最終日
ラース「さて、今日は俺達が教えられる最終日だ。最後は別のグループの人達と実際に戦ってみろ。お互い教わった事を活かして、自分がやりたい戦いをするんだ」
兵士達「はい!」
ラース「それじゃあ適当にペアになるんだ」
兵士達がバラバラに動き始めた
バン「師匠、どうなると思いますか?」
ラース「おそらく拮抗するか、体力が持たなくなる方の負けが多いだろうな。だが、俺はファーリスに期待だな」
ベグル「ファーリスって確かあの王子の事ですよね。ラース将軍が訓練後に付き合ってますからね」
マーズ「なるほど。周りより練習量が多いのか。それは確かに期待しておこう」
ラース「よし、組んだな。それじゃあ始めてくれ。俺達が回りながら見ていくからな」
四人で色々見ていく
ラース「(ふむ、しっかりと皆出来ているな。やはりできる所を伸ばした方が戦いやすいだろう。お、ファーリスだ。相手はマーズの所のやつか)」
ファーリス「.......」
兵士「ハア!フッ!トウ!」
ラース「(いいじゃないか、防ぎながら相手の反撃を伺っている。相手は素早い攻撃だから隙は少ない。さあ、どうする?)」
兵士「ハアア!」
ファーリス「!ここだ!」ガン!
兵士「ぐっ!」
ファーリス「やった!できた!」
ラース「ハハハ、よくやったな、ファーリス。相手は反撃の隙が少ないのによくできたな」
ファーリス「あ、ラースさん!はい!教わった事をやれたら僕でもこんな戦いができるんですね!ありがとうございます」
ラース「だが、お前もよかったぞ。素早い攻撃で今まで相手に防ぐしか手段を与えなかったんだからな。いい動きだぞ」
兵士「ありがとうございます!」
その後
ラース「さて、今日でここの指導は終わりだ。何か少しでも自分の戦いや強さに気づけたなら、お前達はこの一週間で確実に強くなっているはずだ。これからも頑張ってくれ」
兵士達「ありがとうございました!」
玉座の間
サマディー王「おお、ラースよ!これでもう指導は終わってしまうのう。息子が前よりもとても頑張っているようだな。少し見ていたが、兵士達も皆いい動きだった。やはりお主はすごいやつじゃ。デルカダール王が自慢したくなるのも頷ける」
ラース「いえ、俺は少しだけ意識を変えさせただけです。結局は自分の努力が無ければ、俺の教えは何も意味を為しません。ここの兵士達は皆、努力家です。途中で諦めない心を持ったいい兵士達ですよ」
サマディー王「おお、そうだったか。それはいい事を聞いた。わし達も負けてはいられないからな。もし良ければまた今度指導に来てやってくれ」
ラース「わかりました、サマディー王。それでは私達はクレイモランの方にも行かなければならないのでこれで失礼します」
その後
バン「師匠!俺、やっぱり師匠の敬語って変な感じがしますよ!」バシッ!
バン「痛い!」
ラース「カミュのやつにもよく言われるよ。わかってるからはっきり言うんじゃねえ。次はクレイモランだ。寒いからしっかり対策しておけよ」
クレイモラン城 玉座の間
ラース「シャール王女、本日より私ラースにこの国の兵士達を鍛えてほしいと話を伺い、こちらに参りました」
シャール「や、やだ。ラースさん。わざわざそんな丁寧な言葉遣いしなくていいんですよ。あなたは勇者様達と共にこの国を何度も救ってくれたお方。もっと普通の話し方でいいんですよ」
リーズレット「そうよ。それに、カミュもそうだけど貴方達にそんな敬語は似合わないでしょ。気持ち悪いだけだから、次からはやらないでほしいわ」
シャール「ちょ、ちょっとリーズレット。そんな強めに言うことないでしょ。ごめんなさい、ラースさん」
ラース「....ハァ。わかったよ。ほら、これでいいか?」
リーズレット「ええ、その方があなたらしいわよ」
ラース「全く、人が遊びとかじゃなく真面目に来たってのに。それじゃあ、今日から一週間兵士達を鍛えよう」
シャール「ぜひお願いします。それと魔法や剣だけでなく、よろしければ船上での戦い方も指導してほしいんです」
ラース「ん?船上で?」
リーズレット「ええ、この国は他の国との貿易や海に囲まれてる事も関係して、海や船の上で戦う事も多いの。そこでの戦い方もあなたなら教えられると聞いたわ」
ラース「なるほどな。わかった。それじゃあその事も指導しておこう」
シャール「実は偶にベロニカさんにも教えてもらってるんですよ。そろそろ来る頃だと思います」
ラース「え?ベロニカが?」
バタン!
ベロニカ「シャールさん!来たわよ!ってラース!?どうしたの?」
シャール「実は、今日からラースさんにも兵士達を鍛えてもらおうと思って呼んだのです。一緒に教えてあげてください」
ラース「ベロニカ、お前兵士達に指導なんてできたのか?」
ベロニカ「違うわよ!私は魔法を教えてるの!ここの兵士達は皆、魔法を得意としてるからね!あなたみたいな剣とかは教えられないわ。確かにそこも教えた方がいいし、一緒にやりましょう」
ラース「なるほどな。クレイモランらしいな」
大広間
ラース「マーズ、お前はこっちに残って教えるのを手伝ってくれ」
マーズ「はい!そのために呼ばれたんだと思ってましたよ」
ラース「ハハ、お見通しだったか。バン達は各自でやっていてもらって構わないが、どうせなら外の魔物を相手に練習してみてもいいぞ。こっちの魔物はデルカダールより強いし、訓練にはもってこいだろう」
三人「はい!」
ラース「ああ、それとバン。この国は結構綺麗なアクセサリーや宝石もある。今回バンには俺が無理言ってついてきてもらったからな。メグに何かお土産でも買っていってやるといいぞ」
バン「え.....。う、ううっ.....ぐすっ....師匠。俺、師匠がドSでも、師匠に一生ついて行きます!!」
バンは少し泣きそうになっている
ラース「おう、お前後で覚悟しとけよ」
ベグル「ほら、泣いてねえで外行くぞ、バン。ほら」
バン「馬鹿!引っ張んな!師匠!ありがとうございます!!」
マーズ「ほら、とっととあっちいけ」
バン「何だと!マーズ!お前、師匠に迷惑かけんじゃねえぞ!」
マーズ「お前に言われる筋合いはねえよ!!」
ベロニカ「ふーん、厳しいだけかと思ってたらそうでもないのね。やっぱり優しい所は残ってるのね」
ラース「なんで俺が鬼みたいな事してると思ってたんだよ」
訓練場
ラース「というわけで話には聞いていたと思うが、今日から俺、ラースが指導するからな。よろしく頼む」
ベロニカ「私は今まで魔法しか教えられなかったけど、ラースは騎士だから剣の指導もしっかりできるわ。魔法も得意だから学べる事は多いと思うわよ」
ラース「魔法ならベロニカの方ができただろうが。それと俺の隣にいる男の名はマーズ。こいつはデルカダールの兵士の中でもかなりの魔法の腕前だ。もちろん剣の方もな」
マーズ「ラース将軍にそう言われると照れますね。よろしく頼むぞ」
兵士達「よろしくお願いします」
ラース「ベロニカから魔法が得意だと聞いている。だが、魔法だけ強くちゃ、それは魔法使いだ。兵士にはなれない。そのためには剣の方もしっかりしないとな。まず、各自が得意な魔法を手に浮かべてみろ」
その後
ラース「よし、皆できるな。それを手に纏ってみろ。炎なら赤く、氷なら青くなるはずだ」
兵士達「はい!」
ラース「そうだ、その感じだ。それを剣を握っている時にもやってみろ。剣までそれを纏わせる感じでな」
少しして
ラース「.......やはり出来ないな。まずは初歩的な物としてこれを使えるようになってもらうぞ」
兵士達「はい!」
ベロニカ「ねえ、ラース。私はどうしたらいいかしら?」
ラース「ベロニカは明日からがメインになるかな。明日は魔力の出し方や増幅の仕方、使い方を教えていくからな。今日はどうやら大丈夫みたいだ。明日また来てくれ」
ベロニカ「わかったわ、明日また来るわね」
数時間後
マーズ「ラース将軍、全員なんとかできるようにはなったみたいです」
ラース「わかった。それが魔法を纏わせる魔法剣だ。かえん斬りに似た物ではあるが、少し別物だからな。今からそれを使う戦い方を教えていく。それと、魔法と剣を同時に使う戦い方もな」