウレオルス=イザードの
「な、何を言ってるんだ!?関係無い人の命を何だと思ってるんだ!?」
「蓋然。関係無いのなら、どうなっても構わないだろう?」
自然に。当たり前の常識を語るように。錬金術師はそう言ってのけた。それを聞いたツナは血の気が引いた。そして彼を心底非難する目でポツリと呟く。
「そんなの……おかしいよ」
「何がおかしい?我が錬金術の材料となる栄誉をくれてやったというのだ。これくらい……」
「許せる訳ないだろこんな事!!姫神さんが……この塾に通ってる人達がお前に何をしたっていうんだ!!こんな事をする為にお前は魔術師になったのか!?」
「全然。私は魔術師ではない。錬金術師だ」
「そういう問題じゃないだろ!?」
アウレオルスの言っている事はただの屁理屈だ。魔術師と錬金術師の違いなどこんな悪事を正当化する理由になどならない。
優しいツナには耐えられない。他人の都合で無関係の人間が理不尽に命を使い潰されるなど絶対に許せる事ではない。
「必然。どうしても為さねばならぬ悲願がある。その為なら、誰の命を犠牲にしようとも構わん!!」
アウレオルスは残った右腕の袖から黄金の鏃を放つ。鏃はアウレオルスの周囲を高速回転し、彼の引き摺っていた血塗れの生徒達を貫いて黄金の鎖が結界のように広がる。
そして鏃に貫かれた生徒六人はその瞬間にドロドロと溶解し、黄金の液体へと変えられた。
「なっ…、テメェ!自分が何やったのか分かってんのか!?」
「当然、絶命!」
「なんで……なんでこんな酷い事ができるんだよ」
上条は一か八かにかけて溶金の液体に右手で触れる。
「……!」
結果は失敗。金に触れた事で異能の力は打ち消されたが、人間の姿に戻りはしない。いや、それだけではなく上条の右手は鏃によって付けられた傷と金そのものの高熱により、無視できないダメージを負ってしまう。
(当麻君の右手で触っても元に戻せないのか!?)
既に金に変化したという事象は上条の
無力に打ち拉がれる時間などない。上条の眼前にはアウレオルスの金による攻撃の第二波が迫っている。
迫り来る金の鏃。上条は痛みを堪えてもう一度右手を突き出そうとする。しかしそれよりも早く、ツナが前に出て、その右腕の上にナッツが現れた。まだ死ぬ気モードにはなってはいないが、リングに炎を灯してナッツを呼び出す事はできる。
「ナッツ!
「ガウッ!!」
(……ごめん。助けられなくて……俺には当麻君みたいな力は無いから、元に戻せない……!!)
心の中で助けられなかった三沢塾の生徒達に謝る。上条にどうにも出来なかった以上、ツナにはどうする事もできない。せめて上条がこれ以上傷付かないように守る事しかできない。
この戦いが終わったらインデックスに彼女の持つ魔道書の知識と魔術で何とか彼らを元に戻す事ができないか相談してみるしかない。
「……悄然。なんだそれは?そちらの少年の右手も興味深いが、そのマントもまた不可思議なものだ」
ツナが範囲攻撃を防いだ事、大空の“調和”にアウレオルスが興味と疑問を抱いた事で攻撃は一旦止まる。上条はそれを見逃さない。渾身の右拳でアウレオルスを殴り飛ばそうと一歩を踏み出そうとした時、ツナが待ったをかけた。
「当麻君……俺がやる」
「!?」
ツナは上条より余程戦い慣れしている。これまでマフィアのボス候補として嫌でも戦わざるを得なかった事は聞いている。いや、聞かなくとも分かる。ステイルと戦った時も、神裂との戦いでも……ツナは常に眉間に皺を寄せていた。本当は戦いたくなどないのだと分かっていた。
そんな戦いが大嫌いなはずのツナがそんな事を言ったのが上条には俄かに信じられなかった。
「こんな酷い奴には負けられない……!」
ある意味ではかつての六道骸を上回る非道。骸は他人の身体に憑依し、壊れる寸前までその肉体を酷使しようとも、人の命までは奪わなかった。潰さなかった。勿論使える駒を減らしたくないという合理性を優先した考えだったのかもしれない。
けれど目の前の錬金術師は違う。己の目的の為ならば無関係の非の無い人間の命を使い潰す事など何とも思っていない。それに上条当麻をこれ以上傷付けさせなどするものか。
「こいつだけは、この手で止めたいんだ!!」
沢田綱吉はヒーローになんてなれない男だ。彼の
沢田綱吉は死ぬ気丸を呑み込み、その額に死ぬ気の炎を灯した。
「今すぐこんな事はやめろ」
「断然。先程も言ったが我が悲願の為ならば他者などどうなっても構わん」
「何を言っても止まるつもりはないようだな」
「当然」
「やめる気が無いのなら、ここでぶちのめすだけだ」
アウレオルスはツナの額に灯った死ぬ気の炎を見て怪訝な顔をする。恐らくはこの街の能力者なのであろうとアタリをつけていたが、何か妙だと朧気ながらに感じ取ったのである。
「炎…か。ステイル=マグヌスの炎とも違うようだな」
だがツナのターンはまだ終わってなどいない。あれだけズタボロな状態で、あそこまで杜撰で己にダメージしかない義手義足でも戦える男だ。一撃で沈めるしかない。
「ナッツ!
「ガウッ!!」
「ナッツはマント以外にも変化できるのか!?」
その昔、ボンゴレ
即ち、ツナがそれを使用すればツナのフルパワーの攻撃、X BURNERに匹敵するパワーの拳になるという事だ。
これこそが歴代ボンゴレボスの中でも最強と謳われたボンゴレ
「自然、なんだそれは?猫が…「お前に教える必要はない!」…っ!」
ツナの右手の甲を起点に死ぬ気の炎が集まり、球状に纏められ、小さく圧縮される。そしてそれを拳を振り抜く事で打ち出した。
「ビッグバンアクセル!!!」
「は、愉快。はは、愉快!面白いぞ少年、それは一体いかなる神秘だ!その籠手を寄越せ!この魔術医師にその全てを解き明かさせよ!」
アウレオルスは右手を水平に振るう事で金の鏃を無数に放ち、ツナのビッグバンアクセルと正面から衝突させる。そのまま突き進んでアウレオルスに直撃し、爆発しようとする。
しかしアウレオルスの錬金術との衝突のせいか、いくらか威力と勢いが弱まっており、元々小さく圧縮されていたのもあって、アウレオルスはギリギリで身を捻り、躱してみせる。
だがそれは全てツナの狙い通りだった。アウレオルスがビッグバンアクセルの対処に気を取られている隙に死ぬ気の炎の推進力を使い、彼の死角に回り込んでいた。
「なっ…」
「終わりだ」
いくらアウレオルスが満身創痍でも戦える相手とはいえ、
ツナは死ぬ気の炎を纏った左手の手刀をアウレオルスの首筋に叩き込み、そのまま彼を後方へと思いっきりぶっ飛ばした。
「ぐはあっ!!?」
ツナの強烈な一撃にノーガードで直撃し、ぶっ飛ばされて壁に叩き付けられたアウレオルスは思考する暇もなく、意識を手放した。
だが、彼が意識を手放す直前に姫神が呟いた。
「かわいそう。気づかなければ。アウレオルス=イザードでいられたのに」
「ダミーなのに台詞おかしくね?」と思うかもしれませんが、その辺は次回にて。ツナと会話した事で出ただけの台詞なので。
威力を抑えたのでバーニングアクセルではなく、ビッグバンアクセル。実際どう違うんだこの技。ボンゴレリングの枷のあるなしによる威力の増減しか分からん。響きだけならビッグバンアクセルの方が強そう。
よってX BURNER級の威力はありません。というか原作からして明らかにX BURNERの方が強い。
ステイルの戦闘シーンはほぼカット。やっぱりツナが戦う所を描写しないと。
早く守護者達をとある世界に呼びたい……。