しばらくして、ユグノア城
兵士「ロウ様!イレブン様が救援を呼んでおります!何やらラースさんとカミュさんが喧嘩しているとの事です!」
ロウ「な、何じゃと!?」
マルティナ「もう!何やってるのよ。私達も急いで行きましょう!」
マヤ「えー。兄貴達の馬鹿。何やってんの」
その後、広場
カミュ「もう許さねえからな!ラース!」
ラース「何とでも吠えてろよ!弱い犬ほど何とやらってな!」
カミュ「これならどうだ!ぶんしん!」
カミュは三人に分身した
ラース「お、おいおい。それはいくら何でも」
カミュ「デュアルブレイカー!」
三人の分身による一斉攻撃
ラース「くっ!やべえな、避けきれねえ!」ザシュ!ズバ!
ラースは避けきれず何発か当たっていく
イレブン「もうやめてよ!二人とも!」
マルティナ「ラース!カミュ!やめなさい!!」
イレブンとマルティナは二人の前に出た
ラース「くっ....」
カミュ「チッ....」
ロウ「なぜ暴れておるのじゃ。お主達は仲良く飲んでいたのでは無いのか?」
カミュ「ああ?じいさん、誰と仲良くだって!?」
ラース「こんなやつと仲良く飲めるわけねえだろうが!」
また一触即発の雰囲気となっている
マヤ「お願いだよ!兄貴!兄ちゃん!もうやめてよ!!」
マルティナ「ラース、落ち着いて。これ以上暴れるなら捕まえないといけなくなるわ」
ラース「.....」
イレブン「カミュもだよ。僕の軽率な発言が、二人の気分を害させたのは本当に悪かったよ。だから、せめて仲直りしてよ」
カミュ「......」
カミュは何も言わずに立ち去っていく
イレブン「あ、カミュ!待ってよ。僕も....」
カミュ「来んじゃねえよ、イレブン!」
イレブン「カミュ....」
マヤ「....」
マルティナ「落ち着いた?ラース」
ラース「ああ、悪かったな。迷惑をかけた」
ロウ「一体何があったというんじゃ」
イレブン「僕が二人に兄弟みたいなんだから、もう少し他の所でも仲良くしてほしくてそんな話をしてたの。でも、二人は互いの悪い所をどんどん上げていって互いに喧嘩になっちゃったの」
マルティナ「ハァ。ラース、悪口を聞かされ続けて嫌な気持ちになるのはわかるけど、もう少し我慢して。暴れられると困るのよ」
ラース「そう....だな。.....すまない、城に帰ろう。少し一人にさせてくれ」
マヤ「........」
マヤはずっと不安そうな顔をしていた
その後、カミュと喧嘩してから数日経った
マルティナとラースの部屋
ラース「.......」
マルティナ「どう?ラース。カミュと仲直りした?」
ラース「俺だってあんな事したかったんじゃない。俺はカミュの事は嫌いじゃなかったんだ。でも、カミュは俺の事嫌いになったはずだ。元々そこまで好かれてもなかったんだ。わざわざ顔を出す必要もないだろ」
マルティナ「ラース。あなたの事だから、何か考えがあってお酒とか稽古によく誘ってたんじゃないかしら?私はそう思っていたのだけど」
ラース「ハハハ、流石マルティナだな。俺の考えも読まれるようになってきたなあ。そうだよ。俺は、あいつにも家族の暖かさをわかってほしかったんだ。カミュはすぐに一人になりたがろうとする。盗賊時代の癖なのかもしれないが、俺はそれをやめてほしいんだ」
マルティナ「その思いをカミュに伝えないの?今、あなたとカミュに仲直りしてほしい人が来てるのよ」
ラース「え?」
マルティナ「マヤちゃんよ。入ってきて」
ガチャ
マヤ「兄ちゃん、お願い。兄貴と仲直りしてよ」
ラース「.......」
マヤ「兄貴は兄ちゃんの話をしようとすると逃げちゃうんだ。私、折角兄ちゃん達と仲良くなれたのに、兄貴だけ仲間外れみたいで嫌なんだよ」
マヤは下を向いて涙が出そうになっている
ラース「マヤ....」
マルティナ「泣かなくて大丈夫よ。ほら、言いたい事を言って」
マヤ「うん....。私、兄貴にも家族を教えてあげたいの。私以外とも家族になって、一緒に笑いながらご飯を食べて、一緒に助け合って生きていく事ができるって教えたいのに.....クソ兄貴はいつも、俺はいいって言って何処か行っちゃうの。
私!兄貴と兄ちゃんにもっと仲良くしてほしいの!私ともこうやって仲良くなれたんだもん!絶対できるよ!だから....お願い」
ラース「.......」
マルティナ「よく言えたわね、マヤちゃん。ほら、涙拭いて」
マヤ「うん....ありがとう」
ラース「......少し考えてくるよ」
ラースは部屋から出ていった
バルコニー
バン「あ!師匠!」
ロベルト「お疲れ様です!ラース将軍!」
バルコニーにはバンとロベルトがいた
ラース「おう....」
バン「師匠、マルティナ様に話を聞きました。カミュさんと喧嘩したそうですね」
ラース「まあ、な。俺も少し言いすぎたが、あいつだって俺の事迷惑がってたんだ。仕方ないだろ」
ロベルト「最近、考え事が多いのはそのためだったんですか。仲直りはしないんですか?」
ラース「仲直り....ねえ。もう手遅れだろ。俺、あいつに面と向かって会えない気がするぜ」
バン「師匠.....」
ラース「大体、俺とカミュはあまり馬があわねえんだ。互いに売り言葉に買い言葉だしよ。俺はあいつと家族になったが、カミュは認められないんだろう。もう、俺じゃあ無理だ」
バン「何でそんな簡単に決めちゃうんですか」
ラース「ハハハ、少しはわかるさ。俺はあいつに弟になってもらっても構わなかったが、あいつが望まないならそれでいい。もう、俺にできる事は何もない」
ラースは少し下を向いて乾いた笑いをしている
バン「ああ、もう!師匠、すみません!」
ラース「ん?何だ」バキッ!
ラース「グハッ!」
ラースは少し飛ばされた
ロベルト「お、おい。バン」
ラース「な、何すんだよ。バン!」
バン「師匠はそんな簡単に何かを諦める人じゃないでしょう!今の師匠はカミュさんと仲直りするのが、会う事が怖いんですよね!?それを隠して、最もな理由を自分で挙げてるだけじゃないですか!
俺の知ってる師匠は、簡単に諦めないでどんどんぶつかっていく人だったじゃないですか!師匠は今、何もしてないですよ!!それなのに、逃げちゃ駄目です!前、俺にそう教えてくれたじゃないですか!」
ラース「......」
バン「師匠!カミュさんと会いましょう!会って話をするんです。思いをちゃんと相手に伝えて、しっかりと話すんです。師匠は優しい方です。カミュさんだってそれは知ってるはずです。お互い文句とかは無しにして、向かい合って見てください。何か変わるはずですよ」
ラース「.......ふっ。ハハハハ!バン、流石だよ。そうだったな。俺はお前に、逃げてちゃ始まらないと教えた。その俺が今、こうして逃げていたんだな。
ありがとな、バン。思い出させてくれて、励ましてくれてよ。こんな師匠で悪かった。俺、カミュと話してくる。この問題と向き合ってくるぜ」
ラースは立ち上がった
バン「はい!それでこそ師匠です!」
ロベルト「何だかラース将軍らしさが戻ってきましたよ。俺も応援してます」
ラース「ああ、ありがとな。バン、今度このお礼に何か奢ってやるよ。じゃあな」
バン「へへ、やったー!」