ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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マヤの卒業式

一ヶ月後、デルカダール城

 

 

 

マルティナ親子の部屋

 

 

 

コンコン

 

 

 

カミュ「兄貴、来たぜー」

 

 

 

ガチャ

 

 

 

ラース「おお、来たか、カミュ。うわ、相変わらず何着ても似合うな。憎たらしいぜ」

 

 

 

 

カミュ「何だよ、俺は好きで着てるわけじゃねえんだ。動きづらいったらありゃしねえ。まあ、マヤのためだからな。我慢するけどよ」

 

 

 

二人はいつもの服装や鎧ではなく、スーツに身を包んでいた

 

 

 

ラース「俺も苦しい。だからスーツは嫌なんだよ。まだ鎧の方がいいぜ」

 

 

 

 

カミュ「兄貴は筋肉で厚いからな。確かに苦しそうだな。それと、兄貴だけの出席で本当にいいのかよ?王様とか、いかにも出たがりそうなんだが」

 

 

 

 

ラース「最初はそうだったさ。だが、デルカダール王がそんな所に行ってみろ?マヤを不思議がる人で溢れ返るぞ。

 

 

 

同じ理由で有名なグレイグ、マルティナも無理でな。ギリギリ許せる範囲の俺だけが行くってなったんだ」

 

 

 

 

カミュ「兄貴も十分名は知られてるが、兄貴まで無理になると俺以外誰も来ないのはマヤがかわいそうだもんな。苦しい選択だったんだな」

 

 

 

 

ラース「まだそれだけならいいんだ。王様は行けない事に物凄いショック受けてよ。ずーっと暗い雰囲気になったんだ。話しかける度に、行きたいのう、行きたいのう、って言い続けるんだぞ。どれだけ大変だったと思ってるんだ」

 

 

 

ラースからは疲労の色が顔に出ている

 

 

 

カミュ「ハ、ハハハ。すげえリアルに脳内で再生された。それは.....お疲れ様だな」

 

 

 

カミュも少し苦笑いしている

 

 

 

ラース「まあ、お城にすぐに連れて帰るのが条件で許してくれたさ。さて、そろそろ行くか」

 

 

 

 

カミュ「おう。妹の晴れ舞台だ。しっかり目に焼き付けてやろうぜ」

 

 

 

メダル女学園

 

 

 

会場には桜の花びらが舞い、ステージの上には何人もの卒業生が座っていた

 

 

 

ゆっくりとしたメロディの中、卒業生達は校長から卒業証書を渡される

 

 

 

カミュ「くあ.....。これだけゆっくりしてると、何だか眠くなってきたぜ」

 

 

 

カミュは眠そうに大きなあくびをしている

 

 

 

ラース「ん?大丈夫か、カミュ?顔にパンチほしいのか?」

 

 

 

 

カミュ「お!眠気無くなったみてえだ。スッキリだぜ」

 

 

 

カミュは冷や汗を出している

 

 

 

ラース「お、マヤの番だな。マヤ、いい表情してるな」

 

 

 

 

カミュ「学年主席での卒業だ。兄として誇らしいぜ」

 

 

 

 

マヤ「皆様、この度は私達の卒業式にお集まりいただき、誠にありがとうございます。私達は、幾度の季節を乗り越えてきました。

 

 

 

ここでは、楽しい事やつらい事などの様々な思い出ができ、かげかえのない友達もできました。これからの人生の教えも受けました。

 

 

 

失敗、後悔などを力に変えていく事ができると教わりました。

それが出来たのは、私達をこれまで育ててきてくれた皆の力があったからです。

 

 

 

本当に心から感謝しています。私達は、この誇りを胸に世界へ羽ばたきます」

 

 

 

ザッ!

 

 

 

卒業生達が一斉に立ち上がった

 

 

 

マヤ「私達!メダル女学園、レディ一同!」

 

 

 

 

卒業生「今、卒業します!」

 

 

 

パチパチパチパチ!

 

 

 

大きな拍手が起こった

 

 

 

卒業式後

 

 

 

ラース「マヤ!見てたぞ!カッコイイじゃねえか!」

 

 

 

 

カミュ「へっ!すっかり大人になったな!」

 

 

 

 

マヤ「いしし。実はね、あの最後の皆で卒業するって言ったのは今日私が突然決めたの!先生達にも驚いてもらおうと思ってさ」

 

 

 

 

ラース「なるほど。先生達が驚いていたのはそれのためだったのか。いい事するじゃねえか、マヤ!先生達にも感謝を伝えたんだな!」

 

 

 

 

マヤ「うん!あ、先生達にも伝えてくるね!待ってて」

 

 

 

 

カミュ「忙しいな、学年主席は。まあ、しかたねえか」

 

 

 

 

マイ「あの.....ラース様」

 

 

 

 

ラース「ん?おお!マイちゃん。卒業おめでとう!すっかり素敵なレディの仲間入りだな」

 

 

 

 

マイ「はい。ありがとうございます」

 

 

 

 

マイの母「ああ....。ラース様、再び会える日をお待ちしておりました。娘を助けてくださって本当にありがとうございます」

 

 

 

 

マイの父「娘とこうしていられるのもラース様のおかげです。感謝してもしつくせません」

 

 

 

 

ラース「お、おいおい。そこまで大袈裟にしないでくれ。マイちゃんを救ったのは俺じゃない。あの村の医者だ。そこん所間違えてるぞ」

 

 

 

 

マイの父「ですが、医者の方にもラース様の治療が無ければ助けるのは無理だったと言われました。それはつまり、ラース様もマイの命を助けてくださったのと同義です」

 

 

 

 

マイの母「ラース様はデルカダールにいらっしゃると聞きました。これは最早運命です。私達もこれからデルカダールに引っ越します。ぜひ、よろしくお願いします」

 

 

 

 

ラース「そういえばそうだったな。俺はよく城下町にいるからよ。見かけたら声かけてくれよ」

 

 

 

 

マヤ「マイー、写真撮ろうよ!」

 

 

 

 

マイ「うん!今行く、マヤちゃん!」

 

 

 

その後、デルカダール城 玉座の間

 

 

 

 

マヤ「ただいま、皆!卒業してきた!」

 

 

 

パン!パン!

 

 

 

マヤが玉座の間にくるとクラッカーが鳴らされた

 

 

 

マヤ「おおっ!!」

 

 

 

デルカダール王「我が娘マヤよ、卒業おめでとう」

 

 

 

 

全員「卒業おめでとう!」

 

 

 

 

マヤ「いしし。皆、ありがとう!このケーキ、私の?」

 

 

 

マルティナ達の近くには大きなケーキが用意されている

 

 

 

マルティナ「ええ。特別に用意したの。ぜひ食べてちょうだい」

 

 

 

 

グレイグ「他にも様々な料理を用意している。皆でマヤを祝おうではないか」

 

 

 

 

マヤ「皆!ありがとう!私、皆が大好き!」

 

 

 

 

カミュ「俺からもお礼を言わせてください。マヤや俺を家族に入れてくれ、愛してくれている事本当に感謝します。ありがとうございます」

 

 

 

 

デルカダール王「そう固くならんでよい、カミュよ。お主も騒ぐのだ。何せ、実の妹の晴れ舞台じゃ。喜ばしい限りではないか」

 

 

 

 

カミュ「はい!兄貴、飲むぞ!」

 

 

 

 

ラース「もちろんだ、飲むぞ!」

 

 

 

その後、宴はお城中で騒がれた。歌やダンスはあちこちで披露された。その間、マヤはずっと笑顔を絶やさなかった

 

 

 

その夜、カミュとマヤの部屋

 

 

 

ラース「少し騒ぎすぎたな。明日の掃除が大変だぜ」

 

 

 

 

カミュ「そうだな。流石に申し訳ない、俺も手伝うぜ」

 

 

 

 

マヤ「私もやる!皆が私のために開いてくれたんだもの。少しくらいお礼をさせて」

 

 

 

 

ラース「マヤはやらなくていいんだ。マルティナや王様に見られたら俺達が怒られる」

 

 

 

 

マヤ「そ、それならやめておくね。そうだ!私、最近の目標があるの」

 

 

 

 

カミュ「お?どんな目標なんだ?」

 

 

 

 

マヤ「私、兄ちゃんみたいな人と付き合いたい!強くて、優しい人!」

 

 

 

 

カミュ「........」

 

 

 

カミュはそれを聞いて固まっている

 

 

 

ラース「マ、マヤちゃん。そう言ってくれるのは嬉しいが、本気なのか?」

 

 

 

ラースも冷や汗が出ている

 

 

 

マヤ「うん!私も姉ちゃんみたいに幸せになりたい」

 

 

 

 

カミュ「マヤが.....兄貴みたいなやつに.....取られる?」

 

 

 

カミュは頭を押さえている

 

 

 

ラース「失礼な事言うな、カミュ。今カミュの頭の中でそれ、俺になってるだろ。違うからな」

 

 

 

 

カミュ「あ、ああ。そうだったな。マヤ、もし気になるやつがいたら俺か兄貴に教えるんだぞ」

 

 

 

 

マヤ「うん!わかってるよ」

 

 

 

 

ラース「(マヤ、それは本当の意味をわかってない。俺達はその男を審査するからな)」

 

 

 

 

カミュ「(変なやつがマヤに付かねえようにしねえとな。少し用心しておくか)」

 

 

 

マヤに彼氏ができる日は遠い

 

 

 

 

 

 

 

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