ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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ラース「また来たのか、お前達。どれだけ諦めが悪いんだ」

 

 

 

 

 

セーニャ「ラース様!私達はあなたに自信を持ってもらうためなら、何度だって来ますわ!」

 

 

 

 

 

カミュ「そうだ。兄貴はもっと自信を持っていいんだ。俺達が教えてやるからな」

 

 

 

 

 

ラース「無駄だよ。俺に自信なんてつきはしない。俺は、村の皆を見殺しにした。約束も果たせてない。こんな俺が自信なんてつくはずがないだろう。この罪はどう足掻いたって消せはしないからな」

 

 

 

 

 

祖父「ラースよ、それは間違っておるんじゃぞ」

 

 

 

 

 

ラース「!!?」

 

 

 

 

 

祖母「ラース、私達はあなたにそんな思いを抱いてほしくはないよ」

 

 

 

 

イレブン達の後ろからラースの祖父と祖母が現れる

 

 

 

 

ラース「爺ちゃん、婆ちゃん....」

 

 

 

 

 

祖父「わしらだけじゃないぞ。皆、出てくるんじゃ」

 

 

 

 

 

そう言うと、祖父の後ろからたくさんの人が出てきた

 

 

 

 

 

ラース「皆!!」

 

 

 

 

 

ギルグード「よお、ラース。やっぱり変な捉え方してたな?全く、とんだ勘違いだな」

 

 

 

 

 

男性A「そうだぞ、ラース。俺達はお前を恨んでなんかいないぞ!」

 

 

 

 

 

女性A「そうよ。ラースの中で勝手に歪んでしまっているだけ」

 

 

 

 

 

村長「わしはお主に使命を持たせて旅立たせた事。それをずっと後悔しておった。ギルグードとの大切な約束があったとは知らなかったのだ。どうか許してくれ」

 

 

 

 

 

ラース「村長!そんな....気にしないで。確かに約束を守れなかったけど、村長は何も悪くないよ!」

 

 

 

 

 

ギルグード「ほら、やっぱり言った通りだろ村長。ラースはあんたに責任を押し付けてはいないんだ。こいつは馬鹿だから、全部自分で背負ってるのさ」

 

 

 

 

 

ラース「うるさい!ギルグード!」

 

 

 

 

 

村長「ラースよ。これだけは絶対に信じておくれ。お主は、ガラッシュの村の誇りじゃ」

 

 

 

 

 

ラース「!?な....やめてくれよ、村長。俺は.....そんな資格なんて」

 

 

 

 

 

祖父「資格なんて必要ないんだよ、ラース。ラースは実際に使命を果たしたではないか。こちらのイレブンさんを見つけ、連れてきて力を試した。さらに勇者様の仲間として力の限りを尽くした。それが出来たのは、ラース。お主だったからじゃよ」

 

 

 

 

 

イレブン「そうだよ。僕があの旅でどれだけラースに救われてきたか。未来の僕も言ってた。ラースにはずっと助けられてきた。ラースに恩返しをするから、ここにきた。ラースには、マルティナとずっと幸せになってほしいから頑張るんだって」

 

 

 

 

 

ラース「......」

 

 

 

 

 

村長「お主は紛う事なきガラッシュの村一番の戦士じゃ。村の皆が認めておる」

 

 

 

 

 

ギルグード「そうだぜ。俺が使命を持っても、お前のようには行かなかったはずだ。ラース、お前だったから使命を果たし、勇者様の力になれたんだ。その絶対の事実を見過ごすな」

 

 

 

 

 

ラース「俺だったから....?」

 

 

 

 

 

祖母「そうです。ラースは優しい子。私がいつも言っていましたね?

 

 

 

誠に強き者は、心優しき者

 

 

 

ラースの本当の強さは心の強さ。そして、優しさですよ」

 

 

 

 

 

祖父「そうじゃ。そしてそれをわかっている方達は多くいる。さあ、ギンさん、ミルさん、出番ですよ」

 

 

 

 

村の人達の中からギンが現れた

 

 

 

 

ギン「グラン。いや、ラースよ。なんと大きくなった事か。私を覚えているかな?」

 

 

 

 

 

ラース「お爺様!!俺....またお爺様に会えるなんて!」

 

 

 

 

 

ギン「私はラースの心の強さや優しさをあの頃から感じていた。だからフォースの力を託したんだ。あの力は心が優しく、そして強くなければ扱う事はできん。

 

 

 

 

あれは仲間や人を思う心が使える技なのだからな。ラースよ、それをマスターしたのは凄い事なんじゃ。自信を持っていいのだ。よく、頑張った。そして、よく馬鹿息子のようにならんでくれたな」

 

 

 

 

ギンはラースを抱きしめる

 

 

 

 

ラース「お爺様....。ありがとうございます」

 

 

 

 

そしてミルもラースの元へやってきた

 

 

 

 

ミル「グラン坊っちゃま。お久しぶりです。私の最期があのような手紙となってしまい、大変申し訳ございませんでした。手紙にも書きましたが、グラン坊っちゃまは本当に優しいお方です。

 

 

 

 

あの過酷な環境の中、私達に笑いかけてくれた事はどれだけ凄い事だったか。私でさえ、あの家にいる時は感情など無くなっていたというのに。グラン坊っちゃま、私とギン様はこちらのガラッシュの村の方達と共にいつも優しく見守っていますよ」

 

 

 

 

 

ラース「ミルさん、ごめんね。関係ないのに、巻き込んじゃって」

 

 

 

 

 

ミル「仕方ないのです。あれはグラン坊っちゃまのせいなんかではありません。私ももっと早くにグラン坊っちゃまの言う通りにして、他の所で働くべきでした。

 

 

 

 

ですが、後悔はしておりません。こうしてグラン坊っちゃまを見守っているのも楽しいのですよ?だから、安心してくださいね」

 

 

 

 

ミルは笑顔でラースに笑いかけている

 

 

 

 

祖父「わかったかな、ラース。お主は誰にも恨まれてなどおらん。全員、お主の味方じゃ。姿が見えなくとも、わし達は必ずお主のそばにいる。信じる心は、強さに変わる。何度も教えた事じゃろう?」

 

 

 

 

 

ラース「じいちゃん....」

 

 

 

 

 

カミュ「兄貴!俺は、お前に愛を教わった!何もわからなかった俺やマヤをお前達が助けてくれたんだ。その時に俺は言ったはずだぜ。お前に愛を返してやるってな!俺は、ラースを信じてる!必ず自分の中の闇なんかに負けねえってな!」

 

 

 

 

 

ベロニカ「ラース!そんなに下ばかり向いてたら何も見えないでしょ?もっと周りをよく見てみなさい!あんたの周りには、あなたを必要としている人が沢山いるの!私だって、あんたともっと一緒にいたいんだからね!」

 

 

 

 

 

セーニャ「ラース様、私も旅の中であなたの強さに何度も助けていただきました。道に迷った時、魔物に襲われそうになった時など数えきれませんわ。心から感謝しています。今度は私が、ラース様をお助けしますわ!」

 

 

 

 

 

シルビア「ラースちゃん!あなたの笑顔ってとっても素晴らしいのよ!見ていてこっちも元気になってくるの。だ・か・ら、そんな顔してないでもっと笑いましょう!アタシはラースちゃんに笑顔でいてほしいのよ!」

 

 

 

 

 

ロウ「お主にはわしも何度も世話になってきておる。仲間の事や、体調などいち早く勘付いておったな。わしもそれに助けられた。いつか恩を返さなければ、元王として示しがつかんかったんじゃ。見ておるんじゃ、ラースよ。このロウ、お主に精一杯の恩返しをしよう!」

 

 

 

 

 

グレイグ「ラース。お前はホメロスの事を憎く思っていたのだろう。だが、俺の話を聞いてその考えを無くしてくれた。俺がお前の立場なら、絶対に変わる事など無かったというのに。

 

 

 

 

俺はお前が強い事を知っている。実践的な強さだけではない、相手とのコミュニケーション能力や精神の強さ、心の強さも全てだ。お前は負けないはずだ。俺は信じているぞ」

 

 

 

 

 

バン「師匠!俺は馬鹿だから、真っ直ぐにしか考える事が出来ないんです。師匠もわかってますよね?だから俺、決めました!師匠が自分の闇なんかに負けないように、何度でも師匠を支えます!

 

 

 

 

俺が一度道を諦めた時、師匠が励ましてくれたように、俺も俺なりのやり方で師匠を支えていきますよ!だから、絶対に負けないでくださいね!俺の知ってる師匠は、簡単に負ける人なんかじゃないです!」

 

 

 

 

 

マルティナ「ラース。私はあの旅でラースからたくさんのものを貰ったわ。力、勇気、希望、愛情。どれもがかけがえのない大切なもの。だから、私からもラースにお返しするわ。

 

 

 

 

ラースからもらった勇気をわけてあげる。自信がないのなら、私が自信をあげる。悲しいなら喜びを、嫌なことがあるのなら楽しみを。何でもわけてあげる。私はあなたの妻なんだから。だから、どうか一人で考えないで。ラースは一人ぼっちじゃない。

 

 

 

 

これが私達の声よ。あなたを大切に思っている人達の声。きっと顔を上げればもっとあるわ。少しだけ、前を向いてみて。あなたを待っている人が見えるはずよ。さあ」

 

 

 

 

マルティナはラースに近づき、手を伸ばす

 

 

 

 

ラース「マルティナ.....」

 

 

 

 

ラースはマルティナの手を握る

 

 

 

 

マルティナ「ふふ、やっと私の目を見てくれた。どう?皆が待ってるのが見えるでしょ?」

 

 

 

 

 

 

ラース「ああ.....。俺は、今のままでいいのか?こんな....俺で」

 

 

 

 

 

祖父「ああ。そのままでよい。お主は意気地なしでも弱虫でもない」

 

 

 

 

 

村の全員「ラースはガラッシュの村一番の戦士だ」

 

 

 

 

 

祖父「お主は村の誰よりも勇敢で勇ましい。そして、誰よりも人の心の痛みがわかる子じゃ」

 

 

 

 

 

村長「誇りを持ちなさい、ラース。お前には村の全員の期待がある。それを自信に変えるんだ」

 

 

 

 

 

ギン「わしの息子は強くなった。胸を張るんじゃ。自分は強い。仲間といれば何だってできるとな」

 

 

 

 

 

祖母「声に出してみましょうかね。ほら、言ってみなさい。自分は強い」

 

 

 

 

 

ラース「俺は......強い」

 

 

 

 

 

マルティナ「私達となら何だってできる」

 

 

 

 

 

ラース「皆となら...何だってできる」

 

 

 

 

 

イレブン「自分は負けない!」

 

 

 

 

 

ラース「俺は.....負けない!!」

 

 

 

 

そう言うと、ラースの体から光が溢れてきた

 

 

 

 

ラース「そうか....。俺、間違ってたんだな。自分で勝手に、皆の思いを悪い方へと考えてた。皆は、俺の事を信じてくれてたのに。皆、ありがとう!俺はもう大丈夫だ!俺は、ガラッシュの村一番の勇敢な戦士、ラース!!そして、勇者の仲間の一人だ!」

 

 

 

 

 

バン「師匠!!よかったです!その目はいつもの師匠の目ですよ!」

 

 

 

 

 

カミュ「やっと目を覚ましやがったか。全く、兄貴には困ったもんだぜ」

 

 

 

 

 

魔物「グオオオオ!!!」

 

 

 

 

 

全員「!?」

 

 

 

 

突然ラースの体からあの魔物が出てきた

 

 

 

 

魔物「ぐううっ.....眩しい。光が満ちてくる.....」

 

 

 

 

シルビア「ラースちゃんはもうあなたの思い通りにはならないわよ!」

 

 

 

 

ベロニカ「こんな事をして許さないんだから!」

 

 

 

 

ラース「........皆、こいつは俺が育てたんだ」

 

 

 

 

全員「え!?」

 

 

 

 

ラース「この魔物は俺の心の中の闇そのもの。皆に隠しながら自分の心に隠した絶望感が大きくなって、いつしか自我を持ち始めた。そして、俺を飲み込んだ。だが、もう平気だ。俺は、皆にこの絶望は間違っていると、俺はここに必要な人間だとわかった!

 

 

 

自分を恥じない!皆がいる。俺を呼ぶ皆の声がする。その声がある限り、俺はもう迷わない!!」

 

 

 

 

魔物「グギャアアアア!!!」ジュワー

 

 

 

 

魔物はどんどん小さくなり、やがて消えていった

 

 

 

 

ラース「皆、こんな俺に、信じる心を教えてくれてありがとう!村の皆もお爺様もミルさんも本当にありがとう!!俺、もう心配なんてかけさせないよ!見てて、必ず幸せをもっともっと増やしてから、そっちに行く。それまではゆっくり見てて」

 

 

 

 

祖父「ほほ、自慢の息子の完全復活じゃな」

 

 

 

 

 

ギン「ラース、忘れてはならんぞ。わし達は全員お主の味方じゃ。必ず支えになろう」

 

 

 

 

 

ミル「私は大した力になれませんが、それでももし、少しだけでもグラン坊っちゃまの力になれたならこのミル、最大の喜びです」

 

 

 

 

 

ギルグード「難しく考えすぎんじゃねえぞ、ラース!もっと世界は優しさに満ちている!それを体感してこい!」

 

 

 

 

 

祖母「勇気と愛情を心に、信じる仲間達と共に歩み続けなさい。あなたなら、絶対大丈夫ですよ。そして、あなたが偶に演奏してくれている安らぎの唄。私達にしっかりと届いていますよ。ありがとう」

 

 

 

 

 

ラース「そっか。届いてたのか。へへ、下手くそでも許してくれよな。皆、それじゃあ元の世界に戻ろう。本当にありがとう」

 

 

 

 

 

祖父「勇者様方、たいへんありがとうございました」

 

 

 

 

 

全員「ラースを、いつまでもよろしくお願いします」

 

 

 

 

村の人達とギン達がイレブン達にお辞儀した

 

 

 

 

仲間達「はい!」

 

 

 

 

 

そう言うと、全員が眠くなっていった

 

 

 

 

 

 

 

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