また、余裕が出てきたので再開なのです
ここはことは違う異界のお茶屋さん………
「私、猫飼う!!」
数ヵ月前、全てはこの一言から始まった。
「は?いきなりなに言い出すんだよ」
フブキの突然の宣言に黒上が半分呆れながら聞いた
「黒ちゃん私は決めたの、猫を飼う!」
「だ~か~ら~その理由を話せって聞いてんだよ!」
そう言いながら黒上はフブキのほっぺを両手でムニーっとしながら言った
「ふりょひゃーん、にゃにしゅにょー」
「オーナーそれでは店主喋れませんよ」
黒上がフブキのことをムニーっとしてるとナザが声をかけた。ナザの膝には猫姫が寝っ転がっており、ナザに髪の毛としっぽをブラッシングされていた。
猫姫は「にゃ~」と気持ち良さそうにしていた。
「むーひどいよ黒ちゃん!!」
黒上のほっぺの拘束から解放されたフブキは少し怒りながら言った
「それは悪かったって、それより早く理由を話せ」
「分かったよ。」
そう言ってフブキは理由を話し出した。
「この前、私おかゆんっと出かけたじゃん」
「そんな日あったな」
「その日ねおかゆんが飼う猫を引き取り行く日でね私その付添人で行ったの、それでその子猫がもうすごい可愛くて、もともと私も猫飼いたかったし、その子猫の影響でもう猫飼いたいって欲がもう限界化しちゃって…」
「あーもわかったから顔を近付けるな」
顔を近付け、早口で語ってくるフブキを黒上はぐぐ手で引き剥がす
「でも、猫なんてもう家に居るだろ」
そう言いながな黒上は猫姫を指差す
「にゃっ!黒さん私は飼い猫じゃないにゃ!!」
猫姫は体を起こし耳を立てながら怒った。
「居候してんだから飼い猫とたいして変わらないだろ」
「私はお仕事だってするし、自分のことだって自分でできるにゃだから飼い猫じゃないにゃ、それに私は猫じゃなくて猫又にゃ、だからそんじょそこらの猫じゃないのにゃ~」
猫姫が自慢げにいっていると黒上がおもむろに猫姫の頭を撫でた。
「にゃ~~♪♪♪」
猫姫は撫でられ嬉しそうに鳴いた
「やっぱり猫だな」
黒上は猫姫の動作を見て頷いた
「にゃー私は猫じゃなくて猫ま………」
猫姫が黒上に反論しようとするとナザが猫姫の頭を撫でた
「ふにゃ~~ナザ~なにするにゃ~?」
「フフフごめんねオーナーが撫でてたから私も撫でたくなっちゃって」
ナザは撫でながら答える
「はぅあ~~ナザのナデナデ気持ちいにゃ~~♪♪♪」
猫姫はとろーんとした顔つきでナザに抱きついた
ナザは嬉しそうに片手で抱き寄せてナデナデした。
「うん、やっぱり猫又じゃなくて飼い猫だな」
黒上はその光景を見て深く頷き、自身も猫姫を撫でた。
「ちょっと!三人とも私の話し聞いてよ!!」
フブキがそう言いながら三人に近付き………気づいたら自身も猫姫のことを撫でていてその日はそのまま全く進まないままお開きとなった。
***************
翌日の夜
「私、猫飼う!!」
「それ、昨日も聞いた」
「わかってるよ!昨日は猫姫ちゃんを愛でるだけで終わっちゃったから今日こそ話すんだから!」
フブキはとても意気込んだ表情でそう言った
「でもさ、お前猫なんて飼えるのか?」
「飼えるに決まってるじゃん!」
「飼うんだったらお前の課金は減らせよな」
黒上のその一言にフブキは顔をひきつらせ
「えっ………えっとく、黒ちゃん………い、今なんて言ったの…?」
フブキは青い顔で震えながら黒上へ尋ねた
「だーかーら猫飼うんだったら毎月課金を減らせって言ったんだ」
黒上の一言にフブキは固まった
「なんでーー!!なんで猫飼うと課金額を減らさなきゃいけないのー!!」
「当たり前だろ、一匹ここに住むやつが増えるんだからその分金もかかるだろ課金額を減らせないようならおまえに猫を飼う資格なんか無い」
黒上の言葉にフブキは項垂れていた
「オーナーそれはいくらなんでも言いすぎては?」
見かねたナザが黒上に聞くと
「お前だって分かってるだろフブキの課金額を減らさないと猫なんて飼えないしそれくらいの覚悟がなきゃ猫にしろ犬にしろ動物を飼うなんてことできるわけないだろ」
ナザも言葉を失い黙ってしまった
「軽い気持ちで動物を…命を飼おうなんて私は認めないそれぐらいの覚悟と責任がないなんて飼い主になる資格なんて無い、フブキ…それぐらいの覚悟はあんの?」
黒上は項垂れるフブキをじっと見つめた
「ある…」
フブキが口を開いた
「私だってそれぐらいの覚悟くらいもん!!猫飼うためらな課金額を減らすこと位出きるもん!!」
「ほんとなんだな?」
「もちろん!」
私の問にフブキは真っ直ぐな真剣な目で答えた
フブキのこの目、久々に見たな
「なら良いんじゃないか」
「ほんと!!」
フブキは嬉しそうに答えていた
「お前らもいいだろ?」
横で見ているナザと猫姫にも声をかける
「私は店主やオーナーが良いのでしたら私は構いませんです」
「私も賛成にゃ~」
「二人ともいいみたいだしちゃんと世話するんだぞ」
「良いの~ありがとうみんな~」
フブキは嬉しそうに笑顔を見せるとスマホを手に取りすごいスピードで動かした
「うおおおおおおお!!!」
「ちょ、なにやってるのにゃフブキさん!?」
「課金額が減るんだから今のうちに欲しいのをあてるんだよーーー!!!」
「フブキーー!!!!」
こいつーーー
「黒ちゃん止めないで~」
「お前さっきと言ったことと違うじゃないか!」
「私はさっき猫を飼ったらだもん、だから今はまだ良いんだよ」
こいつ……なんでこんな時に限って狡猾なんだよ
そんな思いをよそにフブキはスマホの指の速度が止まらない
「あーーも猫姫早くフブキを押さえつけろ」
「わかったにゃ!!!」
私が猫姫に急いで指示すると猫姫はフブキにとびかかった
「にゃっ!何するの猫姫ちゃん!!!」
「課金で家を破産させる気かにゃフブキさんは!!」
「大丈夫だよ、出るまでだから」
「それで出なかったらどうする気かにゃ!!!」
「そしたらナザさんにまたコスプレしてもらうんだもん!!」
「え!?」
「はあ!」
「ハッそうだ」
何かを思ったのかフブキはナザの方に目を向けた、その目は明らかにいつもナザを見る目ではなかった
「ナ、ナザさんまたこの子お願い!新しい衣装が出たの、だからお願いこの子のコスプレまたやって!!」
いやいくらなんでもこいつがそんなことするわけないだろ
そんなことを思いながらナザを見ると
「え、え~っとその衣装はさすがに……♪♪」
「ちょっ!!」
「なんでそんなちょっと嬉しそうなのにゃ!!」
「もう我慢できない!!!!」
フブキは猫姫を振りほどくとナザに組み付いた
「えっちょっとフブキさん!」
「もう我慢出来ないの~~~」
「えっええちょっとてん…」
フブキとナザが取っ組み合っているのを横目に私はフブキのスマホを拾うと課金の設定を取り消した
「これで良しっと…こりゃまた振り出しだな」
そう思うと自然と溜息が出ていた
その後フブキが猫を飼うことを三人に(主に
黒上)からの了承を得るまでは数ヶ月の月日が流れた。
後日猫姫が
「フブキさん、どうやって黒さん説得したのかにゃ」
とさりげなく聞いたさい
「あーそれねー黒ちゃんが欲しかったゲーム買ってあげるって言うのと、そのゲーム優先的にやっても良いって言うのでなんとか了承して貰ったんだ~」
と、どこか遠い目で答えていたという
***************
そして数か月後の今日
今日はふぶき屋にその猫がやって来る日だった
フブキはその猫を迎えに出かけ、その同行として猫姫もついていき、私とナザは二人が帰って来るのを待っていた
「オーナーどんな子猫がたのしみですね♪」
「別に」
「あまり乗り気ではないのですね?」
「当たり前だろ一匹更に増えてただで騒がしいこの家が更に騒がしくなるじゃないか、それに絶対フブキのことだから私も世話絶対押し付けられるし…」
「ですがオーナー…そんなに子猫をお迎えするのが嫌なのでしたらなぜそんなにしっぽを揺らしているのですか?」
「はっえっ!!いやこれはべつになんだかんだで猫が来るの楽しみにしてたんじゃなくて…風、そう!風が吹いてしっぽが揺れただけだから…!」
「ほんとうですか~?」
ジトーっと見ながら迫ってくるナザに冷や汗をかいていると
「ただいまーー」
玄関からフブキの声が響いた
「あっ♪店主、姫ちゃんお帰りなさいなのです」
ナザはフブキと猫姫を玄関で出迎えた。
猫姫は両手いっぱいに紙袋を持って入ってきて
そして、フブキの両手には動物用の籠を大切に抱えていた
「フブキ、それか?」
「うん♪黒ちゃんそうだよ♪♪」
フブキは籠をゆっくりと床に置き籠のドアを開けた。
私達が籠を覗くと籠の奥の方に手のひら程の大きさの子猫が丸まりながらこちらを小さい瞳で覗いていた。
「かわいいにゃ~」
「うん♪♪とってもかわいいよね~」
「でも籠から出てきませんね」
確かに籠の中の子猫は全く出てこようとしてこない
「どうしてなんだフブキ?」
私がフブキに聞くと
「ペットショップの店員さんが言ってけど、ペットを家にお迎えしたらまず最初の2日間位は慣らすためにそっとしておかないといけないんだって」
確かに、この子猫にとってはこの環境は初めてだろうから怯えるのも当たり前か
私達は籠から顔を離し、猫姫が運んできた猫用品の開封と組み立てやペットショップから貰ってきた飼うことにあたるいろいろな書類や飼いかたの指南書や本を読んだりながら話していた。
「なぁフブキ」
「どうしたの黒ちゃん?」
「あの猫の名前って決まってるのか?」
「名前?まだだよ」
「じゃあ今決めようにゃ~」
「そうですね♪♪」
「ん~~………」
「ん~…タマはどうかにゃ?」
「安直すぎだろ」
「黒さん良いじゃないかにゃ~」
「そういやあの猫、性別はどっちなの?」
「あの子はオスだよ」
「では、ヤマトはどうでしょうか?」
「なんかにもつを運びそうな名前にゃ~」
「ヤマト君かーなんか違うんだよねーそれにあの子毛並みは茶色だし」
「あぅ~…」
「ん~…」
「黒ちゃんは何かいい名前ない?」
「ん~…」
名前か…全く思い付かない………
そんな感じで悩んでいるとふとこの前買ったゲームのパッケージが目に入った。
そういえば………このゲームにも茶色の毛並みの猫のキャラクターがいたな…見た目によらず、すごい役にたつから今も使ってるんだよな。
確か………そのキャラの名前が………
「……レオ」
「レオ?」
「うん、レオどうフブキ?」
「うん、うん、すごい良い名前だと思うよ」
フブキは私の提案に嬉しそうに何度もうなずく
「二人ともレオ君で良い?」
「賛成にゃ~」
「いい名前だと思います」
「よーしじゃあ、あの子はレオ君に決定!!」
こうして、私達は一匹子猫、レオ君を加え、四人と一匹の生活が始まった
**************
こうして始まったレオ君を迎えた生活
最初の頃は私以外には全然近寄っていかなかったレオ君もこのところは黒ちゃん達にも懐くようになってきた。
もちろん私も飼い主として………そして何よりレオ君のママとしてお世話しているのだけども…
「どうして最近私に懐いてくれないのレオ君ーー!!」
私の声が部屋にこだまする
現在レオ君はナザさんの膝の上に寝っ転がりながら猫姫ちゃんがユラユラと揺らす猫じゃらしと遊んでいた。
なぜなんだ………どうしてこんなにもこの二人に懐いているんだ…ほんの数ヶ月前まではずっと私が居なかったら寂しそうに「ミー」っと鳴いていたのに…
「浮気なのかレオ君!私というものがいながら浮気なのか!!」
「うるさい、落ち着け」ペシッ
「にゃっ」
わーわーと騒いでいると黒ちゃんからの手刀をくらい我に帰るフブキ
「うぅ…私レオ君に嫌われたのかな?」
「別にそんなんじゃないだろ」
「ほんとう~………」
「あの猫の気持ちはわかんないが多分大丈夫じゃないか」
「だよね!!私に懐いてないわけないよね!!」
「まぁ…多分…」
「でも、なんで二人にあんなに懐いたんだろ…?」
「確かにな………お前ら何かやったのか?」
私は振り向いて猫姫達に声をかけた
「私はご飯を作ってるだけなのですよオーナー♪」
「私も遊んであげたり、一緒にお昼寝してるだけにゃ~」
「うん…フブキ、そりゃ懐かれるな」
「えーーー!!なんでーーそそれより、一緒にお昼寝!?猫姫ちゃん!私でもしたことないのに!!」
「にゃ~~?私はいつ通り縁側で丸まってお昼寝してると、腕の中に入ってくるのにゃ」
「なぬーー!!私されたことない!!」
「それにスリスリしてくるのにゃ~」
毛並みも同じ茶色っぽいし同族って思われてるんだろうな
「なんだとーーー!!」
「フブキ落ち着け!!」
今にでも猫姫に飛び掛かりそうなフブキをなんとかなだめつつ
「あとそうだ、フブキ、レオにご飯普段なにあげてんだ?」
「え、市販のカリカリなんだけど…最近全然食べてくれないんだよ」
「それを加味して、ナザお前いつもなにあげてるんだ?」
「はい♪その日の体調や栄養に気をつけてながら、レオ君の好みに合うように作ってますです♪♪それに作っていく内にレオ君の好みもわかってきましたです」
「あっうん…そりゃ納得だな」
「なんで納得するの!!」
「そもそも、市販のペットフードとこいつの料理じゃ勝負にならないだろ」
「うぅ………負けた…」
ガックリと項垂れるフブキ、するとレオはナザの膝から離れこちらに近付いて来る
「あっ!!レオ君♪♪♪やっぱり来てくれたんだね♪♪」
フブキは両手を挙げてレオ君を迎えようとするけどレオはそれを無視し、私の膝に乗っかり丸まった
「♪♪♪」
ほんと気分屋だな…そう思いながらレオの頭を撫でていると
「く、黒ちゃん………」
なんか黒いオーラをまとったフブキがじっと見てくる
「ギッ………!!!!」
「この………裏切り者ーーーーーー!!!!!!!!」
怒りや悔しさ、嫉妬ののったフブキの叫びはふぶき屋周辺の山々にこだました………
その日の夜………
フブキと黒の自室にはレオ君と気持ち良さそうに寝ているフブキがいた
「なんだ………普通に懐かれてるじゃないか♪♪」
そう思いながら私も瞳を閉じ眠りに入った。
皆さま、読んでいただきありがとうございます
久しぶりの投稿、なかなか話がまとまらずここまで遅れてしまいました。
今後も不定期ですが頑張っていきたいと思います。
感想、アドバイスなどお気軽に書いてくださいなのです♪♪