リハビリも兼ねて書いてるのでちょっと短く物足りなさは否めません。後日加筆するかも。
とあるキャラが死ぬ気の炎出したらそれぞれ何属性になるかちょっと考えてみた。まぁ少なくともこの小説の設定ではとあるキャラの身体には死ぬ気の炎以前にその為の波動すら流れていないんですが。
上条さん:大空
インデックス:雨
ステイル:嵐
御坂美琴:大空、雷
土御門元春:晴
白井黒子:雲
食蜂操祈:霧
麦野沈利:嵐、雷
削板軍覇:晴
垣根帝督:霧、雲、砂漠
浜面仕上:雨
一方通行:夜
どいつもこいつもなんとなくで書いたので、違うと考える人もいるかと思います。むしろ反論カモン。
作戦会議を終え、明日の決戦までに英気を養う事にしたツナ達は休息の為、主不在の上条の部屋にいた。
「……で、晩飯はどーすんだ。俺らあんま金ねーぞ」
獄寺の言う通り、現在彼らにはあまり持ち金が無かった。学園都市から支給される僅かばかりの奨学金の一部が手元にあるのみで、それも事前に手続きをしているツナと獄寺に支給された分のみだ。山本とクロームにも奨学金は支給されるだろうが、それにはその前に
お金は本当に僅かしかない。この時間では口座からの引き出しもできないだろう。外食はお金がかかり過ぎるので論外。弁当を買おうにも口座の引き出し同様、この時間ではこの街の特売の事もありどこのスーパーでも売り切れているだろう。というかそもそも休息をとるべき今、外出は避けるべきだ。買い出し中にまた学園都市の刺客が襲って来ないとも限らないのだ。
「……自炊、しかねーよな」
「「「………」」」
気不味そうに腹を括る獄寺。彼らの中にまともに料理ができる者はいない。精々山本が魚を捌いて刺身にしたり寿司を握ったりできるくらいだろう。一般的な家庭料理が望ましいこの状況ではあまり頼りにはできない。
ツナも上条の部屋に居候してからは家事手伝いはしていたが、それはゴミ捨てや洗濯物の取り込みといったものであり、肝心の料理は上条に任せっきりだった。クロームも食器洗いくらいだろう。獄寺は言うに及ばず。というかビアンキのポイズンクッキングのトラウマをいくつも抱える彼が自発的に料理を覚える気になれるとは考えにくい。
ともかく、上条がツナと一緒に先日の特売で買った食材を調理する事にした。しかし彼らが料理なんてまともにできるわけがなかった。
ツナは野菜を包丁で切ろうとして基本である“猫の手”をせずに指を切り、クロームは米を研がずにそのまま炊いてしまう。
そして上条の部屋にあった料理本を読みながら調理をする獄寺はコンロの火をよく見ずにフライパンの上の肉を焦がすなどとものの見事に以前見た事のある失敗の連続。
苦肉の策として山本がぐちゃぐちゃな切られ方をした野菜と焦げた肉をそれっぽく合わせて寿司みたいな形に握ってみたが、そんな形だけの見せかけすらできてないものがまともな味の料理であるはずがなかった。
「ゆ、指が痛い……」
「アホ牛がいやがったらもっととんでもねー事になってましたね……」
「しゃーねぇ、やっぱカップ麺にすっか!」
以前ツナが上条と共にスーパーで買い物をした際に購入したカップ麺。一応これがいくつかあったのでお湯を沸かして注ぐ。栄養のないこんな食事を戦いの前にするべきではないのだが……。
食材の無駄遣いになってしまい、結局こんな貧相な食事をする。物凄く虚しい気持ちになるツナ達であった。上条にも申し訳ない。
この状況に既視感を覚えた山本は感慨深げに呟く。
「……前にもこんな事あったよな」
「笹川とアホ女がミルフィオーレや白蘭とかの事を詳しく教えろって喚いてボイコット起こした時か」
未来でのボンゴレアジトでは家事を二人に任せっきりにしていた為、詳しい情報の開示を求める二人が家事のボイコットを起こした際には慣れない家事でツナ達は失敗の連続。修行も上手くいかずにストレスばかりが溜まっていった。
「色々あったよね……。本当に」
彼女達の支えなくして未来での修行や戦いは成立しなかった。メローネ基地では京子やハルを巻き込んだ正一を責め立てたが、実際に守るものがあった方がツナ達は強くなれたし、それ以上に二人がツナ達を支えてくれていたのだ。そんな当たり前の事にツナ達はその時まで気付いていなかった。
「京子ちゃん、ハルちゃん……」
クロームはむしろボイコットした二人の方に付いていたが、クロームとしては家事云々よりも無条件で自分を受け入れてくれた二人の存在そのものが大きな割合を占めている。
今二人は幻騎士の手によって学園都市の闇に囚われている。何としても助け出したい。もう一度生きて会いたい。
「覚えてる?未来に行った時、二人共リボーンからやばい状況だって聞いて真っ青になってたのに……それでも無理に笑顔になって家事やチビ達の世話をしてくれたよね」
「確かに……あいつらがいつも通りに振る舞ってくれたから、俺らもやれる事をやっていこうって思えたんだよな。あいつらだって不安で仕方なかったのにな」
ハルは10年後の殺伐とした世界を目の当たりにして一度は泣いて帰りたいと嘆いていたし、京子に至っては10年後の了平が行方不明であると知らされて精神的な負担はかなり大きかっただろう。
「立ち直り早すぎて俺は逆に呆れたけどな」
素直じゃない獄寺はこんな事を言っているが、彼自身二人の在り方に心身共に支えて貰っていた為、相応に感謝はしていた。
そしてラル・ミルチからの修行を受けたあの日京子とハルが作ってくれた夕食はカレーだった。とても美味しかったのを覚えている。
「もう一度食べたいな……。京子ちゃんとハルのカレー」
あのカレーと比べると大して美味しくもないカップラーメンを啜りながらツナはぼんやりとした表情で呟く。獄寺と山本、そして当時はまだ合流していなかったクロームも同意しているのか、少しだけやるせない表情になる。
その直後だった。鼓膜が破れるのではないかと思える程の巨大な叫び声が外から響いたのは。
「何処だぁぁぁぁぁぁっ!!京子ぉぉぉぉ!!沢田ぁぁぁぁぁぁっ!!!」
『!?』
物凄く聞き覚えのある声だった。それが京子とツナを呼んでいた。
思わずツナはベランダに飛び出て身を乗り出して辺りを見渡す。まさか……という期待を胸に抱きながら。するとこれまた物凄く見覚えのある白髪の芝生頭が暑苦しく騒ぎながら走り回っていた。
「京子ぉーーー!!」
「お兄さん!?」
「笹川先輩!」
言わずと知れた晴の守護者にしてライオンパンチニスト、笹川了平である。先程から話題に上がっていた笹川京子の実の兄でもある。
「おおっ!沢田!そんなところにいたのか!!山本達もか!!」
驚いたツナと山本の声に反応してこちらに気付いて見上げてくる了平。一応ここ七階なのだがよく一発で見つけられたものだ。
とにかく外で騒がれても近所迷惑だし、情報共有や諸々の為にも一度外に出てから了平を上条の部屋へと招く。
「お兄さんも学園都市に来てたんですか?」
「うむ。今日の昼頃からな」
「俺達が幻騎士達と戦った時かその前後からか」
「それからずっとこの街を走り回ってたんですか?」
「沢田も京子も何処にいるかサッパリだったからな」
友と妹を探して見知らぬ街を走り回り続ける。その気力と体力と精神力は相変わらず物凄い。流石は常時死ぬ気男と言えよう。
そんな話をしながら了平にもカップラーメンを振る舞い、ついでに包丁で切ったツナの指は了平の晴の炎で治して貰った。
因みに了平が現在把握している事は幻騎士達が敵である事と京子達が攫われた事くらいだ。学園都市について詳しく説明しても彼が理解するには何時間もかかるからである。そしてその場合も本当に極一部を中途半端にしか理解できないだろう。故にその辺の説明は後回しにした。
とにかく了平がここまで来た大体の経緯は聞いた。それと同時に納得した。
「そっか!リボーンが言ってたこっちに来てる仲間ってお兄さんだったんですね!」
リボーンとの通信で学園都市に向かった
それを聞いて獄寺はある事実に行き着く。
「……それなら晴属性の例の匣もボンゴレの方で保管してあるはずです!」
そう。ボンゴレはヴェルデが開発した装置によって転送用の匣兵器が消えてしまうという作用を抑える事に成功した。実際獄寺、山本、クロームが開いた匣兵器はボンゴレが保管していると聞いた。
「って事は……リボーンも学園都市に来れる!?」
了平が開いた匣は晴属性。つまり晴の元アルコバレーノであるリボーンにも開匣は可能なはず。リボーンが学園都市に来てくれれば京子とハルが囚われているこの現状をひっくり返せるかもしれない。
そんな希望の光は了平の次の一言で打ち砕かれた。
「何だ?赤ん坊の元にも例の匣が届いているのか?」
『……え?』
了平は何がなんだかよく分かっていない顔でそんな事を聞いてきた。嫌な予感がした山本は確認を取る事にした。
「えーっと、笹川先輩……あの匣兵器が届いたらまず小僧に連絡して例の装置の所で開くように……って小僧に言われてたっスよね?」
「うむ。そういえばそうだったな」
「お、お兄さん……?」
「まさか……」
「こ、この極限バカが……!!」
全てを察したツナ達。了平は迷いなく自分の行動を口頭で振り返る。
「俺はあの匣を見つけ次第、その場で開匣した!!」
「たちまち意味ねーー!!」
ツナ達を学園都市に転送するあの匣兵器は開くと開匣者を学園都市に送ると同時に何処かに消えてしまう。先述した通り、その作用を抑える方法をヴェルデの協力によって手に入れたというのに了平はそれをせず、リボーンに一言断る事もなくすぐ様開匣してしまったらしい。
これでリボーンが学園都市に来るというツナ達の希望も絶たれてしまった。了平が開いた匣はツナの開いたもの同様、消えてしまっているだろう。
「なんでまずリボーンさんに報告しねーんだ!俺んとこに匣が届いてから解析中に散々言われただろーが!!」
「京子の一大事だ!じっとなどしてられん!!」
(リボーンが来たら何とかなるかもと思ったのにーーー!!)
言われた事を守らない……というよりすっかり忘れていた了平のアホ過ぎる行動にキレる獄寺。妹の危機に動かずにはいられない了平。
ツナとクロームはあんまりな現状を前に固まってしまっている。まぁ戦力が増しただけ京子とハルの救出の可能性が高まった……と思いたい。
そんな中、山本はある疑問を思い浮かべた。
(じゃあ小僧は誰の事を言ってたんだ?)
了平の話の通りならリボーンは了平が学園都市に来た事は把握していないはず。ならばリボーンが言っていた学園都市に向かった
そう考えているが口喧嘩する獄寺と了平を見ていると思わず口が綻び、疑問も頭から抜け落ちてしまう。
「山本君……?」
「何ヘラヘラしてやがんだお前は」
山本の視線に気付いたクロームと獄寺は怪訝な顔をする。
「ハハッ♪だってよ、笹川先輩も合流したし、何よりこないだからいなくなってたツナがいるからな。なんかいつもの俺らって感じがしねーか?」
山本の言葉にツナは確かにそうだと思った。了平が加わった事でこの場の空気は普段の並盛中で過ごす日常にかなり近くなった。
「すっとぼけた事言ってんじゃねーよ野球バカが」
だが獄寺は山本の言葉をある意味で否定する。確かに山本の言葉にも一理ある。しかしそれには決定的に足りないものがある。
「笹川とアホ女を取り戻して全員揃ってこそ、いつもの俺らだろーが」
獄寺の発言が意外過ぎて四人は固まってしまった。いや、これまでの戦いや過ごした時間によって獄寺はツナだけでなく他の仲間の事も大切に思っている事くらい知ってはいたが、それでもそれをここまで素直に表に出すとは思わなかったのだ。
「……確かに、獄寺の言う通りだな」
「うむ。極限に京子もハルも助け出さねばな」
「うん……」
そして彼らの生暖かい視線によって自分の発言の意味に気付いた獄寺はハッとして少し顔を赤くしながらバツが悪そうに座り込んだ。
「でもそれならランボの奴も入れてやらねーとな!」
「……いやアホ牛はいらねー。うぜー」
(台無しだーーー!!)
同じボンゴレ10代目であるツナの守護者であり、ハチャメチャな日常を彩る一人でもあるランボも輪の中に入れようと言う山本だったが、ランボのウザいところにいつもムカついて喧嘩をしている獄寺はバッサリと爪弾き宣言。良い事言ったのに台無しである。
「にしても驚いたぜ。まさか獄寺があんな事言うなんてよ」
「な……、ただ俺は10代目の右腕としてだな……」
「分かってる分かってる。けどツナの右腕をお前に譲る気はないぜ。やっぱりツナの右腕は俺でお前は耳たぶって事で!」
「なっ!?だったらテメーは肩甲骨だ野球バカが!!」
またも以前聞いた事のあるやり取りでツナの右腕の座を争う獄寺と山本。そこに暑苦しい了平も加わり三人でギャアギャアと喚く。この階にはもう上条と土御門以外に住人はおらず、その当人達……旅行中の上条はともかく何故か土御門も不在の為、近所迷惑にはギリギリなっていないがそれでもうるさい。
しかしいつもならこの光景を見て白目を剥いてガーン…という音と共に心中でツッコミを入れるはずのツナは少しだけ安心したかのように三人を眺めていた。
これこそ山本や獄寺の言う、『いつもの自分達』に近い光景だったからだ。
その理由は明白。了平が来た事で沈んでいた空気が晴れやかになったからだ。『ファミリーを襲う逆境を自らの肉体で砕き、明るく照らす日輪』という晴の守護者の使命を正に果たしたと言えるだろう。
ツナの様子に気付いたクロームは疑問符を浮かべながら呼びかけた。
「ボス……?」
クロームの呼びかけに対してツナは改めて固めた決意を短く告げる。
「……絶対に帰ろう。みんなで並盛に」
かつてヴァリアーとのリング争奪戦の時にリボーンは言った。ツナ達は京子達と共に過ごす日常に必ず帰るのだと。
勿論最初からそのつもりだし、これまでの戦いは全てその為のものだ。
だからこそ、獄寺に山本、了平が目の前でこれまでの日常の象徴といえる騒ぎを繰り広げてくれた事がツナには嬉しかった。ここに京子とハルは勿論、ランボやイーピン、リボーン……他の仲間達も加われば日常そのものだ。
それを取り戻す為に……戦う。これまでの日常をずっと繋げておく為に。
決戦は……明日。
クロームはあまり会話に参加しないから描写しづらい。
本当は了平は幻騎士達との決戦中に合流する予定だった。けどこの回の空気の元で獄寺に今回の台詞を言わせたいが為に合流を早めました。
え、第七位……?……それは次回以降。
リボーン二次ではユニと凪ばかりピックアップされるけど私はやっぱり京子ちゃんが好き。いつか憑依ツナ書きたいけどその時は京子ちゃんがヒロインになると思う。