ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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147.極意

マルティナとラースの部屋

 

 

 

マヤ「.......」

 

 

 

マヤはラースをジッと見つめている

 

 

 

マルティナ「マヤちゃん?どうしたの?」

 

 

 

 

ラース「聞きたい事があるって顔してるな。わかってるさ、説明する。何から知りたい?」

 

 

 

 

マヤ「全部。と言いたいけど、まず、何で兄ちゃんはラースって名前なはずなのにグランって呼ばれてたんだ?しかも、それで反応してたよな」

 

 

 

 

マルティナ「ちょっと!?ラース、それって!」

 

 

 

 

ラース「そういう事だ、マルティナ。大丈夫、変な事があったんじゃない。ミルさんと話しただけなんだ」

 

 

 

 

マルティナ「そう....。私が代わりに話しましょうか?」

 

 

 

 

マヤ「あ、姉ちゃんも知ってるのか」

 

 

 

 

ラース「いや、平気だ、マルティナ。ただ、手は握っていてくれないか?」

 

 

 

 

マルティナ「もちろんよ。つらかったら言ってね。すぐにかわるわ」

 

 

 

 

マヤ「あ....ごめん。俺、聞きにくい事聞いちゃったみたいだね。いいよ、兄ちゃん、無理して話さなくて」

 

 

 

 

ラース「いや、マヤにはこんな事もあるっていうのを知ってほしい。だから話すよ。まず、俺はデルカダールの貴族の家で生まれたんだ」

 

 

 

 

マヤ「え?兄ちゃんって確かガラッシュの村って場所で育ったんじゃないのか?イレブンも兄貴もそう言ってたはずなんだけど」

 

 

 

 

ラース「それは間違ってない。ただ、生まれた場所は違うという事だ」

 

 

 

それからラースは自分の過去をマヤに話した

 

 

 

時に手が震え、冷や汗をかきながら

 

 

 

ラース「そうやって俺はガラッシュの村で育つ事になったんだ」

 

 

 

 

マルティナ「ラース、大丈夫?やっぱり私、何度聞いても許せないわ」

 

 

 

 

マヤ「俺....今までは、親がいないし、食事も満足に取れなかった。貴族とかそういう人を見るたびいつも、こいつらはどうして俺達とこんなにも違って幸せな生活をしてるんだろうって思ってた。

 

 

 

でも、兄ちゃんはそんな事なかったんだな。貴族なのに、家族なのに、俺達が頼りたかった親から見捨てられ、食事もまともに与えてもらえず、挙句捨てられた。俺は苦しくても兄貴がいたし、幸せになる事を夢見て、毎日頑張ってた。

 

 

 

兄ちゃんは、目の前に幸せな風景があったんだ。それを見せられながら、俺達のような生活を、たった一人で十歳までしてたんだな。俺....兄ちゃんの立場だったら.....絶対耐えられねえかも」

 

 

 

 

ラース「マヤ。世界にはこういう親もいるんだ」

 

 

 

 

マヤ「俺達、似た者同士だったのかもな。愛を知らなくて、過酷な生活をして」

 

 

 

 

ラース「マヤもこの事を知っても幻滅しないんだな」

 

 

 

 

マヤ「そりゃそうだぜ!そんな事されたら、俺なら悲しくなるからな。それに俺、兄ちゃんの事すげえと思うぜ。そんな状態からここまで来たんだろ?努力とかたくさんしたんだよな」

 

 

 

 

マルティナ「そうよね。ラースのいつでも努力を怠らないのは、ここがきっかけかもしれないわね」

 

 

 

 

ラース「なるほど、言われてみればそうかもしれないな。ハハ、俺のこんな過去なんかでも自分は何か学べていたんだな」

 

 

 

 

マヤ「俺も学校に入ったらいろんなことチャレンジするよ!がむしゃらに色々取り組んでたら、もしかして兄ちゃん達みたいに俺もなれるかな?」

 

 

 

 

マルティナ「マヤちゃんは優しいもの。絶対なれるわ」

 

 

 

 

ラース「そうだな、いつかそういう大事なものが見つかるさ」

 

 

 

夕方、訓練場

 

 

 

グレイグ「師匠!お久しぶりです!」

 

 

 

 

ジエーゴ「グレイグもいやがったか。おい!来たぞ、ラース!どれだけ強くなってるのか見てやろうじゃねえか!」

 

 

 

 

兵士達「よろしくお願いします!」

 

 

 

その後

 

 

 

ジエーゴは全員と軽く戦った

 

 

 

ジエーゴ「ほー、こいつは確かにすげえ。型の形もしっかりしてるくせにかなり実用的かつ隙の少ない戦い方だ。ラース、お前すごいやつじゃねえか!」

 

 

 

 

ラース「本当ですか!?ありがとうございます」

 

 

 

 

ジエーゴ「特にあの男だ。あの男だけ周りと違うな。別格の強さをしている。俺は手を抜いてなかったが、あいつは俺に反撃してきた。しかもかなり避けるのが難しいタイミングでな。お前、あの男に何をした?」

 

 

 

ジエーゴはバンを指している

 

 

 

ラース「あいつの名前はバン。俺の一番弟子です。今、あいつには俺の教えられる事を全て叩き込んでいる所です」

 

 

 

 

ジエーゴ「あいつがゴリアテの言っていたバンか!なるほど、ゴリアテも強いと評価する理由がわかったぜ。それに、まだまだ強くなるのか!ガッハッハ!こりゃあ楽しみだな!

 

 

 

それと、グレイグ。お前もバンと同じ避け方をしたな。兵士の中にもしてくるやつがいた。その避け方いつ教わったんだ?相手の攻撃の強さを利用する避け方。武道に近いな」

 

 

 

 

グレイグ「この避け方はラースから教わったものです。元々彼は体術をメインで戦っているのですが、こいつの避け方やいなしかたはそこから利用されたものです。相手の意表を突く戦いができるため、俺も教えてもらい習得しました」

 

 

 

 

ジエーゴ「なるほどな。ラース、お前中々嫌な戦い方だな。俺はこういうやつは敵にしてほしくねえな。まあいい。それに、このレベルなら俺もこいつらに高難易度の技を教えられる。ラース、お前の修行はこの後だ!」

 

 

 

 

ラース「はい!わかりました!」

 

 

 

その後

 

 

 

ジエーゴ「待たせたな、ラース。次はお前の番だ。てめえらは休んでこの兵士長の特訓でも見てな。お前に教える技は騎士の最上級レベルの技だ。

 

 

 

これはグレイグに教えようとしたんだが、あいつは結局習得できなかった。お前ならできるんじゃねえか?二刀流を同じ力で扱えるな?」

 

 

 

 

ラース「はい。できます」

 

 

 

 

グレイグ「まさか、あの極意か!」

 

 

 

 

バン「すげえ、師匠の片手剣の二刀流なんて初めてみた」

 

 

 

 

ジエーゴ「その状態でお前は左手で攻撃を捌いてもらう。一旦やってみろ。おら!」

 

 

 

 

ラース「は!」

 

 

 

 

ジエーゴ「確かにその捌き方でも問題はない。だが、かなり難しい事だが攻撃の方向に対して、五度だけ上に上げるようにしてみろ。イメージは、攻撃が剣を滑るような感じだ。おらあ!」

 

 

 

 

ラース「は!ぐっ....。難しい」

 

 

 

 

ジエーゴ「いや、最初にしちゃ悪くないぜ?もっと精度を上げてみろ!これを続けるぞ!」

 

 

 

数時間後

 

 

 

ジエーゴ「ハア!おりゃあ!」

 

 

 

 

ラース「ハ!えい!」

 

 

 

シャイン!シャイン!

 

 

 

ジエーゴ「やったな、いい感じだぜ!それが騎士の片手剣の極意「鈴鳴流」だ。今度来た時は右もやるからな。それまで感覚忘れんじゃねえぞ!」

 

 

 

 

ラース「はい!ありがとうございました!」

 

 

 

 

兵士達「ありがとうございました!」

 

 

 

その後

 

 

 

バン「師匠!流石です!俺、ずっと見てて真似したんですけど、難しすぎますよ」

 

 

 

 

グレイグ「俺も流石の一言に尽きる。攻撃を見極める目、力の加え方、様々な条件が必要だ」

 

 

 

 

ラース「バンは最近二刀流をできるようになったもんな。左手と右手が同じ筋力で攻撃出来る様になってなきゃ、できないな。それとかなりの器用さが必要だ。俺も正直言ってきつい」

 

 

 

 

グレイグ「だが、俺は片手もできなかったぞ」

 

 

 

 

バン「あれを習得できたらすごいですよ。攻撃を弾くと同時に攻撃できます。よく師匠が体術でやっている事と同じですね!」

 

 

 

 

ラース「そうだな。こりゃあ楽しめそうだ」

 

 

 

 

 

 

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