クレイモランで指導を始めてから三日目
玉座の間
カミュがシャール達と話していた
シャール「魔物の件はどうでしたか?カミュさん」
カミュ「シャール王女、かなりまずい事がわかりました。魔物が一部で凶暴になっていたのはこの嫌な力を感じるルビーの欠片だと思われます」
カミュは欠片を見せた
リーズレット「あら、本当ね。確かに魔の力がこもってるわね。それで?」
カミュ「これを取引していた商人によると、もう片方の欠片は鳥の魔物により海の方へ持ち去られたとの事でした。おそらく、海の魔物達も凶暴になっているでしょう。しばらくは北海に向かうのは控えた方がいいと思われます」
シャール「まあ!大変!ラースさん達が危ないわ!」
カミュ「え?ラースがここにいるんですか?」
リーズレット「今この国に兵士達を指導しに来てるの。今日から北海で船上での戦い方を指導すると言ってベロニカと朝、向かっていったの」
カミュ「マジか!?そいつはまずいな。急いで俺も向かいます」
クレイモラン城下町
カミュ「ん?もしかしてあそこにいるのは....」
ベグル「ん?あ!カミュさん!お久しぶりです。こちらにいるとやはり住んでいるだけあって会えるんですね」
カミュはベグル達と出会った
カミュ「確かラースの所のベグルとマーズか。もう一人は見ない顔だな。それより、ラース達が今大変な事になってんだ!」
ガク「え!?何かあったんですか?」
カミュ「ああ、詳しい事情は後で説明するから俺と一緒に北海まで来てくれ。今すぐ船上の指導を止めさせるんだ」
その頃、北海
北海は大荒れとなっていた
ラース「ちっ!一体どうなっていやがる!こんなに急に荒れてくるとはな!」
クラーゴン?「キシャアアア!」
さらに船は魔物のクラーゴンに襲われていた
バン「しかもやたらと凶暴な魔物付きですよ!さみだれ突き!」
ベロニカ「ラース!兵士達は全員他の船に避難させたわ!」
ラース「わかった!次はベロニカとバン!お前達が先に乗れ!俺もすぐに行く!さあ、こっちに来い!メラガイアー!」
バン「師匠!気をつけてくださいね!」
ブンッ!
ラース「ベロニカ!!危ねえ!!!」
ベロニカ「あ......」
ベロニカにクラーゴンの足が薙ぎ払われようとしていた
ラース「ふん!うわああああ!!」
ラースはベロニカを庇い触手に飛ばされ、海に飛んで行った
バン「師匠!!!」
ベロニカ「そんな!!!ラース!!」
クラーゴン?「プギシャーーー!!」
クラーゴンの攻撃は止まない
バン「くっ.....。ベロニカさん、逃げますよ!」
ベロニカ「でも、ラースが!!」
バン「師匠ほどの方なら......大丈夫です。絶対に。それに、俺は師匠から何か緊急事態が起こっても、自分がやるべき事を間違えるなと何度も言い聞かされています。今、俺がやるべき事は皆を安全に送り届ける事です!」
ベロニカ「わかったわ!ラース、絶対大丈夫よね?」
しばらくして
バン「北海を抜けたら嵐は収まりましたね」
カミュ「おーい!!お前ら!!無事か!」
遠くからカミュ達の乗った船が来た
ベロニカ「カミュ!!大変なの!私を庇ってラースが北海に落ちてしまったのよ!!どうしましょう、あいつ泳げないわ!!」
カミュ「何だって!!?あんの、馬鹿が!!俺が助けに行ってくる!お前達は仲間達を呼んでくれ!」
バン「カミュさん!俺も行きます!場所を案内しますよ!俺なら船の上でも戦えます!」
カミュ「わかった!ついて来い!」
北海
カミュ「何だよ、この嵐は。どこら辺だ?」
バン「飛んでいったので正確にはわかりませんが、この辺りだと思います。俺、潜って探してきます!」
カミュ「馬鹿!やめろ!凍えて死ぬぞ!!」
マーズ「でも、それ以外どうやって見つけ出すんですか?」
カミュ「.......ん?何だ、あれ」
少し先から光が昇ってきた
その中には気絶したラースとセレンがいた
カミュ「セレン様!」
カミュ以外「に、人魚!?」
セレン「ギリギリ体力を繋げたようです。かろうじて生きてはいますが、勇者でも無い人がこのままではかなりまずいでしょう。体は冷え切り、水も中に入り込んでいます。どうか処置をお願いします」
セレンはカミュにラースを渡した
バン「師匠!」
カミュ「すまなかった。ありがとな、セレン様!」
セレン「気にしないでください。大切な勇者の仲間の一人です。救いたくなるのは当然ですよ」
その後、クレイモラン城
ベロニカ「ラースは!!?」
マーズ「今、医者とシスターの方が治療しています。ですが、体も冷えて水も飲んでいるそうです。カミュさんが今、必死に心臓マッサージをしています。俺達と交代でしばらくは続けていきます」
ベロニカ「.....わかったわ。ラース、体を温めてあげる。ほら、ずっとこうやってメラを使ってるから早く治って」
ベロニカがラースの近くに座り、炎で体を温めている
その頃、デルカダール城では
訓練場
マルス「うわあああん!!わああああ!!」
マルスが大声で泣いていた
ロベルト「お、おいおい。急にどうしたんだよ。マルス」
マルス「とうさーーーん。うわあああん」
ロベルト「ギバ、俺マルティナ様にマルスの事お願いしてくる。そのまま続けててくれ」
ギバ「ああ、わかったぞ」
一方、マルティナ親子の部屋
ルナ「ううっ.....。ぐすっ....」
マルティナ「全く。急にどうしたの?泣くなんて久しぶりなんじゃない?」
ルナも少し前に泣き出し、マルティナに宥められていた
ルナ「お父さんが急に心配になったの。よくわからないけど、すっごく怖い気持ちになったの。あれ?マルスの声?」
マルスの泣き声が扉の前から聞こえて来る
コンコン
ロベルト「すみません、マルティナ様。さっきマルスが急に泣き出しまして。特に痛い思いとかをしたわけでは無いのですが」
マルティナ「ええ!マルスまで?ごめんなさい、ロベルト。わざわざありがとう。訓練に戻って大丈夫よ。ほら、マルス。落ち着いて」
マルス「うわあああん!!父さん.....父さん」
マルティナ「一体何があったの?二人が泣くのを見るなんて何年ぶりかしら」
バタン!
グレイグ「姫様!!!大変ですぞ!!ラースのやつが!」
マルティナ「え....。この子達は、まさか本当に」
グレイグ「ラースがクレイモランで死を彷徨っているそうです!!」
マルティナ「何ですって!!?」
グレイグ「今すぐにクレイモランへ!私も準備してきます!姫様も準備の方を!!」
マルティナ「わかったわ!ラース、そんな.....」