二ヶ月後、デルカダール城 大広間
セーニャ「あ、ラース様!急にお呼びして申し訳ございません」
ラース「おう。どうしたんだよ、セーニャ。ベロニカが一緒じゃないのは珍しいな」
セーニャ「あの、ラース様!どうかお願いがあります!私の夢を叶えてくださいませんか!」
ラース「セーニャの夢?俺が?」
セーニャ「はい。お恥ずかしいのですが、私の夢はお菓子屋さんを開く事なんです!ラース様がホワイトデーに作ってくださったチーズケーキやショコラ、クッキーまでどれもがとても美味しかったです。
なので、ラース様にお菓子を作っていただきたいのです!」
ラース「ええ!?待ってくれよ、セーニャ。俺が作ったやつなんて店として出せるもんじゃねえ。悪いがそれはできないぞ」
セーニャ「そんな事ありませんわ、ラース様。簡単なものでもいいのです。どうか作ってくださいませんか?」
ラース「ううん。でもなあ....。あ!それなら、ダーハルーネのカフェの店長を頼ってくれ。あいつなら喜んでくれるぜ!」
セーニャ「実はもう声をかけたのですが、お店を二つの掛け持ちは厳しいと言われてしまい、流石にそれは申し訳なくなってしまって」
ラース「そ、それもそうだな。うーん....」
セーニャ「お願いします!幼い頃からの夢なんです!」
セーニャは頭を下げている
ラース「.....わかった。俺なんかでよければ力になろう」
セーニャ「本当ですか!?ありがとうございます!!」
ラース「だが、俺一人だと厳しいな。何人か助っ人が必要だ。それと、マルティナに言って休みをもらってくる。少し待っていてくれ」
セーニャ「それなら私もマルティナ様にお願いしますわ。私のわがままですので」
ラース「わかった。それなら来てくれ」
玉座の間
マルティナ「あらセーニャ。よかったわ、こっちにも顔出してくれて」
セーニャ「マルティナ様、グレイグ様、デルカダール王様!ラース様をお借りしてもよろしいですか?私のわがままに付き合っていただきたいのです」
グレイグ「どうしたんだ、セーニャ。そんな真剣な顔をして」
ラース「実はな」
ラースはマルティナ達に先程の事を話した
デルカダール王「なるほど、セーニャ殿の夢であるか。いい夢を持っておるな」
マルティナ「私も協力してあげたいけど私はここを離れられないのよ。ごめんなさい。ラースは数日休みにするから、ラースを頼ってね」
デルカダール王「ハッハッハ!マルティナよ、我慢しなくてもよいのだぞ。今のお主の顔にはついて行きたいと書いてある。お主も行ってくるのだ。わしが数日はかわろう」
ラース「ええ!?」
マルティナ「お父様、よろしいのですか?」
デルカダール王「なに、仲間の夢を叶えてやるにはお主の力も必要であろう。わしも最近退屈だったんじゃ。偶には代わってほしかったからな。ちょうどいいのだ」
グレイグ「王よ、そんな理由で簡単に代わらないでいただきたいのですが」
ラース「ありがとうございます、王様。マルティナ、手伝ってくれ!」
セーニャ「嬉しいですわ、デルカダール王様!お心遣い大変感謝いたします」
マルティナ「わかったわ。準備してくるから待ってて」
デルカダール王「子ども達もわしやブレイブに任せるのじゃ」
ラース「ブレイブ、マルス達を頼んだぞ」
ブレイブ「ガウ」
その後
マルティナ「他には誰がいるの?」
セーニャ「お姉様が準備してくださっています。シルビア様は最近公演準備で忙しそうでしたので声をおかけしてないんです」
ラース「となると、四人か。うーん、店を開くにはまだ足りないな。カミュにも声をかけてみよう」
クレイモラン城下町 カミュとマヤの家
ラース「という訳でよ、カミュにも手伝ってほしいんだ」
カミュ「俺は菓子作りはあのホワイトデー以来やってねえからな。あまり手伝えねえぞ」
マルティナ「それでも大丈夫よ。私達が教えるからそれをやってほしいの」
カミュ「だがよ....」
セーニャ「お願いします、カミュ様!私の夢を叶えるため力をお貸しください!」
セーニャはまた頭を下げている
ラース「ほら、セーニャがここまで言ってるんだ。カミュ、お前は無視するのか?」
カミュ「.....わかったよ。俺でいいなら力になるぜ」
セーニャ「ありがとうございます、カミュ様!」
ラース「流石カミュだな。人手はまあ最低限集まったか?」
カミュ「お菓子作りだろ?それならイレブンがホワイトデー以来ハマってるらしくてよ、お城で作ってるみたいだぜ」
マルティナ「あら、それは知らなかったわ。イレブンが慣れてるなら力になりそうね。折角だし声をかけてみない?」
ユグノア城 玉座の間
イレブン「え!?やる!!」
カミュ「即答かよ。まあ、そうだろうなとは思ったぜ」
セーニャ「ありがとうございます、イレブン様!」
マルティナ「でも、お仕事は大丈夫?」
イレブン「あ、おじいちゃん。行ってもいいかな?」
ロウ「ふぉっふぉっ、イレブンは最近どんどん腕があがっておるからのう。ぜひ行って力になってくるんじゃ。わしは平気じゃぞ」
ラース「ありがとな、じいさん、イレブン」
ユグノア王国 広場
イレブン「セーニャの夢はお菓子屋さんだったんだね。ふふ、セーニャらしくていいね」
セーニャ「お恥ずかしいのですが憧れてまして」
ラース「だが人手はあっても、やっぱり俺の教えられるレベルじゃあ店には出せねえよな。やっぱりあいつを頼るか。お菓子の作り方くらいなら何とかしてくれるだろ」
マルティナ「あの店長さんの事かしら?」
カミュ「ん?俺は知らねえな。兄貴達の知り合いか?」
イレブン「僕も知らないや」
セーニャ「ダーハルーネにいるラース様のご友人の方でして、パティシエとして働いているんです。そこのお菓子はもうどれもが絶品なんです!」
イレブン「へ〜、そんな人がいたんだ。流石ラースだね、顔が広い」
マルティナ「でも断られたんじゃなかったかしら?」
ラース「それはお店としての話だろ?作り方を教えてもらうくらいなら何とかならねえかな、と思ってよ」
セーニャ「確かにお優しい方ですからそのお願いなら聞いてくれそうですわ。お姉様も連れて行ってみましょう」
その後、ダーハルーネの町 カフェ
ガチャ
ラース「おーい、店長!いるかー?」
店長「おお、どうしたんだよラース。あ、セーニャさん。お話の件、お断りして本当にごめんなさい」
シンジはセーニャに頭を下げている
セーニャ「いえ、大丈夫ですわ。こちらこそわがままを言ってしまっているので。お気になさらないでください」
店長「ん?初めての人もいるな。こんなに連れてどうしたんだ?」
イレブン「実は」
皆はシンジにこれまでの事を話した
店長「それくらいなら全然大丈夫だ!寧ろどんどん頼ってくれ!俺も色々教えてやるよ」
ベロニカ「ありがとう、店長さん!とっても助かるわ」
店長「昼過ぎになったらまた来てくれ。そこでいくつか教えるからよ」
カミュ「わざわざすまねえな。世話になるぜ」