一週間後、オープン当日
ダーハルーネの町は人混みでとても賑わっていた
お店の前では長い行列が出来ている
店内
シルビア「凄いじゃない、皆!アタシ準備も何もしてないから、この四日間頑張るわ!セーニャちゃんの素敵な夢、絶対に叶えてみせるわ!」
ロウ「わしも頑張るぞ。皆のようにテキパキできんが、わしの事もコキ使ってくれて大丈夫じゃ」
グレイグ「ここまで大きな話になっていたのだな。しかも店の前の混み具合は凄まじい。俺は怖がられたりしないだろうか」
ラース「ハハハ!グレイグはデカイけどまあ何とかなるだろ。一日目のキッチンは俺、カミュ、シルビアで回る。イレブンとマルティナはもしもの時は手伝いにきてくれ。ホールは皆に任せたぞ。お客さんとお喋りして和ませてくれ」
全員「了解!」
しばらくして
女性「あ!勇者様が出てきたわ!」
女性「キャーッ!本当にお仲間達も全員いらっしゃるわ!」
男性「すげえ!俺、グレイグ将軍を生で見られるなんて!」
イレブン「皆さん、今日は僕達が開くお店に集まっていただきありがとうございます。四日間という短い期間ですが、僕達の仲間の一人の夢を叶えるため精一杯頑張ります。
お菓子の味に関しては周りのお店の方が美味しいと思いますが、僕達の気持ちが込められているのでよければ食べていってくれると嬉しいです。それでは僕達のお店、ホープ開店します!」
その後、店内はすぐに満席になった
グレイグ「ラース達!タルトとチーズケーキ二人分とチョコレートケーキ、パフェ三人分だ」
ラース「おう!シルビア、ケーキは頼んだ!」
シルビア「ええ!任せてちょうだい!」
ロウ「こっちは飲み物じゃ。ホットコーヒーとオレンジジュース、紅茶にぶどうジュースじゃ」
カミュ「了解!」
ホールでは
イレブン達が注文を取ったり、話をしたりしていた
女性「まさか勇者様とお話しできるなんて。あの、お腹の中に赤ちゃんがいるんです。よかったらお話ししてあげてください」
イレブン「本当!?えへへ、よしよし、元気に生まれてくるといいね」
男性「すみませーん、注文お願いします!」
マルティナ「はい!ご注文をお伺いします」
男性「え!?マルティナ様!!いつも私達の事を考えてくださり、ありがとうございます!」
マルティナ「あら、もしかしてデルカダールから来てくれたのかしら?」
男性「はい!チラシを見てぜひ行ってみたくなって」
マルティナ「うふふ、わざわざありがとう。注文はどうされますか?」
男性「あ!えっと、パフェを一つとタルトを二つ、飲み物で紅茶をお願いします」
マルティナ「はい!ありがとうございます。楽しんでいってね」
男性「はい!」
女性「ロウ様!そんなに持たれて平気ですか?」
ロウ「ふぉっふぉっ、ありがとのう。じゃが、わしはこれくらいへっちゃらじゃよ」
女の子「おじいちゃんすごーい!」
ロウ「ありがとのう。可愛い子じゃな。ケーキを食べに来てくれたのかの?」
女の子「うん。お母さんが絶対に行くって言ってたの。私も楽しみにしてたんだ!」
ロウ「それは嬉しいのう。たくさん食べていっておくれ」
おば「まあ!グレイグ将軍ってやっぱり鍛えられてるのね!」
おば「あらあら、こんなに硬いのかい!いい男なのにこんなに体も立派なんて、いいわ〜!」
グレイグ「そ、そうなのか。ありがとう」
外では
ベロニカとセーニャが列を整理していた
ベロニカ「皆さん、一列に並んでー!割り込みはしないでよね!」
セーニャ「大変お待たせして申し訳ございません。お席が空き次第、すぐにご案内いたします。もうしばらくお待ちください」
数時間後
ラース「カミュ!悪いが、ぶんしんを頼む!」
カミュ「そうだな。任せてくれ、兄貴!ぶんしん!」
シルビア「流石カミュちゃん!これで少し早くなるわ!」
セーニャ「全部で2400ゴールドになります。....はい、ちょうどお預かりいたします。またのご来店をお待ちしております。ありがとうございました!」
女性「グレイグ様だわ!グレイグ様、カッコイイ」
グレイグ「む?俺の事を呼んだか?」
女性「ちょっと!こっちに来てくれたわよ!」
グレイグ「何かあったか?俺に用事か?」
女性「あ、あああの、私グレイグ様の、ファンでして!あの、お手を握ってもらってもよろしいですか」
グレイグ「俺のファンなどいたのか。それはありがたいな。手を握るくらい構わない。これでいいか?」
女性「あああ!ありがとうございます!私、この手洗いません」
グレイグ「そ、それはやめてくれ。あなたの手が汚れてしまったら申し訳ないからな」
女性「よかったじゃない!心配されたわよ!」
イレブン「え?雷を見たいの?危ないよ?」
男の子「でも出せるんでしょ?僕、見てみたーい」
イレブン「じゃあ手に少しだけね。はい」
イレブンは手のひらに勇者の紋章の雷を出した
男の子「うわー!すごーい!」
男性「ありがとうございます、勇者様。あ!あまり触ろうとしないの!」
イレブン「ふふ、気にしないで。子どもってかわいいですよね」
男の子「勇者様ー、他にはー?」
イレブン「ごめんね。危ないからもう駄目だよ」
おば「あら、ロウ様。これは私が頼んだやつではないですよ?」
ロウ「ほっ!そ、それはすまんかったのう」
ロウは驚いてタルトを下げた
おば「やだ、ロウ様ったら。ボケてきてらっしゃるんじゃないですか?」
ロウ「そ、そんなはずないんじゃがなぁ」
男性「ロウ様ー!そのタルトは俺のですよー!」
ロウ「おお!そうじゃったか!すまんのう」
ロウは安心したように持っていく
男性「いえ、気にしないでください。ロウ様も大変ですよね。あまり無茶なさらないでくださいね」
女性「あら?子ども?頑張ってるのね」
ベロニカ「もう!私は子どもじゃないの!ほら、取って!パフェよ!」
女性「あらごめんなさい。ありがとう」
ベロニカ「ゆっくりしていってね」
カミュ「セーニャ!じいさん!どんどん持っていってくれ!」
セーニャ「はい!カミュ様!」
グレイグ「すまない、仕事に戻らねばな。ゆっくりしていってくれ」
ラース「マルティナ!手伝い頼めるか?」
マルティナ「ちょっと待って、ラース。案内終わったら向かうわ!」
そして一日目は完売した
閉店後、全員はゆっくり休憩していた
ラース「ハァ、ハァ。めちゃくちゃ疲れた」
シルビア「これは相当ハードね。明日はロウちゃんよね?大丈夫かしら?」
ロウ「これを見るとキツいかもしれんのう」
カミュ「なら俺が代わろうか、じいさん。俺はホールで客とうまく話せる自信ねえからよ」
ロウ「悪いのう、カミュよ。わしも出来る限り手伝おう」
マルティナ「少しドタバタしちゃったわね。でも、これで大体の流れは掴めたわ。明日からはもう少しミスを減らしましょう」
グレイグ「俺はあまりうまく話せなかったな。皆みたいに言葉がうまく出てこない」
イレブン「そうかな?グレイグっぽくてよかったよ。そのままでいいと思うな」
ベロニカ「そうよ。グレイグさんもいろんな人に話してもらえてたじゃない。皆楽しそうだったわよ」
グレイグ「ならいいのだが」
セーニャ「一日目は好調ですね!お客様も美味しかったと言ってもらえて嬉しかったですわ!」
ラース「明日はキッチンがイレブンとベロニカとじいさん、じゃなくてカミュか。ホールは俺とシルビアがイレブン達の代わりだ。明日もこの調子で頑張るぞ!」