ホワイトデーから数ヶ月後
聖地ラムダ ベロニカ達の家
セーニャ「お姉様!マルティナ様からお手紙が届きましたわ!」
ベロニカ「あら、ありがとうセーニャ。なんて書いてあったの?」
セーニャ「何やら悩んでる事があるそうですわ。シルビア様やロウ様にも相談されているそうです。少し様子を見に行きませんか?」
ベロニカ「マルティナさんがそんなに悩むなんて珍しいわね。わかったわ、行ってみましょう」
デルカダール城 マルティナ親子の部屋
コンコン
ガチャ
マルティナ「あ、いらっしゃい。ベロニカ、セーニャ」
シルビア「ベロニカちゃん達も来たのね」
ベロニカ「ええ、手紙を見てすぐにきたの。悩みって何かしら?」
マルティナ「最近ラースが変なのよ。何だかボーッとしてるし、夜も寝るのが早くなってしかも起きるのも遅くなったの。時々ふっと倒れそうになる事もあるの」
ロウ「なるほど。それは確かにラースらしくないのう」
マルティナ「一番変なのは、ここ数日間ご飯をおかわりしなくなったの!」
全員「ええ!?」
シルビア「あのラースちゃんが!?」
ベロニカ「お城のご飯は必ずおかわりしてるって言ってたのに」
セーニャ「一体何があったのですか?」
四人はそれを聞き、少し焦り始める
マルティナ「ここ最近から突然なのよ。私が聞いても偶に聞いてない時だってあるし、返事も曖昧なの。医者に見せても何ともないって言われちゃったし」
ロウ「確かにおかしい。ラースは今どこにおるんじゃ?」
マルティナ「お父様もグレイグも心配して数日休ませてるの。今はいつもの場所で昼寝してると思うわ。これ以上おかしくならないように皆にも相談してみようと思ってたの。イレブンとカミュは来れるかしら?」
ロウ「イレブンは最近よく働いておってのう。疲れとるだろうからと休ませておるんじゃ。だが、これは呼んだ方がよさそうじゃのう。明日連れてくるわい」
ベロニカ「カミュも私が連れてくるわ。それに最近カミュとラースは仲良くなったから来るでしょ」
マルティナ「ええ、お願いするわ。子ども達も不思議がってるのよ。バン達も騒ついてるし、私達も気が気じゃない。お城は今少しだけパニックなの」
シルビア「そう言われると、この城でのラースちゃんの影響力は大きいのね」
セーニャ「ラース様、どうなされたんでしょうか」
次の日、マルティナ親子の部屋
ラース以外全員揃って話していた
カミュ「兄貴がそんなんになっていたのか。確かに心配だ。何か手がかりはあるのか?」
グレイグ「俺達が見ている限りでは何ともなかったんだ。いきなりおかわりをしなくなってな。おかしくなる前日の晩飯はしっかりおかわりしていたというのに」
コンコン!
部屋の扉を少し焦るように叩く音がした
バン「突然すみません、マルティナ様!バンです」
ガチャ
マルティナ「バン?どうしたの?」
バン「あ!勇者様達全員いらしてたのですね!あの、至急訓練場に来てくれませんか?師匠がまたおかしくなっちゃって、しかも倒れたんです!」
マルティナ「え!?わかったわ、すぐに行くわ」
イレブン「大丈夫かな、ラース」
訓練場
ラースは既に起き上がっていた
ラース「あれ?すまないな。ボーッとしてたみたいだ」
マーズ「いえ、気にしないでください」
グレイグ「ラース、どうしたのだ!」
ラース「ん?グレイグか。あれ?皆、来てたのか。俺にも顔出してくれよな」
ロウ「ふむ。今は特段、変には見えんのう」
ラース「俺も今そっちに行くぜ」
しかし、ラースは向かう途中何もない場所で急に倒れた
ドサ
全員「ラース!」
バン「あ、師匠!」
全員がラースに駆け寄る
カミュ「おい、兄貴。どうした」
ラース「.....ハッ!す、すまねえ。何だか眠くなってな」
ラースはどうやら少し寝落ちしていたようだ
マルティナ「医療室に行く?大丈夫?」
ラース「流石にそこまでじゃないさ。怪我とかはしてないんだからよ。悪いけど、俺部屋で寝てるよ」
ラースはゆっくりとした足取りで部屋に戻っていった
シルビア「ラースちゃん.....」
バン「師匠はどうされたんですか?ここ一週間くらいおかしいですよ」
ベロニカ「私達にもわからないわ。ラースがこんな事になるなんて思わなかったわ」
セーニャ「先程、何やらラース様から不思議な力を感じました。魔法とは少し違うのですが、何とも言えないような不思議な力です」
マルティナ「そうなの?ラース、何で言ってくれないのかしら」
ロウ「少し様子を見てみよう。わし達もこれは放っておけん」
カミュ「おかしくなり始めたのは一週間前からなんだよな?遠征とか行ったりしたか?」
グレイグ「いや、そういうのはもうラースには回ってこないのだ。基本バン達に行っている。あいつには騎士の仕事があるからな」
バン「そうですね。師匠はここ最近用事もないみたいですし、見回りなど以外でお城から出ていないはずです」
イレブン「じゃあ魔物とかは関係なさそうだね」
シルビア「どうしましょうか。あんな風に突然倒れられたらこっちは気が気じゃないわよね」
セーニャ「眠いとの事でしたので、眠気覚ましをしてみてはいかがでしょうか。カミュ様のザメハや目覚めの花を使ってみましょう」
マルティナ「なるほど。確かに効果はありそうね。ザメハは難しくても、目覚めの花なら頑張って飲み物とかにいれられるわ」
その後、マルティナ親子の部屋
ラースは目を擦りながら目を覚ました
ラース「ふわあ.....。何だか寝起きがよくないんだよな」
イレブン「ラース、おはよう。コーヒーいれたんだ。ラースも飲まない?」
ラース「おお、ありがとなイレブン。貰うぜ」
ラースはどんどん飲んでいく
イレブン「どう?喉乾いてたんじゃない?」
ラース「ふうっ!ありがとな、イレブン。確かに喉が乾いてたんだ。だが、眠気が取れないんだ。自分にザメハしても効かなくてよ。最近変なんだ」
イレブン「何があったの?」
ラース「特に何も無いんだよな。あの日が近いのはわかってたんだが、関係は無いしよ」
イレブン「あの日?」
ラース「そう、イレブン達と出会った....」ドサ
ラースは突然目を閉じて倒れた
イレブン「え!ラース!?ちょっと!!」
ラース「スゥ...スゥ」
ラースは寝ているようだ
イレブン「嘘....会話の最中に寝るなんて。いいよ、皆入ってきて」
ベロニカ「これはただ事じゃないわ。最早寝るだけになってきてるじゃない」
カミュ「しかもあれはコーヒーなんかじゃなくて、目覚めの花をすり潰した飲み物だったんだぜ。目覚めの花以外入ってねえのに全く効果なかったな」
ロウ「想像より事態は深刻じゃ。このまま起きなくなるなんて事もあるやもしれん」
バン「そんな!?師匠がそんな風になるなんて!」
セーニャ「先程、ラース様があの日が近いとおっしゃっていましたね。あの日とは?」
グレイグ「イレブン達と出会った日と言っていたな。いつなんだ?」
シルビア「確か一週間後ね。その日にラースちゃんとアタシ達は出会ったの」
マルティナ「でも関係は無いって言っていたわよね。あまり当てにはならなそうだけど」
イレブン「あ.....。もしかしてさ、その日って僕達がラースと出会った日でもあるけど、ラースにとってはもう一つ意味があるよ」
カミュ「もう一つ?......まさか」
マルティナ「!?ガラッシュの村の人達全員の命日だわ!確かにラースとは深い関係があるわね」
バン「その日があと一週間ですか。でも、師匠がこうなっている事と関係は確かに無さそうですね」
ベロニカ「そうなのよね。うーん.........。でも、他に手がかりがないわ。一先ずガラッシュの村に行ってみましょう。何かが起こっているのかもしれないわ」
グレイグ「そうだな。何も無ければまた考え直してみよう。バン、悪いがラースを見ていてくれ。もし目を覚ましたら世話もしてやってくれ」
バン「わかりました。そちらの方はお願いします」