ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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不穏

その頃、遺跡前

 

 

 

魔物は原形を無くした後、楽になれたとばかりに消えていった

 

 

 

それを見たベグルは少しつまらなそうに遺跡から出てきた

 

 

 

ラース「ベグル、少しはしゃぎすぎたんじゃないか?最後あたりは楽しんでただろ」

 

 

 

 

ベグル「まあ....楽しんではいましたけど、まだ俺の怒りは消えてませんよ。もっと頑丈だったらよかったんですけど」

 

 

 

 

ラース「気持ちはわかるが落ち着けよ。ユグノアに戻ってジェーンさん達に会いに行けばいい」

 

 

 

 

ベグル「そうですね」

 

 

 

ザッザッ

 

 

 

誰かがこちらに歩いてくる

 

 

 

ラース「ん?誰だ、こんな所に」

 

 

 

 

男性「やはりお前だな、ベグル。まさか生きているなんてよお」

 

 

 

 

ベグル「!!?貴様.....リュウ!!なぜここに!」

 

 

 

 

リュウ「さっきの捕まってた人の中にいたのさ。何十年振りだ?あの女が死んで以来だなぁ?まさか、てめえが俺と同じデルカダールの兵士になるなんて笑いが止まらねえぜ。ギャハハハハ!」

 

 

 

 

ベグル「何とでも言えばいい」

 

 

 

 

リュウ「じゃあ言わせてもらうぜ。お前、似合わねえ事してんじゃねえよ。今更いい子になろうとしたっててめえには不可能だ。それに何だ?兵士になって俺を倒すつもりだったか?無駄だな!

 

 

 

弱っちいお前がどれだけ強くなっても!俺に勝てねえだろ!昔、散々いじめてやったもんなぁ?俺が怖いだろ?足が震えてるぜ?

 

 

 

お前みたいなやつは何も守れない!弱い奴がどれだけ頑張ったって弱いまま。守るなんて大層な事はてめえには絶対できねえよ!!」

 

 

 

 

ベグル「.......」

 

 

 

ベグルは下を向いて黙っている

 

 

 

その体は少し震えている

 

 

 

ラース「こんな事を言うのもなんだが、俺は兵士達を纏める仕事をしていたんでね。ベグルの事を少し知る人の一人として反対させてもらおう。ベグルは強いぞ」

 

 

 

ラースはベグルの前に出た

 

 

 

ベグル「ラース将軍.....」

 

 

 

 

ラース「ベグルの昔は知らねえ。何があったかとか興味ねえ。大事なのは自分を見つめ、ゆっくりでも己の弱い所を認めて前に進む事だ。それをベグルは成し遂げようとしている。

 

 

 

それは弱い人間には絶対にできない。途中で心が折れ、諦めてしまうからだ。だが、ベグルは違う。毎日目標や夢に向かい強くなろうと努力している。

 

 

 

これまで見てきた俺が保証する。ベグルは強い。少なくとも、昔や見た目なんかで判断しているような人より、ずっとな。

ベグル、行くぞ」

 

 

 

 

ベグル「......はい」

 

 

 

ザッザッザッ

 

 

 

ラースとベグルは足早に去っていった

 

 

 

リュウ「.......チッ!何だ、あいつ。ベグルのやつが強い?ありえるわけねえ。まあ、またあいつのお気に入りを壊せばあいつは立ち直れなくなるだろ。あの脱がされてた女.....ベグルの野郎、あの女を見て怒ってたな」

 

 

 

しばらくして、ユグノア王国

 

 

 

ベグル「ラース将軍.....すみませんでした」

 

 

 

ベグルはラースに謝り始めた

 

 

 

ラース「気にするな。あんなやつの言う事なんか聞く耳を持つな。ほら、ジェーンさん達に会いに行こうぜ」

 

 

 

 

ベグル「ラース将軍の言葉、凄くありがたかったです。ありがとうございます」

 

 

 

宿屋

 

 

 

ジェーン「ベグルさん!助けてくださってありがとうございました!」

 

 

 

 

ミラ「私は見れなかったけど、一人で魔物を倒したそうじゃない。凄いわ」

 

 

 

 

ベグル「あれはまあ、俺の中で、こう、暴れてしまってな。怖かっただろ?」

 

 

 

 

ジェーン「いいえ!魔物に迫られた時に比べたら、陽だまりのようでした!助かった....って思って安心しました」

 

 

 

 

ベグル「ひ、陽だまりは言い過ぎじゃないか?まあ、喋れるようになったみたいだし怪我も無さそうだ。本当によかった」

 

 

 

 

ミラ「大会は残念だったわね。折角意気込んでたのに中止になっちゃったわね」

 

 

 

 

ベグル「それは仕方ないさ。俺は助っ人で呼ばれただけだったからな。おそらく、ラース将軍が一番落ち込んでるさ。それじゃあ、またな」

 

 

 

 

ジェーン「はい!ありがとうございます!」

 

 

 

 

ミラ「今度はラムダにも来てね。忙しいと思うけど」

 

 

 

 

ベグル「おう!そっちも困ったらいつでも頼ってくれよな」

 

 

 

ユグノア城

 

 

 

ラース「ハァァ。マジかよ.....」

 

 

 

ラースは中止と聞き、落ち込んでいた

 

 

 

イレブン「ご、ごめんね、ラース。流石に中止にしないとだからさ」

 

 

 

 

ロウ「またいつか開くから楽しみにしていてくれ」

 

 

 

 

グレイグ「しかたあるまい。ラースの朝を少なくしたのに意味が無くなってしまったが、こればかりはな」

 

 

 

 

ラース「くっ。わかってはいるが腹空いたな。気も落ちて、一層強く感じるぞ」

 

 

 

ラースのお腹が鳴っている

 

 

 

ベグル「まあ、俺達もこの後帰りますのでその後お城で食べましょう」

 

 

 

 

ロウ「助けてくれてありがとう。大会はすまなかったが、お主達のおかげで犠牲者は出なかった」

 

 

 

 

イレブン「そうだよ。ベグル、ラース、グレイグ、ありがとう」

 

 

 

 

ラース「まあ、それもそうだな」

 

 

 

 

グレイグ「民達を助けるのは当然だ」

 

 

 

 

ベグル「力になれてよかったです」

 

 

 

その後、デルカダール城 玉座の間

 

 

 

マルティナ「なるほどね。そんな事があったの。お疲れ様、ラース、急いでコックに頼んでね。お腹が鳴り止まないわよ」

 

 

 

 

ラース「すまない、マルティナ。俺、もう行くな。他の報告は頼んだ」

 

 

 

ラースは我慢できないとばかりにキッチンへ駆けていった

 

 

 

ベグル「ハ、ハハハ。あんなにお腹が連続でなってる人初めて見ました」

 

 

 

 

グレイグ「確か旅の頃に一度見かけたくらいか。ラースには少しつらかっただろう」

 

 

 

 

マルティナ「二人もお腹空いてるでしょ?ラースと一緒に食べていいわ。他に何か報告はあるかしら?」

 

 

 

 

グレイグ「いえ。後は特にございません」

 

 

 

 

ベグル「俺は兵士達と食べてますね。それでは失礼します」

 

 

 

 

マルティナ「ええ。ベグル、お疲れ様」

 

 

 

その頃、ジェーン達は

 

 

 

ジェーン「よし、この便でクレイモランに行こっか。ミラはクレイモランに用事があるんだよね?私も行こうか?」

 

 

 

 

ミラ「それは別に大丈夫よ。そのまま先にラムダに帰ってて。私は少し買い物したら帰るわ」

 

 

 

 

ジェーン「はーい。.....それにしても、ベグルさん私のためにあんなに怒ってくれたのかな?」

 

 

 

 

ミラ「きっとそうよ。ベグルさんがあんなに怒ってるのは私達初めて見たじゃない。ラース様達も少し戸惑ってたし、少しでも私達にいいように捉えておきましょう」

 

 

 

 

ジェーン「えへへ、とっても怖かったけど、そう考えると少し嬉しいな」

 

 

 

 

ミラ「応援してるからね、ジェーン!」

 

 

 

 

ジェーン「う、うん。私、頑張る」

 

 

 

その影では

 

 

 

リュウ「ヘッヘッヘ、いい事聞いた」

 

 

 

 

 

 

 

 

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