ラースの誕生日から二ヶ月後
デルカダール城 朝食時
デルカダール王「グロッタから手紙が届いておってのう。何やら勇者の仲間達全員に大切な話があるそうなのじゃ」
グレイグ「私達全員と。中々珍しい声掛けですね」
ラース「何かあったんだろうか?」
デルカダール王「いや、特にそういうわけではないらしい」
マルティナ「皆もすぐに向かうかしら?私達も明日には向かった方がよさそうね」
デルカダール王「頼んだぞ、お前達」
次の日、グロッタの町
グレイグ「ここに来ると俺の像があって少し恥ずかしくなるのだ」
グレイグは街の真ん中にある大きな自分の像を見ている
ラース「あんなデカデカとあると目立つよな。まあ、いいんじゃないか?英雄グレイグさん?」
ラースは少しニヤニヤしている
グレイグ「貴様、面白がっているな?」
マルティナ「あ、その像の前にイレブンとベロニカ達とロウ様がいるわ」
イレブン「あ!ラース達も来た!」
ロウ「残りはシルビアとカミュじゃな」
ベロニカ「シルビアさんは忙しいし来れるかしら?」
セーニャ「カミュ様も忙しそうでしたわ。都合が合わないかもしれませんね」
ラース「皆も今日きたのか?」
イレブン「僕とおじいちゃんは昨日からいたよ。まあ、すぐ近くだからね」
グレイグ「明日まで待ってみるのも手だな」
マルティナ「うーん、一先ず話だけ聞いてそこからどうしても二人が必要なら声をかけにいくって方法が確実じゃないかしら?」
ロウ「まあ、これだけ集まれば上出来じゃろう」
イレブン「じゃあコロシアムの方に来てほしいんだって。行ってみようか」
コロシアム受付
町長「おお!勇者様!よくいらしてくれました。お仲間の方々も忙しい中申し訳ございません」
ベロニカ「それで私達に話って何かしら?」
町長「実は最近はてっきりこのコロシアムも使われなくなってしまい、取り壊しの話も出ているのです。このコロシアムは、私の祖父の代から作られた思い出深い場所。使われなくなったからいきなり壊すのはやめていただきたいのです」
セーニャ「確かにそんな大切な場所を壊されるのは心が苦しいですわね」
町長「そうなんです。それでせめて壊される前に何か大きな大会を開こうと思ったのです。それをこのコロシアムでできる最後の思い出として、終止符を打つ事にしたのです」
ラース「なるほどな。だが、俺達全員を呼んだ理由は何だ?それなら数人でも充分だが?」
町長「私は最初は初代の大会通りにしてみようなど、過去のチャンピオン達全員で戦ってみようなど色々考えたのですが、どうもパンチが弱い気がしまして。そこで目をつけたのが貴方達、勇者様のメンバーです」
グレイグ「俺達に?」
町長「はい。勇者様のメンバーの中で一番強い方は誰なのか。これなら誰でもわかりやすいですし、興味も惹かれやすいと思ったのです。なので、内容としては参加者は勇者様のメンバーだけでのトーナメントです」
マルティナ「でも、この中で一番強いと言ったら」
全員「ラースでしょ」
全員がラースを見てハッキリ言った
ラース「ええ!?全員一致かよ!」
町長「ええ!?勇者様まで認めるのですか!?」
イレブン「でも実際そんな気がするよ」
ラース「俺は皆と本気で戦った事は一回しかないだろ。俺は町長の意見に賛成なんだがな」
町長「勇者様を抜いて、各自でペアになってもらい、他のペアと総当たり戦にし、勝率が高かった方に勇者様と戦う。という形式にしようとしていたのですが」
ラース「面白そうじゃねえか」
ベロニカ「なるほどね。ペアなら確かに実力は変わるわね」
セーニャ「戦略も必要になってきますわ」
イレブン「でも僕、二対一は無理だよ?」
町長「いえ、流石にそんな事はしません。一対一になってもらいます」
マルティナ「でも、仲間達の中で今も体を動かしてる人は少ないわ。仲間達の中で差ができてしまっているんだけど、どうすればいいかしら?」
町長「開催は半年以上先の話になっているんです。その間に何とか取り戻してはいただけないでしょうか?」
ロウ「確かにそれだけ空いておれば何とかなるかのう」
町長「一位になったペアは勇者様の仲間内最強ペアとして世界に知る事になります。さらに勇者様にも勝てば、歴史に刻まれると思いますよ」
グレイグ「話がかなり大きくなるな。だが、世界も関心を向けるという事か。やるならば、俺達も恥がない戦いにしないといけないな」
ラース「これは全員一致で出るって事でいいだろ!」
ベロニカ「まだシルビアさんとカミュに聞いてないわよ。二人の都合が合わなかったらわからないわ」
町長「それでは話が決まりましたら連絡の方お願いします。あ、ペアは当日くじ引きで決めていきます」
ラース「え!?俺、マルティナとペアになれないかもしれないのかよ!?」
イレブン「なったら一位になるに決まってるじゃん」
セーニャ「そのお二方になってしまわれると、私達も勝つのが難しくなりますわ」
グレイグ「お前と姫様の組み合わせはイレブンとカミュ以上に厄介だ」
マルティナ「ま、まあラース。なれたら嬉しいけど、それは仕方ないわ。運に任せましょう」
ロウ「わしも孫と組もうと思っておったが、そのルールなら仕方ないのう」
イレブン「それじゃあカミュとシルビアに話をしないとだね。どこにいるのかな?」
ラース「俺達の城に来るように言えばすぐじゃないか?」
マルティナ「本来お城は簡単に集まる場所ではないのよ?」
ベロニカ「そ、そうよね。すっかり集まる場所になってるわよね。ごめんなさい、マルティナさん、グレイグさん」
グレイグ「いや、俺は気にしてないぞ。城は広いし集まるにももってこいなのはわかるからな」
マルティナ「まあ私も気にしてないけど、ラースがあまりにも簡単に指定するものだから自覚あるのかしらと思って」
マルティナは横目でラースを見る
ラース「うぐ.....」
ロウ「ふぉっふぉっ、お見通しのようじゃな。やはりラースも妻には敵わんのう」
その後、カミュとシルビアにも話をし、全員で出ることになった
シルビア「面白そうじゃな〜い!アタシはもちろん出るわ!」
カミュ「俺は興味ないな。俺だけパスでもいいか?」
ラース「そういえば、優勝商品の中に世界各地の珍しいお酒やブランド物の酒の詰め合わせが......」
カミュ「優勝狙って頑張るとするか!!」
その日から仲間達は旅の頃の感覚を取り戻すため、修行を始めた
そして八ヶ月後、大会が開催される事になった