アタランテお母さん~聖杯戦争で子育て頑張る!~ 作:ら・ま・ミュウ
酸の霧が体を蝕み、生命の危機を感知したマリーの魔術刻印は強制的に彼女の魔術回路を活性化させ毒素を排出し、同時に治癒魔術を読み上げる事で一先ず、マリーの命を繋いでいた。
「びえぇぇぇ!!!!」
「も~ダメだぞ。手のかかる子はお母さんに嫌われちゃうんだから!」
黒のアサシン『ジャック・ザ・リッパー』は、マリーの頬をつつき、赤ん坊特有のミルクのような甘い匂いにニタリと笑った。
「うんうん!貴女からは何だが、スッゴい!生きてるって感じがする!
マリーを間近に“生”の灯火を強く感じたジャック…水子達の集合体であり、主人核の彼女は聖杯への願い胎内帰路、その果てに産まれ直した世界ではどれ程幸福な毎日が待っているのだろうと夢を膨らませた。
「ねぇねぇ!貴女は幸せ?」
それは興味本位。当然、人の認識分けすら怪しい赤ん坊のマリーに答えられる訳がなく、返礼はアタランテのマスターになる筈だった時計塔の魔術師を蜂の巣にした攻撃特化の魔術だった。
「うひゃっ!」
対人魔術としてはこれ以上ないほど悪質なサンザーラ家のカウンター魔術。いずれ生まれるであろう悲願の子を守るべく三世代かけて完成させた無色無音の弾丸。その威力は吸血鬼ですら致命傷を負わすほど、強力であり、サーヴァントと言えど無傷ではすまない。
「――びっくりしたなぁもう~」
だがそれも所詮は些事。最小限の魔力を最高効率で魔術に変換するそれは未成熟な
それでも尚、かすり傷とはいえサーヴァントに傷を負わせた事をサンザーラは後世に誇るべきだ。
「マリー!マリー!」
霧の遠くで必死にマリーを探すアタランテの声がする。
「……じゃあ、殺しちゃおっか」
アタランテが、此方を見つけるのも時間の問題だと悟ったジャックはマリーを無造作に持ち上げ、電灯の上に立った。
「ごめんね。美味しく食べてあげるから」
そしてその手を離しマリーは一直線に地面へ落ちる。
「びえぇぇぇ!!!!」
アタランテは未だマリーを視覚出来ずにいる。
仮に奇跡的な確率でマリーが生き残ったとしてもジャックは止めを刺すだろう。
「びぇぇぇぇ……」
地面にぶつかる。マリーの泣き声が途絶えてしまう。
彼女の高純度な魂は死した肉体を離れジャックの腹を満たす
「――悪いが、そうはさせまい」
瞬間、身を焦がす程の業火が天上より舞い降り霧を払い去った。
カルナ(マスター フィーンド・ヴォル・センベルン)
筋力B 耐久C 敏捷A
魔力B 幸運D 宝具EX
余談
サンザーラ家のカウンター魔術、当初は対神用としてフィンの一撃(笑)と云われる洒落にならない威力をもっていた。
馬鹿みたいに魔力を食うので、赤ん坊のマリーが使ったら一発で干からびる。