とある魔術のボンゴレX世   作:メンマ46号

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新章開始です。絶対能力進化計画編のラストでも述べましたが、今章は魔術サイドでも科学サイドでもなく、言うなればマフィアサイドのストーリーとなります。(敢えて言えば科学サイド寄りですが)

禁書目録では御使堕し編、超電磁砲では革命未明編に当たる時系列で並行して進む「家庭教師ヒットマンREBORN!」の物語です。

とあるキャラもある程度は出ますよ。


弔花逆襲編
お留守番来る!


 -8月26日

 

 ツナが一方通行(アクセラレータ)を倒し、絶対能力進化(レベル6シフト)計画を凍結させて五日経った。現在学園都市では『高レベルの発火能力者(パイロキネシスト)が学園都市最強の一方通行(アクセラレータ)を倒した』という噂が流れていた。

 

 それによって最強の称号を欲するスキルアウト達による発火能力者(パイロキネシスト)狩りが発生しているだとかで学園都市内部の情報を調整する為、学園都市にいる発火能力者(パイロキネシスト)達の大半は当のスキルアウトなどを除いて一旦学園都市を出て親元に帰ったり、警備員(アンチスキル)の保護施設に匿ったりする事が決まったらしい。

 

 

****

 

 

「「「家族旅行?」」」

 

 現在上条宅ではツナ、獄寺、インデックスの三人が居候している。流石にワンルームの寮に四人で住むのはかなり手狭だなーと上条が考えていた中、彼の両親から寄せられたある連絡が切っ掛けだった。

 

「ああ。父さんと母さんに呼ばれたんだ。福引きで当選したからどうだって。それで明日から暫く学園都市の外に行く事になったんだけど団体での旅行券らしくてさ。だから一緒にどうだ?丁度あの変な噂でスキルアウトに狙われてる発火能力者(パイロキネシスト)達が半分くらい学園都市の外に出てるのもあって、親元に行くのならOKって、許可貰えたんだよ。俺が無能力者(レベル0)ってのもあるけどさ」

 

 上条の話に獄寺は違和感を覚えた。

 学園都市の外に能力者である生徒達が外出するのには非常に面倒な書類手続きを終えた上で逃亡阻止の為に発信機付きのナノデバイスの注射といった多くの措置がされていると聞いた。能力の強度(レベル)を問わず発火能力者(パイロキネシスト)の半数が学園都市の外に出なくてはならない現状、更にややこしい事態を招かない為に他の学生の学園都市の外への外出は規制されるべきではないだろうか。

 

(……一体どうなってやがる?それに半数とはいえ、発火能力者(パイロキネシスト)は結構な数いるとも聞いたんだがな)

 

 一方でツナは「発火能力者(パイロキネシスト)狩りが起きている」という話に頭を悩ませる。

 

(パイロキネシストって人達が不良に狙われてるのって、多分俺のせいだよなぁ……)

 

 不良達に追い回された夜、御坂美琴に助けて貰った際、ツナの(ハイパー)モードや獄寺のダイナマイトなどが都市伝説と化している事を聞かされた為、恐らくは死ぬ気の炎を発火能力(パイロキネシス)だと勘違いした人が出たのだと予想が付いてしまう。

 

「つなとはやとも行くよね!私海水浴は初めてなんだよ!みんなで行こ!」

 

 当然インデックスはこの話に乗り気だ。しかしツナと獄寺は少々事情が違った。

 

「でも俺と獄寺君は転入の手続きとか色々あるし……」

 

 学園都市から並盛に帰れない以上はここの学校に通いつつ、帰還手段を探る必要がある。なのでツナと獄寺は明後日から色々と手続きがあるのだ。それをほっぽり出しては後で泣きを見る事になるだろう。

 

「それにいつファミリーの奴らがこっちに来るか分からねーからな。安易にこの街から出られねーんだ。そもそも向こうから拉致って来たのを出して貰えるとも思えねーしな」

 

 それに加えてツナがいなくなればこれ幸いにまたあの絶対能力進化(レベル6シフト)計画が再始動しないとも言い切れない。現状一方通行(アクセラレータ)を倒せるのはツナだけなのだ。まぁこれは流石に言えないが。

 

 しかしツナと獄寺が不参加である事に納得しないインデックスは駄々をこねて四人で行く事を強く主張する。そんな中上条はインデックスの抱えるある問題点を思い出す。

 

「あ、でもインデックスはID発行されてない密入国者状態だったな……。連れてってもゲートで警備員(アンチスキル)に捕まっちまうな」

 

 元々魔術サイドであるインデックスはここが学園都市と知らずに来ていたらしい。ツナや獄寺みたいにほぼ拉致されたわけでもないのならどうやって入って来たのかという疑問もあるが、それは多分インデックス本人も理解していない。

 

 けれどツナはIDの発行という点については少し心当たりがあった。

 

「え、インデックスにもIDはあると思うけど。前に俺見たし」

 

「そうなんですか?10代目」

 

「うん。前に白井さん達に俺達の事を聞いた時にランボと一緒にインデックスもゲストIDっていうのに登録されてたんだ」

 

 結局、インデックスだけが上条と一緒に学園都市から出て家族旅行に参加する事になった。ツナと獄寺が不参加の留守番である事にインデックスがしばらくヘソを曲げていたのは余談である。

 

****

 

 -8月27日

 

 タクシーで学園都市の外の海水浴場に旅立った上条とインデックスを見送った後、ツナと獄寺は昼食の為にファミレスに来ていた。

 獄寺の柵川中学への転入手続きは明日行う事になっている。今日は二人共料理なんてできないので食事はファミレスで済ませる事にした。

 

 実は獄寺が今回上条に誘われた旅行を断ったのにはもう一つ理由があった。それは今からする話をツナと二人きりでする為だ。この話を上条やインデックスに聞かれるのは都合が悪かった。

 

「ここ数日は余計な奴らがいたので話すに話せませんでしたが……」

 

「当麻君とインデックスは別に余計じゃ……」

 

「あのウニ頭は学園都市の人間です。俺から見て信用できるわけじゃありません。それに……」

 

「それに?」

 

「俺、歳上は基本全員敵なんで」

 

(そうでしたーー!!)

 

 名実共に目上の人間……その中でもごく一部に入る者達……ツナを始めとして9代目やリボーン、ツナの両親などならば獄寺は敵視しないどころか心から敬意を持って接する。しかしただ歳上なだけで敬うべき点がないと判断した相手は徹底して邪険に扱うのが獄寺だ。ディーノに対する態度からもそれはハッキリしている。

 むしろこの数日はよく我慢した方だと言える。

 

「話を戻しますがこれに関してはボンゴレにとって部外者である上条やインデックスに聞かれるわけにはいかないんです。この街……いえ、この世界についての話ですから」

 

「!!」

 

「……やっぱり、ここは俺達がいた世界とは違う世界なの?」

 

「流石は10代目……。もうお気付きでしたか」

 

 アウレオルスと戦った後から先日の一方通行(アクセラレータ)との戦いに突入するまでの間、ずっと悩んでいた事だ。できれば外れていて欲しかった推測。しかしここでの獄寺の発言から真実である事を確信してしまった。

 

「でもこんなファミレスで話して大丈夫なの?」

 

 端から見れば頭のおかしい会話をしているだけだ。流石にこんな話を聞かれるのは精神衛生上でもそうだが学園都市を警戒する意味でも良くない。

 

「案外こういう場所の方が周囲の人間には聞かれないもんなんです。大体の奴らは自分達の雑談に夢中で他人の会話に態々聞き耳立てたりしませんから。いたとしてもそういう奴はすぐに分かります」

 

 そう言われてツナは継承式が迫っていた頃、ツナの警護の為に獄寺が守護者達やシモンファミリーに招集をかけた時にもファミレスに集めていた事を思い出す。アレは無関係の人間に聞かれず、尚且つ話を盗み聞きされた場合はそいつらが敵対勢力だとアタリを付けて炙り出す意味もあったのだろう。獄寺はそこまで計算してあのファミレスで警護の話をしていたのだとツナは今更ながら理解する。

 

(やっぱり獄寺君って凄い……。そこまで考えていたなんて……)

 

 学園都市の人間を警戒しているからこそ、敢えてこういう場所で話して、敵の視線などを探る。上条の部屋に盗聴器の類いが仕掛けられている可能性も考慮しているのだろう。

 それから獄寺は本題に入る。まずはこれまで自分たちがいた世界とこの学園都市のある世界が別世界であるという根拠を提示する。

 

「俺が並盛にいた頃、既に11月でしたがこの学園都市はまだ8月下旬……この明確な時間のズレは絶対に無視できない要素です」

 

 学園都市に来たその日から疑問に感じていた時間のズレ。冬が近いはずが目が覚めて学園都市に来ていればそこの季節は夏だった。

 

「並盛とこの学園都市の差異がハッキリしていますし、何より俺達はこれまで生きて来て、この学園都市の存在を10代目が攫われるまで一度も聞いた事がありません」

 

 しかも当の学園都市の住人である上条達曰く、学園都市の存在と行われている超能力開発は世界的に有名であり、一般にも広く知れ渡っているとの事だ。ならばツナ達が学園都市の存在を知らなかったのはおかしい。

 それだけではない。ツナは学園都市にやって来たその日に魔術の存在も知り、魔術師とも交戦している。

 

 人工的に開発する超能力に加え、魔術というオカルト要素。しかもイギリス清教のような魔術師達の組織までいくつも存在しているという。リボーンがこの話をツナから聞いた後、ボンゴレでも独自に入念な調査を行ったが、イギリスにそんな勢力など確認できなかった。

 

 異能の力を扱う……という意味ではマフィア界にもエヴォカトーレファミリーというマフィアがいるが、あのファミリーが扱う異能は科学的な超能力とも魔術とも違う霊能力というべき力だ。ある意味では憑依の能力を持つ骸などの術士に近い。

 

 だからこそ、これらの事実を踏まえてボンゴレではこの結論が出されていた。

 

「従って、ここはやはり異世界と考えるのが妥当でしょう。既にボンゴレはこの学園都市のあるこの地を異世界と判断してあの匣兵器を元に調査を開始しています」

 

「やっぱり……そうなんだ」

 

「この学園都市の狙いは恐らく……つーかほぼ間違いなくボンゴレリングッスね。10代目を最初に拉致すれば守護者である俺達も必ず集結する。必然的にボンゴレリングも七属性揃うという寸法です」

 

 現在では姿形を変えてVG(ボンゴレギア)となっているが、(トゥリニセッテ)の一角であるボンゴレリングの力をこの街が欲しているのは想像に難くない。何せ絶対能力者(レベル6)などというものの為だけにあれほどまでに悍ましく、残虐な実験を行うような街なのだから。ボンゴレリングの力を何かの実験に悪用する。そんなところだろう。

 

「封印されたマーレリングや復讐者(ヴィンディチェ)の管理下にあるアルコバレーノのおしゃぶりに関してはどうするつもりなのかは分かりませんが、(トゥリニセッテ)の中ではボンゴレリングが一番奪い易い状態ですからね」

 

 ツナ達の世界を創造した礎とも言われる究極権力の鍵。縦と横の時間軸を司り、世界のバランスを保つ核とも言える存在。その実態は地球上の生命力のバランスを補正し、正しい進化に向けて生命を育む装置だ。

 進化……という観点では超能力者(レベル5)から絶対能力者(レベル6)に至るあの実験にも通じるものがあるかもしれない。

 

 学園都市の狙いに関する推測を述べた後、獄寺は次の議題に切り換える。

 

「次は俺達をこの世界に飛ばしたあの匣兵器についてです」

 

「!」

 

 あの日、何故かツナの鞄の中に紛れ込んでいた匣兵器。アレを開匣した事がこの学園都市に飛ばされた原因だった。やはり獄寺の元にも同じ匣兵器が届いたのだろう。

 

「俺がこの街に来る12日前には俺の元に届いていたんですが、ボンゴレの研究チームの方で解析を先にする事になってしまい、来るのが遅れてしまったんです」

 

「解析?」

 

「はい。10代目が開いた転送用の匣兵器はその後何処かに消えてしまい、リボーンさんでも見つけられなかったんです。そこで元アルコバレーノのヴェルデを中心に入江やスパナ、ジャンニーイチがあの匣兵器の仕組みを一部解明し、俺が開いた後も解析・研究が可能になった為、開匣の許可が降りたんです」

 

 挙げられたメンバーの名を聞いてツナは少し驚く。正一とスパナはともかく、いくら虹の代理戦争の件があったとはいえ、リボーン曰く自己中なヴェルデが協力してくれたという話は意外だった。いや、単にあの匣兵器に興味を持っただけかもしれないが。

 それに名前だけ聞いた事があっても直接的な面識のない人物の事も気になった。

 

「あのヴェルデに……ジャンニーイチって、確かジャンニーニのお父さんの?」

 

「はい。ジャンニーニと違って超一流の武器チューナーですからね。リボーンさんや9代目も迷わずジャンニーイチに依頼したようです。今回ジャンニーニはリボーンさんに戦力外通告をされてました」

 

(ナチュラルにひでえーーー!!)

 

 けど何故だかジャンニーニに同情する気は起きなかった。以前リボーンの銃火器や獄寺のダイナマイト、ランボの10年バズーカなどの武器を軒並み使い物にならなくした前科がある為、例の匣兵器に関わる事を禁止されたのだろう。成長した10年後ならともかく、現在では役立たずどころか疫病神扱いされても仕方ない。未来のユニを通じて10年後の記憶と経験は受け取っているのだが。

 

「ヴェルデが先頭に立って解析した結果、あの匣兵器には既存のどの匣兵器にも使われていない……いや、既存のどの物質にも当て嵌まらない物質が材料として使われている事が分かったんです」

 

「どの物質にも当て嵌まらない物質?」

 

「はい。どんな検査をしても、本来匣兵器に使われるべき原料ではあり得ない化学反応を示し、機材が滅茶苦茶にぶっ壊れて尚、その匣だけは無傷でした。機能にも支障は無く……そのお陰で俺はこっちに来れたんですが……」

 

 そんな風に言われてもツナにはいまいちピンと来ない。非常に丈夫……というわけでもないようだが。

 獄寺はヴェルデの言葉を思い出しながら続ける。

 

「まるで()()()()()()()()()()()だとヴェルデは言っていました。恐らくはこの世界特有の物質なんでしょう。この世界には超能力と魔術なんてものがありますからね。そんな物を用意する事も不可能ではないはずです」

 

「あの匣兵器にそんな秘密が……」

 

 大袈裟なようでそうとしか言いようのない解析結果。いや、むしろそんな結論を導き出せるまでにヴェルデの解析は完璧なものだったという事なのだろう。

 

「その物質に宿る法則性をいくつかヴェルデが見つけた事であの匣兵器が開けば何処かに消えてしまうという作用を抑える事ができました」

 

 流石はダ・ヴィンチの再来とまで謳われる天才科学者と言ったところか。そう言えば白蘭の能力ありきとはいえ、匣兵器の開発者三人の中に彼も名を連ねていたし、幻覚を本物にするなどという出鱈目な装置まで完成させていた。

 その未知の物質の作用を抑える装置を作れる辺り、ヴェルデの天才性はこの街の科学者を凌駕している。

 ここでツナはふとした疑問を獄寺に尋ねた。

 

「そういえば獄寺君の元に届いたのは嵐属性の匣なんだよね?VG(ボンゴレギア)がバックルになっちゃったのに開けられたの?」

 

「それについてはこのリングを使ったんです」

 

 そう言った獄寺の中指には赤い石のリングが嵌められていた。嵐属性のリングである事は分かるが、わざわざ強調して見せるほどの代物なのか。

 

「これは継承式で古里に砕かれた原型(オリジナル)のボンゴレリングの一部の破片とヴァリアーリング製造に使われたボンゴレⅡ世(セコーンド)の至宝、『虹の欠片』の余りを混ぜて製造されたリングです」

 

原型(オリジナル)のボンゴレリング!?それって俺達のこのVG(ボンゴレギア)に……」

 

 当然の疑問に対して獄寺はリボーンから聞いた説明をより簡潔にしてツナに伝える。

 

「ver.アップに失敗した時の保険として、(トゥリニセッテ)バランス保持の為に製造しておいたものだそうです。言わばボンゴレリングのスペア……それがこのネオ・ボンゴレリングです」

 

「そ、そうだったんだ……」

 

 それから獄寺は屈託ない笑顔でチェーンに通された如何にも強力そうなリングを懐から出してツナに差し出す。

 

「これまでは9代目達が保管していたそうです。それとこれが10代目の大空のネオ・ボンゴレリングです。あのウニ頭達の手前、迂闊に出せませんでしたが」

 

「俺の分もあるの!?」

 

 ツナに関してはVG(ボンゴレギア)になっても指に嵌められるリングであった為、問題なく匣兵器を開く事ができたので不要な気がしないでもないが、敵の狙いがボンゴレリングである以上、奪われる可能性も考慮して換えのリングとして渡されたのかもしれない。

 

(いやそれ以前にもしVG(ボンゴレギア)を奪われたらリボーンにどんな目に遭わされるか……)

 

 嫌な想像をしながらネオ・ボンゴレリングをチェーンと一緒に獄寺から受け取り、首にかける。炎の出力は仮の姿のボンゴレリング以上、原型(オリジナル)のボンゴレリング以下らしい。VG(ボンゴレギア)に比べると見劣りしがちだがかなり強力なリングなのは間違いない。

 

 とまぁ、こんな感じで一通りの現状確認は終わり、注文したメニューが運ばれてきて昼食を取るツナと獄寺。それから二人は今後の方針を話し合う。

 

「いずれ山本達もこっちに合流するでしょう。ですから俺達はその為の拠点を作りましょう。これはリボーンさんのご指示です。学園都市に来て、俺もそう思いました」

 

「拠点?」

 

「あの狭い寮に四人でいるのは流石にギリギリですし、山本達が来た時に生活する部屋を用意する必要もありますから」

 

 言われてみれば確かにファミリーが学園都市に来ても全員が上条の部屋に居候する訳にはいかない。狭いし何より上条からすれば超迷惑だ。山本達の生活圏を確保する必要があるし、それならばツナと獄寺もそちらに合わせるべきだろう。いずれは元の世界に帰る方法を見つけなくてはならないのだから。

 

 あんなドス黒い闇を抱えた学園都市の上層部との戦いに上条とインデックスを巻き込めない。御坂美琴を除く一方通行(アクセラレータ)のような超能力者(レベル5)やそれに準ずる能力者とも戦う事になる可能性は非常に高い。これはボンゴレで解決するべき問題だ。

 

「……じゃあ明日、柵川中学校の先生に何処か空いてる寮が無いか相談してみようか」

 

 口ではそう言ったツナだったが、その胸中は複雑だった。並盛に帰りたいとは思っているが、それはつまり上条やインデックスと別れるという事だ。この学園都市での生活圏を確保するという話にしても、上条の部屋を出て他の部屋に住むという事。別れとは違うだろうが、それに近いものはある。

 

 学園都市にいながらも今後は上条当麻とインデックスと常に一緒にはいられないかもしれない。そう考えるとツナは胸を締め付けられるような感覚を覚えた。




ツナと獄寺の現状確認と度々感想欄で指摘されていた居候が増える可能性による上条さんの部屋満員問題についての回でした。これについては何話かに分けて解決する予定です。

獄寺はまだ上条さんを完全には信用していません。インデックスに関してはツナやリボーンから事情をある程度聞いているので警戒する程の者ではないが、魔術師達との戦いを招く要因になる……くらいの認識です。

エヴォカトーレファミリーの名前がちょこっと出ましたが、この小説でのリボーンの世界線はあくまで原作ルートです。フェイトオブヒートのストーリーは含まれていません。

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