新婚旅行から帰ってきた次の日
朝食時
デルカダール王「どうじゃ、ラースよ。勝負はわしの勝ちであるようだな」
デルカダール王はラースに誇らしそうにしている
ラース「そんな....。嘘だろ、マルス、ルナ!」
ラースは床に膝をつけ、相当ショックを受けている
マルス「とー、じーじ、じーじ」
ルナ「じーじ!」
マルスとルナはデルカダール王の腕の中で手を伸ばし合っている
マルティナ「一週間でちゃんと言えるようになったのね。すごいわ、マルス、ルナ」
グレイグ「ラース....そんなに落ち込む事ないだろう」
ラース「親を一番最初に呼んで欲しかったんだよ!」
デルカダール王「ハッハッハ!わしにもグレイグにもこの数日で随分と懐いてくれた。これからもどんどん成長していくのだぞ」
訓練時
ラース「今日はグレイグと二人で教えるぞ!グレイグ、この数日で何を教えたか見せてくれ」
グレイグ「ああ、基礎はもうしっかり固まっているからな。俺は対人で有効な立ち回りを教えたんだ。お前達、ペアで昨日までの復習をやるんだ。それを見ていこう」
兵士達「はい!」
その後、ラースはペアの動きを見ていた
ラース「なるほどな、対人特化か。俺は魔物と人両方だからな。それに、グレイグは耐えて攻め込む教え方なんだな。
俺は避けたり相手の力を利用する立ち回りだ。やはり戦い方が違うと教える事も変わるな。なあ、グレイグ。もし時間ができた時は俺に言ってくれ。その時はグレイグが兵士達を教えるんだ。
兵士達にもグレイグの教える戦い方は勉強になるはずだ。様々な戦い方を学べば、自分なりの戦い方も見つけやすいだろう」
グレイグ「なるほどな、わかった。だが、あまり時間は作れないぞ?」
ラース「そこは無理しなくて構わないぞ。それはわかってる事だからな」
訓練も終わって少しした後、大広間
外に出ていこうとしているラースをバンが見つけた
バン「あれ、師匠?どうされたんですか?見回りは今日無いですよ?」
ラース「ああ、何でもないぜ。ただ町の様子を見に行くだけだ。実は、マルティナや王様に民達の様子を伝えるのも、俺の仕事だからな」
デルカダール城下町
お菓子屋
女性「いらっしゃいませ!あ、ラース様。何だか最近顔を見なかったので心配だったんです。どうされたんですか?」
ラース「すまないな。実はマルティナと新婚旅行に行っていたんだ。だからこっちに来れなかったんだ。あ、これ新作のお菓子なのか?」
ラースは店員と仲良さそうに話している
女性「まあ!それはよかったですね!それと、こちらは昨日から売り出した新商品なんです。よかったら、ラース様も一口食べてみてください」
ラース「お、いいのか?ありがとな。どれ.....おお。優しいバターの味がほんのり伝わってくるな。これは売れると思うぜ」
女性「本当ですか!ありがとうございます。よろしければ、ラース様オススメと書いてもいいですか?」
ラース「ハハハ、俺なんかの名前で効果あるのかよ」
女性「あら、知らないんですか?ラース様はよく城下町に来て私達ともよくお話されるので、優しいお方だって住民からは人気なんですよ?」
ラース「マジか。それは知らなかったな。そう言えば、酒場のマスターも俺の行きつけの店だって知られてから、売り上げ上がったとか言ってたな」
女性「あ!そのお店なら私も知ってますよ!結構有名になってきたみたいです」
ラース「そんな変わるものなのか?まあ、売り上げが上がるなら何でもいいか。俺はそうやって皆が笑ってくれるなら、それでいいんだ。すまなかったな、長々と話して。仕事頑張れよ」
女性「はい!またお待ちしてまーす」
噴水前
子ども達「あ!ラース様だー!ねえ、また魔法出してー」
周りで遊んでいた子ども達がラースを見つけるとすぐに駆け寄ってきた
ラース「お、来たな、ちびっ子。今日はどれがいい?」
男の子「俺、イオのやつ!パチパチしててカッコいいじゃん!」
女の子「私はヒャドがいいわ!綺麗だもの」
男の子「やっぱりメラでしょ!俺も打てないかなー」
母親「いつもすみません、ラース様。この子ったらメラを打ちたいってずっと言ってて」
ラース「いえいえ、構いませんよ。どれ、それなら見てろよ?俺はな、こんな事出来ちゃうんだぜ?」
そう言うと手に小さくイオの魔法を出し、それを凍らせた
男の子「えー!すっげー!!氷の中で爆発が起こってる!」
女の子「すっごーい!こんなの初めて見た!キラキラしてる!」
二人はラースの手のひらに夢中になっている
ラース「これは君達にプレゼントだな。ほら、二人分だ」
男の子「ありがとう、ラース様!これ溶けないの?」
女の子「中の爆発はどうするの?」
ラース「一日は爆発が続くけど、次の日には爆発しなくなってると思うな。ただ、その後は氷も溶けちゃうからな。明日には親に渡しておくんだぞ?」
二人「ありがとう!」
男の子「なあなあ、ラース様!俺も!」
ラース「もちろん忘れてないぞ。ほら」
ラースは手のひらに炎を出した
男の子「カッコイイー!あれもやってよ。たくさん出すやつ」
ラース「危ないから離れてろよ?....これだろ?」
そういうと、ラースの周りに火の玉がたくさん出来上がった
男の子「うわー!ラース様ってすごいや!」
ラース「へへ、ありがとな」
カフェ内
女性「こちら、ブラックコーヒーのホットになります」
ラース「ああ、ありがとな」
男性「あ、ラース様じゃないですか」
ラース「おお、俺の事知ってるのか?」
男性「はい。有名ですからね。こんな所でどうされたんですか?もしかして、ラース様も一息いれにきたんですか?」
ラース「ああ、まあそんな所だ。ずっと城にこもっていたら固くなっちゃうからな。それに、住民達の様子や町の変化もわからない。だから、俺はこうやって町によく休みにきてるんだ」
男性「やはり優しい方ですね、ラース様。私達の事までしっかり考えていてくださるんですね」
ラース「いやいや、俺の休むための口実に使ってるだけだぜ?あまり美化しすぎるなよな」
男性「そんな事ありませんよ。よく兵士達と見回りに来る時も、今もラース様は優しそうな顔をしていると皆、言っていますよ」
ラース「そうか?.....そうかもしれないな」
その後、裏通りの階段近くで
婆さん「ああ!」ドサア!
お婆さんが段差につまづいて転び、持っていたものを落としてしまった
ラース「婆さん、大丈夫か!?怪我はあるか?」
婆さん「ああ、ありがとうございます。すみませんね、わたしゃ足が弱くてね」
ラース「折角の花が散らばっちゃったな。集めるの手伝うぜ。この袋に入れればいいか?」
婆さん「ええ、ありがとう」
ラース「これで全部だな。さあ、婆さん。おぶるから俺に乗ってくれ。この花を届ける場所まで連れていくぜ」
婆さん「若い方、そこまでしてくれるのかい?優しいねえ。それじゃあお願いします」
花屋
婆さん「ここが私のお店です。わざわざありがとうございました」
ラース「いや、平気だぜ。色んな花があるんだな」
婆さん「何かお礼にお花をお造りしますよ」
ラース「そうだな...。女性に花を贈る時ってどんなやつが好まれるんだ?」
婆さん「あら、想い人でもいるのかい?」
ラース「いや、どうせなら妻に贈ろうと思ってな。何でも似合いそうだが、あまり適当なのも悪いからな」
婆さん「あら、素敵ですねえ。それならバラなんかが人気ですが、私はこっちもオススメしたいですね。その奥様を大切になさっているなら、尚の事オススメします」
お婆さんは一つの鉢植えを出した
ラース「いろんな色の花だな。これはなんていう花なんだ?」
婆さん「カランコエといいます。花言葉は、あなたを守る。葉が雲のような形で、花も小さくかわいらしいんです」
ラース「これは確かにいいな。白色の花でもらっていいか?」
婆さん「はい。助けてくれたんですもの。これくらいのお礼はさせてください。待っていてくださいね、今ラッピングしますので」
少しして
婆さん「はい、こちらになります。きっと喜んでもらえますよ」
ラース「ありがとな、婆さん」
その後
マルティナとラースの部屋
ラース「マルティナ、帰ったぞ」
マルティナ「あら、ラース。また城を抜けて町の方に行ってたのね。あら?その花は?」
ラース「まあ何にもない日だが、マルティナにこの花をプレゼントだ」
マルティナ「え?私に?とっても可愛い花ね。素敵だわ。綺麗にラッピングもされてるし、これを買いに行ってたの?」
ラース「いや、婆さんを助けたらその人が花屋の人でな。お礼に造ってくれたんだ。その花の名前はカランコエ。花言葉は、あなたを守る。どうだ?俺みたいだろ?」
マルティナ「あら....。そんな意味があったのね。うふふ、確かにラースみたいだわ。ありがとう!大切に飾るわ。あ、そうだ!廊下に置かれてるテーブルに飾ってもいいかしら?」
ラース「俺は構わないぞ。マルティナが飾りたい場所に飾ってくれ」
マルティナ「そうするわ。そこなら皆が眺める事もできるわね」