ありふれた錬成師と治癒師と剣士で世界最強   作:nonohoho

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趣味丸出しの二次作品を250人以上の方に読んで貰えるとは…
みなさん、ありがとうございます✧*。٩(ˊᗜˋ*)و✧*。

ふふふ…今回も大半がオリジナルになってしまった。

キャラクターファイル002

名前  南雲香織(旧姓 白崎香織)
性別  女
身長  163cm
体重  49kg
年齢  18歳
誕生日 7月7日
学校  南陽高校
解説  本作のメインヒロイン
トータスにてステータスプレートに記載された名前は何故か南雲香織。
ハジメの恋人にして婚約者。
趣味は神社仏閣巡りとガーデニング。
性格のベースは原作に沿っている数少ない人物。
ただし、不憫属性やストーカーや監禁だのといった要素は排除してある。
南陽高校では八重樫雫と共に二大女神と言われ男女問わず絶大な人気を誇る途轍とてつもない美少女だ。
腰まで届く長く艶やかな黒髪、少し垂れ気味の大きな瞳はひどく優しげだ。
スッと通った鼻梁に小ぶりの鼻、そして薄い桜色の唇が完璧な配置で並んでいる。
スタイル抜群でもある。
優しく穏やかで誠実な人柄の為、クラスの女子から悩み事の相談される事が多い。
多少の嫌な事も微笑みを絶やさず誠実に対応してくれる人物だが、天乃河光輝を苦手にしていてハジメと雫には会いたくない人だと本音を漏らしたりもしている。
軽い男性恐怖症だがハジメは別。
照れたり甘えたり拗ねたりヤキモチ焼いたりと生き生きとした表情を見せる。
毎日ハジメの為にお弁当を作ったりするなどハジメにとにかく尽くす女性。
香織の料理の腕はプロ級ではあるが母親の影響か、厳選された食材を丁寧に調理するタイプで時間と食費が半端ではないという欠点もある。
高校三年生の7月12日、ハジメの誕生日にプロポーズされる予定が異世界に飛ばされてしまう。



第六話 ありふれた晩餐会

イシュタルは未だ混乱中の召喚者達に休憩してもらう事にした。

ある程度落ち着いたらハインリヒ王国に移動してもらうつもりだ。

 

ハジメはイシュタルの話から現在、自分達が置かれている状況をある程度理解した。 

尤もハジメは全てを理解したなどと自惚れるつもりはないが…

 

まず、エヒトと呼ばれる創世神が上位世界にいる僕達を強制的に召喚した。

関係性は不透明だが転移する瞬間、天乃河光輝を中心に魔法陣が展開されたように見えたので、転移のメインは天乃河光輝だろう…と

エヒトの肖像画と天乃河光輝が似ていたような気がする。

次に召喚された理由が魔人族の強大化に対抗する為、つまり戦わせようという事。

何故、イシュタルの言葉が理解できるのか…

現在の位置は世界最大の宗教団体の総本山にいる。

 

今の所命の危険はないだろう。

ハインリヒ王国で面倒を見ると言っているが…

魔人族と戦って貰うから面倒みるよ!という裏の声が聞こえる…

ここで要請を蹴ったら露頭に迷う羽目になりかねない。

エヒトが創世神なら僕達を呼ぶ必要ないのじゃないだろうか…?

異世界から30人近くも召喚できる力があれば…魔人族なんかどうとでもなるのでは?

又は強大な力のある神獣でも作れば万事解決では?

そもそも誰が魔人族を作ったんだろう?

創世神というくらいだから自分で作ったのでは?

では何の為に…?

戦わせる…為に…?

 

色んな疑問を頭に浮かべ整理するハジメに誰かが近寄ってくる気配を感じ目をあけると…

 

「ねぇ、南雲ハジメ君。今何を考えているのか分からないけど、その考えをここで披露するの?」

北村蒼華がハジメの近くに寄って来て話しかけて来たので、

 

「今の所は何も…逃げたくても行き場がないし…」

「そうね、逃げたとしてもこの人数を養うのも大変よね…」

雫も同意する。

 

「私も同感よ。今は大人しく従うつもり?」

「うん。できれば少しでも良い条件を交渉で引き出したい。」

 

蒼華が微笑みを浮かべて

「貴方とは話が合いそうね、なるべく話を合わせるようにするわ。だから交渉お願いできるかしら?」

「……う、う〜ん…自信はないけど何とかやってみるよ。」

「えっと…北村蒼華さんだよね?蒼華さんが交渉しないの?」

香織がちょっとムッとした表情で蒼華に聞く。

ハジメと距離が近いのが気に食わないらしい…

 

「多分、北村さんが交渉すると天乃河君が横槍をいれるから…だよね?」

「正解よ、南雲ハジメ君!ねぇ、今度一緒に色々と打ち合わせしない?もちろん、二人きりで…」

挑発的な目で香織と雫を見た蒼華がハジメに顔を近づけた瞬間、ハジメの周囲の温度が一気に下がった…ような気がした。

 

「ハジメ君は私の恋人だよ?二人きりはダメだよ?だから私もついていくからね?」

「私がいれば南雲君の負担を減らせると思うわ!だから私もついていくわよ?」

「な、長い話合いなら私もついていくわ!私は料理得意だから簡単なお菓子とかも出せるから私も参加するよ?」

香織と雫に加えて何故か優花も近くに来ていて、参加すると言い出した。

 

「へー南雲ハジメ君、君凄いね…二股どころか三股?だったらついでに私も加えて四股でもいいんじゃない?」

 

「「「絶対だめ!」」」

 

「僕の恋人は香織さんだってば!」

「はいはい、からかうのはこのぐらいにして、打ち合わせだけは後でしましょう?もちろん彼女達も加えてね?」

そう言って悪戯っぽくウィンクした後、蒼華は自分の席に戻っていった。

 

ハジメの北村蒼華の印象はズバリ、キャリアウーマンタイプの美少女だ。

身長は香織と同じくらいで…体型はスレンダータイプだ。

知的な目だが冷たい印象はなく、イタズラっぽい表情を浮かべているせいか愛嬌を感じさせる。

髪型は低めの位置で結んだお団子ヘアだ。 

 

ハジメは愛子先生の様子をチラッと見る。

やっぱりというか、混乱している。

社会科見学の引率として来ただけなのに、異世界に飛ばされて教え子18人、他校の生徒5人、若い…建設作業員4人の実質保護者になったようなものだ。

 

クラスメイト達を見渡すと3つのグループに分かれて話し合っていた。

永山、野村、吉野、辻、……遠藤というグループ

太田、河原、佐久間、清水、篠原というグループ

園部、宮崎、菅原、相川、玉井 というグループ、優花はハジメの所に来ていたが…

 

いずれも過去に天乃河の被害を受けた者達だ。

 

ハジメは香織と雫と優花にこれから話す内容を説明した。

 

「私はハジメ君の考えでいいと思うよ?私は天乃河君達の様子を観察してるね!」

「そうね…私達には少し考える時間も必要だわ。私は先生に伝えた後イシュタルを観察しているわ…」

「私も異論はないよ…永山君と太田君にコッソリと伝えておくよ…」

 

香織と雫と優花はハジメの行動を了承して、自分達の役割を確認しあった。

香織がハジメの太ももあたりをサワサワと触っている姿を見た雫と優花は、やや不機嫌かつジト目をしながらの了承であったが…

 

(さて…始めるか…)

ハジメは気合を入れて、話始めた。

「イシュタルさん、僕は南雲ハジメといいます。いくつか提案があるんですが聞いていただけませんか?」

 

ハジメの言葉にイシュタルは鷹揚に頷きながら答える。

「はい。何なりと御提案下さい。」

 

「まず、現在僕達は何が起きてるのかまだ良く飲み込めていません。そもそも、僕達は全員が仲間ではありません。そちらのテーブルにいる人達の事を僕達は良く知りません。先ずはこちらのグループとそちらの二つのグループ別々に話し合いをしたいと思います。なので落ち着ける部屋を3つ貸していただけないでしょうか?」

 

「それは構いませんが…ここは聖教教会の総本部ですので…宜しければこれから案内しようと思っていたハインリヒ王国で部屋を確保してもらいますので、そこで相談されてみてはいかがでしょうか?」

 

「はい、ありがとうございます。もう一つ提案したいのですが…私達は戦争や戦いなど体験した事がありません。いわば文官を養成する場所にいた人間が力を得たからと言って急激に戦えるようになるとはおもえません。そこで戦争に参加する人間を志願制にしていただけませんか?戦争に参加しない者も、例えば冒険者…のような身分を保障してもらい住む場所を提供していただけませんか?」

 

「志願制ですか…?ふむ…」

考えこむイシュタルに蒼華がハジメに続く。

 

「私達は確かに創世神エヒト様に召喚されたかもしれませんが、志願してきた訳ではありません。戦争に参加しない者は後方支援に振り分けます。」

 

イシュタルはマジマジとハジメと蒼華をみた。

ハジメ達の提案はイシュタルにとっても悪くない話だ。

勇者の仲間が勇者と反目していては体裁がわるい。

勇者に従う5人はすでに参戦の意思を示しているが他は誰も参戦しようとはしていない。

志願したものなら反目してても協力するだろう…

勇者以外は正直価値は無いも同然という本音もある。

 

「確かに…文官に前線で戦え!というのは厳しいですな。後方支援という形で協力していただけるのなら、こちらからお願いするべきでしょう。わかりました。そのように手配いたしましょう。それでは先ずハインリヒ王国に移動しましょう。」

 

「最後に私達の代表はこちらの畑山愛子先生でお願いします。私達の中で唯一の大人ですので…聖教教会や、王国からの要請は愛子先生を通してお願いします。」

 

「なるほど…あなた方の世界は年長者を尊重する世界のようですな。とても好ましい。それにあなた方は神の使徒。戦争に参加しなくても丁重におもてなしいたしますゆえ、ご安心を」

 

香織と雫と優花は必死で無表情を装っていたが…内心驚愕していた。

 

ハジメが狙っていたのはイシュタルに志願制を認めさせること。

戦争に参加しない者の生活の保障。

私達の代表を愛子先生にする事で貴族達などの横槍を防ぐ事。

 

ハジメが狙っていた条件はほぼ全て通ったことになる。

 

「な、何で私が??」

混乱している愛子先生はとりあえず置いておこう…

 

光輝が大人しいと思ったら蒼華、鈴、恵理、遠藤浩介が抑えこんでいた。

浩介…いつの間に…?

 

イシュタル曰く、この聖教教会本山がある【神山】の麓の【ハイリヒ王国】にてすでに、受け入れ態勢が整っているらしい。

 

ハジメの要望は全て了承され、すでに準備が終わった旨が報告されてきた。

王国は聖教教会と密接な関係があるらしい。

 

「それではハイリヒ王国にいきましょう。勇者様、使徒の皆様、私の後についてきてください。」

イシュタルは先頭に立ち、聖教教会の正面門に向かう。

 

聖教教会は【神山】の頂上にあり、正面門は凱旋門もかくやという荘厳な門があり、門の外側には太陽の光を反射してキラキラと煌めく雲海と透き通るような青空という雄大な景色にハジメ達は魅了されたのだった。

 

どこか自慢気なイシュタルに促されて先へ進むと、柵に囲まれた円形の大きな白い台座が見えてきた。大聖堂で見たのと同じ素材で出来た美しい回廊を進みながら促されるままその台座に乗る。

ハジメと香織と雫と優花は寄り添うように台座の中心側にたった。

光輝がハジメを睨みつけているがとりあえず無視する。

 

イシュタルが何やら唱えだした。

「彼の者へと至る道、信仰と共に開かれん――〝天道〟」

 

その途端、足元の魔法陣が燦然と輝き出した。そして、まるでロープウェイのように滑らかに台座が動き出し、地上へ向けて斜めに下っていく。

 

全員、初めて見る〝魔法〟にキャッキャッと騒ぎ出す。

雲海を抜けて地上が見えてきた時、香織がハジメに話しかけてきた。

 

「…ハジメ君、凄い景色だね…」

「…地球で言えば、エベレストの山頂から麓までロープウェイで降りる感覚かな…?」

「そうね…綺麗な景色だわ…」

「平和そうに見えるけど…本当に戦争が起きるのかしら…」

 

眼下には大きな町、否、国が見える。

山肌からせり出すように建築された巨大な城と放射状に広がる城下。

整然と並ぶ街並み。

この台座の向かう先は城の右後方にある立派な塔の最上階のようだ。

トータスで最も格式の高い国ハイリヒ王国の全貌が見えた時、生徒たちから歓声が上がったのだった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

王宮に着くと、ハジメ達は真っ直ぐに玉座の間に案内された。

 

教会に負けないくらい煌びやかな内装の廊下を歩く。

道中、騎士っぽい装備を身につけた者や文官らしき者、メイド等の使用人とすれ違うのだが、皆一様に期待に満ちた、あるいは畏敬の念に満ちた眼差しを向けて来る。

ハジメ達が何者か、ある程度知っているようだ。

 

美しい意匠の凝らされた巨大な両開きの扉の前に到着すると、その扉の両サイドで直立不動の姿勢をとっていた兵士二人がイシュタルと勇者一行が来たことを大声で告げ、中の返事も待たず扉を開け放った。

 

イシュタルは、それが当然というように悠々と扉を通る。

光輝等一部の者を除いて生徒達は恐る恐るといった感じで扉を潜った。

 

扉を潜った先には、真っ直ぐ延びたレッドカーペットと、その奥の中央に豪奢ごうしゃな椅子――玉座があった。

 

玉座の前で覇気と威厳を纏った初老の男が立ち上がって・・・・・・待っている。

 

その隣には王妃と思われる女性、その更に隣には十歳前後の金髪碧眼の美少年、十四、五歳の同じく金髪碧眼の美少女が控えていた。

更に、レッドカーペットの両サイドには左側に甲冑や軍服らしき衣装を纏った者達が、右側には文官らしき者達がざっと三十人以上並んで佇んでいる。

 

玉座の手前に着くと、イシュタルはハジメ達をそこに止め置き、自分は国王の隣へと進んだ。

 

そこで、おもむろに手を差し出すと国王は恭しくその手を取り、軽く触れない程度のキスをした。どうやら、教皇の方が立場は上のようだ。これで、国を動かすのが〝神〟であることが確定だな、とハジメは内心で溜息を吐く。

茶番劇の可能性がでてきてしまった…

 

そこからはただの自己紹介だ。

国王の名をエリヒド・S・B・ハイリヒといい、王妃をルルアリアというらしい。

金髪美少年はランデル王子、王女はリリアーナという。

 

後は、騎士団長や宰相等、高い地位にある者の紹介がなされた。

ちなみに、途中、美少年の目が香織に吸い寄せられるようにチラチラ見ていたことから香織の魅力は異世界でも通用するようである。

 

その後、晩餐会が開かれ異世界料理を堪能した。

見た目は地球の洋食とほとんど変わらなかった。

たまにピンク色のソースや虹色に輝く飲み物が出てきたりしたが非常に美味だった。

 

ハジメと香織は仲睦まじく食事をしていると雫と優花と蒼華がやってきた。

「ご苦労様、南雲ハジメ君。おかげで少しは良い条件になったわね。」

「蒼華さん、ありがとう。おかげで要求が全部通ったよ。」

二人はお互い微笑んで…

「ハジメ君?」「南雲君?」「南雲?」

「!!!!!」

ハジメは香織と雫と優花に睨まれる事に…

その後ヤキモチ焼いた香織がハジメにべったりくっついて離れなくなってしまった…

 

王宮では、ハジメ達の衣食住が保障されている旨と訓練における教官達の紹介もなされた。

教官達は現役の騎士団や宮廷魔法師から選ばれたようだ。 

また戦争に参加しない者も後方支援隊として認める旨も伝えられた。

いずれ来る戦争に備え親睦を深めておけということだろう。

明日の予定も伝えられた。

午前中に騎士団長のメルドからステータスプレートの説明があり、その後各グループに分かれて相談し、夕方前にはメルドと個人面談する事になった。

 

晩餐が終わり解散になると、各自に一室ずつ与えられた部屋に案内された。

香織と待ち合わせした後、香織はハジメの部屋に一緒に入った。

「ハジメ君…疲れているのにゴメンね…」

「ううん、僕も香織さんと一緒にいたかったから…」

「「………」」

しばらく無言になる二人だが…ベッドの前に立ち抱きしめながら…

「あ、あのね…今日は色んな事がありすぎて…朝ファーストキスしてから異世界に飛ばされるなんて…劇的すぎるよね?」

「…うん。今日は香織さんと家に帰ってから…プロポーズして、キスの続きをしたいなー…なんて…思ってたのに…」

「えへへ…私も…そうしたいかな…って思ってたよ?」

「香織さん…」

「…はい…」

「僕と…結婚してください。」

「……わ、私でよければ…喜んで…」

「…よくわからない世界に来ちゃったけど…必ず一緒に帰ろう」

「…はい…」

ハジメと香織は目を閉じて…

「……んっ…」

 

二人はベッドに入り…

 

ハジメと香織は結ばれたのであった。

 




あっ…ステータスプレートまで話が進まなかった…

さてハジメと香織が結ばれました。
ハジメハーレムの偉大なる一歩が踏み出された訳ですが…
蒼華さん、どうしよ…オリ主がでてきたらアンケートでも取るかな…

部屋割りですが
光輝、龍太郎、檜山、近藤、中野、斎藤、愛子は国賓用の上級部屋、
他は下級貴族が使う部屋に割り振られています。

今回は愛ちゃん先生を転移者のリーダーに据える事を主眼にしました。
それと志願制。
ハジメは戦争参加が避けられない以上せめてもの抵抗で志願制を導入してもらいました。
戦争に参加しない人も後ろめたく無いように手を打つ事に成功しました。
ハジメの真の狙いは時間を稼ぎつつ、正確な情報を集める事です。

さて次回はステータスプレート編です。
原作でハジメは無能ぶりを数値にされるという悲惨な目に遭いましたが果たしてこの作品では…?

それでは次回も頑張って更新します(*`・ω・)ゞ

工事完了!

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