ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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138.ラースの楽しみ

新婚旅行から帰ってきた次の日

 

 

 

朝食時

 

 

 

デルカダール王「どうじゃ、ラースよ。勝負はわしの勝ちであるようだな」

 

 

 

デルカダール王はラースに誇らしそうにしている

 

 

 

ラース「そんな....。嘘だろ、マルス、ルナ!」

 

 

 

ラースは床に膝をつけ、相当ショックを受けている

 

 

 

マルス「とー、じーじ、じーじ」

 

 

 

 

ルナ「じーじ!」

 

 

 

マルスとルナはデルカダール王の腕の中で手を伸ばし合っている

 

 

 

マルティナ「一週間でちゃんと言えるようになったのね。すごいわ、マルス、ルナ」

 

 

 

 

グレイグ「ラース....そんなに落ち込む事ないだろう」

 

 

 

 

ラース「親を一番最初に呼んで欲しかったんだよ!」

 

 

 

 

デルカダール王「ハッハッハ!わしにもグレイグにもこの数日で随分と懐いてくれた。これからもどんどん成長していくのだぞ」

 

 

 

訓練時

 

 

 

ラース「今日はグレイグと二人で教えるぞ!グレイグ、この数日で何を教えたか見せてくれ」

 

 

 

 

グレイグ「ああ、基礎はもうしっかり固まっているからな。俺は対人で有効な立ち回りを教えたんだ。お前達、ペアで昨日までの復習をやるんだ。それを見ていこう」

 

 

 

 

兵士達「はい!」

 

 

 

その後、ラースはペアの動きを見ていた

 

 

 

ラース「なるほどな、対人特化か。俺は魔物と人両方だからな。それに、グレイグは耐えて攻め込む教え方なんだな。

 

 

 

俺は避けたり相手の力を利用する立ち回りだ。やはり戦い方が違うと教える事も変わるな。なあ、グレイグ。もし時間ができた時は俺に言ってくれ。その時はグレイグが兵士達を教えるんだ。

 

 

 

兵士達にもグレイグの教える戦い方は勉強になるはずだ。様々な戦い方を学べば、自分なりの戦い方も見つけやすいだろう」

 

 

 

 

グレイグ「なるほどな、わかった。だが、あまり時間は作れないぞ?」

 

 

 

 

ラース「そこは無理しなくて構わないぞ。それはわかってる事だからな」

 

 

 

訓練も終わって少しした後、大広間

 

 

 

外に出ていこうとしているラースをバンが見つけた

 

 

 

バン「あれ、師匠?どうされたんですか?見回りは今日無いですよ?」

 

 

 

 

ラース「ああ、何でもないぜ。ただ町の様子を見に行くだけだ。実は、マルティナや王様に民達の様子を伝えるのも、俺の仕事だからな」

 

 

 

デルカダール城下町

 

 

 

お菓子屋

 

 

 

女性「いらっしゃいませ!あ、ラース様。何だか最近顔を見なかったので心配だったんです。どうされたんですか?」

 

 

 

 

ラース「すまないな。実はマルティナと新婚旅行に行っていたんだ。だからこっちに来れなかったんだ。あ、これ新作のお菓子なのか?」

 

 

 

ラースは店員と仲良さそうに話している

 

 

 

女性「まあ!それはよかったですね!それと、こちらは昨日から売り出した新商品なんです。よかったら、ラース様も一口食べてみてください」

 

 

 

 

ラース「お、いいのか?ありがとな。どれ.....おお。優しいバターの味がほんのり伝わってくるな。これは売れると思うぜ」

 

 

 

 

女性「本当ですか!ありがとうございます。よろしければ、ラース様オススメと書いてもいいですか?」

 

 

 

 

ラース「ハハハ、俺なんかの名前で効果あるのかよ」

 

 

 

 

女性「あら、知らないんですか?ラース様はよく城下町に来て私達ともよくお話されるので、優しいお方だって住民からは人気なんですよ?」

 

 

 

 

ラース「マジか。それは知らなかったな。そう言えば、酒場のマスターも俺の行きつけの店だって知られてから、売り上げ上がったとか言ってたな」

 

 

 

 

女性「あ!そのお店なら私も知ってますよ!結構有名になってきたみたいです」

 

 

 

 

ラース「そんな変わるものなのか?まあ、売り上げが上がるなら何でもいいか。俺はそうやって皆が笑ってくれるなら、それでいいんだ。すまなかったな、長々と話して。仕事頑張れよ」

 

 

 

 

女性「はい!またお待ちしてまーす」

 

 

 

噴水前

 

 

 

子ども達「あ!ラース様だー!ねえ、また魔法出してー」

 

 

 

周りで遊んでいた子ども達がラースを見つけるとすぐに駆け寄ってきた

 

 

 

ラース「お、来たな、ちびっ子。今日はどれがいい?」

 

 

 

 

男の子「俺、イオのやつ!パチパチしててカッコいいじゃん!」

 

 

 

 

女の子「私はヒャドがいいわ!綺麗だもの」

 

 

 

 

男の子「やっぱりメラでしょ!俺も打てないかなー」

 

 

 

 

母親「いつもすみません、ラース様。この子ったらメラを打ちたいってずっと言ってて」

 

 

 

 

ラース「いえいえ、構いませんよ。どれ、それなら見てろよ?俺はな、こんな事出来ちゃうんだぜ?」

 

 

 

そう言うと手に小さくイオの魔法を出し、それを凍らせた

 

 

 

男の子「えー!すっげー!!氷の中で爆発が起こってる!」

 

 

 

 

女の子「すっごーい!こんなの初めて見た!キラキラしてる!」

 

 

 

二人はラースの手のひらに夢中になっている

 

 

 

ラース「これは君達にプレゼントだな。ほら、二人分だ」

 

 

 

 

男の子「ありがとう、ラース様!これ溶けないの?」

 

 

 

 

女の子「中の爆発はどうするの?」

 

 

 

 

ラース「一日は爆発が続くけど、次の日には爆発しなくなってると思うな。ただ、その後は氷も溶けちゃうからな。明日には親に渡しておくんだぞ?」

 

 

 

 

二人「ありがとう!」

 

 

 

 

男の子「なあなあ、ラース様!俺も!」

 

 

 

 

ラース「もちろん忘れてないぞ。ほら」

 

 

 

ラースは手のひらに炎を出した

 

 

 

男の子「カッコイイー!あれもやってよ。たくさん出すやつ」

 

 

 

 

ラース「危ないから離れてろよ?....これだろ?」

 

 

 

そういうと、ラースの周りに火の玉がたくさん出来上がった

 

 

 

男の子「うわー!ラース様ってすごいや!」

 

 

 

 

ラース「へへ、ありがとな」

 

 

 

カフェ内

 

 

 

女性「こちら、ブラックコーヒーのホットになります」

 

 

 

 

ラース「ああ、ありがとな」

 

 

 

 

男性「あ、ラース様じゃないですか」

 

 

 

 

ラース「おお、俺の事知ってるのか?」

 

 

 

 

男性「はい。有名ですからね。こんな所でどうされたんですか?もしかして、ラース様も一息いれにきたんですか?」

 

 

 

 

ラース「ああ、まあそんな所だ。ずっと城にこもっていたら固くなっちゃうからな。それに、住民達の様子や町の変化もわからない。だから、俺はこうやって町によく休みにきてるんだ」

 

 

 

 

男性「やはり優しい方ですね、ラース様。私達の事までしっかり考えていてくださるんですね」

 

 

 

 

ラース「いやいや、俺の休むための口実に使ってるだけだぜ?あまり美化しすぎるなよな」

 

 

 

 

男性「そんな事ありませんよ。よく兵士達と見回りに来る時も、今もラース様は優しそうな顔をしていると皆、言っていますよ」

 

 

 

 

ラース「そうか?.....そうかもしれないな」

 

 

 

その後、裏通りの階段近くで

 

 

 

婆さん「ああ!」ドサア!

 

 

 

お婆さんが段差につまづいて転び、持っていたものを落としてしまった

 

 

 

ラース「婆さん、大丈夫か!?怪我はあるか?」

 

 

 

 

婆さん「ああ、ありがとうございます。すみませんね、わたしゃ足が弱くてね」

 

 

 

 

ラース「折角の花が散らばっちゃったな。集めるの手伝うぜ。この袋に入れればいいか?」

 

 

 

 

婆さん「ええ、ありがとう」

 

 

 

 

ラース「これで全部だな。さあ、婆さん。おぶるから俺に乗ってくれ。この花を届ける場所まで連れていくぜ」

 

 

 

 

婆さん「若い方、そこまでしてくれるのかい?優しいねえ。それじゃあお願いします」

 

 

 

花屋

 

 

 

婆さん「ここが私のお店です。わざわざありがとうございました」

 

 

 

 

ラース「いや、平気だぜ。色んな花があるんだな」

 

 

 

 

婆さん「何かお礼にお花をお造りしますよ」

 

 

 

 

ラース「そうだな...。女性に花を贈る時ってどんなやつが好まれるんだ?」

 

 

 

 

婆さん「あら、想い人でもいるのかい?」

 

 

 

 

ラース「いや、どうせなら妻に贈ろうと思ってな。何でも似合いそうだが、あまり適当なのも悪いからな」

 

 

 

 

婆さん「あら、素敵ですねえ。それならバラなんかが人気ですが、私はこっちもオススメしたいですね。その奥様を大切になさっているなら、尚の事オススメします」

 

 

 

お婆さんは一つの鉢植えを出した

 

 

 

ラース「いろんな色の花だな。これはなんていう花なんだ?」

 

 

 

 

婆さん「カランコエといいます。花言葉は、あなたを守る。葉が雲のような形で、花も小さくかわいらしいんです」

 

 

 

 

ラース「これは確かにいいな。白色の花でもらっていいか?」

 

 

 

 

婆さん「はい。助けてくれたんですもの。これくらいのお礼はさせてください。待っていてくださいね、今ラッピングしますので」

 

 

 

少しして

 

 

 

婆さん「はい、こちらになります。きっと喜んでもらえますよ」

 

 

 

 

ラース「ありがとな、婆さん」

 

 

 

その後

 

 

 

マルティナとラースの部屋

 

 

 

ラース「マルティナ、帰ったぞ」

 

 

 

 

マルティナ「あら、ラース。また城を抜けて町の方に行ってたのね。あら?その花は?」

 

 

 

 

ラース「まあ何にもない日だが、マルティナにこの花をプレゼントだ」

 

 

 

 

マルティナ「え?私に?とっても可愛い花ね。素敵だわ。綺麗にラッピングもされてるし、これを買いに行ってたの?」

 

 

 

 

ラース「いや、婆さんを助けたらその人が花屋の人でな。お礼に造ってくれたんだ。その花の名前はカランコエ。花言葉は、あなたを守る。どうだ?俺みたいだろ?」

 

 

 

 

マルティナ「あら....。そんな意味があったのね。うふふ、確かにラースみたいだわ。ありがとう!大切に飾るわ。あ、そうだ!廊下に置かれてるテーブルに飾ってもいいかしら?」

 

 

 

 

ラース「俺は構わないぞ。マルティナが飾りたい場所に飾ってくれ」

 

 

 

 

マルティナ「そうするわ。そこなら皆が眺める事もできるわね」

 

 

 

 

 

 

 

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