今回のテーマ曲は勿論「sister's noise」です。
イメージとしては超電磁砲SのOPで27秒〜30秒の各キャラのカットが出る所を上条さんの次に煙草を蒸す獄寺の横顔、一方さんの次に正面向いた
第七学区のとある高校の学生寮の一室にて、ツンツン頭の少年と腹ペコシスターが激戦を繰り広げていた。シスターはツンツン頭の少年がその手に持つ皿の上のオムライスを奪取すべく、目をギラつかせてにじり寄る。
「ちょ!インデックス!こっちのオムライスは駄目だ!ツナの分だって言ってるだろ!」
「これだけじゃ私は全然足りないんだよ!」
「俺の分まで食って言う事か!?」
もう一人の同居人がシリアスな戦いを繰り広げる傍ら、彼らもまた、凄まじい激戦を繰り広げていた。
激戦の末、結局噛み付かれた挙句オムライスを守れずに強奪された上条は氷嚢を頭に付いた歯型に当てながら未だ帰らぬ同居人の事を考える。
「……にしても、ツナの奴、本当に遅いな……。一応遅くなるってメールは来たけど、何やってんだ?」
****
「オペレーション
『了解シマシタ、ボス。X BURNER発射シークエンスヲ開始シマス』
ツナの言葉に合わせてヘッドホンから機械の音声が聞こえてきた。元ミルフィオーレの天才メカニック、スパナによって製造されたコンタクトディスプレイによるX BURNERの発射誘導プログラムである。
(やはり10代目はX BURNERで対抗する気だ!!)
ツナの右手から後方へ柔の炎が放射される。ツナの必殺技、X BURNERは後方に柔の炎による支えを設け、前方には爆発的なエネルギーの剛の炎を放射する。
ツナと
(なんでッ……なんで私はこんなに弱いの?常盤台のエース?七人だけの
妹の怪我の治療も
そんな負の感情を抱えて俯く美琴に喝を入れたのは獄寺だった。
「目ぇ逸らしてんじゃねぇ。ちゃんと戦いを観ろ。10代目はてめぇら姉妹の為に戦ってんだ」
キレるわけでもなく、ただ力強くツナを見るように告げる。己が生涯の忠誠を誓ったボスである沢田綱吉の事を右腕として深く知っているからこそ、語る。
「10代目は自分の為には死ぬ気で戦えねぇ。自分の為に力を振るえねぇ。そういう気質の御方なんだ。10代目が戦うのはいつだって誰かの為だった」
「あ……」
獄寺の話を聞き、美琴には思い当たる節があった。スキルアウトに絡まれても炎を使おうとはせず、泣いて逃げていた。美琴に喧嘩を売られた時も上条に助けを求め、結局二人で逃げていた。ツナならばどちらも簡単に捻じ伏せる事ができたはずなのに。
沢田綱吉は自身に降り掛かる火の粉を力づくで排除しようとは決してしなかった。
だが美琴が妙なロボットに襲われた時は躊躇いもなく、その炎の力を使い、美琴を助けてみせた。そして今
「だからこそ、誰かの為に死ぬ気で戦う10代目は……絶対に負けやしねぇ」
骸、XANXUS、白蘭、
「……ミ、サカは……あの人の言葉が……」
「!アンタ、気がついたの!?」
獄寺に治療され、気を失って背負われていた御坂妹が目を覚ます。美琴は意識を回復させた妹を見て安堵する。そして御坂妹は無理に獄寺の背中から降りてぼんやりとした瞳で美琴を見て意識を失う前の事を語る。
「あの人は……ミサカがどんな生まれでも関係ないと言いました。誰が何と言っても、友達で…い……と…だと。その言葉の意味がミサカには、分かりかねます」
「……」
それは自分が実験動物だとしか認識していなかったからなのか。その所為で自分を人間と思っていないからなのか。
「けど、何故だか……あの言葉はとても響きました」
「ぎィやははははははははは!!!」
「凄エェ!自分の身体のように!手足を動かすかのように!空間全てを支配していく感覚ゥ!!アッハハァ!!強ェ相手と
風を、大気を操り
一方でツナはX BURNERの為の柔の炎を後方に放ちながらも
「……随分と余計な口を叩くんだな、お前は」
「いつまでもスカしてンじゃねェぞ!!感謝を込めて!オマエを跡形も無くゥ!!消し飛ばしてやらァァ!!」
「やっとか。随分と時間がかかったな。待った甲斐がある。それを正面から消し飛ばせばお前を黙らせる事ができるからな」
「消し飛ぶのはオマエだァァ!!」
「死ね!!」
「X BURNER!!!」
「待っ…」
ツナの身を案じて美琴が大技同士の衝突を止める為に叫ぼうとする。しかしその甲斐も虚しくその前に両者の技がぶつかり合った。
巨大な
次の瞬間にはX BURNERの剛の炎は
「………は?」
「嘘……」
「これは……
何が起こったのか理解出来ない。いや、
(何なンだ……!?何なンですかこの愉快なバケモノは!!?こンな奴が
つまりこの男は少なくとも
いや、既に死ぬ気の炎を解析した
訳の分からない出来事が連続し、『最強』であるはずの自分が今正に『敗北』を突き付けられようとしている。彼は歯軋りをして苛立ちながら怒鳴り散らす。
「……何なンだ。何なンだオマエらはよォ!!どいつもこいつも俺の無敵化の邪魔ばっかしやがって!!
そう言うと本来殺すはずであった御坂妹に視線を向け、半ば八つ当たり気味に足を地に叩き付ける事で強烈な衝撃波が彼女に向かっていく。美琴は妹を守る為に
しかしその前にツナが衝撃波の前に先回りして、左腕を振るう事でそこから噴き出した大空の炎をぶつけて相殺した。
「お前だけは御坂さんにも
「……!!」
悉く邪魔をするツナを睨む。しかし御坂妹を狙った事で膠着状態が生まれ、ゆっくりと深呼吸をする事で
「……理解できねェな。オマエもそこのオリジナルも、三下も……なンで人形を庇う?」
御坂妹を指差し、確かめるかのように告げる。
「そいつらは
「っ!」
「それをこの世で一番疎ましく思ってるのはオマエだろうがよ。自分と同じ顔したのが壊されンのが面白くねェのか?だがそンな理由で命を張るわきゃねェよな」
ならば
「自分より先に
そう問いかけた
「
「は?」
憐れみでも怒りでもない。
ここまで必死になって自分の命を投げ捨てようとしてまで
なんでこいつにはわからないんだ!!!
ツナの後ろで美琴はゆっくりと一歩を踏み出し、妹を庇うように手を下げる。一度は圧倒的な力の差による恐怖を前に直視する事すらできなかった
「『
御坂妹の心は、次の美琴の一言で確かに動いた。
「妹だから」
その短い一言に、姉が妹を守る事の全てが込められていた。
「この子達は……私の妹だから。ただそれだけよ」
理由なんていらない。兄弟や姉妹がお互いを助け、守る事に理由なんていらない。ちゃんとした血の繋がりがあろうがなかろうが、母がお腹を痛めていなくても、御坂妹は……
どんな時でも守りたいと思う。理屈抜きで身体が動いてしまう。それが家族というものだ。
「ゴメン、今更そんな資格ないのは分かってる。自分の手で守る事も
「………ハイ」
ツナは
「……もう、一人も死なせない」
「うん……」
ツナは呆気に取られている
「まだ答えてなかったな。俺が戦う理由……。友達だからだ」
「ア?」
「
並盛に住む仲間達を守るのと同じだ。上条と共にインデックスを救った時と何も違わない。仲間を守りたい。それがツナの覚悟の源だから。
「みんな俺の大切な友達だから」
「……姉妹
美琴とツナが
当然、そんな暴言をツナが許す訳がない。
「それ以上御坂さんと
「ハァ?そいつらは俺に殺される為に作られたクローンだろォがよォ……ボタン一つで作れる模造品。俺の無敵化の為に使い潰される事以外に生きる価値なンてねェーよ」
それから同じ
「視力検査が2.0までしか測れねェのと一緒さ!!学園都市にゃ最高位のレベルが5までしかねェから、仕方なく俺はここに甘ンじてるだけなンだっつの!!オマエを殺せばそこのオリジナルじゃ足止めにもならねェって事を教えてやるよ!!その人形をスクラップにしてどれだけ自分が無力か……」
「このクソ野郎が!!何様のつもりだテメェ!!」
まるで全身から死ぬ気の炎が噴き出したかと錯覚する程に凄まじい圧力がツナから放たれ、
「ふざけるなよ!!」
途轍もない怒気を発して
「クローンがどうとかなんて関係ない!お前が奪ってきたものは……目の前にあるものは命なんだ!!お前は人の命を何だと思ってるんだ!!」
「一万人以上も殺して……お前は本当に何も感じないのか!?」
「答えろ!
「……」
昔、この強大な力故にいくつもの災厄を招いた。
この
だが『最強』のその先へと進化すれば何かが変わるはずだ。そう思ってきた。
力が争いを生むのなら……争う気も起きなくなる程の絶対的な存在になれば良い。……そうしたら、いつか、また……。
そうすればもう、誰も……。
「……下らねェ。さっきも言っただろォが。
思考を打ち切り、そう断言した。
それを聞いたツナは右手を握り締め、そこから死ぬ気の炎を噴出させて叫ぶ。
「そんな間違いが正しいなんて本気で思ってるなら、俺がそんな幻想ぶっ壊してやる!!」
「ギャハハハ……良い加減現実見ろ三下ァァァァ!!!」
「加減はしないぞ…!!」
「ほざィてンじゃねェぞ三下ァァ!!!」
「行くぞ!!」
「死ネ!!!」
向かい合う二人の姿が一瞬にして消える。そして次の瞬間には丁度二人が離れていた距離の中間地点にて二人の姿が現れた。
「あ……が……」
殴り飛ばされた
大空の七属性随一の推進力にてツナは吹っ飛んでいる最中の
「もう実験は終わりだ。
思えば目の前の少年は最初から自分を敵として認識こそしていたものの、最初から、そして今も尚、眉間に皺を寄せて、その顔は悲壮に満ちていながらも……祈るように拳を振るっていた。
憎しみを己にぶつけるような戦いはしなかった。
全ては友を守る為。
孤独で他者を寄せ付けようとしない
『クローンだって、みんな生きているんだ。殺して良い命なんて、一つもない!』
『この子達は……私の妹だから。ただそれだけよ』
死ぬ気の炎の推進力でその先に残っていたコンテナに激突すると同時に
そして辺り一帯に爆発したかのように大空の炎が噴出し、燃え広がった。
(ホント、何やってンだ俺………)
大空の炎に包まれ、身を焼かれる中、
暫くして大空の炎は空気に溶けるかのように消えていき、爆発によって発生していた煙も晴れていく。
そこには巨大なクレーターの上で気を失い、身体中に火傷を負って仰向けに倒れる
(10代目の死ぬ気の炎が……奴のドス黒い邪気を浄化した……)
かつて黒曜との抗争の際、骸を倒した時と同じだ。後からリボーンにその話を聞いたが、この光景は正にそれそのものだった。
沢田綱吉が
まだ全てが解決した訳ではない。この実験の計画そのものを破綻させない事には終わらない。だけど、
もう誰も死なせないという約束をツナは守ってくれたのだ。それが目の前で果たされた事で御坂美琴は歓喜、そして感謝の想いで泣き崩れた。
かつて彼を鍛えた家庭教師は言った。お前はヒーローになんてなれない男だ。ヒーローらしいカッコつけた理屈など彼らしくないのだと。それは確かにそうなのかもしれない。
だからこそツナはもっとシンプルに、友達を守りたいという想いで戦う。
しかしたった独りで絶望して泣いていた女の子にとって、そのシンプルな想いで戦ってくれた沢田綱吉は紛れもないヒーローだった。
この日、勉強や運動……何をやってもダメダメと言われた一人の少年によって残酷な幻想が打ち砕かれ、数多くの命が救われた。
X BURNER程の大技は相手もまたそれを放つに相応しい存在でなければなりません。
ねーちんもそれに値する相手ではありましたが、そもそもツナがいれば原作程上条さんを痛め付けないので使わない。アウレオルスはそこまでの価値を私は感じませんでしたし、そもそも場所的に大勢の人が理不尽に巻き込まれます。ステイル?論外。
その点、とあるの主人公の一人であり、学園都市最強の