ダーハルーネの町
ラース「おお、本当だ。すげえ賑わってるな」
町には大勢の男性や女性がお菓子屋に駆け寄っており、行列をなしていた。甘い香りもいつもよりもはっきりと伝わってくる
ベロニカ「さあ、早速服屋に行くわよ!」
ラース「どうせならシルビアとセーニャも来いよ。奢るぜ?」
シルビア「アタシは平気よ。あのチーズケーキだけで充分だわ」
セーニャ「私もついては行きますがお気になさらずに」
ラース「そうか。なら、ショッピングが終わったら俺の用事に付き合ってくれないか?」
ベロニカ「ダーハルーネに用事なんてあったの?」
ラース「ああ。前にも行ったあのカフェの店長と一緒に、マルティナへのお返しをこれから作るんだ。かなり大きいから人手が欲しくてな」
セーニャ「まあ!今から作るのですか?間に合いますかね?」
シルビア「なるほど。だからさっきアタシ達にも奢らせようとしたのね。それでお願いを聞いてもらえるように」
ラース「まあそういう事だ。予定では間に合うと聞いてるからな。それに、女性から見て俺が贈ろうとしてるお菓子をどう思うか判断してくれると嬉しいんだ。いいか?」
ベロニカ「まあそれくらい構わないわ。ラースの事だからマルティナさんにビックリしてほしいんでしょ?」
セーニャ「スイーツの事ならお任せください!」
シルビア「もちろんアタシも手伝うわ!ラースちゃんの用意しようとしているものも気になるしね」
ラース「へへ、ありがとな。ビックリさせたいのもあるが、同時に喜んでもほしいからな。マルティナが驚きながらも笑ってくれるようなものを作るんだ」
その後
ベロニカ「やったわ!この服が欲しかったのよ!ラース、ありがとう!」
ラース「何だよ、あの値段。ぼったくりかと思ったぜ」
セーニャ「あの服は高級な生地を使っているので、かなり高くて手が出せなかったんです」
シルビア「まあ、ベロニカちゃんの笑顔のためと思って。ね?」
ラース「ハァ、そういう事にしといてやるよ。なら、次はカフェだな」
カフェ
ラース「よお、邪魔するぜ」
店長「おお、来たなラース。準備は終わってるぜ。って、シルビアさん!それに、ベロニカさんにセーニャさんも!」
シルビア「久しぶりね〜、店長ちゃん」
セーニャ「大食いコンテスト以来ですわね」
ベロニカ「今日はラースに連れられて手伝いにきたの。私達も何を作るのか気になるしね」
ラース「というわけだ。人手は多い事に越した事はないだろ?」
店長「ナイスだ、ラース!お前なんかと二人っきりで作るなんてむさ苦しくて考えたくなかったんだ。女性の方がいれば捗るぜ!しかもシルビアさんまで来てくれたとありゃあ、俺はもう大興奮だぜ!」
シンジは大喜びしている
ラース「うるせえよ。なんかで悪かったな。早速始めるぞ」
その後
ベロニカ「店長さん、こっちのクリームはこのくらいでいいかしら?」
店長「ああ、それで大丈夫だ!ありがとな」
シルビア「果物も言われたサイズに切ったわよ」
店長「おお!想像よりずっと綺麗だな!流石シルビアさんだ。ナイフ使いまで美しい!」
ラース「本当に張り切ってんな。俺が贈るものなのに何でそんなに熱が入ってるんだよ」
店長「だってよ、奥さんへのプレゼントなんだろ?パティシエとしてはこの世に一つしかないものを作ってやりたくなるもんだぜ!」
セーニャ「素敵な心遣いですわ!店長様はとってもお優しいのですね!」
店長「セーニャさん、よしてくれよ。照れるぜ」
シンジの顔は少し赤くなっている
ラース「うわ、鼻の下伸ばしやがって。きったねえ顔だな」
店長「うるせえぞ、ラース!!お前には美女達に囲まれるのが当たり前かもしれねえが、俺はこんな事一生にあるか無いかなんだよ!!少しくらい楽しませろ!」
夕方も過ぎた頃
店長「さあ!渾身の出来栄えだ!これで喜ばねえ女性はいないだろ!」
シルビア「キャーッ!素晴らしいわ!!これは最高ね!」
セーニャ「夢みたいですわ。こんな風なスイーツがあるなんて」
ベロニカ「いいなー、マルティナさん。これは私も絶対欲しいわ。店長さん、売り出してはくれないの?」
店長「悪いな、ベロニカさん。これは今回が初めての試みなんだ。だが、これはいいな。結婚式とかには最高だろ。今度予約でパーティー専用で売り出してみるかな」
ラース「本当に最高だな!俺も早くマルティナに見せてやりたいぜ!」
店長「へへ、ラース。お前の案が無けりゃ、これは出来上がらなかったんだ。さあ!奥さんの元に行きな!そして最高の思いをプレゼントしてやるんだ!」
シルビア「マルティナちゃんも絶対にとびっきりの笑顔をプレゼントしてくれるはずよ!」
セーニャ「後片付けは私達でやりますわ。ラース様は一刻も早くマルティナ様の元に向かってください」
ベロニカ「私達も手伝った事伝えなさいよ!」
ラース「おう!皆、ありがとな!!行ってくるぜ!」
ラースは急いでキメラの翼で戻っていった
店長「さて、あいつも行った事だしシルビアさん達もわざわざあんな奴に付き合ってもらって悪かったな。俺からもお礼するぜ。
実は今日、あるチョコレートの試作品を作っていてな。いい物ができたから店に出す前に一足先に三人にやるよ。まだ俺以外誰も食べた事ない作品だ。ぜひ食べてみてくれ」
シンジは冷蔵庫からチョコレートを取り出した
セーニャ「まあ!そんな物よろしいのですか?ありがとうございます!」
シルビア「ええ〜!何これ!?クリスタルみたいに透き通ってるわ!本当にチョコレートなの?」
ベロニカ「あ!本当だ、チョコレートよ!すご〜い!」
透明なチョコレートに三人は驚いている
店長「へへ、驚いてくれたみたいだな。甘さを出すのに苦労したんだ。俺からのお礼はこんな物しかないが許してくれよな」
セーニャ「いいえ!これは間違いなく芸術品ですわ!!食べるなんてできません!家に飾りたいくらいです!」
セーニャはチョコレートを持ち上げ、まるで崇拝しているかのようだ
店長「ハハハ!ありがとな、セーニャさん。セーニャさんは毎回嬉しい反応をしてくれるな。パティシエとしての最高の褒め言葉だ。さあ、片付けを始めようぜ」