二ヶ月後、世界は落ち着きを取り戻し、前のような平和が流れていた
訓練場
ラース「そうだ!そこからどうする?」
バン「はあ!ふん!でやあ!」
ラース「いいぞ!攻めの姿勢が大事だ!相手に反撃の隙を与えないようにするんだ」
恒例になった最後の組手は、ラースが武器を出し、自分に攻撃を当てられたらという条件に上がっていた
ロベルト「!ここだ!」
ラース「な!?」
ラースの脇腹に剣が当たった
ロベルト「あ!やった!!ラース将軍に入った!」
ラース「あーあ、入っちまったか。仕方ねえな、今日は俺の奢りだ!お前ら、どんどん飲めよ!」
全員「よっしゃあああ!」
ラース「ハハハ!そんなに嬉しいのかよ。それにしても随分強くなったな。俺もそろそろキツくなってきたぜ。五人はやめてもっと少なくするか」
ロベルトは英雄のように周りに褒められている
ラース「それじゃあ今日の訓練はここまでだ!夜は前にもやったあの酒場に集合な!」
兵士達「ありがとうございました!ラース将軍!」
廊下
グレイグ「見ていたぞ、ラース。ついに一本取られたな」
ラース「げっ。グレイグ、見てたのかよ。そうだよ、流石に手が回らなかった。まあ、仕方ねえな。そろそろヤバそうだとは前から思ってたからな」
グレイグ「心なしか、俺の時よりも兵士達は生き生きとしている気がするな。お前の教えがいいのだろうな」
ラース「大した事はしてないんだがな。まあ慕われるのも悪くねえな」
グレイグ「兵士達とは随分仲良くやっているな。俺の時は口下手なせいもあってあそこまで馴染めなかった」
ラース「そんなに仲よさそうか?まあ、見てたならわかると思うが、今日の夕飯は俺いないからな。王様とマルティナに伝えに行ってくる」
グレイグ「ああ、姫様は部屋に、王は玉座の間にいるはずだ」
ラース「ありがとな、グレイグ」
マルティナの部屋
コンコン
ラース「マルティナ、いるか?」
返事は返ってこない
ラース「あれ?マルティナ?入るぞ?」
ガチャ
中ではマルティナが机で寝ていた
ラース「ハハ、最近頑張ってるもんな。お疲れ様。ただ、寝るならベッドでな」
ラースはマルティナを抱き、ベッドまで連れて行った
ラース「おやすみ、マルティナ。あ、メモしておかなきゃ」
玉座の間
ラース「王様、少しご報告があります」
デルカダール王「ラースか、どうした?」
ラース「いえ、大した用事ではないのですが、今日の夕飯は俺が兵士達を奢るのでいない、という事を伝えておこうと思いまして」
デルカダール王「という事は、兵士達に一本取られたのだな?」
ラース「うっ....。そうです。一本入れられました」
デルカダール王「ハッハッハ!ラースから一本取るとは、我らの兵士達も強くなった。お主のおかげだな。今夜は騒いでくるといい」
ラース「ありがとうございます、王様」
デルカダール王「お主は知らんかもしれんが、何やら兵士達は夜な夜な集まって打倒、ラース将軍!というのを掲げて対策を練っているらしいぞ」
ラース「.....あいつら、いつの間にそんな事を」
デルカダール王「ハッハッハ!仲がよくていいことだ。それもお主の人柄なのだろう!」
ラース「そうなんですかね?それでは報告は以上です。失礼します」
夜、酒場にて
酒場には既に兵士達が全員集まっている
ラース「(ん?何やら集まっているのが早くないか?)」
ラースは兵士達が何かをしているのを見ていた
ラース「(あ、あいつら本当に俺の事ノートにびっしり書いてやがる)」
ラースは気配を殺して近づく
ラース「ほう?いつの間にそんな事してたんだね?君達?」
兵士達「ラース将軍!?いつの間に!」
ラース「よく書かれてるなあ?剣の時、体術の時、ねえ。その時に合わせた対策を考えるのはいい事だな。だが、明日が楽しみだなあ?」
兵士達「ひいっ!」
ラース「まあ、今は飲もうぜ。ほら、片付けな。今日は俺に一撃入れたロベルトに乾杯だ!」
その後
ラース「そういえば、お前らなんで俺の事将軍ってつけて呼ぶようになったんだよ。何て呼ぼうが別にいいけどよ」
ダバン「俺達はグレイグ将軍から、ラース将軍は勇者様のパーティーを頭脳と力で支えていたと聞いて、グレイグ将軍と同じで尊敬したんです。だから、グレイグ将軍と同じく将軍をつけるようにしたんです」
ラース「グレイグめ、余計な事を。別に俺は大した事はしていないぞ。一緒にいただけだ。尊敬してくれるのは嬉しいが、お前らだって頑張れば俺みたいになれるぞ?」
マーズ「俺でもなれますかね!?」
ラース「マーズは魔法もできるからな、俺と似た道を辿れるんじゃないか?ただ、魔法と剣術をどっちも極めるのはかなり至難の業だからな。どっちかに重きを置いたほうがいいぞ」
バン「そういえば、前に聞いたガラッシュの村はラース将軍の故郷なんですよね?」
ラース「ああ、そうだ。知ってるのか?」
バン「いえ、聞いた事なかったんですけど、何でラース将軍はその村に帰らなかったんですか?勇者様だって故郷に帰ったのに」
ラース「俺の故郷のガラッシュの村は魔物に滅ぼされてな。俺が到着するのが遅かったせいで、村の全員も失ったんだ。だから俺に帰る場所はなかったんだ」
バン「あっ.....。そんな事が、すみません!嫌な事を聞いてしまって」
ラース「いやいや、気にするなよ。俺が気にしてないんだからな。そうだ、明日ダーハルーネに遠征に行くだろ?その近くに俺の村があるんだ。よかったら寄っていこうぜ。村の皆に俺の自慢の教え子達だって教えてやらないとな」
ロベルト「ありがとうございます!」
その後
ラース「おい!お前ら!酔いすぎだろうが!たくっ!マスター、すまねえ、金はここに置いていく!」
ラースは酔って歩けない人を五人ほど背負い、城まで歩いて帰った
ラース「おーい、このアホ共部屋に連れて行ってくれ。そして伝えとけ。明日お前らだけ特別メニューだってな」