その後、マルティナ親子の部屋
ラース「う....う〜ん。何だか寝起きがすごくいいな。スッキリした気分だ」
ニマ「お、起きたみたいだね。おはよう」
ラース「え!?ニマ大師!?こんな所でどうしたんですか?」
ニマ「あんた、何も覚えてないのかい?周りも見てごらん」
ラース「え?って、皆!何してんだ、こんな所で寝て!」
ニマから説明を受ける
ラース「え。俺、かなり危ない状態だったんですね。助けてくださり、ありがとうございます」
ラースは驚きながらもお礼を言う
ニマ「私はほとんど何もしてないよ。頑張ったのは、こいつらさ。あんたが目覚めたって事は無事に終わったって事だからね。その内目を覚ますよ。それじゃあ、あたいは先に帰らせてもらうよ。弟子達も気になるからね」
しばらくして、バンが目を覚ました
バン「ふわぁ〜。あ、ここは.....戻ってきたのか」
ラース「よお、バン。お目覚めみたいだな」
バン「ハッ!師匠!おはようございます!お気分はどうですか!?」
バンはラースに駆け寄る
ラース「そんな全力で気分を聞いてきたやつは初めてだぞ。事情はニマ大師からある程度聞いた。迷惑をかけてすまなかったな。ありがたい事に、眠気は嘘のように吹き飛んでるぜ」
バン「それはよかったです!あれ?でも、何も覚えてないんですか?」
ラース「ん?何がだ?」
バン「いえ、俺達は夢の中で.......。あ!そっか!夢の世界なのか!」
ラース「???」
バン「師匠、腕のミサンガまだありますか?」
ラース「おう。まだついてるぞ」
ラースは腕を確認する
バン「それなら大丈夫です!それでは他の皆さんが起きるまで待ってましょうか」
一時間後、皆が起きた
マルティナ「ええ!?何も覚えてないの!?」
ベロニカ「私達、あんなに頑張ったのに!?」
ラース「わ、悪いな。皆がどうしていたかはわからねえんだ。ただ、すごく嫌な夢をずっと見ていたんだが段々と優しい光が溢れてきてな。久しぶりによく寝れたぜ」
ロウ「なるほど。所詮は夢の世界。本人も夢としか思えないのかもしれんな」
グレイグ「ううむ。何とも不思議な体験だったな」
カミュ「まあ、兄貴が無事で本当によかったぜ」
シルビア「そうね。アタシもあのままなんて絶対に嫌だもの」
イレブン「ラース、いい夢みれてよかったね」
ラース「お、おう。何だか悪いな、覚えてなくて」
カミュ「なあ、兄貴。兄貴はマルティナの手料理をたくさん食べさせて欲しいんだろ?」
ラース「ぶふっ!!?な、な、何で!!」
ラースはいきなり図星を言われて驚愕している
バン「本当に言うんですね。流石カミュさんです」
ロウ「ふぉっふぉっ、いい望みじゃな。やはり妻からの手料理は憧れるからのう」
マルティナ「ふふ、今度作ってあげるわ」
シルビア「そうだ、ラースちゃん。ゴニョゴニョ」
シルビアはそっとラースの耳に話しかける
ラース「!!!??な、誰も知らない事なのに!俺、話してないぞ!?」
ラースはまた驚愕している
シルビア「うふふ、あれは何とかした方がいいわ。見つかったら大変な事になるわよ」
グレイグ「ラース、あれは流石に処分しておけ。人の事言えんぞ」
ラース「すみません。どうか周りには言わないでください」
バン「師匠がものすごい速度で土下座した!?」
セーニャ「何を言われたのでしょうか」
イレブン「皆、夢の中でラースの弱味みたいなのを見つけてたんだね」
ベロニカ「逸れた時かしら。私達なんて勉強してるラースしか見れなかったのに」
ラース「何なんだよ、皆して。俺、そんな事話してないぞ」
ぷつっ キラキラキラ
カミュ「あ、兄貴。ミサンガが切れたぞ」
マルティナ「あら、よかったじゃない。どう?夢は叶ったかしら?」
ラース「おかしいな。夢叶ったのか?俺はこのミサンガに本当の心をマルティナに見せるって願いのはずだったんだが」
全員「......ふふっ」
ラース「え?何だよ、全員して顔合わせて」
マルティナ「それなら切れて当然ね。だって、私はあなたの本当の心を見せてもらったもの」
ラース「ええ!?夢の中で皆、何してきたんだよ!!」
イレブン「いろんなラースが見れて楽しかったよ」
バン「ガラッシュの村、綺麗でしたね。自然いっぱいで、人達も活気に溢れてました。特に広場にあるあの大きな木は立派でしたね」
ロウ「心地よい場所じゃったな。あれだけ自然に囲まれておるのも珍しいのう」
ラース「そうそう。自然に囲まれててよ、よく近くの森とかで....。え?何でバンが知ってるんだ?イレブン達だって元のガラッシュの村は知らないだろ」
ロウ「夢の力じゃな。お主との祖父とも会って話してきたぞ」
グレイグ「お前の祖母やギルグード、村の皆ともな」
ラース「そういえば、夢の中で村の皆からお前は誇りだって言われた。よく思い返せば奥に皆もいた気がするぞ」
シルビア「ふふ、もしかしたら夢じゃないかもしれないわよ?」
マルティナ「ラース、忘れないでね?あなたの周りにはたくさんの仲間がいるの。あなたはその仲間達を誇っていいのよ。自分を恥じないでいいんだからね」
ラース「......ふっ。そうだな、ありがとう、マルティナ」
ベロニカ「ちゃんと前見て歩くのよ!後ろばかり気にしちゃ駄目なんだから」
セーニャ「少しはラース様の助けになれたでしょうか?」
ラース「ああ、助かったぜ。皆が応援してくれたおかげだな。.......あれ?いつ、俺は皆に応援されたっけ?」
ラースは自分の発言に困惑している
イレブン「ふふ、さっきから困惑してるね。まあ無理もないよね。夢の中だもん」
ラース「本当にお前達は俺の夢の中で何してきたんだよ」
マルティナ「秘密よ。ただ、とっても暖かいものを見れたわ。ガラッシュの村の皆は誰もが暖かい人達ね」
ラース「さっきからの言いぶりだと本当に会ってきた感じだな。いいなー!俺も久しぶりに皆に会いたかったぜ!」
バン「実は師匠も心の中で会ってたんですよ。今はそれに気付いてないだけです」
ラース「そうなのか?それなら俺だって覚えてていいのによ。全く、俺の記憶力も弱くなったものだな」
グレイグ「まあラースも完全に復活した事だし、起きるとするか」
セーニャ「そうでしたわ!今は何時なんでしょうか!」
ラース「あれから丸一日寝てたみたいだぜ。今はもう夜だな」
全員「ええ!?夜!?」
バン「うわあ!!それまずいですよ!俺、朝の訓練行けてないじゃないですか!」
グレイグ「俺も王との仕事が!!」
シルビア「公演が明日になってるじゃない!」
ラース「お、おいおい。落ち着け、城の事は王様達が何とかしてくれたらしい。シルビアは、まあ明日ならまだ大丈夫なんじゃないか?」
マルティナ「お父様達に感謝しないといけないわね」
カミュ「ただ変な時間に起きちまったな。夜ならもう少し寝ていないとだな」
ベロニカ「でももう眠くないのよね」
ラース「なら朝まで時間がある。俺の夢の中での出来事を話してくれないか?」
イレブン「いいよ。まず、僕達が起きた時はね」
そうしてイレブン達は夜通し、夢の世界での話をした
その話が終わる頃には、ラースは毛布に包まっていた
ラース「何だよ、それ。恥ずかしすぎる。もう無理.....。俺、皆の前に出れねえ」
全員「ハハハハハ!」
ラース「笑い事じゃないんだからな!!」
グレイグとシルビアが言っていたのは、ラースのタンスの奥底にマルティナの隠し撮りの写真集がある事でした。その時、セーニャはシルビアに目と耳を隠されていたので何も知りません
ラースは墓まで秘密にしていくつもりだったようです