それから数日後
ナプガーナ密林前の川辺
ラースはこの秘密の場所で昼寝をしていた
ラース「カー.......カー」
ペロペロ
ラース「(.....ん?誰かに舐められてる?)ん.....」
ラースがゆっくり目を覚ますと
ベビーパンサー「キャン!キャン!」
ベビーパンサーがラースの目の前にいた
ラース「あれ?お前は確かあの時の」
キラーパンサー「ガウ!」
隣にはキラーパンサーもいる
ラース「おお、キラーパンサー。やっぱりお前達か。怪我はもういいみたいだな。お前の牙まで治してやれなくてすまないな」
キラーパンサー「ガウ、ガウ」クイ
キラーパンサーはまたラースに合図を送る
ラース「ん?またこっちに来いってか?何かあったのか?」
森の中
ラース「ん?あそこにいるのは魔物達か?」
キラーパンサー「ガオオン!」
魔物達「ギャーギャー!」
キラーパンサーが吠えると魔物達は集まり、ラースの周りを回っている
ラース「え、ええ。何だ、何だ。俺の周りを回ってどうしたんだ。って、あれ?お前達はもしかして、あの時の傷ついたやつらか?」
魔物達はラースに向かって一礼した
ラース「もしかして、俺にお礼を言いたかったのか?どうやら皆、元気になったみたいだな。お礼なら俺の兵士達にも言わないとだな」
キラーパンサー「ガウ。ガウ。ガオオオン!」
ベビーパンサー「キャン!ハッハッハ!」
キラーパンサーとベビーパンサーはラースの前にやってきた
ラース「え?急に前に出てきてどうしたんだ?」
キラーパンサー「ガウ」
キラーパンサーはラースに向かって伏せている
ラース「え?伏せしてるのか?え?どういう事だ?」
キラーパンサー「.....ガウ」カプ
キラーパンサーはラースの腕を軽く噛んで森から出て行く
ベビーパンサーもそれについてくるが、他の魔物達は見送っていた
ラース「お、おい!引っ張るなよ。森から出ていくのか?皆のリーダーだったんじゃないのかよ。いいのか?」
デルカダール城下町前
キラーパンサー「ガウ、ガウ」
ラース「送ってくれたのか?俺を城の人だと分かってるのかな?へへ、ありがとな、キラーパンサー」
ラースはキラーパンサーを撫でる
ベビーパンサー「ゴロゴロゴロ」
ラース「ハハ、喉鳴らして可愛いな、お前。また俺達はあの川辺にいるから見かけたらよろしくな。それじゃあな!」
それからさらに数日後
朝食時
マルス「父さん!僕、今日も遊んでくるね!」
ラース「またか、マルス。昨日も行ったじゃないか」
マルス「だってベビーパンサー可愛いんだ!それにキラーパンサーも僕の事乗せてくれたの!すっごく速かったんだ」
マルスはここ数日ずっとキラーパンサー達と遊んでいた
ルナ「ルナも行きたーい」
マルス「皆もおいでよ!きっとキラーパンサー達も喜ぶよ!」
マルスもキラーパンサー達と遊べて喜んでいる
デルカダール王「ハッハッハ!随分と楽しんでおるようだな」
マルティナ「あまり遠くに行っちゃダメよ。ラース、今日行ってみたら?あなたのお気に入りの場所の近くなんでしょ?」
デルカダール王「グレイグよ、お主も様子を見てくるのだ。わしもそのキラーパンサーの親子が気になるのだ。よかったらどういうやつらか教えてほしい」
グレイグ「わかりました。ラース、マルス、ルナ、俺も行くぞ」
ラース「グレイグとルナは見るの初めてだよな。それじゃあ、ご飯後だな」
その後、ナプガーナ密林前の川辺
マルス「あ!いたよ!おーい!」
ラース達が向かうと、既にキラーパンサー達はそこで待っていた
ベビーパンサー「!!キャン!ハッハッハ!」
二人はラース達を見つけるとこっちに走ってきた
ルナ「え〜、可愛い〜!」
キラーパンサー「ガウ、ガウガウ」
キラーパンサーもラースに挨拶しているようだ
ラース「よお、キラーパンサー。今日は他の人も来たんだ。マルスの双子のルナで、こいつも俺の子どもだ。よろしく頼んだぜ。こっちはグレイグ。俺と同じ城の騎士なんだ」
キラーパンサー「ガウ」ペコリ
グレイグにお辞儀している
グレイグ「こいつは人の言葉を理解しているのか?」
ラース「そうみたいなんだ。長い文章でも聞き取れるんだぜ。賢いよな」
ルナ「このキラーパンサー、牙が片方折れてる。かわいそう....」
マルス「これはあの密猟者達に付けられた傷なんだ。牙まで治してやれなくてさ、残ったままなんだよ。ごめんね、キラーパンサー」
グレイグ「なるほど。話に聞いたのと同じやつか。だが、他に特に怪我は子ども含めて無いようだな」
ベビーパンサー「キャン!キャン!」
ベビーパンサーは木の枝をくわえてやってきた
ラース「ん?木の枝?何だ、これ?」
マルス「あ、これはね、こうやって遠くに投げると取ってくるんだよ。この子はこれが好きみたいなんだ。ほら、行ってこーい!」
ベビーパンサー「キャン!」ダッ!
マルスが遠くに投げるとベビーパンサーは走って取りにいき、持ってきた
ルナ「すごーい!自分で持ってきてるよ!えらいね〜!」
二人でベビーパンサーを撫でている
ベビーパンサー「ゴロゴロ」
グレイグ「人に大分懐いているな。キラーパンサーは子どもに何かされると怒り出すと言うがそんな事も無いのだな。余程信頼されてるのだろう」
ラース「人の優しさを知った魔物は毒牙が抜け、他の魔物とは違くなると言う。正にこれもいい例だな。そうだ皆、見てろよ。キラーパンサー、伏せしてみろ」
キラーパンサー「ガウガウ」
キラーパンサーは伏せをした
マルス「ええ!父さん、そんな事できたの?これなら僕でも頭撫でられるよ」
ルナ「頭の毛以外は結構固いのね。でもあったか〜い」
二人はキラーパンサーの頭を撫でる
ラース「キラーパンサー、ゴロンだ」
キラーパンサー「ガウ」
キラーパンサーはお腹を見せている
ラース「よしよし!」
ラースも喜んでお腹を撫でている
グレイグ「な!?弱点であるお腹まで見せるのか!?しかも触っても怒りもしないのか!こいつは凄いな」
マルス「ねえ父さん。これだけ懐いてるならさ、お城に連れてっても.......」
ルナ「あ、マルス、それはもう」
ラース「いいと思うぞ。俺はな」
二人「ええ!?いいの!!?」
ラース「こいつらはもうあの群れには戻ってないみたいなんだ。前にお礼されたって言った日から様子を見てたが、ここでずっと俺達を待ってるみたいなんだ。もしかしたら、あの日から俺にくっ付いて来ようとしてるのかもな」
グレイグ「なるほどな。待っているなら少しかわいそうだな。それに、ここまで懐いているならお城でも問題は無さそうだ。一度連れていってみるか。それで王達に話をして、試してみよう」
ルナ「やった!!マルス!父さん、グレイグさん!ありがとう!」
マルス「えへへ、試してみるものだね!よかったね、二人とも!」
ベビーパンサー「クゥ?」
キラーパンサー「グルルル」スリスリ
キラーパンサーはラースに頭を当ててきた
ラース「おお、俺にすり寄ってきたな。よし、お城に行くか」
デルカダール城 玉座の間
ラース「マルティナー、デルカダール王様、大事なお話があります」
マルティナ「あらお帰りなさい、ラース。って!ええ!!キラーパンサー!それにベビーパンサーまで!」
マルティナはまさかの来客に驚いている
グレイグ「王を呼んできていただけませんか?姫様」
マルティナ「え、ええ。わかったわ、少し待っててね」
その後
デルカダール王「おお!何と可愛い事か。わしにも撫でさせてくれんか?」
ベビーパンサー「キャン!」
キラーパンサー「ガウ?.......!?クーン」コロン
マルティナ「あら?お父様にお腹見せたわ。これって相手に負けを認めたって事かしら?」
デルカダール王「ハッハッハ!そんな事せんでもよい。どれ、少し触らせてもらうぞ」
デルカダール王はキラーパンサーを撫でる
グレイグ「流石王です。何もせずとも上である事をわからせるとは」
ベビーパンサー「ゴロゴロ」
マルティナ「あら、この子ったら喉鳴らして可愛いわね。うふふ、見たことない場所で不思議がってるわね」
マルティナも王様もベビーパンサーを撫でている
デルカダール王「おお、何といい肌触りだ。気持ちいいのう」
ラース「それでお城に居てもいいですか?」
デルカダール王「わしは構わんぞ。人にも噛まないようじゃのう」
マルティナ「私も平気よ。少し驚かれるかもしれないけど、本当に安全なら放し飼いでもいいかもしれないわね」
グレイグ「俺達が見れない時にマルス達を守ってもらうのもありだな」
ラース「そうだな。前の襲われた時のようにはなりたくないしな。よし!ここはお前達の新しい家だ!そして、家族だ!よろしく頼むぞ!」
キラーパンサー「ガオオン!」