旅行から数日後、訓練場
ラース「という事で、バン達に森の調査をメインで頼みたい。城下町の見回りは俺がするからそっちは頼んだぞ。魔物なら撤退、人なら罠などを見つけ次第破壊してくれ」
兵士達「はい!」
マルス「ねえねえ、バンさん。僕も行きたい!」
マルスはバンに同行を頼んでいる
ラース「どうした、マルス。兵士の仕事に興味があるのか?」
マルス「うん!だって父さんもグレイグさんも前はお城の兵士さんだったんでしょ?僕も兵士さんになって、父さんみたいに強くなりたいの!だからどんなお仕事してるのか気になるんだ」
バン「悪いな、マルス。今回は普通の見回りじゃなくて危険な仕事なんだ。マルスは連れていけないんだ」
バンは屈んでマルスと目線を近くした
マルス「えー!いいじゃん、連れてってよ!大人しくしてるからさ!バンさん達から離れないから!」
バン「師匠....」
バンは少し困った顔でラースを見る
ラース「ハァ。たくっ、マルス。今回だけだぞ。少し待っててくれ。マルティナにマルスと俺が一緒にバン達の見回りについていく事を伝えてくる」
ラースも困ったように頭をかきながら渋々了承する
マルス「やった!流石父さん、わかってる!」
バン「師匠も来てくださるなら安心ですね!皆、師匠が久しぶりに一緒に行動してくれるぞ!張り切っていこう!」
兵士達「おー!」
ラース「俺はそんなに盛り上がるのか?」
その後、ナプガーナ密林付近
バン「それじゃあここからグループに分かれて行くぞ。マーズ、頼んだ」
マーズ「そうだな。三方向に分けて、大体5〜6人で一グループにしよう。........って!バン!お前が考えやがれ!!兵士長だろうが!」
バン「俺は効率よくできる作戦はわからないからな!」
ロベルト「何誇ってんだよ。そんなんだからお前は馬鹿なんだよ」
ラース「バンがこうなのは元からだ。ほら、文句はわかるがさっきマーズが言った通りに別れろ」
バン「流石師匠です!俺の事わかってますね!.........あれ?もしかして俺、今師匠にも馬鹿にされませんでした?」
ダバン「.....ハァ。そんな事ねえだろ。ほら、バン。お前は突っ込むんだから俺が盾になってやるよ」
バン「頼りにしてるぜ、ダバン!」
ダバン「頭が痛くなりそうだ」
ベグル「ラース将軍とマルスはどこに入りますか?」
マルス「僕はどこでもいいよ!」
ラース「ならベグルの所に行くか。君は新入りだな、よろしくな。名前を教えてくれないか?」
ジール「俺の名前はジールと言います!皆を守れるようになりたいと思い、兵士になりました!」
ジールは少し緊張している様子で自己紹介した
ラース「いい心がけだな。知ってると思うが俺の名前はラースだ。前までは俺が兵士長として教えてたんだ。よろしくな。それと、ガクが斧を使うのを見るのは初めてだからな。どれくらい上手くなってるのか見てやろう」
ガク「俺っすか!?期待に添えられるかわからないですけど、頑張りますね!」
ベグル「ガク、力入りすぎるなよ。筋はいいんだからな」
その後
少し森の中を歩いていた
ベグル「特に変な感じはしないですけどね」
マルス「探検みたいだね!少しワクワクしてきた!」
ガク「マルス君、あまりはしゃいで迷子にならないように気をつけるんだぞ」
マルス「はーい!」
ラース「いや、魔物を一切見かけない。こんなはずないんだがな、どうなっているんだ」
ジール「!?端から何か走ってきます!」
ベグル「マルス!下がるんだ!」
マルス「うん!父さん、後ろにいるね!」
ガサガサッ!
キラーパンサー「ガルルルッ!」
草むらからキラーパンサーが出てきた
ガク「キラーパンサー!!」
ジール「かなり興奮しているようです!大人しくさせますか?」
兵士達は臨戦態勢を取っている
ラース「いや、待て。こいつ、牙が折れているな。口も何やら腫れている。誰か回復できるやつはいるか?」
ジール「俺が使えますよ」
ラース「よし、それならこれだ。夢見の花」
ラースは袋から夢見の花を取り出して、素早くキラーパンサーの前に出した
キラーパンサー「ガル!?スゥ...」ドサ
匂いを嗅いだキラーパンサーは眠ってしまった
ベグル「なるほど。用意はされてたんですね」
ジール「それなら安心です。ベホイミ!」
ジールは口の怪我を治していく
マルス「この子も怪我してたのか。シロの時と同じだね」
ガク「このまま眠らせたままにしておきますか?」
ラース「それは流石にかわいそうだ。目を覚ませよ、ザメハ!」
キラーパンサー「ガッ!?グルル....」クイッ
目を覚ましたキラーパンサーが自身に怪我が無く、完治している事がわかると、後ろを向いて顔で何か合図をこっちに送ってくる
マルス「あれ?去っていくのかと思ったらこっちを向いてる。こっちに来いって言ってるのかな?」
ベグル「行ってみるとするか。何かあるのかもしれないな」
キラーパンサーの住処
洞窟に入ると中には様々な魔物がいた
ジール「ここはキラーパンサーの巣ですか?あ、ベビーパンサー達や他の魔物達だ」
ガク「ビッグハットやリップス、きりかぶこぞうとか種類は問われないですね。これは魔物の集合場所でしょうか?」
マルス「何だか皆、僕達に怯えてるよ。怪我してる子も多いね」
キラーパンサー「ガウッ!ガウガウ!」ペコ
キラーパンサーは頭を下げて、何かお願いしている
ラース「なるほどな。どうやらこの犯人は密猟者で間違い無いな。ここには、そいつらのせいで怪我をしたやつらが集まっているんだ。このキラーパンサーはリーダー格みたいなやつだろう。他の仲間も治してほしいんだろうな」
ベグル「薬草とかでの治療なら俺達でもできます。重症のやつはジールに任せてもいいか?」
ジール「はい!任せてください!」
ガク「それじゃあ手分けして治療していきましょう!」
しばらくして
マルス「父さん、怖いよ。すごく威嚇されてる」
マルスの前には興奮しているビッグハットがいた
ラース「仕方ないさ。なら、薬草をすり潰して食べられるようにしておこう。そうすれば自分で食べてくれると思うぞ」
マルス「う、うん。はい、これ。早くよくなってね」
ビッグハット「ブブゥッ!!ブヒィ!!」
ラース「さあ、次にいくぞ」
キラーパンサー「ガウ!」ガブ
その時、キラーパンサーがラースの手を軽く噛んで引っ張った
ラース「お、おう。おいキラーパンサー、あまり引っ張るな」
マルス「あ、あの先にベビーパンサーがいる。このキラーパンサーの子どもかな?」
ベビーパンサー「きゅううう....」
キラーパンサー「ペロペロ」
ベビーパンサーは動けないようで鳴き声も弱々しい。キラーパンサーも心配そうに舐めている
ラース「そのようだな。だが、随分と弱っているな。待ってろ、少し水で肉を柔らかくして食わしてやろう。治療は栄養をつけさせてからだ」
マルス「お腹空いてるのかな?」
ラース「おそらく怪我や罠のせいで狩りができないんだろう。つらかっただろうな。何とかしてやらないと」
マルス「ほら、柔らかくしたお肉だよ。食べてくれると嬉しいな」
ベビーパンサー「クンクン...。パク.....パク」
マルス「何だかゆっくりだけど食べてくれてるよ。少しは元気になるといいんだけど」
キラーパンサー「クウウン」
キラーパンサーも少し羨ましそうにお肉を見ている
ラース「お前にもやるさ。だが、待ってるあたり子どもを優先してるな。子ども思いだな、こいつは」
ジール「ラース将軍!こっちは全員終わりました。皆、治療をして元気が出てきたようです」
ベグル「残りはそのベビーパンサーだけですね。一番奥にいて気づかなかったです」
ガク「何だか他の魔物より元気ないですね。かわいそうですよ」
マルス「でもこのお肉全部食べてくれたよ!兵士さん!治療お願い!」
ジール「よし、ベホイミだ」
ジールは足や体についていた傷を治していく
少しして
ベビーパンサー「!!キャン!キャン!」
痛みが無くなったようで少し歩いている
ラース「お!元気出てきたな。走り回れはしないが多少動けるようになったな」
キラーパンサー「キャウウン。ペロペロ」
キラーパンサーも喜んでいる
ガク「親も喜んでますね。可愛いなー」
ベグル「しかし、こんな事をしているやつらがいるなんて許せないですね。俺達は罠の破壊をしましょう」
マルス「えへへ、元気になってよかったね。じゃあね!」