その後
ルナ「わーい!お父さんとお風呂、久しぶり!」
マルス「僕も母さんとお風呂は久しぶりだな!」
マルティナ「本当なの?ラース。家族専用の混浴なんて」
ラース「ああ!ちゃんと調べてきたからな。貸し切りにできたぜ!」
ロウ「楽しみじゃのう。マヤちゃん(ラースのお金がかなり消えたがの)」
マヤ「家族でこんな大きいお風呂なんて、私すっごくいい思い出になるよ!」
風呂場
マルティナ「いい?ラース、ロウ様。あまり近づかないでくださいね。特にロウ様!」
ロウ「わ、わしにそんなに強く言わんでもわかっておる」
ラース「それじゃあマルス、先に入ってようぜ」
マルス「うん。先に行ってるねー」
ルナ「ルナも早く行きたいー」
マヤ「焦らなくても大丈夫だよ、ルナ。ほら、落ち着いて脱いで大丈夫」
マルス「すっごーい!お城よりたくさんお風呂あるー!」
ラース「マルス、まず体を洗ってからだぞ」
マルス「はーい!」
ロウ「走ると滑って危ないからゆっくり歩くんじゃぞ」
その後
ルナ「お母さん、すっごーい!ここ、たくさん泡が出てるよ。気持ちいい」
マルティナ「そうね。この泡はリラックスするためのものね。こうやって背中にあてると気持ちいいのよ」
マヤ「すごーい。ワイン風呂だって。こんなのもあるんだ」
ロウ「前はこのハーブ風呂もよかったのう。マルス、おじいちゃんと一緒に入らんかの?」
マルス「入るー!おじいちゃん、一緒に入ろー!」
ラース「子ども達も大はしゃぎだな」
マルティナ「そ、そうね。これは確かに他のお客さんがいると、迷惑かかったりして大変だったかも。貸し切りにした判断は正しいわね」
ラース「だろ?だからもう少し近くにいっても」
マルティナ「駄目よ」
ラース「寝てる時はいいのに.....」
マルティナ「我慢してね」
ラースはトボトボと奥へ行った
マヤ「あ、兄ちゃん拗ねたよ。姉ちゃん、少しくらいいいんじゃないの?」
マルティナ「.......」
マヤ「露天風呂もあるみたいだよ。そこに二人で行ってきたら?私達はしばらくは中にいるからさ。子ども達もじいちゃんと見ててあげる。行ってきなよ」
マルティナ「......マヤちゃんったら。大人をからかわないの。まあ、今回はそうしてみるわ。ありがとう」
マヤ「うん!兄ちゃんもその方がいいだろうし」
風呂の端
ラース「......少しくらいいいじゃんか、マルティナ」
マルティナ「ラース。そんな所にいないで、一緒に外に行きましょう。二人で」
ラース「え!?行く!」
ラースは大急ぎでマルティナを追いかけた
露天風呂
ラース「でも急にどうしたんだよ。嬉しいけどさ」
マルティナ「マヤちゃんが、ラースが少しかわいそうだって言って気を使ってくれたのよ。しばらく外のお風呂には来ないらしいわ」
ラース「へへ、マヤはいい妹だな。前からこうやって隣り合ってお風呂に入りたかったんだ。夫婦って感じするだろ?」
ラースとマルティナは背中合わせになっている
マルティナ「.....そうね。少し恥ずかしいけど、いいわね。落ち着くわ」
ラース「やっと素直になってくれた。子どもができてから、マルティナは少し気を張りすぎなんだよ。もっと甘えてくれたっていいし、俺にくっついてくれたっていいのによ。まるで付き合う前の旅の時みたいで、俺は寂しかったんだからな」
マルティナ「ふふ、言われてみるとそうだったかもしれないわ。ごめんなさい。新婚旅行の時も、その為にお風呂に誘ってくれたのね。あの時は他に誰もいなかったから」
ラース「そうだぜ。俺は頑張ってるマルティナも好きだが、俺に甘えてくれるマルティナだって大好きなんだからな。これから王女として頑張り続けるのはわかってるさ。でも、俺や子どもの前なら頑張らなくたっていいんだ。こうやって二人で寄り添っている時間も大切だ」
マルティナ「......ごめんなさい。ラースはそんなにも私の事を考えてくれていた。それなのに、私は気づかずにラースを拒んでいたのね」
ラース「仕方ないさ。恥ずかしいとか、みっともないって思ってしまうのはわかるからな。でも、こうやって人目を限りなく少なくすれば、マルティナも楽になれるだろ?これからも俺がそういう機会を用意できたらするから、その時はまた甘えにきてくれ」
マルティナ「うん。ありがとう、ラース。ラースも私にどんどん甘えていいのよ」
ラース「もちろんだぜ、マルティナ。俺も放っとかれると寂しいからな。甘えさせてくれよな」
マルティナ「ええ、ありがとうラース。私、ラースが変な事考えてるんじゃないかと思ってたわ」
ラース「そりゃあ、本当に無かったかと言われたら嘘になるぞ。でも、それよりもマルティナの心配の方が大きかったからな」
マルティナ「も、もう!結局は少しはあったのね!まあ、心配してくれていたのは嬉しいわ」
ラース「ハハハ、気にすんなよ!それじゃあ、別の風呂にも入りに行こうぜ。あの樽風呂とかどうだ?二人で入れそうだぞ?」
マルティナ「隣にもう一つあるじゃない!何で一つで入ろうとするのよ」
ラース「チェー。駄目か、抱っこしながら入ろうと思ったんだがな」
マルティナ「も、もう!ラース!!自然とそういう事に移るのやめて!」
ラース「ハハハハ!わかってるさ、少しは冗談だ」
マルティナ「ほとんど本気だったって事じゃない」
その後
マヤ「兄ちゃん、姉ちゃん。マルス達がのぼせると悪いから先に上がってるね」
ラース「ん?そうか。結構経ったもんな。俺達もあがるか」
マルティナ「そうね。長湯しすぎるのも問題だもの」
ラース「マヤはお風呂楽しめたか?」
マヤ「うん!あのね、奥にミルク風呂ってのがあって、そこお肌がすっごいすべすべになるの!何回も入っちゃった!」
マルティナ「あら、懐かしいわね。前にセーニャと入ったわ」
ラース「男湯には無かったやつだな。少し種類も違ってたのか。あ、マヤ。先に部屋に戻っていてくれるか?」
マヤ「ん?いいよ。何かするんだね」
ラース「まあ、思い出の場所に行こうかなと思ってな」
マルティナ「あ、あそこね」
マヤ「いしし。じゃあ楽しんできてね」
その後、旅館の離れ
マルティナ「ここね。懐かしいわ」
ラース「ああ、もうあれから何年も経っちまったな。でも、忘れる事はないな。俺、今でもあの時の勇気を出した自分を褒めるな」
マルティナ「私も、ここでラースに幸せになっていいって教えてもらった。忘れないわ」
ラース「へへ。どうせなら、ここで今度はキスしてみるか?この初めて思いが通じ合った場所でよ」
マルティナ「ええ、そうね」
二人はゆっくりと抱き合い、キスをした
しばらくして、旅館 部屋
ガチャ
ラース「じいさん、ありがとな。マヤ達の面倒見てくれて」
ロウ「ほ!ほっほっほっ。な、なーに、気にせんでよい。わしも家族ぐるみに混ぜてもらったんじゃ。爺になって楽しまんとな」
ロウは驚いてカバンに何かを隠した
ラース「じいさん、今何を隠したんだよ。まあ、察しは付くけどよ。何も言わねえが、いい趣味とは言えねえぞ」
ロウ「こ、これはわしの唯一の楽しみなんじゃ。許してくれ。混浴も貸切になってしまって不服だったんじゃ」
ラース「は?」
ロウ「......あ」
ラース「....じいさん?まさか、俺を騙したのか?」
ラースからは段々と殺気が出てくる
ロウ「い、いやいや、今の発言は違くてのう。な、何というか、その、言葉の綾というか」
ラース「流石、元ユグノア王。人の心で遊ぶのがお上手です。ですが、そんな王にはとっておきの刑に処してあげましょう。覚悟はいいな?」
ロウ「ヒ、ヒイイィィ!!」
夜中
マルティナ「もう、トイレに行きたかったならもっと早くに言ってね」
ルナ「ごめんなさい、お母さん。ん?あそこに誰か倒れてるよ」
ルナは隣の部屋の前を指さしている
マルティナ「え?......。ルナ、何言ってるの。あそこには何も無いわ。さあ、トイレはあっちよ、行きましょう」
ルナ「えー、本当だよ、お母さん。誰か倒れてたもん」
マルティナ「お母さんには見えなかったわ。あまりそういうのは気にしちゃ駄目よ」
廊下にはボロボロになったロウがムフフ本と共に、縄で縛られて倒れていた