それから一ヶ月後、デルカダール城
コロ「キャン!キャン!クゥーン」
コロは窓から遠くに向かって吠えている
ルナ「何だかブレイブがいなくなってから、コロが少し寂しそうなの。遠くに向かって吠えたりしてるの」
マルティナ「少しだけ我慢してもらいましょう。ブレイブも頑張ってるんだから」
ラース「全くシルビアのやつ。芸を覚えさせるためとは言え、本番より二週間も早いぞ。そんなに難しいやつなのか?」
マルス「ねえ父さん。この期間だけ、僕達の部屋でコロを休ませてあげようよ。夜に一人ぼっちでここにいるのはかわいそう」
ラース「それもそうだな。マルティナ、いいか?」
マルティナ「私も大丈夫よ。コロも誰かいた方が寂しくないと思うわ」
グレイグ「ゴリアテからの招待状は何人で行く?その返事は早いうちにしておこう」
マルティナ「そうね。ラースとグレイグで行ってきたらどうかしら?折角くれたのに行かないのも変だし、一人だけなのも少し寂しいわ」
グレイグ「私は王に予定を聞いてみます」
ラース「なら、その日は夜にいなくなるぜ。他にも誘った方がいいか?」
マルティナ「そうね。特等席だし、行きたい人がいたら誘ってもいいと思うわよ」
マルス「父さん、僕も行く!」
ルナ「私もシルビアさんの芸見たい!」
ラース「元々二人は行く予定だったぞ?大丈夫だ。楽しみにしてろよ?」
二人「わーい!」
その後、ラースは思いつく限りの人に聞いていた
バン「え!?シルビアさんのサーカスですか!行きたいです!俺とメグは前に見れなかったんですよ。そのリベンジしたいです!メグも連れて行っていいですか?」
ガク「俺も行きたいです!シルビアさんのサーカスっていいですよね。元気が出るっていうか、励ましてくれる感じがするんですよ」
店長「マジか!!?行くに決まってんだろ!!ラース、お前と友人で本当によかった!」
ラース「まあ、こんな所か。子どもも入れて八人か。結構大所帯になったが、まあシルビアなら喜んでくれるだろうな」
その頃、シルビアとブレイブは
芸を覚えるために練習していた。ブレイブはマルティナ達からコミュニケーションが取れるようにと喋れるようになる薬を使っている
シルビア「それでね、ブレイブちゃん。私が火吹き芸でこの大きな輪っかに火を付けるから、その中を飛んでほしいの。危なくないように台もあるし、輪っかも固定される予定よ」
ブレイブ「了解しました、シルビア様。これくらいなら簡単です。ハア!」
ブレイブは火を怖がりもせず飛んでみせた
シルビア「あら!凄いじゃない、ブレイブちゃん!何回かやってみていいかしら?」
ブレイブ「はい。構いませんよ」
その後
シルビア「じゃあ、じゃあ!空中で何て出来るかしら?」
シルビアは少し興奮している
ブレイブ「大丈夫ですよ」
シルビア「本当〜!?それじゃあいくわよ、せーのっ!」
シルビアは火をつけた輪っかを空中へ投げた
ブレイブ「ハア!」
ブレイブはその輪っかを問題なく潜った
シルビア「キャーッ!カッコイイわ、ブレイブちゃん!これが出来るならきっと大盛り上がりよ!流石ね!本番もよろしく頼むわ!」
ブレイブ「この程度ならいくらでも申し付けください。力になりますよ」
サーカス本番前日 グロッタの町
マルス「ここがグロッタの町なんだね。初めて来た」
ルナ「あ!あれがカジノ?ソルティコのやつと違うんだね」
マルスとルナはキョロキョロとしている
ガク「あ!マルス君、ルナちゃん。あまり離れないで。ああ!下に行っちゃう!追いかけないと」
店長「しかし、俺このメンバーに入ってよかったのかよ。浮いてないか?」
ラース「まあ、お前なら平気だろ。この前の件でグレイグとも話せるだろ?」
グレイグ「急に呼んですまなかったな。先日のお礼だと思ってくれ」
店長「あれならお金も想像より多かったからこっちも感謝しないとなんだがな」
メグ「ラース様、私までお呼びいただきありがとうございます。シルビアさんのサーカスは私も楽しみだったんです」
ラース「おう。気になってるかと思って声かけたんだが、どうやら正解みたいだな」
バン「あなたが師匠が話してたダーハルーネの店長さんだよな。よろしくな!」
店長「おう。よろしくな、バン」
メグ「あの!私もデルカダールでカフェを営んでるんです。よかったら、何か技とかあれば教えていただけませんか」
店長「お、それじゃあ同業者だな。技....ねえ。俺はこれといったものはないが、やっぱりお菓子には心だよな。それさえあれば、どんなお菓子も美味くなると思ってるぜ」
メグ「心、ですか。名言ですね!私も心をこめて作ってるんです。美味しくできてるんでしょうか」
店長「それが出来てるならメグさんも一流だぜ」
バン「メグ、安心しろ!お前の料理は全部美味い!」
メグ「もう、バンったら毎回それしか言わないじゃない。嬉しいけど、新作とか出す時に少し困っちゃうのよ」
バン「え....。だ、だってよ、美味いものは美味いんだ!」
ラース「メグ、諦めな。バンにはそんなたくさん言葉は出てこねえんだからな」
店長「なら、よかったら今度俺が味見してみようか?」
メグ「え!?よろしいんですか!?ぜひ、お願いします!」
バン「あー!?お前!!なに、メグの料理貰おうとしてるんだ!!」
バンは聞き捨てならないとシンジに詰め寄った
店長「え?おいおい、バン。落ち着け、誤解してないか?」
バン「メグは俺のだ!!お前にはやらないからな!いくらパティシエだからって調子に乗って」ガツン!!
ラース「うるせえぞ、バン。それと勘違いして暴れんな」
店長「.....だ、大丈夫か?バン。頭にたんこぶできてるぞ」
バン「うう.....痛い....。すみません、師匠」
グレイグ「いつものやり取りなんだ。シンジ、慣れてくれ。さて、ガクと子ども達を追いかけねばな」
その後、サーカステント内 裏口
シルビア「ええ!?体調を崩して来れないですって!?」
関係者「はい。先程そう連絡が入りました。どうされますか?シルビアさん」
シルビア「ここまで来たのにキャンセルなんて出来ないわ。サーカスは続行よ。ただ、どうしようかしら」
ラース「よお、シルビア。さっき大きな声が聞こえたが何かあったのか?」
子ども達「シルビアさん、こんにちは!」
シルビア「あ!ラースちゃん!グレイグやマルスちゃん達も来てくれたの。それに店長ちゃんやバンちゃんまで。嬉しいわ〜」
ブレイブ「ガウ!」
ブレイブも中にいて、煌びやかな服を着ていた
バン「よお、ブレイブ!綺麗な格好してるな!似合ってるぜ!」
店長「ええ!?キラーパンサー!?何でこんな所に」
シンジはブレイブを初めて見て驚いている
メグ「やっぱり驚かれますよね。私も見たのは多くないんですけど、この子はラース様の家族なんだそうです。だから人は襲わないんです」
店長「そ、そうだったのか。ラースのやつ、すげえな」
シルビア「ねえ、ラースちゃん、グレイグ。お願いがあるの。私と一緒にサーカスに出てくれないかしら?」
全員「ええ!?」
シルビア「さっきアタシとショーをやる人が急遽お休みする事になったの。ショー自体は内容を変えてもいいから、どうしてもやらなきゃいけないのよ。手伝ってくれないかしら?」
グレイグ「そ、それは俺には無理だ。そんな人前であんなに軽やかに動けん」
ラース「シルビアが困ってるなら仕方ねえか。だが、俺も経験がねえからな。どんな事したらいいかわからねえよ」
シルビア「このショーには三人必要なのよ。グレイグ、どうしても無理かしら?」
グレイグ「ぐっ....」
バン「あ、あの、シルビアさん。俺、出てみてもいいですか?」
シルビア「え!?いいの、バンちゃん!」
バン「はい。興味ありますし、シルビアさんには前から元気をもらってたのでお返しになれば」
シルビア「ありがとう〜、バンちゃん!それじゃあ少し内容を考えましょう。決まったらすぐに練習しないと間に合わないわ」
グレイグ「すまない、ゴリアテ。俺達は宿でゆっくりしている。ラース、バン。終わったら宿に戻ってきてくれ」
二人「はい!」
メグ「それじゃあマルス君、ルナちゃん、行きましょう」
ガク「シンジさん!戻りましょうー」
店長「ラース!頑張れよな!」
シンジはニヤニヤして出ていった
ラース「くっ....。あいつ、面白がってやがるな」