ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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夢の世界

夢の世界

 

 

 

イレブン「ん....ここは?」

 

 

 

イレブンが目覚めると草原にいた

 

 

 

バン「あ、イレブンさん、起きましたか。ここはガラッシュの村の前みたいです」

 

 

 

 

セーニャ「この先にはまだガラッシュの村がありましたわ」

 

 

 

 

ロウ「ここはもうラースの夢の中じゃろう。行ってみようかの」

 

 

 

ガラッシュの村

 

 

 

そこはまだ村があり、人達も元気に走り回ったら生活をしている

 

 

 

広場の中心にはとても大きな木があり、優しく村を見守っている

 

 

 

マルティナ「ここがガラッシュの村。確かに広場に大きな木があったのね。それに、閉鎖的だけど子どももそれなりにいるじゃない」

 

 

 

 

グレイグ「自然に囲まれた綺麗な場所ですな。........今とは比べものにならんな」

 

 

 

 

カミュ「俺達の姿は見えてないみたいだぜ。兄貴もどこかにいるのか?」

 

 

 

 

ベロニカ「あ!あそこにラースに似た子がいるわ!」

 

 

 

ベロニカが指差す方を見ると、お爺さんと一緒にラースと思われる子どもがいた

 

 

 

祖父「ラースよ、ここが村で一番大きな場所じゃ。これからはここで遊んでいるのじゃぞ」

 

 

 

 

子ラース「う、うん。でも、お勉強しなくていいのですか?」

 

 

 

子どものラースはお爺さんの後ろにくっつきながら、不安そうにキョロキョロしている

 

 

 

祖父「なーに、そんな事はまだしなくていい。お主はもっと自由に遊んでいいのじゃぞ」

 

 

 

お爺さんは優しく子どものラースの頭を撫でる

 

 

 

子ラース「え、えへへ。本当?僕、ずっと外で走り回ってみたかったんだ」

 

 

 

 

祖父「おお、そうじゃったか。どれ、木の周りでも走ってみるといい」

 

 

 

 

子ラース「うん!やったー!」

 

 

 

子どものラースは元気にイレブン達の近くを走っている

 

 

 

イレブン「あれがラース?すごい痩せてるよ。ラースがガラッシュの村に来たばかりの頃なのかな」

 

 

 

 

ロウ「おそらくそうじゃろう。それに、腕や足に傷がたくさんついておる。ラースのこれまでがどれだけ悲惨だったかが伝わってくるのう」

 

 

 

 

バン「師匠って過去に何かあったんですか?」

 

 

 

 

グレイグ「そうか。バンはラースの幼少期を知らないのだったな。あまり詳しくは教えてやれないが、ラースは子どもの頃、親から虐待を受けていてな。人として扱われていなかったのだ。

 

 

 

このガラッシュの村には親から捨てられて、魔物に殺されかけていた所を、今隣にいる爺さんに助けられて来たのだ」

 

 

 

 

バン「師匠にそんな事があったんですか!?俺、何も知らなかったです」

 

 

 

 

マルティナ「あまり本人も話したがらない事だもの。あんな事、思い出したくもないはずだわ」

 

 

 

 

バン「はい。でも、それでも師匠は師匠です!何があったってそれは変わりませんからね!」

 

 

 

 

シルビア「バンちゃんったらカッコいいじゃない!その気持ちは大事よ!」

 

 

 

 

セーニャ「あら?あちらの方でラース様と話されてる男の子は」

 

 

 

 

子ギルグード「ん?お前、誰だ?この村で見たことないぞ」

 

 

 

子どものギルグードがボールを持って現れた

 

 

 

子ラース「あ、初めましてだね。僕の名前はグラン。少し前にこの村に来たの。よろしくね」

 

 

 

 

子ギルグード「へえ、こんな所によく来たな。しかし、傷だらけじゃないか。痛くないのか?」

 

 

 

その時、お爺さんも話に入ってきた

 

 

 

祖父「おお、ギルグード。よかった、この子を紹介しておくぞ。この子の名前はラース。先日、魔物の群れに襲われておったラースをわしが助けてきたんじゃ。仲良くしてやってくれ」

 

 

 

 

子ギルグード「え?ラース?あれ?でもさっきグランって言わなかったか?」

 

 

 

 

子ラース「あ、間違えた。僕は親に捨てられたの。だからおじいちゃんが僕に新しく名前をくれたんだ。その名前がラースって言うの。早く慣れないとだね」

 

 

 

 

子ギルグード「.....そっか。よろしくな、ラース。俺の名前はギルグードだ。俺の友達と一緒に遊ぼうぜ。ほら、来いよ、ラース」

 

 

 

 

子ラース「いいの?ありがとう、ギルグード!僕、誰かと遊ぶなんて初めてだよ!」

 

 

 

子どものギルグードはラースの手を取って走っていく

 

 

 

ラースも目をキラキラとさせている

 

 

 

ベロニカ「この子がギルグードね。確かに面影はあるわ。私達はほとんど彼を知らないけど、ラースにとって彼はとっても大切な人だったのよね」

 

 

 

 

イレブン「あ、あれ!?何だか世界が変わっていくよ!」

 

 

 

 

バン「何だか目まぐるしく回ってますね!」

 

 

 

イレブン達の周りはどんどん時が動いていく

 

 

 

シルビア「落ち着いたわね。場面は変わっているという事かしら」

 

 

 

 

ラース「皆....。やめてくれよ」

 

 

 

ガラッシュの村の広場があった場所でラースは小さくなっている

 

 

 

ロウ「ここは.....ガラッシュの村が無くなった後か。何が起こっておるんじゃ」

 

 

 

ラースの周りにはよく見ると複数の人達がいる

 

 

 

女性A「あんたがシルバーオーブを持っていったせいで死んじゃったじゃない!」

 

 

 

 

男性A「そうだ!俺達はこれからもずっと幸せに生きていけるはずだったのに!」

 

 

 

 

男性B「勝手に村に来て勝手に村から出ていった。何て自分勝手なやつだ!」

 

 

 

 

女性B「私達がどれだけ痛い思いをして死んだと思ってるの!?」

 

 

 

 

女性C「あんたはこの村にとって死神よ!」

 

 

 

 

ラース「やめてくれ...。俺は、そんなつもりでやったんじゃないんだ」

 

 

 

ラースは耳を塞ぐようにしている

 

 

 

カミュ「これは....相当応えるぜ」

 

 

 

 

ギルグード「お前は俺より強くねえのに、村長からちょっとチヤホヤされていい気になってんじゃねえか?そんなんだから何も守れねえんだよ。俺との約束すら守れねえもんな、ラースは」

 

 

 

 

婆「あんたにはずっと出て行ってもらいたかったの。さあ、出て行って」

 

 

 

 

爺「わしの教えも守らんやつじゃ。こんなやつは息子としていらんわい。どこへなりとも行くがよい、グラン」

 

 

 

 

ラース「やめて...くれ。ギルグード、すまなかった。婆ちゃん、わがまま言ってごめん。爺ちゃん、俺をラースって呼んでくれたのは、爺ちゃんからだろ?グランとは呼ばないって言ってくれたのに....そんな...」

 

 

 

ラースからは涙が流れている

 

 

 

カミュ「兄貴...。ちっ!嫌なもんだな!何もできねえのかよ!」

 

 

 

カミュはラースに手を伸ばすが透けてしまう

 

 

 

マルティナ「これが...ラースの中にある、悪夢。見ていられないわ」

 

 

 

 

イレブン「え!?待って!僕達まで出てきたよ!」

 

 

 

 

ベロニカ「本当だわ!しかも最強装備の時だわ!」

 

 

 

 

偽シルビア「ラースちゃんったらそうやってウジウジしてるのやめてほしいわ」

 

 

 

 

偽ロウ「お主はこのメンバーにはいらんのう。別にお主がやらんでもわしらで充分じゃ」

 

 

 

 

偽ベロニカ「魔法だってちょっと扱いが上手いだけじゃない。魔物を倒しきれなきゃ意味ないのよ」

 

 

 

 

偽カミュ「格闘技も最初こそすごかったが、別に今はマルティナだってできる。二人もいらないぜ」

 

 

 

 

偽グレイグ「姫様に無闇に近づきおって!お前は基礎もなってないやつなんだ。邪魔だ!どっかに行け!」

 

 

 

 

偽セーニャ「ラース様、私はもうあなたについて行くのは意味がないとわかりましたわ。私は皆様と行きます」

 

 

 

 

偽イレブン「ラース、皆が迷惑してるんだ。お願いだから、抜けてくれないかな?」

 

 

 

 

偽マルティナ「私にはあなたじゃあ釣り合わない。さようなら、つまらなかったわ」

 

 

 

 

ラース「......」

 

 

 

ラースは何も言わなくなってしまった

 

 

 

マルティナ「何よ、あれ!私達はあんな事言わないわ!」

 

 

 

 

セーニャ「また場面が変わっていきますわ!」

 

 

 

 

グレイグ「ここは何処だ?何も見えないぞ」

 

 

 

真っ暗で何もない場所になった

 

 

 

ラース「......そこに誰かいるのか?」

 

 

 

遠くからラースがこっちに歩いてきた

 

 

 

カミュ「!?兄貴!」

 

 

 

 

ラース「何だ、お前達か。こんな所まで来てどうしたんだよ」

 

 

 

 

イレブン「僕達の姿が見えるんだね!ラース、目を覚ましてよ。僕達と一緒に帰ろう」

 

 

 

 

ラース「断固拒否だな。お前達とはいられねえ。俺は、皆といても相応しくないんだ」

 

 

 

ラースは皆から目を逸らす

 

 

 

ロウ「何を言っておるのじゃ、ラースよ。お主はわし達の大事な仲間ではないか」

 

 

 

 

ラース「俺なんかは入れねえんだよ。元から周りとは違ってるからよ。自分の村や、育ててくれた皆を見殺しにしたやつが、こんな綺麗なところにいられるかよ」

 

 

 

 

マルティナ「ダメよ、ラース。あなたはそんな後ろ向きに考える人じゃないでしょ?さっきの私達や村の人は全部偽物よ。騙されちゃダメ」

 

 

 

 

ラース「マルティナ、君はまだ、俺の本当の心を知らない。俺は、世界を皆と守って君と過ごしても、何も変われなかった。俺は、自分でどれだけ誤魔化しても意気地なしのままさ。ガラッシュの村が無くなったあの日からずっと.....」

 

 

 

 

バン「師匠!弱気にならないでください!大丈夫です。皆師匠を待ってますよ!」

 

 

 

 

ラース「もう来ないでくれ。俺はこのままでいいんだ」

 

 

 

ラースがそういうと壁ができ、ラースの方へいけなくなった

 

 

 

イレブン「あ!ラース、待ってよ!どこに行くの!」

 

 

 

ラースが歩いて行く先には魔物が見えた

 

 

 

魔物「グフフフフフ」

 

 

 

魔物はまるで大きな鳥のような姿をしている

 

 

 

カミュ「あいつが元凶なのか?兄貴!!ラース!!そっちに行くんじゃねえ!」

 

 

 

 

セーニャ「どうかお戻りください、ラース様!そちらは罠ですわ!」

 

 

 

 

マルティナ「ラース!この壁をどかして!!」

 

 

 

イレブン達は壁を叩きながらラースに叫んでいる

 

 

 

ラースには誰の声も届かず、魔物に食べられてしまった

 

 

 

全員「!?」

 

 

 

 

魔物「ハアア、最高じゃなあ。夢に誘い、絶望した人間の味は」

 

 

 

 

シルビア「やだ!ラースちゃん!?嘘でしょ!?」

 

 

 

 

ベロニカ「魔物のやつ、何て事してくれてるのよ!」

 

 

 

 

魔物「ん?何やら呼んでおらんやつらがいるのう。どうやって入ったかわからんが、この世界はわしのもの。お主達が好きなようにできるわけなかろう」

 

 

 

 

イレブン「さっきから魔法を打とうとしてるんだけど、全く発動しないよ!」

 

 

 

 

グレイグ「特技もできん!どうなっているんだ!」

 

 

 

 

魔物「あの男は実にいいやつじゃった。心の奥底に隠した闇は実に美味い。記憶を読み取り、あの男が最も嫌な事を目の前で大量にしてやる。

 

 

 

そうしたらどうだ?あんなに気丈だったやつも、今ではわしの掌で踊っておるわ。この空間は呪文も特技も使えん。わしに攻撃する事もできんぞ。

 

 

 

さあ、次はお主達の番じゃ。ゆっくりと、ゆっくりと調理していってやろう」

 

 

 

 

マルティナ「イレブン、勇者の剣で何とかならないかしら!」

 

 

 

 

イレブン「任せて、マルティナ!剣よ、悪を払え!」

 

 

 

剣は光り輝くが、何も起こらなかった

 

 

 

イレブン「ええ!?そんな!」

 

 

 

 

バン「あ!でも、壁は無くなりました!これで戦えますよ!」

 

 

 

 

魔物「グフフフ。さあ、かかってくるがいい。夢の恐ろしさ、特と味わうがいい!」

 

 

 

 

 

 

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