次の日、デルカダール城 大広間
ジェーン「あ!ベグルさん、ダバンさん!お待たせしました」
ミラ「まだ道に慣れてなくて、少し人に聞きながら来たから遅れちゃったの。ごめんなさい」
ベグル「気にすんなよ。ここに初めて来た旅人は皆そうだからな。町の人も案内には慣れてるんだ」
ミラ「やっぱりそうだったのね。皆優しく教えてくれて助かったの」
ダバン「それじゃあ色々案内するぜ。どこか行きたい所や食べたい物とかあるか?」
ジェーン「私達、デルカダール地方のご飯が気になってるんです。ワインとかじゃがいもの料理が有名なんですよね?」
ベグル「おお、そうだな。それじゃあ少し早いがご飯にするか。ダバン、あの店でいいよな?」
ダバン「おう。たくさんあるし大丈夫だろ」
ミラ「それじゃあベグルさん、ダバンさん。案内お願いするわ」
デルカダール城下町 酒場
ジェーン「あら?ここって酒場ですか?」
ダバン「ここは少し変わっててな。昼は食事処として、夜は酒場としてやってるんだ。今はランチが始まったばかりだと思うぜ」
ミラ「へー、確かに変わってるわね。少し裏道にあるのも通な感じがするわ。ここにはよく来るの?」
ベグル「夜は酒場だからよく皆で騒いでるんだが、昼は来たこと無かったんだ。どんな感じかは俺達も少し楽しみだ」
ガチャ
マスター「いらっしゃいませ。おや、ベグルさんとダバンさんじゃないですか。まだお昼ですのでお酒はあまり提供できないんです」
ダバン「いや、そうじゃないぞマスター。今回はここでお昼にしようと思ってたんだ」
マスター「おお、そうでしたか。おや?見慣れない女性の方達ですね。いらっしゃいませ。ごゆっくりしていってください」
ジェーン「素敵な空間ですね。少し大人な雰囲気です」
ミラ「個部屋もあるのね。結構オシャレじゃない」
ベグル「マスター!この二人にデルカダール地方の特別セットを頼む」
マスター「はい、承りました。ベグルさん達はどうされますか?」
ベグル「俺達はこの季節のパスタセットでいいよな?」
ダバン「ん?なるほどな。ああ、俺も構わないぜ。あ、二つとも大盛りで頼むぜ」
マスター「承りました。少々お待ちください」
ミラ「ねえ、ベグルさん。私達、この国の歴史も少し知りたいの。知ってたら教えてくれないかしら?」
ベグル「歴史か。申し訳ないんだが、俺達はあまり詳しくないんだよな。詳しく知りたいなら図書館に行くか、デルカダール神殿に行くかだよな」
ジェーン「あ、デルカダール神殿は私達も気になっていたんです。どこにあるんですか?」
ダバン「ここから少し離れたデルカコスタ地方にあるんだ。ただ、神殿の周りや中には穏やかなやつらとはいえ魔物がいる。俺達がいれば大丈夫だと思うが、どうする?」
ミラ「うーん....。本当に危ないと感じたらすぐに出ていくわ。それまでは護衛してもらってもいいかしら?」
ベグル「よし、任せな!絶対守ってやるよ。まあ、そうそう襲われはしないはずだけどな」
ジェーン「何だか頼りにしてばかりですが、お願いします」
ダバン「へへ、気にすんなよ。俺達は兵士だ。誰かを守る事が仕事なんだ。それに、女性二人は危ないからな。なおさら守ってやらないとな」
その後
ジェーン「わあ!美味しそうです。この料理は何というんですか?」
ベグル「これはデルカダール地方の郷土料理、フォッチャ。中に蒸したじゃがいもが入ってるんだ。周りはグラタンみたいなものだ。一緒に食べると美味いんだぜ」
ミラ「あら!丸々一個入ってるのね。食べ応えもありそうだわ」
ダバン「実はあまり知られてないが、デルカダールはこのアップルパイも有名なんだぜ。よかったら食べてくれ」
ジェーン「え?でも、それはダバンさん達のデザートじゃないですか。いいんですか?」
ダバン「俺達はいい。よく食べてるからな」
ベグル「まあ実を言うと、このデザートがついてくるからこのセットにしたんだよな。ジェーンさん達に食べてほしくてよ」
ミラ「ありがとう。それじゃあ貰うわ。お礼に、私達のも少し分けてあげるわ」
ダバン「え....。へへ、ありがとな」
ベグル「あ、ありがとな!」
ベグル「(やべえ!嬉しすぎるだろ!)」
ダバン「(おい、表情に出てきてるぞ!気持ちは分かるがやめろ!変に思われるぞ)」
その後
ダバン「それじゃあデルカダール神殿に向かおう。魔物は少ないが、警戒するに越した事はないな」
ベグル「任せてくれ、ジェーンさん、ミラさん!ここらの魔物なんて俺らにかかれば、武器すらいらないからよ!」
ジェーン「まあ!それは頼もしいです!離れないようにしますね!」
ミラ「ふふ、ありがとう。どれくらいかかるのかしら?」
ダバン「歩いてだから三十分くらいかな。往復だと一時間程度だ」
ミラ「なるほど。確かに少し離れてるのね。よかったら魔物の事も教えてくれると勉強になるわ」
ベグル「二人とも勉強熱心なんだな。学者になりたいのか?」
ジェーン「私は世界各地の場所を訪れて、世界の歴史や文化などが載った資料を作るのが夢なんです!」
ミラ「私は夢ではないけど、ジェーンの手助けになればと思って来てるの」
ダバン「へへ、立派な夢だな。ミラさんも友達を手伝うなんて優しいんだな」
ミラ「そ、そうかしら?大した事じゃないわよ。照れるわ」
ジェーン「あ!あの魔物ってももんじゃですよね?うわー、二人で寝てる。可愛い!」
ベグル「凶暴では無いから大丈夫だが、あまり近づいて驚かせないでくれよ。引っ掻かれたりするぞ」
ジェーン「はい!それは大丈夫ですよ」
ミラ「こっちには青いメイジももんじゃが当たり前なの。この白いももんじゃも可愛いわ」
しばらくして
ダバン「大丈夫か?ミラさん、ジェーンさん。この近くに綺麗な湧水があるんだ。そこで少し休憩するか?」
ミラ「あら、そうなの?それなら少し飲んでみようかしら」
ジェーン「そういえば喉が渇きました!」
ベグル「ジェーンさん、色んな事にはしゃいでたもんな。喉も渇くさ」
イシの大滝
ミラ「へー、ここは心地いい場所ね。どこか神秘的でもあるわね」
ダバン「ここには魔物も水を飲みによく来るんだ。襲いはしないから、観察もできるぜ」
ジェーン「え!それはいい情報です!私、少しここで待ってますね」
ベグル「お、そんな事言ってたら来たみたいだぜ。ズッキーニャと.....スライムか?」
ダバン「ん?ズッキーニャがスライムを抱き抱えてるな。あ!あのスライム、怪我してるみたいだ。血が出てるぞ」
ミラ「本当だわ!ズッキーニャがここの水で傷を洗ってるわ。結構賢いのね」
ジェーン「ダバンさん、あのスライムを助けてあげられませんか?」
ダバン「任せろ。まずは敵意が無い事をわかってもらわないとな」
ミラ「私もいく。手伝うわ、ダバンさん」
ダバン「ありがとう、ミラさん」
ベグル「手を上げて、ゆっくり近づくんだぞ」
ダバン「おう」
ズッキーニャ「!?ブルブル」
ズッキーニャはダバン達に気付き、怖がりながらもスライムを隠している
ダバン「震えなくて大丈夫だ。俺達は何もしない。そのスライムを治してやりたいだけなんだ」
ミラ「お願い!私達を信じて。大丈夫だから」
ズッキーニャ「......」
ズッキーニャは恐る恐るスライムを近づけた
ダバン「ありがとな。怖いなら、槍でいつでも応戦できるようにしてていいからな。傷は....ここだな」
ミラ「私が支えてるわ。早く治してあげましょう」
ダバン「ああ、そうだな。ホイミ」
ゆっくりと傷が無くなっていく
スライム「!!ピキー!」
スライムは痛みが無くなり、元気よく飛び跳ねた
ズッキーニャ「!?ギャ!キャッ!」
スライム「ピキ、ピキー!」
ズッキーニャもスライムが元気になって喜んでいる
ミラ「ふふ、二人で喜んでるみたい。よかったわ」
スライム「ピキー?」
スライムは二人に近づいてきた
ダバン「お、何だ。ありがとうってか?」
ミラ「可愛い。触ってもいい?」
スライム「ピキ、ピキ」
ミラ「あら、ヒンヤリしてるしぷるぷるしてて気持ちいいわ」
ジェーン「何とかなったみたいね、ミラ」
ミラ「ええ。あら、どんどん擦り寄ってくるわ、このスライム」
ベグル「元気になってよかったな、スライム」
スライム「ピキー!」
スライムとズッキーニャは仲良く戻っていった
ダバン「さて、俺達もデルカダール神殿に行かないとな」