小蒔-Komaki- 100式(小蒔は京太郎専用ダッチ〇イフ)   作:いうえおかきく

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流れ十一本場:〇笠博士

 この世界には、100人にも及ぶ阿笠博士のライバル(?)達が存在していた。

 

 先ず日本国内には、井笠博士、宇笠博士、江笠博士、緒笠博士、加笠博士………矢笠博士、湯笠博士、余笠博士、羅笠博士、莉笠博士、瑠笠博士、礼笠博士、呂笠博士、和笠博士と合計で43人にも及ぶライバル達がいた。

 勿論、全員がダッチ〇イフの研究開発を行っているわけではなかったが………、所詮は似たもの同士である。

 奴らの大半は、オ〇ホや電動コ〇シの研究を行っていた。

 

 そして、彼らに阿笠博士を足した44人は、全国47都道府県のうち44都道府県に研究拠点を構えていた。全員が別の都道府県に居るわけだ。

 彼らがいないのは3県のみ。多分、そこは平和な県であろう。

 

 賀笠(ががさ)博士から歩笠(ぽがさ)博士までの25人は、海外に移住して似たような研究をしていた。

 

 欧米人にも似たような輩がいた。

 Kyagasa博士、Kyugasa博士………Pyugasa博士、Pyogasa博士の36人とYigasa(ヰガサ)博士、Yegasa(ヱガサ)博士、Wogasa(ヲガサ)博士の、計39人だ。

 さらにアフリカでは、チャドのンジャメナ市に住むNgasa博士が、その路線の研究者として有名であった。

 

 

 大人のオモチャの研究開発に命を賭けた発明家達の中で、世界の第一人者と呼ばれているのが阿笠博士であった。そして、阿笠博士の最大のライバルと呼ばれていたのが関西地区にいる野笠博士だ。

 彼は、阿笠博士の作品である小蒔シリーズに対抗して、新たなAI搭載の汎用人型性欲処理具、超高性能ダッチ〇イフ、明星MARK-IIを完成した。

 

 

 野笠「目覚めよ、明星MARK-II!」

 

 

 ただ、起動スイッチは小蒔シリーズと同じでオモチだった。勿論、オンスイッチのみでオフスイッチ機能は無い。

 それから、明星MARK-IIが寝かされているベッドも、何故か阿笠博士の研究所と同様に回転ベッドであった。

 結局のところ、似たもの同士だ。

 

 明星MARK-IIが目を覚ました。

 彼女の顔立ちは、結構霞に似ていた。

 

 実は、ライバルの作品ではあったが、野笠博士は霞の容姿を結構気に入っていた。屈辱を感じながらも、

『霞の容姿をベースに、もっとカワイイ娘を造ってやる!』

 と思い、霞を二~三歳若くした感じの姿に仕上げた。

 オモチも大きいが、霞ほどではない。

 と言うか、あそこまで大きくする必要はないと野笠博士は感じていた。

 

 

 明星「ここは?」

 

 野笠「ここは私の研究所だ。」

 

 明星「アナタは、いったい?」

 

 野笠「私は、野笠博士。」

 

 明星「ノグソ博士?」

 

 

 取扱説明書:明星MARK-IIは、聞いた言葉を下品な言葉に聞き違えることが多々ありますのでご注意ください。

 

 

 野笠「ノグソではない! 野笠だ!」

 

 明星「(ノグソみたいな顔をしてるくせに!)でも、どうして私、裸なのですか?」

 

 野笠「それは、君がたった今、私の手によって作られたAI搭載の汎用人型性欲処理具、超高性能ダッチ〇イフだからだ!」

 

 明星「なんですか、それ?」

 

 野笠「信じられないのもムリは無い。だが、目を閉じれば分かるはずだ。君の機能は全て君の電子頭脳の中に保存されている。」

 

 明星「………。」

 

 

 明星が静かに目を閉じた。

 たしかに、自分の頭の中には、自分の仕様や機能に関するデータ、設計図等が記憶されている。

 間違いなく自分は、AI搭載の汎用人型性欲処理具、超高性能ダッチ〇イフだ。

 これを認識した直後、明星は自分の存在に愕然とした表情を見せていた。

 

 

 野笠「インプリンティング機能も付いていないし、折角だから俺と一発。」

 

 明星「それはイヤです!」

 

 野笠「どうして嫌がる? もしかして、AIがユリ設定になってしまったか?」

 

 

 取扱説明書:明星MARK-IIは小蒔シリーズとは異なり、インプリンティング機能が付いておりません。そのため、リサイクルが可能です。

 

 取扱説明書:明星MARK-IIは業界初のジェンダーフリー仕様(男女兼用)です。男性が使用される場合は普通に前の穴をお使いください。

 

 取扱説明書:後ろの穴も使えます。

 

 取扱説明書:女性が使用される場合は、ユリモードをお使いください。明星MARK-IIの肘から先が男性の波動砲(エネルギー充填済み)の形に変わります。

 

 取扱説明書:波動砲は、最大で太さ7.5センチ、長さ27センチ(肘から先)まで大きさを自由に変えられます。普通には無い超巨大砲を楽しめます。

 

 取扱説明書:勿論、左右両腕が波動砲に変化します。ですので、女性使用者は2 on 1状態を楽しむことができます。

 

 

 明星「別に通常設定(男性用)のままです。単にアナタが私の趣味合わないだけです!」

 

 野笠「それはそれで傷つくが………。」

 

 

 野笠も阿笠博士と同様に、自分の作品に愛してもらえないタイプのようだ。

 明星曰く、

『ノグソみたいな顔』←どんな顔だ?

 なのだから、まあ仕方が無い。

 

 

 野笠「まぁ、いっか。今一番大事なことは、私とお前がヤルことではないからな。それでだ。実は、お前の頼みがある。」

 

 明星「なんでしょう?」

 

 野笠「阿笠博士が造ったAI搭載の汎用人型性欲処理具、超高性能ダッチワイフ、小蒔シリーズを、お前の両手の虜にしてやって欲しいのだ。」

 

 明星「私に他のダッチ〇イフを襲えと言うこと?」

 

 野笠「そうだ。しかも、奴らにはインプリンティング機能が付いている。最初に入れたモノ専用になるのだ。」

 

 明星「つまり、アナタのライバルが造ったダッチ〇イフ達を、全部、私専用にして使えなくしろと言うこと?」

 

 野笠「そうだ。奴らを映した画像は、既にお前の頭の中に保存してある。奴らを骨抜きにしてお前がダッチワイフ界の頂点に立てば、私がダッチワイフ研究開発の第一人者になれるのだ!」

 

 明星「(なんのこっちゃ。)」

 

 

 別に、そんなモノの第一人者になるよりも、普通にロボット工学の第一人者と呼ばれる方が言葉の響きが良いように感じるが………。

 

 一先ず明星は、野笠博士の依頼で新幹線に乗り、小蒔達が暮らす地域へと向かった。飛行機だと搭乗手続きで引っかかってしまうので新幹線にしたようだ。

 …

 …

 …

 

 

 翌日の夕方、京太郎はコンビニのバイトのシフトが入っていた。このコンビニは、京太郎達が暮らすマンションのすぐ近くにある。

 

 店の外から、霞に似た顔で、少し霞よりも年下の感じのカワイイ女性………明星が中を覗いていた。

 どうやら、彼女は京太郎の股間が気になるようだ。

 

 彼女の頭の中には、小蒔、霞、初美のデータは入っていたが、同居人である京太郎の存在に関する記録は保存されていなかった。

 まさか同居人がいるなんて、野笠博士も知らなかったからだ。

 なので、京太郎を覗いていたのは偶然である。

 

 京太郎が、明星の視線に気付いた。

 

 

 京太郎「(あの娘、なんだか霞に似てるな。(霞より)二~三歳年下っぽく見えるけど、凄くカワイイ。むしろ、霞が大人っぽく見えるんだけど。)」

 

 明星「(あの人の波動砲、今は寝てるけど、臨戦態勢に入ったら私の腕と同じくらいの太さ。長さもバッチリだし、スゴイ!)」

 

 

 取扱説明書:明星MARK-IIは、服の上からでも波動砲の長さ、太さ、形状を確実に見抜きます。

 

 取扱説明書:加えて、標準時の大きさから臨戦態勢時の大きさを高い精度で予測します。

 

 

 どうやら、京太郎の股間に見惚れていただけのようだ。

 

 丁度ここに、駅の方からホクホク顔の霞がコンビニに向かって歩いてきた。駅前の雀荘で大勝ちしたのだ。

 

 

 明星「(このエネルギー波は、ターゲット?)」

 

 

 明星は、霞の方を振り返ると両腕を垂直に上げ、拳を握った。

 

 

 明星「ユリモード!」

 

 

 すると、明星の両腕………肘から先が、まるで臨戦態勢に入った京太郎の波動砲のような形&大きさに変わった。

 このグロテスクな両腕を使って霞のインプリンティング機能を発動させようと言うのだ。

 ちなみに明星は、この両腕を使って一応自慰行為ができる。しかし、前後同時に肘まで挿入することは不可能であろう。体勢的にムリがあるからだ。

 女子体操選手とか女子新体操選手くらいムチャクチャ身体が柔らかければ可能かもしれないが………。(ホントかな?)

 

 

 明星「霞105式、覚悟!」

 

 

 明星が霞に襲い掛かった。

 先ず明星は、左アッパーを繰り出した。

 ただ、狙うのは顔でも腹でもない。霞の股間だ。

 

 

 霞「ちょっと、いきなり何?」

 

 

 霞は、これを両手で防いだ。

 すると、今度は明星の右パンチ(右パンチン?)が霞の顔を目掛けて襲ってきた。

 

 

 霞「(チン剣白歯取り!)」

 

 

 これを霞が口で受け止めた。

 ところが、

 

 

 明星「発射!」

 

 

 波動砲と化した明星の右腕の先から、人工液が飛び出した。

 その勢いで、霞は後ろに弾き飛ばされた。

 

 

 取扱説明書:明星MARK-IIは、ユリモードの際に両腕の先から人工の白濁液を発射します。その人工液には受精機能はありませんのでご安心ください。

 

 取扱説明書:人工液の量と発射速度は調節可能です。出すまでの時間も自由に設定できます。

 

 取扱説明:人工液の量は、最大で通常男性の満タン時の五倍程度になります。

 

 取扱説明書:発射速度は最高レベルにしますと音速に達しますのでご注意ください。

 

 

 傍から見たら、姉妹喧嘩に見えるかも知れない。

 二人とも、割と容姿が似ているからだ。

 

 霞がコンビニの駐車場に倒れ込んだ。

 これをチャンスとばかりに、明星は再び霞の股間を目掛けて突進し、波動砲と化した左腕を突き出した。

 

 

 霞「(ヤられる!)」

 

 

 しかし、明星の腕が霞の股間まで届くことは無かった。

 霞と明星の間に京太郎が割って入り、明星の突進を止めたのだ。

 京太郎は、明星を捕えると、そのまま羽交い絞めにした。勿論、力はセーブしている。本気を出したら人を殺しかねないからだ。

 それに、カワイイ顔をしているし、霞ほどではないがオモチも大きい。これはこれで、オモチ星人の京太郎にとって嬉しい存在である。

 こんな形の出会いでなければ仲良くなりたいところだ。

 

 

 京太郎「うちの霞に何するんだ?」

 

 明星「うちの霞?」

 

 京太郎「そうだ!」

 

 明星「もしかして、一つ屋根の下とか?」

 

 京太郎「まあ、そうなるな。霞は俺の同居人だからな。」

 

 明星「ってことは、アナタが霞105式のオーナー?」

 

 京太郎「105式? オーナー?」

 

 明星「つまり、霞105式を使ったのかって聞いてるの?」

 

 京太郎「使うって、それって………。」

 

 明星「Hしてるかってこと!」

 

 京太郎「いやいや。俺、他に彼女いるからさ。浮気はしていないってば。」

 

 明星「なにそれ! 霞105式はダッチ〇イフのくせに全然使ってもらえてないってこと? 傑作ね!」

 

 京太郎「いや、別に俺は人間をダッチ〇イフ扱いなんかしないぞ!」

 

 明星「もしかして、霞105式を人間だとでも思ってるの?」

 

 京太郎「えっ?」

 

 明星「霞105式は、私、明星MARK-IIと同じ。AI搭載式、汎用人型性欲処理具、超高性能ダッチ〇イフよ。」

 

 京太郎「えぇっ?」




ジェンダーフリートイレと言う言葉がありますので、ジェンダーフリー仕様と記載しました。
他に良い表現がございましたらご意見いただければと思います。

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