ありふれた錬成師と治癒師と剣士で世界最強   作:nonohoho

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ハジメは高校三年生の18歳。こんな感じに変更いたしました。

何故か?それはサイドストーリーの為なのだ。(_・ω・)_バァ〜ン

名前  永山重吾
性別  男
身長  195cm
体重  92kg
年齢  17歳
誕生日 9月10日
学校  南陽高校
解説  ハジメのクラスメイト
柔道部に所属している。
体格は坂上龍太郎と同じだが思慮深く仲間思いの為、クラスのリーダー格だ。
吉野真央とは恋人関係。
過去に天之河に無実な仲間を殴られたので恨みに思っている。
野村、遠藤、吉野、辻は小学校からの同級生で仲がよい。

名前  吉野真央
性別  女
身長  162cm
体重  55kg
年齢  17歳
誕生日 8月30日
学校  南陽高校
解説  ハジメのクラスメイト
永山重吾の恋人。筋肉フェチで永山に惚れてるのか、永山の筋肉に惚れてるのかイマイチ微妙なところ。
お笑いが好きで微妙な冗談が好み。
永山、野村、遠藤、辻とは小学校時代からの友人。



第九話 ありふれた編成

豪華な夕ご飯の後、メルドは全員を集めて発表した。

 

まずは前線で戦うメンバーの発表だ。

 

「天乃河、坂上、北村、谷口、中村の5人は勇者パーティー…メイン戦力だ!」

「…はい!」

天乃河は自分がメイン戦力だと言われて自尊心が満たされていた。

….が、香織と雫が自分につけられていない事に納得いかないようだ。

 

「次に永山、野村、遠藤、吉野、辻の5人は第二戦力として」

「はい!」

永山が静かに了解する。

 

「次に太田、河原、佐久間、清水、篠原の5人は第三戦力として」

「ウィッス」

太田も気合入れて了解する。

 

「次に園部、宮崎、菅原、相川、玉井の5人は第四戦力として」

「…わかりました。」

優花は少し不満そうに言った。

本音はハジメと組みたかったのは内緒にしている。

 

「次に檜山、近藤、中野、斎藤の4人は第五戦力として」

「へーい」

不満顔で檜山が言う。

自分達がこの中で一番低い順位というのが気に入らないようだ。

 

「最後に君達のリーダー、畑山愛子率いる後方支援隊だ。南雲ハジメ、南雲香織、八重樫雫がその補佐を行って欲しい。」

「わかりました!」

 

「?メルドさん?は?南雲香織?…どういう事だ?白崎香織のはずだろ?何でそんなステータス最低の無能な奴の姓に?南雲ハジメ!貴様香織に何した?」

光輝がハジメに険悪な視線を向けて今にも殴りかかろうと身構えた。

 

「…えーと、昨日の夜に香織さんにプロポーズして了解もらったから、正式に僕の奥さんだよ?香織さんの両親と僕の両親公認だよ?正々堂々と告白した僕に失礼すぎないかい?それと天乃河光輝君。僕の奥さんを呼び捨てにするのは辞めて貰えないかい?」

 

香織と雫、南陽高校の仲間達が光輝に対して敵意剥き出しの表情になった為、ハジメはハッキリと白黒つける事にした。が…事態はさらに悪化する。

 

「ハジメ君♡」

香織の顔が一瞬で幸せいっぱいの表情を浮かべ、ハジメに抱きつきキスをする。

 

南陽高校の仲間達は生暖かい目で二人を祝福する…

若干二名ほど物凄い威圧感を放っているが…

 

光輝の顔が醜く歪む…

光輝は今までに経験した事のない感情が渦巻いていた。

何故香織と雫と蒼華は自分に惚れないのかサッパリわからないのだ。

光輝は何もしなくても女の子から常に誘われてきた。

自分がちょっとでも声をかけてあげたらすぐに惚れる筈なのに…

しかも自分より遥かに劣るはずの南雲ハジメとかいう無能と自分のパートナーである筈の香織と恋人どころか結婚?

ありえない…

………………

………

「そうか!香織は…南雲ハジメに洗脳されているんだ!

小賢しい話ばかりしてるから怪しいと思ったんだ。 

…すると南陽高校の連中が俺に否定的なのも説明がつく。

全ては南雲ハジメが裏で手を引いていたのか!

俺が生徒会長に落選したのも南雲ハジメのせいか?

卑劣で恐ろしい奴だ!

やはり今南雲ハジメを倒して香織を救うのは俺しかいない。

いや、まてよ、南雲ハジメは香織を洗脳して自分の盾にしようとしてるのか…

そう言えば香織と奴が一緒にいると雫の機嫌が悪いように見えた…

なるほど、雫は香織が洗脳されている事が分かっていて奴を許せないんだ!

…待っていろ、香織、雫!俺がお前たちを救う!」

 

一気にまくしたて光輝をその場に居合わせた人全員が唖然として聞いていた…

檜山達ですら…ドン引きしていた…香織はハジメの右腕にしがみついて不安そうに震えている…雫もハジメの左腕にしがみつき光輝を睨む。

それを見た光輝の表情はさらにゆがみ、今にもハジメに襲いかかろうとする。

 

一言で言えば香織と雫をとられて嫉妬した挙句、今まで自分が持っていた不満をハジメに全て押しつけているだけなのだが…

そもそも光輝は香織と雫に告白した事も無ければデートした事もない。

遊んだ事はあるが、雫と香織が遊んでいた所に割り込んだだけ。

何故自分の彼女扱いしているのかハタから見たら意味不明だが…

 

蒼華は光輝を心療内科に叩き込んでおけば良かった…と真面目に考えていた。

 

一度ハジメが悪いと決めたら全てハジメのせいにする。

それが天乃河光輝の悪癖である。

香織が近寄りたくないと言うのも無理はない。

 

メルドは光輝の悪癖を見て唖然としてしまった。

個人面談した時に…確かナンヨウコウコウメンバー全員、光輝、檜山達と組みたくないと言っていた理由が分かった気がした。

(……パーティーを畑山愛子の言う通りに編成して良かった…)

 

そもそも、南雲香織と八重樫雫は耐久力が無い上に重武装できない職業だ。

光輝は2人を自分のパーティーに加えて欲しいと言っていたが…

勇者パーティーは最大の敵とぶつかる確率が非常に高い。

掠っただけで死んでしまうぐらいだ。

北村蒼華、谷口鈴、中村恵理は耐久が70を超えているので問題ないから加えたのだ。

 

しかしこの光輝の暴走を許したら仲間内で殺し合いが始まりかねない。

メルドは人は男女間のモツレでいくらでも人殺しになれる事を知っていた。

メルドの本来の役割は勇者の育成だ。

彼女達を同じ空間に居させるのは光輝にとってマイナスにしかならないと判断した。

 

「光輝!話はまだ終わってないぞ?それにステータスプレートの名前が変わるというならエヒト神も認めている事だ。強要や洗脳では姓は変わらない!そもそもお前たちの中で一番ステータスの低い南雲ハジメが洗脳だの支配だのできる訳がないだろう!」

「だ、だけどメルドさん!俺には納得できない!」

 

「私達は光輝の事が嫌いで南雲君の事が好きなだけ。南陽高校のみんなが光輝を嫌っているのは中学生時代の光輝の暴力事件が原因でしょう?他校の生徒会長選挙なんかどうやって干渉するの?全て自業自得でしょう?」

 

雫は無意識にハジメに好きだといってしまった。

香織は納得した顔で驚いてはいなかった。

(そっか…雫ちゃんもハジメ君の事が…私、雫ちゃんも大好きだし…雫ちゃんと一緒なら…二人でハジメ君に…)

香織の大好きな友人も香織と同じ人を愛している。

いつか雫に好きな人ができて疎遠になるのは寂しいと思っていた香織は、二人でハジメを愛してもいいかも、と…でも正妻の座は譲らないけどねっ!と心の中で付け加えていた。

 

ちなみにハジメは聞き逃していた…

 

「光輝!ハッキリ言って見苦しいぞ?俺の目から見ても南雲ハジメと香織はいい夫婦になれそうだ。この話はこれで終わりだ!」

 

光輝の歪んだ表情を見てメルドは話を断ち切った。

 

「光輝率いる勇者パーティーと檜山率いる第五パーティーはこのまま王城で訓練を続けて貰う。他はホルアドで訓練をして欲しい。ホルアドという町はオルクスの大迷宮で有名な所だが冒険者の訓練施設がある。多種多様な天職が多いナンヨウコウコウメンバーは冒険者組合の訓練施設の方が良いだろう。勿論、気の荒い冒険者達と一緒ではなく特別訓練施設があるから安心してくれ。クゼリー!ニート!」

 

「「はっ!」」

二人の女性騎士がメルドの声に応じて前に進みでる。

 

「この二人は騎士団の中でも俺に次ぐ実力の持ち主だ。ナンヨウコウコウメンバーの教官はこの二人に務めてもらう。」

 

女性騎士の一人が前に進み出て自己紹介をする。

「これより皆様の教官を務めさせていただきます、クゼリーと申します。皆様の教官ではありますが、何か困り事があれば遠慮なく相談に来て下さい。」

クゼリーは一礼して後ろにさがる。

 

もう一人の女性騎士が前に進み出て自己紹介をする。

「クゼリー隊長の副官をしておりますニートと申します。皆様の訓練及び生活面でのサポートを担当させていただきます。」

 

2人の女性騎士の印象は一言で言えば真面目だ。

ハジメの両親がいたら「クッ…殺せ」という台詞を言わせたいタイプ。

 

クゼリーは真面目ではあるが女性らしい細やかな心遣いができる人物としてメルドからも信頼されている。

メルドはハジメ達の事はクゼリーに預けて、自分は勇者の育成に尽力を尽くさねばならなかった。

 

かかっているのは人間世界の滅亡だ。

メルドの見た所、光輝は本気で世界を救う気はないと見ていた。

正確に言えば世界を救う事がどれだけの大事業か理解してない。

召喚された日、神山にいたニートから聞いた話では香織と雫を見ながら世界を救うと言っていたことからも、二人の気を引きたくて大言壮語をしたのだろう…

その程度の覚悟しかない者をどうやって救世主に育て上げればいいのか…メルドには見当もつかなかった。

 

「明日の朝、皆に装備品を支給する。午後はこの世界の情勢と言った座学だ。勇者パーティーと檜山パーティーは明後日より訓練開始。他の者はホルアドに向けて出発。移動中も簡単な座学は行う。明日からの予定は以上だ。勇者パーティーと檜山パーティーはこの後国王陛下主催の晩餐会に参加してほしい。他の者は自由時間とする。以上解散!」

メルドは自分の弱気を叱咤するように威厳あふれる声で宣言した。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

編成会議の後解散した雫は自分の部屋に戻ってきていた。

「雫ちゃん!」

「香織?どうしたの…?南雲君の部屋行かなくてもいいの?」

「えへへ…ちょっと雫ちゃんの部屋に来たかったんだ〜♪」

「ふふっ、また惚気話かしら?」

「ううん、雫ちゃんにね、言わなくちゃいけない事があるんだ」

「な、何かしら?」

「雫ちゃんはね〜もっと我儘になるべきだよ?」

「え?」

「雫ちゃんのわがままなら私は受け入れるよ?」

「…香織…何の話?わかりやすく話して?」

「雫ちゃんが自覚しないと意味ないの!でも覚えていて…私が愛してるのはハジメ君。そして雫ちゃんも大好きなの!だからわがままになっていいんだよ?」

 

ハジメの事になるといささか残念な香織ではあるが、本来の香織の優しい笑顔はまさに天使とよぶのにふさわしい。

幼なじみの親友でありながら思わず見惚れてしまう雫であった。

そして香織が言った意味も何となくだがわかったような気がした…

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ハジメ君、ただいま〜♪」

「おかえりなさい、香織さん。八重樫さんとはゆっくり話せた?」

「うんっ!」

ハジメにただいまのキスをした香織はパジャマに着替えてハジメの隣に座る。

 

「ふぅ〜上手くいったね…」

ハジメが入れてくれたお茶を飲みながら二人はくつろいでいる。

ハジメと香織が夫婦と認定されて以降二人は同じ部屋で過ごしている。

 

「…うん…それにしても天乃河君は…香織さんに聞いた話から覚悟はしていたけど…実際に見ると予想以上に酷い思い込みだね…」

「…うーん…小学校の時と変わらない…かな?結局二人も転校したんだから…」

「…香織さんが無事で本当に良かった…」

ホッとしたように言うハジメに香織はホッコリする。

「えへへ…ハジメ君のおかげだよ♡中学二年の時にハジメ君と出会えたから私は幸せになれたんだよ」

「……………っ香織さん!」

「あんっ…」

ハジメはたまらなくなって香織を抱きしめた。

「クスッ…ハジメ君…」

二人はベッドに倒れ込んで…

濃厚なキスをするのであった。

……………………

………………

…………

「えへへ…ハジメ君…もうちょっとこのままで…」

裸でハジメに抱きついて甘える香織の頭を優しく撫でながら

 

「香織さん…とっても気持ち良かった…」

「…うん、私も…気持ち良すぎて…ハジメ君…私の事、香織って呼んで?天乃河君に呼ばれるのは嫌だけど、ハジメ君には呼んで欲しいな…」

 

「え、えーと………香織………」

「はい、ハジメ君…あっ…も、もぅ〜ハジメ君ったら…」

またまた元気になるハジメ君。

「ハジメ君、私、幸せだよ…いっぱい愛して…」

「香織、僕も幸せだよ…これからもずっと…愛してる」

 

…二人は夜中まで求め合い…また抱き合ったまま朝を迎えるのであった。

 

次話に続く…

 

 

 




ハジメはたまらなくなって香織を抱きしめた。
「クスッ…ハジメ君…」
二人はベッドに倒れ込んで…
パチッ
「あん、ハジメ君…そこはダメ…」
パチッ
「香織さんの弱点は…エイッ」
パチッ
「んっもぅ〜そこはずるいよ〜…エイッ」
パチッ
「か、香織さん?そ、そこは…」
パチッ
「えへへ…ハジメ君…降参かな?かな?」
パチッ
そして二人は…
濃厚なオセロ勝負をするのであった…
なんつって(=゚ω゚)ノ

どこかで聞いたような超展開が一瞬頭に浮かんでしまった今日このごろ。

それはさておき…
ふははは…訓練施設が王都だけにあるわけでは無い!
と言う訳で別の場所で修行パートに突入〜
檜山君、残念、襲いたかったら徒歩で4日の旅だ。
王都でたっぷりしごかれるがよい…
北村蒼華のステータスは光輝に次ぐだけあり小悪党組が死力を尽くしても勝ち目はありません。蒼華には手出しできないでしょう。

今回台詞が無かったけど愛子先生が頑張ってメルド団長を説得したからなしえた措置です。ほとんどハジメがたてた計画ではありますが、実行するのもかなり大変でした。メルドも最後まで迷っていましたが光輝の暴走をみて愛子先生の案を採用する事にしました。

今回の話のMVPは間違いなく愛子先生なのです。



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