ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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バンとブレイブ2

屋敷内

 

 

 

バン「......」

 

 

 

バンは足音や気配を殺し、中で警戒している

 

 

 

ブレイブ「(なんだ、バンのやつ。今までとは別人のようだ。それにこの動き方、普通の兵士ではない)」

 

 

 

 

バン「よし、大丈夫だ。ここは安全みたいだ」

 

 

 

 

ロベルト「わかった。結構ボロボロだな」

 

 

 

 

ガザル「中に何かいたか?」

 

 

 

 

バン「おそらくこの気配は魔物だな。変な感じがする。一体だけみたいだけど」

 

 

 

 

ブレイブ「どうやって見抜いたのだ?私のように匂いというわけではあるまい」

 

 

 

 

バン「足跡や痕跡の残り方、後は気配だな。師匠からの教えだ」

 

 

 

 

ダバン「こいつはラース将軍からの教えをほぼ全部叩き込まれてるからな。俺達ができない事もできるんだ」

 

 

 

 

バン「まあここにいても何もないし、先に進んでみよう。床もボロボロだから気をつけろよ」

 

 

 

その後

 

 

 

バン「この注射器の中の液体は何だ?」

 

 

 

 

ブレイブ「嫌な匂いがする。いいものではないだろうな」

 

 

 

 

ガザル「こっちも怪しいものがたくさんある。全部持ち帰って処分してもらおう」

 

 

 

 

ロベルト「所々に罠もあるみたいだ。気を抜くなよ」

 

 

 

 

ダバン「この部屋で終わりなのか?随分少なかったが」

 

 

 

 

バン「いや、絶対にどこかに隠し部屋があるはずだ。例えばこの壁とか」

 

 

 

 

ブレイブ「おい、下手に触るな」

 

 

 

ガタン

 

 

 

バンが適当に触った壁が開いた

 

 

 

バン「おわああぁぁ!」

 

 

 

 

ブレイブ「馬鹿ヤローがー!!」

 

 

 

バンと巻き込まれたブレイブは壁の向こうに落ちていった

 

 

 

三人「......えええ!!?」

 

 

 

 

ガザル「ど、どうするよ」

 

 

 

 

ロベルト「全く。注意しろと言っておいて自分が罠にはまるやつがあるかよ」

 

 

 

 

ダバン「俺がここに残る。二人は戻って少し人を増やしてくれ。救助作業になるかもしれない」

 

 

 

 

二人「了解!」

 

 

 

地下牢

 

 

 

ドスン!

 

 

 

ブレイブ「(ん?落ちたのに痛みが無い?)」

 

 

 

 

バン「重てえ。おいブレイブ、痛くなかったか?」

 

 

 

 

ブレイブ「な!?バン、お前俺の事庇ったのか。何している!」

 

 

 

 

バン「何だよ、怒るなよな。俺は受け身を教えられてるから何とかなるけど、お前変な落ち方してたからな。あのままだと危なかったぞ」

 

 

 

 

ブレイブ「......感謝する」

 

 

 

 

バン「さて、何だここ。普通の屋敷なら牢屋なんて無いぞ」

 

 

 

 

ブレイブ「嫌な匂いで満ちているな。ここで研究をしていたのか?」

 

 

 

ダッダッ!

 

 

 

こちらに向かってくる足音がする

 

 

 

二人「!?」

 

 

 

 

男「誰か罠にかかったと思えば誰だお前ら。ここに何の用だ」

 

 

 

 

バン「お前こそここで何をしている!ここは魔物の巣だったはずだぞ!」

 

 

 

 

男「ふん!答える義理などあるものか!まあその牢屋の中で一生を終えるといい。もしくは、俺の実験台になってもらうかだな」

 

 

 

 

バン「実験だと!?」

 

 

 

 

男「ふふ、楽しみだな」コッコッ

 

 

 

 

バン「何だあいつ。嫌な気配だな。魔物じゃなかったし、密猟者の仲間はまだいたのかよ。ブレイブ、もう喋っていいぞ」

 

 

 

 

ブレイブ「そのようだな。あいつからはアジトのやつらと同じ匂いがする。密猟者の仲間で間違いあるまい。だが、ここからどうする?」

 

 

 

 

バン「ふむ、少し待ってろよ」

 

 

 

バンは牢屋の檻を調べている

 

 

 

ブレイブ「何をしているのだ?」

 

 

 

 

バン「物質には痛点がある。そこに一撃いれれば大抵のものは壊せるからな。特に、こんなにボロボロならすぐだろ。よし、ここだな。ブレイブ、離れてろよ。せいけんづき!」

 

 

 

ガシャアアン!

 

 

 

檻はヒビが入り、曲がって飛んでいった

 

 

 

ブレイブ「な!?ボロボロとはいえ牢屋を一撃で吹き飛ばすのか!」

 

 

 

 

バン「へへ、上手くいったぜ!さあ、あの男を捕まえるぞ!」

 

 

 

 

男「な!?お前ら、牢屋を壊したというのか!?ありえん!!」

 

 

 

 

バン「さて、観念してもらおうか。抵抗しなければ俺達はお前を痛めつけないぞ」

 

 

 

 

男「くっ.....。牢屋を壊したからっていい気になるなよ!ジバルンバ!」

 

 

 

バンとブレイブ達の足下の地面が浮き出した

 

 

 

ブレイブ「くっ!地面の魔法か!」

 

 

 

 

バン「効かないぜ!ばくれつきゃく!」

 

 

 

バンは周囲の地面を壊していく

 

 

 

ブレイブ「ナイスだ、バン!うおおお!」

 

 

 

ブレイブは男に噛みつく

 

 

 

男「痛え!くっ!このキラーパンサー如きが!」

 

 

 

 

バン「余所見なんて余裕だな?せいけんづき!」

 

 

 

 

男「グフゥ!」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウッッ!」

 

 

 

ブレイブは追撃しようとする

 

 

 

男「くっ!ドルマドン!」

 

 

 

 

ブレイブ「!?」

 

 

 

 

バン「馬鹿野郎、ブレイブ!!」グイッ!

 

 

 

バンはブレイブを引っ張り、魔法の範囲から出した

 

 

 

ブレイブ「す、すまない。バン。隙だと思ったのだがどうやら罠だったようだ。助かった」

 

 

 

 

バン「あまりあいつを甘く見るな!あいつ、攻撃を食らいながらも何か準備している!警戒を怠るな!」

 

 

 

 

ブレイブ「よくわかるな。だが、ありがたい。頼りにしてるぞ、バン」

 

 

 

 

バン「おう!どんどん頼れ!戦闘なら負けねえ!」

 

 

 

 

ブレイブ「ハアア!」

 

 

 

ブレイブは男を警戒しながら爪で裂いた

 

 

 

男「くっ!すばしっこいキラーパンサーだな!」

 

 

 

 

バン「氷結らんげき!」

 

 

 

 

男「ガハッ!くっ!強いですね...。あまり派手にはいきたくないのですが、これで終わらせます!」

 

 

 

そう言うと男はスイッチを押した

 

 

 

すると、周りから粉が溢れてきた

 

 

 

二人「くっ!」

 

 

 

 

ブレイブ「目眩しで逃げる気か!バン、俺はあの男が見えてる!攻撃するぞ!」

 

 

 

ブレイブは男に向かって駆け出した

 

 

 

男「粉塵爆発ってご存知ですかね?」

 

 

 

 

バン「!?ヤベエ!ブレイブ、下がれ!!」

 

 

 

 

男「耐えられますかね?イオナズン!」

 

 

 

ドオオオオン!!

 

 

 

ガラガラガラ!!

 

 

 

屋敷は激しい揺れと爆発による煙で崩れていく

 

 

 

ダバン「うおおおっ!な、何だ!?」

 

 

 

屋敷の外では

 

 

 

ドオオオオン!

 

 

 

ロベルト「おい!何だ、急に!地震か!?」

 

 

 

 

マーズ「一旦動くな!安全を確認するぞ!」

 

 

 

 

ジール「あ!皆さん、あの屋敷が崩れていきますよ!」

 

 

 

 

ダバン「何だって!?」

 

 

 

 

ガザル「バン達は無事なのか?」

 

 

 

地下牢

 

 

 

屋敷があった場所は粉々になって何もなくなった

 

 

 

周りは凄い量の煙が巻き上がる

 

 

 

男「ハ、ハハ。俺の研究も台無しだが、邪魔者は消えたな」

 

 

 

 

ダバン「てめえが犯人か!!」

 

 

 

 

男「な!?もう一人だと!?ぐっ!」

 

 

 

男はダバンに取り押さえられる

 

 

 

ダバン「さあ、大人しくしろ!バン!ブレイブ!どこにいる!無事なのか!!」

 

 

 

 

ブレイブ「.....バ、バン.....お前」

 

 

 

煙の中からブレイブの声がする

 

 

 

ダバン「!?そこにいるのか!おい、無事か!?」

 

 

 

 

煙が晴れると、そこにはブレイブを正面から抱き抱え黒くなったバンがいた

 

 

 

 

ダバン「な!!!?バン!!!」

 

 

 

 

ブレイブ「馬鹿者が!!お前、生きているか!!」

 

 

 

 

バン「.......無事.....か」

 

 

 

 

ダバン「俺の回復魔法じゃ意味がねえ!!急いでユグノアに戻らなければ!!」

 

 

 

 

ロベルト「お前ら、大丈夫か!!」

 

 

 

 

ガザル「バ、バン!!?」

 

 

 

 

ギバ「おい生きてるのか、そいつ!!!」

 

 

 

 

ダバン「誰かこの男を頼んだ!俺が走って連れて行くぞ!」

 

 

 

 

ブレイブ「お前達の速さでは間に合わん!俺が行く!」

 

 

 

 

マーズ「お前、足を挫いてるじゃねえか!腫れてるんだぞ!しかも、傷だらけで無茶すんな!」

 

 

 

 

ブレイブ「バンに比べたらこんなもの、痛みにも入らん!!」ダッ!

 

 

 

ブレイブは静止も聞かず走り出した

 

 

 

ガク「あ、ブレイブ!!俺達も急ぎましょう!」

 

 

 

ユグノア王国

 

 

 

ブレイブ「ぐっ....。誰か!誰か、この男を助けてやってくれ!!」

 

 

 

ブレイブは足を引きずりながら戻ってきた

 

 

 

男性「うわあああ!ま、魔物だ!しかも、喋るキラーパンサーだぞ!!」

 

 

 

 

女性「キャアアア!!殺されるわ!!」

 

 

 

住人達はブレイブの姿を見て逃げていく

 

 

 

ブレイブ「な!?待ってくれ!逃げていかないでくれ!俺は何もしない!!バンを、バンを助けてやってくれ!!」

 

 

 

ユグノア城前

 

 

 

ブレイブは歩くのも辛そうにしながら城までやってきた

 

 

 

兵士「キラーパンサーだと!?この町を襲いに来たのか!!」

 

 

 

 

ブレイブ「違う....どうか、バンを、助けてくれ」

 

 

 

 

兵士「この城には入れさせん!!」

 

 

 

兵士に剣を向けられる

 

 

 

ブレイブ「(俺では、こいつの力になれないというのか.....。俺は、魔物。バンとは違うという事か)」

 

 

 

 

兵士「覚悟!!」

 

 

 

 

イレブン「駄目!!!」

 

 

 

兵士が斬りかかろうとした時、イレブンとロウが前に出た

 

 

 

兵士「な!?イレブン様、ロウ様!!」

 

 

 

 

ロウ「こやつは悪いやつではない。わしらとの同盟国、デルカダール王国のマルティナ王女一家の一人、ブレイブじゃ。絶対に傷つけてはならん。ブレイブや、その背中に乗っている人らしき者は誰じゃ」

 

 

 

 

ブレイブ「ロウ様!!お助けください!!バンが大爆発から私を守って黒こげになってしまったのです!私などどうなっても構いません!!どうか、バンを助けてやってください!」

 

 

 

 

イレブン「な!?この人はバンなの!?」

 

 

 

 

ロウ「何と!?急いで手当てするぞい!!医療部屋に運び込むんじゃ!もう一刻も許されぬ!あと数分で大樹へと還ってしまう!!」

 

 

 

ロウは急いでバンを持って走っていく

 

 

 

イレブン「急いで医療部屋の準備を!回復できる人も大至急集めて!!」

 

 

 

 

兵士「はっ!」

 

 

 

イレブンと兵士も走っていった

 

 

 

ダッダッダ!

 

 

 

城門前からは誰もいなくなった

 

 

 

ブレイブ「お願いします......」ドサ

 

 

 

ブレイブは倒れた

 

 

 

 

 

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