その後、最下層
ダバンとミラが着くとベグルとジェーンも待っていた
ベグル「お、ダバン達も着いたか」
ミラ「ごめんなさい、ゆっくりし過ぎたかしら?」
ジェーン「全然そんな事ないよ。ミラもいつもゆっくり見ていたいって言ってたし、よかったでしょ?」
ダバン「そうだな。ミラさんもゆっくり見ていたからな。興味はかなりあるんだな」
ミラ「まあ、ジェーンに付き合ってたらいつの間にかね」
ジェーン「ここには何があったんですか?何かが飾られていたみたいですけど」
ベグル「ここにはデルカダール王国の国宝、レッドオーブが飾られていたんだ。だが、勇者に必要なものだったらしくてな。仲間の一人が盗んでいったんだ」
ミラ「え....。それって盗む必要あったの?普通に取りに来たらよかったんじゃないの?」
ダバン「その頃の俺達は魔王に騙されて、勇者を悪魔の子と信じて捕らえようとしていたんだ。だから普通にはここに来れなかったんだ。それで盗んだ。今となっては恥ずかしい話なんだがな」
ジェーン「そんな事があったんですね。でも、勘違いは誰でもしますし、騙されていたなら気付かないですよ。ダバンさん達は悪くないです。
盗むのは悪い事だけど、それが結果的に世界の平和に繋がったなら私はいい事だったと思いますよ」
ベグル「へへ、そう言ってくれると嬉しいぜ。さあ、ここでデルカダール神殿は終わりだ。城下町に帰ろうぜ」
神殿入り口
ミラ「あら?入り口近くにインプの群れがいるわ」
ジェーン「そこ、通りたいんだけどな」
ダバン「追い払うか。おい、ベグル」
ベグル「へへ、任せておけ。おい、そこのインプ達、どいてくれねえか?」
インプ「キキっ!!キーッ!」
インプの群れはベグルに向かっていった
ジェーン「あ!ベグルさん!危ないですよ!」
ベグル「あぁん?」
ベグルはインプ達を睨みつけた
インプ「キッ.....。キッ、キキッ」
インプ達は怯え、柱の後ろにまとめて隠れた
ミラ「え....すごい。何もしてないのに怯えていったわ」
ダバン「ベグルは顔が怖いからな。少し威嚇すれば簡単に逃げていくのさ」
ベグル「うるせえ、ダバン!人が気にしてる事言ってんじゃねえ!」
インプ「キー!!」
一匹のインプがベグルに向かっていく
ベグル「チッ!素直に逃げてればよかったのによ」
ベグルが大剣を構えようとしたその時
怪我インプ「キー!!」
全員「!?」
触覚の無いインプがベグルを庇った
インプ「キキッ!?キキキキッ!」
怪我インプ「キッ.....キキー!」
インプ達は何か言い合っている
ジェーン「さっきのインプちゃん!どうしてここに」
ダバン「何か話してるのか?」
怪我インプ「キー!!」
インプ「キキッ!?」
怪我をしているインプはドルマをインプに当てた
ベグル「お、おいおい。ドルマかよ!普通のインプより強いのか、こいつ」
インプ「キキキッ!キー!」
インプ達は逃げていった
怪我インプ「キキ!」
怪我をしているインプは少し偉そうにしている
ミラ「助けてくれたのかしら?ふふ、頼もしいのね。ありがとう」
ベグル「お前、強かったんだな。へへ、勇敢だったぜ」
ダバン「ん?よく見たらこいつ触覚が無いのか。......いや、この跡を見ると人間から千切られたな」
ジェーン「そうなんです。かわいそうで何かしてあげたいのに何もしてあげられないのが、私情けなくて。
でも、そんなに強いなら心配いらなそうだね。助けてくれてありがとう。これはお礼よ。私のハンカチを首に巻いてあげる」
怪我インプ「キキ?」
ジェーン「うふふ、とっても似合ってるわ。皆にも見せてあげてね」
怪我インプ「キー!キーキー!」
インプは手を振りながら戻っていった
ジェーン「よかったわ。あの子が人間に少しでも慣れてくれて」
ミラ「可愛いじゃない、あのインプ」
ダバン「何だか魔物とよく触れ合う一日だったな」
ベグル「やっぱりラース将軍が言ってたみたいに、魔物も本来は皆優しいやつらなのかもな」
夕方、デルカダール城下町
ミラ「わざわざ宿屋の前まで送ってくれてありがとう。デルカダール観光、凄く楽しかったわ」
ダバン「俺もとっても楽しかった。ぜひまたデルカダールに来てくれ。いつでも歓迎するぜ」
ベグル「ジェーンさん、俺また会えるの待ってます!」
ジェーン「はい!私もベグルさんにまた会いに来ます!その時はまた一緒にデルカダールを案内してほしいです」
ベグル「ああ!いつでも待ってるな!」
ミラ「じゃあ、また今度会いましょう!」
ジェーン「じゃあねー!」
ベグル「またなー!」
ダバン「体調には気をつけるんだぞ!」
ベグル達は城に戻っていく
ベグル「ハー....。最高.....」
ダバン「そうだな。ベグル、途中で顔がすげえ事になってたぞ。あんな顔するんだな、お前」
ベグル「うるせえ、ダバン!だが、思い出すだけで.....へへ」
ダバン「ハァ。その顔だよ。ん?バン?」
帰り道、バンもちょうどやってきた
バン「ん?おお、お前ら!今帰りか?って、ベグルの顔気持ち悪すぎだろ!ングッ!」パシッ!
バンはベグルに顔を握られ、持ち上げられる
ベグル「肉塊にされたくなかったら今すぐその口を閉じろ」
ベグルは殺気を出してバンを威嚇する
バン「ンー!!うん!うん!」ギリギリギリ
バンの顔からは変な音が聞こえる
ベグル「チッ!嫌なやつに見られたぜ」
ベグルはバンを離した
バン「痛え....。頭が割れるかと思ったぜ。まあ、成功したみたいだな」
ダバン「おう。何とかな。そう言えば、確かにバンの言う通りアクセサリーとかに興味無かったみたいだ。人それぞれなんだな」
バン「だろ?少しは相手が好きなものとかわかったか?」
ベグル「おう。まあ、バンの意見も少しは役に立ったぜ」
バン「へへ!そのまま俺の意見をこれからもずっと聞いてくれよな」
二人「それは無理」
バン「な!?何でだよ、いいじゃねえか!俺、兵士長だぞ!少しは言う事聞けよな!」
ベグル「なら、そうやって馬鹿のくせに威張り散らすな」
バン「人の事、馬鹿馬鹿言いやがって!兵士長に対する扱いじゃないんだぞ!」
ダバン「なら、兵士長らしくしろ。ラース将軍はそうやって俺は兵士長だ。言う事を聞け、なんて一度でも言った事あったか?」
バン「ぐっ.....。ない....」
ベグル「わかったか。それが馬鹿とラース将軍の圧倒的な差だ。敬うべき対象ははっきりしてるんだよ」
バン「くっ....。師匠には程遠いか!だが、俺はもっと頑張るからな!そうしたら、お前達だって俺の事尊敬するようになるぞ!」
二人「どうだか」
バン「くっそー!見てろよ!!」