次の日、ソルティコの町
ラース「この前来た時は夜だったが、明るい時のソルティコも綺麗だな」
マルティナ「そうだわ!ねえ、ラース。一緒に海で遊びましょう、今度は二人きりで」
ラース「え!?だが、俺泳げねえんだぞ?」
マルティナ「それの特訓よ。少しくらい泳げるようになっておいた方がいいわよ」
ラース「えー.....。別に、そこまでしなくてもいいんだがな」
マルティナ「それに、前とは違ってあなたを一人占めできるじゃない」
ラース「.......」
ラースは今の発言に固まっている
マルティナ「あ.....。い、今のは忘れてちょうだい」
マルティナは少し恥ずかしがっている
ラース「ハハ、仕方ねえな。かわいいマルティナの願いなら少し頑張るとしますか」
マルティナ「も、もう!忘れてよね!」
砂浜
着替えが終わったラースが先にやってきた
ラース「まあ、着替えの影響で俺の方が早いよな。先に飲み物でも用意しておくか」
しばらくして
ラース「マルティナ、やたらと遅くないか?何かあったのか?」
その後
マルティナ「ごめんなさい。私、夫と一緒にきているので」
マルティナの近くには数人の男達がいた
男達「えぇー、そんなの近くにいないじゃん。君みたいな美人さん放っとくやつなんかよりこっちに来なよ、ほら」
そう言って、一人の男が手を伸ばした時
男「ギャッ!」
男は真横に蹴られ飛んでいった
ラース「失礼。俺の妻に何やら虫がたかっているみたいでな。駆除をしないと」
マルティナ「あ、ラース!」
男達「え.....。あいつすごい速さで飛んでいったぞ。な、何すんだよ!」
ラース「あ?てめぇら、人の妻に手を出そうとしていながらその言い草は何だ?あいつと同じようにしてやろうか?」
ラースは男達相手に凄んでいる
男達「ヒッ.....」
マルティナ「ちょ、ちょっとラース!やめなさい!あまり暴れないで!私は平気だから、あっちに行きましょう」
マルティナは男達の間から出てラースの手を掴んで戻っていった
ラース「チッ.....。命拾いしたな、二度と来んじゃねえぞ」
その後
マルティナ「もう!ラース!助けてくれたのは嬉しいけど、私だって何とかできたし、あの人の事本気で蹴り飛ばしたでしょ?」
ラース「あんなやつらにはあれくらいしないと懲りないからな。まあ、死んではいないだろ。知らないけど」
マルティナ「大事になると大変なんだから控えてよね。はい、これ」
マルティナはラースに小さめの板を渡した
ラース「これは板か?何のために持ってきたんだ?」
マルティナ「もちろん泳ぐ練習のためよ。これで海に浮いて練習しましょう」
海
ラース「あ、すげえや。板につかまってれば浮くんだな」
ラースは板を両手で掴み、体を浮かしていた
マルティナ「それじゃあそこから足を動かして前に進んでみましょう」
ラース「こんな感じか?お.....少しずつ進めるんだな」
マルティナ「そうそう、そんな感じよ。そこから顔を水に入れて、苦しくなったら顔を上げてみて」
ラース「...........」
マルティナ「ちょ、ちょっと?長くないかしら?大丈夫?」
ラース「ふう。いやぁ、落ち着いて海の中を見る機会なんてムウレア以外なかったから、つい見とれちゃったぜ」
マルティナ「あ、なるほどね。確かに海の中を見る機会なんて、ほとんどなかったものね」
数時間後
ラースは何も無しで海に浮こうとしている
マルティナ「平気よ、落ち着いて。ゆっくりで大丈夫だから、そのまま足と手を動かしてバランスをとってみて」
ラース「よっ.....ほっ....。すげえ、俺、何も無しで海に浮いてる」
マルティナ「やったわね。苦手を一つ克服できたじゃない」
ラース「ハハ!やった、初めてできたぜ!!あ、やべっ、沈む!」
マルティナ「ああ!力加えないで!沈んじゃうから!ラース!」
浜辺
ラース「ゴホッゴホッ!あーあ、結局溺れかけた」
マルティナ「もう少し力を抜く事が出来れば、泳ぐ事だってできるようになると思うわよ」
ラース「ただ、腹空いたな。なんか食べようぜ」
マルティナ「そうね。屋台もいろいろ出てるし、そこで何か買って食べましょうか」
その後、焼きそばとたこ焼き、お好み焼きを買った
ラース「全部美味そうだな!マルティナも食べようぜ」
マルティナ「そうね。いただくわ」
ラース「おお!マルティナ、このたこ焼きってやつ美味いぞ!ほら」
マルティナ「あ、ありがとう。.....美味しい!それじゃあ、こっちの焼きそばも分けてあげるわ、はい」
ラース「ありがとな。このソースがいい味してるぜ、酒もほしくなるな」
マルティナ「この旅行中、お酒はあまり飲めてないものね。お城に帰ったら色々あるんだし、それまで楽しみにしてましょう」
ラース「それもそうだな。あ、たこ焼き最後の一個になっちまった。マルティナ、ほら」
マルティナ「あら、早いわね。ありがとう」
ラース「次はお好み焼きってやつだな!これも楽しみだ!」
マルティナ「そういえば、確かにお腹は出てるようには見えないわね。少し摘んでみてもいいかしら?」
ラース「おお、いいぜ。.....って痛え痛え。マルティナ、それは皮膚だ」
マルティナ「あ、ごめんなさい。そうね、無駄な肉は少ないわ」
ラース「だから言っただろ!出ていないって!帰ったらグレイグのやつ覚えてろよ。ぶっ飛ばしてやる」
マルティナ「まあまあ、グレイグだって悪気があったわけじゃないんだから、あまり怒らないであげて」
ラース「まあ.....おかわりが多かったりしたのは、事実だからな。動いていたからお腹が空いていたと考えてもいいが、食う量が多ければ心配するか」
マルティナ「そうよ。お父様も私が子どもの頃、お母様にお腹がだらしないって言われてるのを何回か見たわ」
ラース「王様もそうだったのか。まあ、城の飯は美味いからな。それが悪いって事で」
マルティナ「褒めてるのか貶してるのかよくわからないわよ、それ」
夕方、リゾートホテル
ラース「す、すげえ。オーシャンビューってやつだな。景色がよく見えるぜ。こんな立派な場所いいのかよ」
マルティナ「これは想像以上ね。でもとっても素敵だわ。あの店長さんに今度お礼持っていかなくちゃ」
ラース「マルティナ、見ろよ。風呂が外にあって、海を見ながら入れるぜ」
マルティナ「それはすごいわね。楽しみだわ」
ラース「なら、後で一緒に入ろうぜ」
マルティナ「え!?な、何言ってるのよ、ラースったら」
夕食時
ラース「凄い豪華なご飯だな。もしかして俺、いつの間にか城に戻ってたのか?」
ラースは目の前に用意されたご飯の内容に驚いている
マルティナ「勘違いするのも仕方ないわ。このアワビとかサザエって貝は高級食材なはずよ」
ラース「なんかいきなり新婚旅行感が湧いてきたな」
マルティナ「本当ね、少し緊張しちゃうわ」
しばらくして
ラース「マルティナ!この魚、美味いぞ。食べたか?」
マルティナ「それなら私も食べたわ。美味しくてすぐ食べてしまったけど」
ラース「それなら俺の分少しわけてやるよ。ほら」
マルティナ「え!?(ラースがご飯をあげるの!?)」
ラース「.....今、失礼な事考えてるだろ。俺だって飯くらい分けるからな!」
マルティナ「あ、あら。顔に出ちゃってたかしら。ごめんなさい、初めて見たものだから、つい」
その後、部屋内
マルティナ「結構お腹いっぱいになっちゃったわ」
ラース「俺はまだ入るな。ただ、この旅行では動くよりも食べた方が多いからな。城に帰ったら訓練の量増やさねえと」
マルティナ「そうね、私も付き合うわ。このままだと私も太っちゃうわ」
ラース「じゃあまた組手やろうな。そろそろ風呂入ろうぜ」
マルティナ「わかったわ。いってらっしゃい」
ラース「え?来てくれないのか?」
マルティナ「ええ!?さっきの本気だったの!?」
ラース「当たり前だろ。なんでそんな嘘つかなきゃいけないんだよ。ほら、行こうぜ!」
マルティナ「.....わかったわよ。先に入ってて」
しばらくして
ラース「おお!これは綺麗な景色だな」
マルティナ「え、ええ。そうね。星空もすごく綺麗だわ」
ラース「.....何で少し離れてるんだよ」
マルティナ「恥ずかしいのよ!一緒に入ってるんだからいいでしょ」
ラース「チェッ.....つまらないなー」
その夜
ラース「.....」
マルティナ「もう、ラース。何すねてるのよ」
ラース「マルティナが一緒に湯船に入ってくれなかった」
マルティナ「あ、あれは仕方ないでしょ!」
ラース「そんなマルティナには罰を執行します!」
マルティナ「キャッ!どうしたのよ、ラース」
ラース「今日の夜、マルティナは俺の抱き枕です。マルティナはこのまま寝てください」
マルティナ「もう!子どもみたいな事言わないでよ、ラース」
ラース「たまには俺から甘えたっていいだろ?な?」
マルティナ「知らないと思うけど、朝とかたまに私、あなたの抱き枕にさせられてるんだからね。それで起きれないんだから」
ラース「え.....。それは知らなかった。無意識かも知れん。悪かったな。だが、それはそれ、これはこれだ」
マルティナ「わかったわよ。明日はお城に帰るんだから、少し早めに起きるわ」
ラース「だな。俺もそのつもりだ。おやすみ、マルティナ」
マルティナ「ええ、おやすみ、ラース」
ラース「(マルティナ、前みたいにもう少し俺に甘えてきてくれよ)」