俺、HP0なんですけど?   作:アルバティル

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第二層

「よし、行くか」

 

 

 第二層へと戻ってきた俺は速攻で東エリアに向かって走り出した。

 事前にWikiで調べた限りでは東エリアのボスはホワイトスノウスネーク、白雪蛇といったところか? 

 取り巻きはおらず、単身らしいのだが攻撃力がかなり高く高い防御力をもった装備を付けていないとほんの数発でHPが0になるらしい。

 

 

 麻痺の視線、毒、素早い動き、高火力と4点揃って超いやらしいボスという事だ。

 ‪α‬とβ、どちらも変態☆紳士さん含む精鋭96人のプレイヤーでぶつかったらしいのだが、まともに戦えたのはその中でも10人くらいだったらしい。

 

 

 現在の俺のレベルは11レベ、攻略を行うにはかなり低いレベルだと言えるが一切のダメージを受けない俺にはそんな事は些細な問題だ。

 とりあえず殴って攻撃が当たってダメージが入れば勝てる。

 ボスの経験値は10万、討伐報酬で貰える金は211万2000ガルン。

 とりあえず今回は200万くらい貯金するつもりである。

 第一層の転移の広場の買い上げを目指すぜって感じだ。

 一回1ガルンだけしか取らなかったとしても最終的に何千人ものプレイヤーが移動してくれるようになればそれだけで大儲けになる。

 

 

 総プレイヤー数は現在149万521人である。

 あれからなんか減ってるなとは思う。

 開幕から掲示板で呼び掛けを行っていたり、東エリアの入口に門番みたいな人もたっていたりするのにも関わらず、忠告を無視して先に進んで死んでしまったプレイヤーが何人もいるのだ。

 とは言ってもまだこれだけいるので、上の階層が攻略されて転移の回数が増えれば増えるほど収入が大きくなってくるのだ。

 第二層の転移の広場はさっきちらっと見たのだが、2000万ガルンとどうやら階層×1000万ガルンするらしい。

 上の層も買うのであれば五層刻みや十層刻みにするべきだろう。

 

 

 第十階層の転移の広場は絶対に抑えておきたい。

 ここには各ギルドの総本部と聖神教会の総本山である大聖堂があるらしく、始まりの町よりも多くのプレイヤーが訪れる事になる階層だ。

 特に冒険者ギルドでは他の階層にある本部よりも様々な事ができる様になる。

 その中でも最も重要なのがクランシステムだろう。

 

 

 今この状態でもクランに似たようなギルドというものがあるのだが、それはあくまでも組合システムであり作成してもチャットとギルドバンクが使えるようになるだけで他のメリットは特に無い。

 しかし、このクランシステムであればクラメン共通の倉庫やクランハウス、金のクラメン均等分配、経験値のクラン均等分配、クランアイテムなど様々な事が開放される。

 それにクラン専用のイベントマップ等が‪α‬版では結構な頻度で開催された為に今回もそういったものがある可能性が高い。

 

 

 そして、このクランシステムには24人までという人数制限があるのだが、あるクエストを最後までクリアするとその制限が解放されて何人でも参加する事ができるクランギルドという一般的に言うギルドの形になる。

 このクランギルドの最大のメリットは大規模拠点システムだ。

 ‪α‬版の方でこのクランギルドを作成できたプレイヤーは海外を含めて2億2000万人いる中でほんの100人足らずなのだが、聞く話ではNPCを自作できるらしい。

 

 

 このスーパーな世界でもそんなNPCを自作できるとしたらどうだろうか? 

 間違いなく俺ならヤるね。

 何をとは言わない。

 だが絶対にやるね。

 

 

 とまあこんな感じで第十階層は使われる事が多いのだ。

 町の大きさも第一層の始まりの町より少し小さいくらいの大きさで、かなりの大きさがあるという事だ。

 極東商会の支部もバリバリに作るつもりだし、俺もやる事が多そうだ。

 

 

「えーと、ここが二層のボスエリアか……」

 

 

 一層同様に、移動にはかなりの時間がかかったが、AGIが高くなったおかげか前よりは短時間で到着できた。

 大草原が広がる中にポツンと一つだけ大きな門があるとさすがに目立つので直ぐに見つけることができた。

 

 

「シャァァァァッ!!!」

 

 

 俺が門を開くと、巨大な蛇がどこからともなく現れて大きく声を上げた。

 大気を震わせる程の威嚇は普通の冒険者ならチビっても許されるレベルだ。

 赤い瞳、白い鱗、凶悪そうな牙を携えて徐々にこちらへと近づいてきた。

 

 

「相変わらずすげぇ迫力だな……」

 

 

 この程度で不死身の俺がビビる必要は無いので真っ向面から殴り掛かる。

 HPバーは前回と同じく四本、なんでも北が一本、西が二本、南が三本で東が四本らしい。

 HPバーの数と最大HPは比例する事はなく、HPバーが多いからなんだという話らしいのだが、%系のダメージを使う場合はHPバー1本を参照している為にかなり面倒臭いそうだ。

 

 

「白蛇さんよ、地獄に落ちる準備は良いか?」

「シャーッ!」

 

 

 俺がそう声を掛けると、まるで新幹線の様な猛烈なスピードで突っ込んできた。

 ただの真正面からの猛突進なのだが、この巨体ではそれすらも必殺の一撃になるのだろう。

 

 

「う、うぉっ!?」

 

 

 呆気なくその一撃に吹き飛ばされてしまい、俺は宙を舞うことになる。

 食らった感覚としては生き物にぶつかったと言うよりも、トラックか何かで轢かれたような感じのイメージだ。

 轢かれたことないけども……。

 

 

「あっぶね、チビるところだったぞ」

 

 

 軽業スキルを駆使して軽やかに着地すると、この猛突進をしてきた蛇の方へと向き直って構えをとった。

 体格差があると投げ技が使えなくなるのでここは打撃を撃つしかない。

 前回と同じく、ノックバック系の技だけを気にして、後はひたすらに殴り続けるだけでいい。

 

 

 レベル差がある為、一発の攻撃ではバーの1%削れたかどうかというところなのだが、回復系スキルを持っている訳ではないみたいなのでそのうち殺せるはずだ。

 

 

「シャーッ!!!」

「うぉっ、そう言えば麻痺があるんだったな……」

 

 

 蛇の目が紅く輝いたかと思うと、一気に俺の体が鈍くなった。

 そして動かなくなったところにひと噛み。

 丸呑みにされたらこれ、詰むんじゃないかなとか思ってしまったのだがどうやらそういう攻撃は無いようで毒を食らっただけで終わった。

 

 

 麻痺も毒も俺にとっては些細な事だ。

 麻痺は回復するのを待てばいいし、毒はHPが削られないので少し苦しい気がするだけだ。

 この程度なら問題なく戦いを続ける事ができるだろう。

 

 

「おらよっと!」

 

 

 隙をついて殴る。

 ひたすらに殴る。

 とにかく殴る。

 麻痺をもう一度喰らわないように、‪α‬で培った立ち回りを利用してひたすらに殴る。

 

 

 普通なら16レベル96人で挑むのが基本の相手。

 本来ならば単身で勝てるわけがないのだが生憎と俺は不死身。

 どれだけ強い相手でもダメージがしっかりと通っているのであれば間違いなく粘り勝ちできるのだ。

 

 

「必殺! ただのパンチ連打!」

「フシャーっ!」

 

 

 何の変哲もないパンチをひたすらに受けて、ホワイトスノースネークは地面に崩れ落ちた。

 5時間ぐらいぶっ通しで戦い、何とか勝ちをもぎ取ったのだ。

 

 

「よっしゃァァァァァァ!」

 

 

 俺が雄叫びをあげると、前の時と同じくシステムメッセージが流れてきた。

 

 

【ホワイトスノースネークを討伐しました!】

 EXP+80000

 レベルが上がりました! 

 レベルが上がりました! 

 レベルが上がりました! 

 レベルが上がりました! 

 レベルが上がりました! 

 EXP19010/24900

 

 アイテム

【白蛇の鱗】×25

【白蛇の肉】×50

【白蛇の牙】×4

【白蛇の骨】×4

 を獲得しました! 

 

 ラストアタックボーナス

【白蛇の魔眼】

 を獲得しました! 

 

 お金

 211万2000(ガルン)獲得しました。

 

 エリアボスを討伐しました。

 プレイヤー名を公開しますか? 

 

 ______________

 

 

 ん? 

 なんかWikiには経験値10万って書いてた気がするんだが8万なのか……。

 まあいいか。

 

 

「非公開で」

『第二層、東エリアのボスが討伐されました!』

 

 

 ようやくこれで俺もレベル16。

 やっと呪い系スキルの習得ができるぜ。

 有名なナハトという殴り呪い師、そう言えばこれって『まじない』じゃなくてノロイって読むんだよな。

 昨日Wiki見て初めて気がついた。

 

 

「えーと、所得するスキルは〜っと」

 

 

 まず第1候補は接触系攻撃でダメージを受けた時に、相手にデバフを付ける【恨みの呪い】

 一番最初に習得する事がオススメされているのだが、ダメージを喰らわない時でもこれ発動してくれるのだろうか? 

 俺は常時圏内にいるみたいな感じなので機能してくれない可能性も十分にある。

 

 

 第2候補は【呪われた体】というスキルで敵味方問わず触れた瞬間に『呪い小』を与えるというものだ。

 こちらは上位スキルが2つあり、次は【怨念体】、最終的には【歩く厄災】というものになる。

 スキル【歩く厄災】はかなり強いスキルらしいのだが、周囲にいる味方にも呪いを付与していくためにパーティがまともに組めなくなるボッチ専用スキルだ。

 

 

 第3候補は呪い方向ではなく格闘スキルを強化するというもの。

 柔術スキルや剛術スキルを獲得するのであれば【呪われ体質】はしばらくただの飾りになるが単純な火力は上がる。

 

 

「ん〜、とりあえず勿体ないし、さっさと【呪われた体】取っとくか……」

 

 

 □□

 

 

『このゲームについて色々と語るスレ』

【名無し】

 もう二層クリアしやがったぞ。

 

【名無し】

 自称解放者共が全員ブロックされてて掲示板だけはせめて使わせろって冒険者ギルドで抗議してたな。

 自業自得だろ。

 

【しばぞう】

 変態☆紳士グッジョブ。

 

【たかし】

 あいつらホントPKされないかな……

 

【名無し】

 めっちゃ恨まれてて草

 

【伝説の情報屋】

 画像貼っとくわ(「・ω・)「ホイ

『転移の広場に向かって走る極東の聖人』

 

【名無し】

 まんま邪神教団の暗殺者じゃねぇよ!? 

 

【名無し】

 速報、聖人は邪教崇拝者。

 

【黒の剣士】

 この仮面の耐久力無限だからな。

 装備壊されるの対策してるんだろ? 

 

【名無し】

 じゃあこのローブは? 

 これもなんかそういうアイテムなん? 

 

【黒の剣士】

 さすがにローブ・オブ・エターナルじゃないな。

 まあ、あれは10層以降じゃないと手に入らんが。

 

【名無しの初心者】

 その無駄にカッコイイ名前のローブはなんなんですか? 

 

【名無し】

 エターナルシリーズ。

 ようは耐久力が無限な装備だな。

 

【名無しの初心者】

 そんな装備があるんですね! 

 ありがとうございました。

 

【変態☆紳士】

 東行ってるのにめちゃくちゃ簡単に攻略してるよな。

 俺も単身で南に突っ込みたいんだが。

 

【名無し】

 もうすぐ96人で上の階層に上がるんやろ? 

 それくらいは待ってくれよ。

 

【変態☆紳士】

 上に人が居るってのがなんか新鮮なんだよな。

 速く追い越さねば……

 

【名無し】

 間違いなく一人で独走してるし、もう放置でいいんじゃないかな? 

 向こうも俺らの援助なんて要らんみたいやし、変態☆紳士さん以外は邪魔にしかならないんじゃね? 

 

【名無し】

 >変態☆紳士

 強迫観念に駆られてて草。

 

【変態☆紳士】

 ならとりあえず不干渉っていうルールでも作るか? 

 考察したりするのはありだが、極東の聖人の邪魔をする事を全般禁止でいいか? 

 

【黒の剣士】

 いいんじゃないか? 

 明らかに迷惑掛けるくらいしかできないしな。

 

【変態☆紳士】

 とりあえずルールに追加しておいた。

 そろそろボス攻略の準備しとけよ? 

 しっかり寝て体調整えとけ。

 一人の死者も出さずに上に登るぞ!




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