ルナ「すっご〜い!私、こんな綺麗なゼリー初めて見た!」
マヤ「へえ〜。これは本当にすごいね。私も初めてだよ」
ルナとマヤはショーケースにあるゼリーを興味津々に見ている
デルカダール王「ケーキも実に綺麗だ。これは見ているだけでも楽しめるようだな」
グレイグ「王よ!!自分がどれだけの事をしているのかわかっているのですか!?」
デルカダール王「グレイグよ、ここは店の中じゃ。あまり他の話は慎むべきではないか?」
グレイグ「ぐっ....」
デルカダール王「ハッハッハ!安心せい。後でお主の小言はしっかり聞くからな」
グレイグ「.....わかりました。小言ではないですからね」
グレイグは少し落ち着いた
カミュ「おい、兄貴。またたくさん持ってきたな」
ラースはまた数十個とケーキなどを持ってきた
ラース「一人でも食べれるが、これはマルティナの分もあるぞ。カミュ、お前も欲しいのがあればやろうか?このタルトなんか甘さは控えめだ」
カミュ「.....兄貴って食い物を人に分け与えられたのか」
ラース「は?お前までそんな事言うのかよ」
マルティナ「ありがとう、ラース。カミュ、その気持ちわかるわよ。私も最初は驚いたもの」
カミュ「やっぱりそうだよな。だって兄貴は旅の時も俺達に分けてくれた事ねえじゃねえか」
ラース「あれは別に皆同じ料理が多かったからだろ。ほしかったら俺みたいにおかわりもできたしな。お、美味いな」
マルティナ「言われてみればそうだったわね」
マルス「カミュ、見て!このケーキに乗ってる果物がカミュみたいになってる!」
カミュ「マルス、俺の髪は果物じゃないんだがな。マルスはもう直させる気はないのか?兄貴」
ラース「おう!マルスも気に入ったみたいだしよ」
マルティナ「仲良さそうでいいじゃない」
カミュ「ハァ。たくっ!舐められてるみたいで嫌なんだがな」
ラース「お、予想通りだな。カミュなら何だかんだ言って許してくれると思ってたぜ!」
カミュ「あぁ?何ならマルスを力ずくでも言う事聞かせてやろうか?」
マルティナ「うふふ、そんな事しないのは今まででわかってるわよ、カミュ」
ラース「あまりそういうのは気が乗らねえんだろ?」
カミュ「ちっ!」
カミュは少し顔を赤くしている
マヤ「マルス!そのケーキ美味しそうだね。私のと交換しない?」
マルス「いいの?僕もマヤねーちゃんの食べてみたい!」
デルカダール王「マルスよ、わしのとも交換してみないか?」
マルス「するー」
ルナ「ルナもおじいちゃんの食べたーい」
その後
店長「ありがとうございました!ぜひ、またのご来店をお待ちしております!!」
マヤ「いしし。すっごく幸せだった!私、また来ようっと」
カミュ「よかったな、マヤ。俺もここのケーキは甘さが控えめなのが多くて助かったぜ」
マルティナ「お父様、この後はどこに行くのですか?」
デルカダール王「うむ。次はマルスもルナも雪で遊んだみたいのではないかと思ってな。カミュ達はどこかいい所を知らないか?」
マヤ「うーん、雪で遊べて安全な所か。やっぱり港の前とかかな?」
カミュ「あそこならいいんじゃないか?あのシケスビア雪原の入り口付近。あそこなら雪がたくさんあるし、魔物もそこまでよってこない。よってきても精々メイジももんじゃかスノーベビーくらいだぜ」
マヤ「あ!そこいいね。確か頑張ればそりもできたはずだよ」
マルス「そりって何?」
グレイグ「そりは雪の上を滑って移動するんだ。雪の滑り台みたいなものだぞ」
ルナ「ルナ、雪だるま作りたーい」
マルティナ「それじゃあそこに行きましょう」
ラース「王様の雪対策はそのためですか。まあ、マルス達は雪で遊んだ事ほぼ無いからな。いいと思うぞ」
シケスビア雪原
ルナ「雪がいっぱいだー!」
マルス「僕、雪の上で寝てみたかったの!えい!」
二人はほとんど見た事ない雪に大はしゃぎである
マヤ「ふふ、二人ともわくわくしてるね」
ルナ「皆〜、雪だるまってどうやって作るの?」
ラース「よし、それなら作り方を教えるぞ。カミュもグレイグも手伝ってくれ。デケエやつ作ろうぜ」
カミュ「いっちょ派手なやつ作ってやるか」
グレイグ「雪だるまなど作るのは何年ぶりだろうか」
デルカダール王「わしも手伝おう。四人で孫達を驚かせてみせよう」
マルティナ「何だかすごいのが出来上がりそうね。ルナ、私達は少し小さめのを作りましょう」
マヤ「私も教えてあげるよ。小さな雪だるまをたくさん作ってみよう」
ルナ「うん!ありがとう」
マルス「僕、父さん達の所行ってくるね!」
しばらくして
グレイグ「ふんっ!.....よし、ラース。それで最後だぞ」
ラース「おっしゃ、任せろ!うらぁ!」
デルカダール王「おお!これは想像よりも立派に出来たものだな」
カミュ「こんなにでっけえ雪だるまは初めて見たぜ。どうだ?マルス」
マルス「すっご〜い!!父さん達カッコイイ!!」
マルティナ「ええ!?何この大きさ!三段でどれだけ大きくしたのよ!」
ルナ「えー!!ルナ、こんなに大きいの初めて見た!」
マヤ「私も初めて見たよ。人より大きいじゃん。すごいね、王様達」
デルカダール王「喜んでくれたかな?マルス達よ」
ルナ「おじいちゃん、凄い!」
マルス「僕、顔書いてみたい!カミュ、持って!」
カミュ「へいへい。ほらよ、届いたか?」
マルス「うん!えっとーここに目を書いて」
ルナ「マルス、ずるーい!グレイグさん、ルナも持って!」
グレイグ「ああ、これで大丈夫か?」
ルナ「わー、高ーい!ありがとう、グレイグさん」
マルス「いいなー、ルナ。カミュ、もっと高くしてー!」
カミュ「無茶言うなよ、マルス。俺はこれが限界だ」
マルス「カミュ、小さい!」
カミュ「てめえ、そこから思いっきり落としてやろうか」
カミュは少し額をピクピクさせている
ラース「あ、あれは本気でやろうとしてる。まあ仕方ないか」
マヤ「兄貴、意外と背の事気にしてるから」
マルス「それじゃあルナ。眉毛よろしくね」
ルナ「うん!.....あれ?ねえねえ、今その木の後ろで何か動いたよ!」
デルカダール王「ん?この木の事かの?」
ルナ「ううん!そのもう二本後ろの木だよ!」
マルティナ「魔物かしら。お父様、あまり近づいてはいけないですよ」
ラース「俺が行きますよ、王様。どれどれ」
木の後ろにはスノーベビーがおり、足に怪我をしていた
スノーベビー「グルルルッ!」
スノーベビーはラースに威嚇している
ラース「あー、人間の罠にやられたな。親に見捨てられた感じか」
グレイグ「ラース、何がいたのだ?その感じだと大したものではないようだが」
ラース「スノーベビーが足に怪我をしているんだ。血が出ていてな、歩けないみたいなんだ」
マルス「え!?父さん、本当?僕も見る!」
ルナ「かわいそう。ルナも行く」
マヤ「あ、二人とも気をつけて。子どもでも爪や牙は痛いからね」
スノーベビー「グルルルッ!」
デルカダール王「おお、かわいそうに。グレイグよ、何とか治してやれないか?」
グレイグ「ですが、興奮を抑えないと回復させた時に飛びつかれてしまいます。もう少しお待ちください」
マルティナ「あ!ルナ!近づいたら駄目よ!」
ルナが近寄るのをマルティナが引き留めた
ルナ「だって痛そうなんだもん」
カミュ「大勢で来たから興奮してるんだろう。そうだ、少しだけ乾燥肉がある。これを与えてみよう」
マヤ「あのカバンの中だよね?取ってくるよ」
ラース「マルス、お前もあまり近づくなよ。爪で引っかかれるぞ」
マルス「う、うん。わかった」
マヤ「はい、これ」
カミュ「よし、これくらいでいいかな。マルス、ルナ。お前達で餌を置いてみるか?」
ルナ「いいの?」
デルカダール王「危なくないかの?」
カミュ「少し手前に置いてやれば警戒はしても肉だと気づいて、自分で食うはずだぜ」
マルス「これくらいでいいかな?」
マルスは肉をちぎり、スノーベビーの前に置いた
ラース「そのくらいだな。お、反応してるじゃないか」
スノーベビー「クンクン....!ガッガッガッ」
スノーベビーは夢中でお肉を食べ始めた
ルナ「よかった、食べてくれてる」
スノーベビー「クーン?....」
マルティナ「あら、落ち着いたみたいね。敵意は無い事がわかったのかしら」
グレイグ「これなら大丈夫でしょう。私が回復魔法を使いますよ」
ルナ「待って、グレイグさん!私がやる!」
デルカダール王「そう言えばルナはホイミを使えたな。よし、やってみてくれ」
マヤ「気をつけるんだよ、ルナ」
グレイグ「俺が近くにいよう。ルナ、やってみてくれ」
ルナ「よしよし、痛いよね。すぐに治してあげるね。えっとこうやって、ホイミ!」
スノーベビーの傷は塞がった
スノーベビー「!!キャン!キャン!」
スノーベビーは動けるようになり、喜んでいる
マルス「あ!元気に駆け回ってる!可愛いね!」
ルナ「キャア!あ、私の顔舐めてる!くすぐったいよ」
スノーベビーはルナに飛びつき、顔を舐めている
マヤ「確か舐めるのって感謝とか信頼の証だっけ?」
カミュ「どうやら懐かれたみたいだな。少し心苦しいんじゃないか?」
マルティナ「そうね。ルナ、野生に返してあげて。その子の親も探してるはずだわ」
ルナ「え〜、お母さんお願い。もう少しだけ撫でさせて」
マルス「僕ももう少しだけ撫でたい。駄目?」
デルカダール王「まあ、少しだけなら大丈夫ではないか?」
ラース「.....わかった。もう少しだけだからな」
二人「うん!」