カルデアの通路の一角にガラスばりの自動ドアがある。
そこは、カルデアの士気を高める物が設置されている。
私は、そこで荷物整理をしていた。
そこにある一団が入った。
「店主さん、お邪魔します。」
「お母さん、お菓子買っていい?」
「マスターさん、私も買っていいかしら?」
「いいよ。一人300QPまでね。」
「「「やったー。」」」
入ってきたのは、上から順にジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ、ジャック、ナーサリー・ライム、そしてカルデアのマスターの藤丸立夏である。
ここは、カルデアにある購買部である。この購買部は飲食物に日常品はもちろんのこと、果ては電化製品までありとあらゆる物を販売している場所なのである。
入ってきた一団に私が声をかけた。
「いらっしゃい。」
そもそもなぜ、カルデアに購買部があるのか。それには訳がある。職員のストレス軽減である。
カルデアは、南極という人間が日常生活を送るには極めて困難な場所にある。つまり、外に出かけることすら難しいこの場所で、気軽にショッピングに行くことはおろか、自分の欲しい物を手に入れることすらままならないのだ。これは結構ストレスになる。その問題を解決するために作られた部署である。
元々は、実験的に導入し提案者である私が運営した。これがストレス軽減に繋がったため、提案者の私が現在も管理運営している。
そう振り返っていると、チビッ子三人組とマスターはお菓子コーナーへと向かっていた。
「う~ん。今日は何にしましょう。」
「あっ、これにしよう。」
「これにしようかしら、でもオーバーしちゃうしどうしましょう。」
チビッ子たちは、お菓子を選ぶのに夢中のようである。
「あの店主さん、ちょっといいですか?」
すると、その三人から少し離れてきた立夏ちゃんが声をかけてきた。
「何か探し物?」
「はい、あのお菓子ありますか?」
「ああ、いつものお菓子ね、あるよ。今取って来るからちょっと待ってね。」
あのお菓子とは私が、ネタで作ったお菓子で売れるかなと思い作ったはいいが立夏ちゃん以外食べる人がいなくて発売停止したが、立夏ちゃんの要望で一月に4個ほど作っている。
私は、倉庫からそのお菓子を持ってきて立夏ちゃんに渡した。
「はい、いつもの。」
私がそのお菓子を渡すと大事そうに抱きしめている。
「店主さん、いつもありがとうございます。」
立夏ちゃんが、持っているのは私が作った
ポテトチップス 泰山名物麻婆豆腐味 (ビックサイズ)
販売価格五千QPである。
これは、ある中華料理の店の味を再現したお菓子で、そこの店主の神父に味見してもらい、ダメ出しをくらいながら完成させた一品である。
因みに人理焼却前は、その神父さんが箱買いしてくれていたので売上があったのだが、人理焼却後は売れなくなったので、倉庫にしまっていた。
しかし、立夏ちゃんがカルデアのスタッフからこのお菓子の話を聞き、買いに来たことで販売している。
「いやー、これがないと元気でなくて。」
このマスター、超激辛好きでたまに自分で激辛料理を作ったりしている。
しかし、香辛料の刺激臭がひどいと苦情が度々あり、作れなくなったのでこの商品を買いに来ている。
「お母さん、お話終わった?」
ジャックちゃんが立夏ちゃんに声をかけてきた。チビッ子達の買い物が終わったらしい。
「終わったよー。店主さんお会計お願いします。」
四人をレジの方に案内して会計をする。
「それでは、合計で5894QPになります。」
立夏ちゃんは、カードで払い商品を受け取った。
「店主さんまた来るね。」
「「「バイバイー」」」
そういった店を出ていった。
「またのご来店をお待ちしています。」
これは、カルデアでサーヴァントなどを相手に商品を販売する人間の物語である。