デルカダール城
ラース「ゴホッゴホッ!」
ラースは息苦しそうにしている
ガザル「ラース将軍、大丈夫ですか?」
ラース「ああ、すまない。体がおかしくてな」
マルティナ「大丈夫?ラース。先に休んでていいのよ?」
グレイグ「そうだぞ、顔色もあまりよくない。報告はしておいてやるぞ?」
ラース「いや、報告くらい自分でやるさ。このまま行こう」
玉座の間
ラース「王様!遠征よりただいま戻りました」
デルカダール王「おお、帰ったか。それで、どうだった?魔物の方は?」
ラース「魔物は確かに凶暴になっておりましたが、その原因となる魔物を倒した所、周りの魔物は正気を取り戻して行きました。もうあの周りは平気だと思われます」
デルカダール王「うむ、それはご苦労であった。ラース、何やら顔色がよくない。部屋でゆっくり休むといい」
ラース「ありがとうございま....うぐっ!...」ドサ!
ラースは突然倒れた
デルカダール王「ラース!どうした!」
ラース「カハッ!こ....これは...」
ラースが悶えながら、王から離れていく
マルティナ「ラース!!どうしたの!大丈夫!!?」
マルティナが急いで近寄る
ラース「ぐるなぁ!マルティナ!!今、俺に近づいちゃ駄目だ!」
ラースはマルティナを突き飛ばした
マルティナ「きゃ!ラース!」
ラース「うぐおおおおお!」
ラースの回りに黒い瘴気が集まる
そして、ラースは倒れた
マルティナ「ラース!?ちょっと!ラース!」
グレイグ「急いで衛生兵を呼べ!大至急だ!」
マルティナ「ラース!大丈夫なの!?ラース!」
マルティナは必死にラースを揺らす
その時、ラースが目を覚ました
マルティナ「ラース!よかった!きゃ!」
ラースはマルティナを突き飛ばした
ラース「ふん。やっとこいつの体を取り込めたか。散々抗いやがって。だが、まあいい。この体は素晴らしい。何でも壊せそうだ」
グレイグ「貴様!!ラースではないな!まさか、さっきの!」
マーガン「ここがどこだか知らぬが、さっき見た顔もいるな。俺は魔術師マーガン!こいつの体はいただいた!体に刻印を刻み込んでやったのだ。
これで私を倒すには、この男を殺すしか方法はなくなった!俺をバカにした男のいい末路だ!ギャハハ!」
デルカダール王「何じゃと!?」
マルティナ「そ、そんな!!ふざけるんじゃないわよ!ラースを返しなさい!」
マーガン「ふん、貴様一人などこの男の前では無力だ。ハア!」
マルティナ「ハッ!テヤア!」
マルティナはマーガンに取り憑かれたラースと戦っている
グレイグ「呪いの類なのか。急いでロウ様をお呼びしなければ!王よ!ロウ様に連絡をしていただけないでしょうか?ロウ様はユグノア地方にいらっしゃるはずです。私は姫様と共にあいつを食い止めます」
デルカダール王「うむ、任せておけ。あいつの事は頼んだぞ」
デルカダール王は急いで部屋から出ていった
グレイグ「姫様!私も参戦いたします!」
兵士達「俺達も微力ながら参戦します!」
マーガン「ちっ!雑魚共が、群がって邪魔をするな!イオグランデ!」
グレイグ「天下無双!」
マルティナ「ばくれつきゃく!」
マーガン「ばくれつきゃく!」
マルティナ「ラースの戦い方なら熟知してるわ!ミラクルムーン!」
マーガン「この女、鬱陶しい!どけ!うおおお!」
マルティナ「キャッ!」
マルティナが力負けし、後ろに倒れる
グレイグ「姫様!!」
マルティナ「大丈夫よ!」
マルティナはすぐに体勢を立て直した
マーガン「メラガイアー!」
グレイグ「蒼天魔斬!」
マルティナ「氷結らんげき!」
マーガン「見切ったぞ、女!せいけんづき!」
マルティナ「キャアッ!」
マルティナの脇腹にせいけんづきが当たった
マーガン「貴様から壊してやろう!」
マーガンはマルティナに馬乗りになり、剣を刺そうとする
マーガン「.....なぜだ!なぜ、手が動かぬ!」
マルティナ「ハア!」
マルティナはマーガンを投げ飛ばした
マーガン「ぐぬう!体が思うように動かぬ!」
ラース「てめえ、これ以上好き勝手に暴れるのは許さねえぞ!」
マルティナ「ラース!」
マーガン「貴様!私にまだ抗うつもりか。もう手遅れだというのに、何を!」
ラース「うるせえ!お前はマルティナを傷付けようとしたな!!そんな事、俺の体で死んでもさせるものか!!」
マーガン「ふん!だが、こうして動きを止めるのが精一杯であろう!しばらくすればまた動けるようになる。そしたら貴様の物を全て貴様の体で壊してやろう」
ラース「そんな事させねえ!うおおお!」
ラースは自分の体を必死に操り、持っている剣を自分に向けた
マーガン「な、何をする!貴様!自分を刺せばどうなるかわかっているのか!」
ラース「そんなのどうだっていい!俺は、自分の体で勝手に大切なものを壊されるのは絶対に嫌なんだよ!」
マルティナ「ダメよ!ラース!!やめて!!」ダッ!
マルティナはラースに走って近づく
マーガン「やめろおおおおお!」
ラースの持っていた剣が、自分の腹を深々と貫いた
マーガン「うぐわああああ!」ジュワー
ラース「.......」ドサ
グレイグ「ラース!!」
マルティナ「いやあああ!!ラース!!ダメよ!!起きて!!」
ラースの腹からは血が溢れ出ている
デルカダール王「ロウを連れてきたぞ!....な!?これは、一体!」
ロウ「ラース!!いかん!!急いでベホマじゃ!腹の穴を塞がなければ、ザオリクも間に合わなくなる!」
デルカダール王「衛生兵も回復魔法を使うのだ!」
グレイグ「俺はベホイムしかできぬ。気休めにしかならないが、俺も使うぞ。急がなければ本当に死んでしまう」
マルティナ「いや!嫌よ!!ラース!!」
ロウ「姫よ、気持ちはわかるが今は離れてくれ。早急に何とかしてみせる」
その後
ロウ「ひとまずはここでやめよう。ザオリクの有効時間が切れてしまう。ザオリクじゃ」
青白くなっていたラースの顔が元に戻った
マルティナ「どうですか!ロウ様!」
ロウ「おそらくは間に合ったはずだが、目を覚まさんな。医療部屋で様子をみよう。セーニャも呼ぶのじゃ。何かあった時のためにな」
グレイグ「わかりました。急いで連絡します」
その後
セーニャ「そんな事が.....すみません。私達があの時気づいていれば......」
グレイグ「いや、俺達だって気づくのが遅れた。それで、ラースはどうだ?目を覚ますか?」
セーニャ「目は覚ますとは思います。ですが.....」
イレブン「え?何かあるの?」
セーニャ「.......」
セーニャは顔を暗くしている
ロウ「セーニャよ、言いづらいであろう。わしが言おう。ラースは目を覚ます可能性は高いが、無事である可能性は極めて低いと思われる」
グレイグ「ど、どういう事ですか?」
ロウ「目を覚ました時に体に障害が残っている可能性が高いんじゃ。魔物に体を強く支配された影響じゃな。
抗った時も、相当負担がかかっていたはずじゃ。体がどこか動かなくなるか、はたまた脳に障害がでるか。何が起こるかはわからん」
マルティナ「そ....そんな」
ベロニカ「相手の呪術は強力な物だったわ。普通なら刻印を刻まれた時から全て支配されていてもおかしくないのよ。抗えたのは流石といった所ね。凄まじい精神力だわ」
イレブン「いつ頃目を覚ますの?」
セーニャ「時期はわかりません。体の回復が間に合うまでは眠り続けると思います」
グレイグ「....わかった。俺は王に報告してこよう」
マルティナ「バカ!馬鹿!!何で早く言わないのよ!」
ロウ「わしらも回復にはこれから毎日努めよう。姫はいつでもラースが目を覚ましていいように傍にいてやるんじゃ」