RELEASE THE SPYCE:ツキカゲアゲイン   作:Lycka

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雪→可愛い  モモ→可愛い
命→可愛い  楓→可愛い
初芽→可愛い  五恵→可愛い

スパイってカワイイのが前提条件なんですかね。

2話、ご覧下さい。



SPYCE 2#邂逅

 

 

 

 

 

 

『今日の夜は動けるようにしておいて』

 

 

 

 

と言われてもなぁ......。その後に場所が書いてあるメールが1通きただけだしアイツの意図がさっぱり分からん。というか動けるようにって何するつもりなんだよ。稽古とかなら道場に来いって言ってくれれば良いのに。

 

 

 

 

「ま、取り敢えず行きますかね」

 

 

 

グズグズしててもしょうがない。これもいつもの事だし付き合ってやるか。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「あの〜」

 

「喋らないで下さい」

 

 

 

助けてくれたと思ったら相模さんに銃向けられてるんですけど......。今は車に乗ってさっきの人達の仲間を追ってるみたい。ってそんなに冷静に状況理解出来るほど人間出来てないよ〜。

 

 

 

「貴女の事は監視させてもらってたわ」

 

「か、監視?」

 

「出てきても良いわよ」

 

 

 

 

半蔵門先輩がそう言うと、何故か私のポケットから一匹のカエルがピョコンと出てきた。

 

 

 

「その子はカマリ。一応シノビとしての訓練を受けてます」

 

「シノビ?訓練?というかいつの間に!?」

 

「それはメイが忍ばせといたよ〜」グッ

 

 

 

Wasabiでモモちをハグした時にね♪、と命ちゃんが続く。私全然気付かなかったよ......。この子監視って事はずっとポケットの中に居たのかな?

 

 

 

「......監視って事はあの独り言もですか!?」

 

「はい、カマリを通してバッチリと♪」

 

 

 

は、恥ずかしい!まさか当の本人である半蔵門先輩に聞かれてたなんて......。

 

 

 

「......雪ちゃんちょっと」

 

「半蔵よ、何かあったの局」

 

「道の真ん中に人が立ってるんですけどどうします?」

 

 

 

身動きは取れないけど頭ぐらいなら動かしても良いよね?車のフロントガラスの向こうを見てみると確かに道路の真ん中に人が立ってた。って冷静に状況確認してる場合じゃないよね?このままだとあの人車で轢いちゃうんじゃ......

 

 

 

「......そのまま速度を落とさないで」

 

「えぇ!?あの人轢いちゃって良いんですか!?」

 

「大丈夫よ、だから絶対にスピードは落とさないで」

 

「まぁ雪ちゃんがそうまでして言うのなら」

 

 

 

半蔵門先輩の言う通り、車はスピードを落とすことなく道路を一直線に走り抜ける。というか逆にスピード上がってる気がするけど......。

 

 

 

「当たりますよ!?本当に良いんですか!?」

 

「貴女は黙ってて下さい」

 

「は、はい......」

 

 

 

尚も止まることなく、かといって進路を変える事もなく突き進む車。一向に半蔵門先輩は何も言ってくれないし他のみんなも半蔵門先輩の言う通りにしてるし。実はこの人達もヤバかったりするのかな......。とか言ってる内にもうすぐ当たりそうなんだけど!?

 

 

 

 

「......大丈夫よ」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、安定で連絡ないな」

 

 

 

あれから数十分経ったのに関わらず一切連絡無しと。春とはいえどそろそろ肌寒くなってきたんだけど。相変わらず俺への対応が酷すぎませんかねあの人。

 

 

 

ブロロロロ

 

 

「お、やっと来たか」

 

 

 

 

まだまだ遠いが車のナンバープレートと車体を確認する。教えてもらってたナンバーで車体もそれっぽいので間違いなさそうだ。言われてた時間と全然違うんだけどそれはもう許そう。

 

 

 

とか考えてる場合じゃないかもしれない。確認したは良いものの車が速度を落としてくれないのである。見た感じ全然スピード落ちてないしむしろ早くなってる気がするし。これ俺が轢かれる未来が数十秒後に訪れる気がするんだけど大丈夫?

 

 

ブロロロロ!!

 

「ちょ、本気で轢く気か!?」

 

 

 

 

このままだとマジでお陀仏コースまっしぐらだ。流石にまだアイツのところに行くわけにはいかない。未だスピードを保ったままこちらへ向かって真っ直ぐ走る車。既の所で後方へ飛び移りお陀仏コースを回避。そのまま車体の上に乗り落ちないようにバランスを保ちながら助手席の窓を2.3回ノックする。

 

 

 

「あら、大丈夫だった?」

 

「本気で轢く気かと思ったぞ」

 

「貴方なら大丈夫だったでしょう?」

 

 

 

大丈夫か大丈夫じゃないかでするような行動じゃないんだよなぁ。俺があそこで足を引っ掛けて動けなかったら普通の事故だからな。

 

 

 

「あの......先輩この人は?」

 

「というかこの人さっきの道路の人!?」

 

「道路の人って覚え方酷いな」

 

「す、すみませんつい」

 

 

まぁあながち間違えてないから強く言えないけど。場所言われてそこで待ってろと言われれば待つしかないだろう。それが例え道路のど真ん中だとしてもな。最初は全然意図すら掴めなかったけど、今思い返せば多分最初からこうするつもりだったんだと思う。

 

 

 

「メイと初芽ならもう思い出したんじゃない?」

 

「......あー!思い出したさっくんだー!」

 

「さっくん?」

 

「そう呼ばれるの懐かしいな」

 

 

 

でもさっくんって呼んでたの命しかいなかったけどな。何かとあだ名をつけたがりな命が最初にあだ名をつけたのが俺の"さっくん"だったりする。

 

 

 

「師匠、この人は?」

 

「名前は絢辻咲斗、私や雪ちゃんと同世代のツキカゲメンバーだった人です。でも何で私や命ちゃんは忘れてたのでしょうか......」

 

「そこは後で説明するわ、取り敢えずアイツらを追うわよ。貴方にも手伝ってもらうわ」

 

「ここまで来たら手伝うよ、よく分からないけど一人睨んできてる子もいるし」

 

 

 

ピンク髪の子に銃を向けているのにも関わらず俺の事睨んできてる子いるし。まぁさっきの情報だけじゃ信じてもらうっていうのも無理あるかもしれないし。実力見せるのが一番手っ取り早いだろうからな。

 

 

 

そして初芽の開発した車の能力をフルに使って逃げていた敵を捕捉。上手く一本道への誘導を成功させ距離を縮めることにも成功。しかし中々しぶとく逃げているので強行手段......に出ようと思った矢先逃げていたトラックから1機だけ先ほどのロボットが出てくる。

 

 

 

「あれをお願い」

 

「りょーかい」

 

「大丈夫なんですか?私がやっても良いんですけど?」

 

「まぁまぁ楓も見てれば分かるって!」

 

 

 

改めて車体の上に立ち雪から渡された刀を抜く。何もかも久し振りで上手くやれるか分からないけどやるしかないか。

 

 

 

「──熱く、鋭く」

 

 

 

 

一気にトラックの方へ飛び移り右腕のアームを振りかぶってきたのを躱す。そのままアームを伝って出来るだけロボットへ近づいていく。その途中でも片方のアームでの迎撃を刀を使いながら被害を最小限に抑えつつ最も効率的に無力化できる場所に向け進む。

 

 

「す、凄い」

 

「衰えてはいないようね」

 

 

大体この型式のロボットは頭付近に集中的に制御回路が積まれているはず。ならばそこを一点集中で攻撃するまでだ。

 

 

「ここか!」

 

 

 

攻撃を躱し頭へ到着しそのど真ん中に向け刀を突き刺す。するとロボットは電源を落としたかのように動く事は無くなった。というかこの刀相変わらず切れ味抜群だな。

 

 

その後、ロボットは崩れ落ちその反動でトラックもバランスを保つ事が出来なくなりなし崩し的に動きを止める事となった。久し振りにしては上手くやれた方だと思うけどな。

 

 

 

「モモ、覚えておいて。初めに自信が無いのは当たり前よ。積み上げた努力とその成果が自信に繋がる。後は......一握りのスパイス」

 

「スパイス......」

 

「良い雰囲気の所悪いんだけどこれ大丈夫?」

 

 

ロボット燃えてるし車燃えてるしで大変だと思うんですけど。このままだと大爆発起こりかねないよ?良いの?空崎爆発しちゃうけど良いの?

 

 

 

「初芽」

 

「お任せあれ♪」

 

 

初芽が何やらリモコンらしき物をポチッと押すと、車からホースのようなものが伸びてくる。そして近くにあった消火栓にもう片方のホースを繋ぎ勢いよく水を噴射し徐々に鎮火していく。

 

 

 

「あ、凄く便利なのねこの車」

 

「はい、プロデュースby私ですから!」

 

 

 

みんなある意味全然変わってなくて安心するよ。ウチの門下生だけはちょっぴりサディストっぷりが強化されてるかもしれないけどな。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「ふわぁ......眠い」

 

「朝からだらしないわよ」

 

 

 

なんやかんやあった日の翌日。あの後ピンク髪の子......確かモモって言ってたっけな。あの子をツキカゲにスカウトするらしくWasabiの地下にあるツキカゲの基地に一度連れて行くらしい。俺も久しく入ってないからなんか楽しみだ。

 

 

「仕方ないだろ、昨日結局お前んちで遅くまで稽古してたんだから」

 

「これからまた復帰するんだから当然でしょう」

 

「言っとくけどあのメニューは異常だからな」

 

 

もしかしてあのメニューをそのまま弟子にやらせようとしているのだろうか。だとすれば鬼教官にも程がある。復帰直後の俺でも一応は元ツキカゲメンバーだ。前はこんな稽古を1日に数回こなしてた気もする。でも入りたての子に出来るような稽古でも無いからなぁ。ホント師匠とは似ても似つかないな。

 

 

 

「久し振りに刀を握った感想はどう?」

 

「それを言うなら久し振りの実戦だな。今までも別に何もしてなかった訳じゃないし」

 

「あら、一人でこそこそ何をしてたのかしら」

 

「変な感じで言うなよ。というかお前も途中からはちょくちょく顔出してただろうが」

 

「当たり前でしょう」

 

 

 

実戦という意味合いでは確かに久し振りだった。たかがロボット一体なら実戦と言えるかどうかは少し分からないが。

 

 

 

「朝ご飯は食べてきたの?」

 

「起きたばっかだから食べてないな」

 

「朝ご飯食べないと動けないわよ」

 

「別に今日体育無いんだし良いだろ」

 

「そういう問題じゃないのよ」

 

 

 

雪は呆れた顔をしつつ、おそらく炊き立てであろう白ご飯をよそい2人程が使えるテーブルへと置く。これは食べろという意味で合ってるよな?これで食べようとして"貴方の分じゃないわよ"とか言われたら怖い。ツキカゲ1のサディスト雪さんチョー怖い。

 

 

 

「......食べないの?」

 

「あ、やっぱ俺の分?」

 

「私はもう食べてるから食べなさい」

 

「なら遠慮なく......いただきまーす」

 

 

 

その後、味噌汁やら焼き魚やらなんやらを沢山持ってきたので取り敢えず完食しておいた。この量を朝ご飯で食べたのも久し振りな気がする。逆にお腹いっぱいで動けそうにない。

 

 

 

「そういや結局あのモモって子を弟子に取るのか?」

 

「今のところそういう予定よ」

 

「ほーん」

 

 

コイツがとうとう弟子をとる時代になったと思うと何処か複雑な気持ちになってしまう。不安でもなく焦りでもない感情が心の中をグルグルと駆け巡る感覚に陥ってしまう。

 

 

 

 

「あの子は強くなるわ」

 

「何を根拠にそう思うんだよ」

 

「......勘よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「────君はもっと強くなれる」

 

 

「────何でそんな事が言えるんだよ」

 

 

「────女の勘ってやつかな♪」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

「......やっぱアイツの弟子だな」

 

「何か言った?」

 

「いんや何も、取り敢えず学校行くか」

 

 

 

 

 

その気持ちの答えを未だ出せないまま、ずっと止まっていた刻が動き出そうとしていた。

 

 

 

 

 

-To Be Continued-

 

 





カワイイのはデフォルト。
初期値限界突破。
可愛いは正義なのです。
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