ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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けじめ

 

ベグル「.......この奥に人の気配。よし!」

 

 

 

ダッダッダ!

 

 

 

ベグル「おい、リュウ!言われた通り一人で来たぞ!」

 

 

 

広い空間にやってくると、リュウが待っていた

 

 

 

リュウ「んだよ、遅かったじゃねえか。こっちは退屈してたんだ」

 

 

 

 

ジェーン「ベグル........さん......」

 

 

 

 

ベグル「な!?」

 

 

 

そこには柱に結ばれ、顔が腫れているジェーンがいた

 

 

 

目からは血も流れている

 

 

 

ベグル「てめえ!!!」

 

 

 

 

リュウ「おおっと、怖えなあ」

 

 

 

 

ベグル「ぐっ.....」

 

 

 

リュウはナイフをジェーンの首元に当て、ベグルの動きをとめる

 

 

 

リュウ「お前が少しでも俺様の気を損ねればこの女は死ぬ。いいな?こいつの命はお前にかかってるんだぞ」

 

 

 

 

ベグル「......こんな事して、何が目的だ」

 

 

 

 

リュウ「目的なんかねえよ。ただ、てめえがノコノコと幸せそうに生きてるのが憎たらしくて堪らねえんだよ!

 

 

 

こっちは仕事も無くなって散々だっていうのに、てめえだけ平和に生きようとしてるのがムカつくんだよ!」

 

 

 

 

ベグル「んなの知ったこっちゃねえだろうが!!俺の人生だ!てめえなんかに指図される筋合いはねえんだよ!」

 

 

 

その上の階では

 

 

 

ラース「(おい、カミュ、バン。念のため、ここの足場に切り込みをいれておけ)」

 

 

 

 

二人「(了解)」

 

 

 

 

リュウ「お前、今俺にそんな口聞いていいのかよ。このまま刺してやろうか?」

 

 

 

 

ベグル「くっ......」

 

 

 

ベグルは顔を歪ませる

 

 

 

リュウ「そうそう、その顔だよ。昔から俺はその顔が大好きだったんだよ!俺を許せないのに、自分が弱いから守れない事実に苦しみ歪んだ顔がよ!!」

 

 

 

リュウはベグルを嘲笑っている

 

 

 

ベグル「......金なら用意した。俺の事も好きにしろ。だが!ジェーンさんは返してもらうぞ!」

 

 

 

 

リュウ「ああ。俺はてめえさえ殺せればこんな女、何の価値も無い。どっか適当に捨ててきてやるよ」

 

 

 

 

ベグル「今すぐ解放するんだ!」

 

 

 

 

リュウ「解放してくださいだろうが!!!あぁ!?」

 

 

 

 

ベグル「くっ......。解放してください。お願いします」

 

 

 

 

リュウ「土下座に決まってんだろうが!!」

 

 

 

 

ベグル「解放してください。お願いします」

 

 

 

ベグルは土下座をする

 

 

 

リュウ「てめえが抵抗せずに俺にボコボコにされてくれたら考えてやるよ。オラァ!」

 

 

 

バキッ!

 

 

 

ベグル「ぐっ!」

 

 

 

 

リュウ「オリャ、オリャ、オリャ!」

 

 

 

 

ベグル「ぐはっ!!」

 

 

 

三十分後

 

 

 

リュウ「ハァ.....ハァ。へへ、大分いい気分だぜ」

 

 

 

ベグルは体中痣だらけになっており、傷や怪我で血だらけになっていた

 

 

 

リュウ「それじゃあこの女、殺しますか」

 

 

 

 

ベグル「な.......。話が......違う....」

 

 

 

 

リュウ「あ?何でてめえなんかの言う通りにしないとなんだよ。それに、こうすればてめえは二度と俺に逆らえねえだろ。最高じゃねえか」

 

 

 

 

ベグル「やめ.....ろ」

 

 

 

 

リュウ「さあ、死ねえ!!」

 

 

 

リュウがジェーンに向かって刃物を刺そうとした時、

 

 

 

ガラガラガラ!

 

 

 

突然リュウの頭上から地面が落ちてきた

 

 

 

リュウ「なに!?ぐわあああ!!!」

 

 

 

リュウは落ちてきた地面に巻き込まれた

 

 

 

ベグル「え.....」

 

 

 

スタッ!

 

 

 

カミュ「さて、こんなもんだな」

 

 

 

 

ラース「酷い怪我だ。急いで城に戻るぞ」

 

 

 

ラースはジェーンの縄を切った

 

 

 

バン「ベグル!無事か!!うわ!顔、怖っ!誰だよ!」

 

 

 

 

ベグル「いつの間に.....どうして」

 

 

 

 

ラース「上手くいけばベグルに全て任せたさ。だが、保険は必要だろ?俺はベグルもジェーンさんも失いたくない。なら、少しの手助けだ。リュウのやつはまだ生きてるぞ。どうする?」

 

 

 

 

リュウ「ぐ.....。ベグル、てめえ!!俺を騙していやがったな!!くそっ!これをどかせ!!その女、ぶっ殺してやる!!」

 

 

 

 

バン「俺達がそんな事させると思ってるのかよ」

 

 

 

 

カミュ「おい、ベグル、大丈夫か?肩貸すぜ」

 

 

 

 

ベグル「ありがとうございます、カミュさん。つらいですけど、立てますよ」

 

 

 

ベグルはそう言うと、大剣を支えに何とか立ち上がり、ゆっくりとリュウの方に近づいていった

 

 

 

リュウ「な...なんだよ。てめえが!俺に反抗してきやがったから!」

 

 

 

 

ベグル「リュウ.....。俺は、お前が許せない。姉ちゃんを殺し、俺の大事な人をここまで傷つけた。俺がお前を殺してやるよ」

 

 

 

ベグルはリュウに大剣を振りかぶる

 

 

 

リュウ「な!?や、やめろ!お前、誰に向かって刃を向けてやがる!!」

 

 

 

 

カミュ「待て、ベグル。兵士が人を殺していいのかよ」

 

 

 

その言葉にベグルは動きを止める

 

 

 

ベグル「ですが.......これは俺のけじめでもあります」

 

 

 

 

バン「気持ちはわかる。だが、そんな事をする必要は無いだろ。剣とベグルが汚れるだけだ。どうか、しないでほしい」

 

 

 

バンが真剣な表情でベグルを止める

 

 

 

ベグル「.......そうだな。この男には俺が殺す価値もない。このまま死ぬといい」

 

 

 

ベグルは大剣を下ろした

 

 

 

ラース「それが正しいさ。ほら、金は持ったな?帰るぞ。バン、ベグルを支えるんだ」

 

 

 

 

バン「大丈夫か?ベグルもどき」

 

 

 

 

ベグル「もどきって何だ。俺は本物のベグルだ」

 

 

 

 

バン「そんな顔で言われたって説得力ねえよ」

 

 

 

 

リュウ「くそ!!!くそ!!!ベグル!!俺は必ず諦めねえからな!!」

 

 

 

リュウの悔しがる声が洞窟にこだましていた

 

 

 

洞窟前

 

 

 

カミュ「さて、やるか。兄貴」

 

 

 

 

ラース「おう。トラップ発動だな」

 

 

 

 

二人「ジバルンバ!」

 

 

 

ガラガラガラ!

 

 

 

洞窟は全て崩れ去っていった

 

 

 

バン「ええ!?いつの間に!!」

 

 

 

 

ベグル「!!?ラース将軍.....カミュさん。これって.....」

 

 

 

 

ラース「ん?どうした?"事故による"地盤の緩みで、洞窟が崩れ去っただけだ」

 

 

 

 

カミュ「犠牲者は、偶然中にいたトレジャーハンター一人だ。"自然による事故"は仕方ねえよな」

 

 

 

 

バン「.......えげつねえ」

 

 

 

 

ベグル「ハ、ハハ。感謝しても、しきれないですよ。本当に....」ガク

 

 

 

ベグルはそのまま気絶した

 

 

 

バン「うおっ!重てえ!って、ベグル!雪の中で寝ると死ぬんだぞ!!おい!起きろ!駄目なんだぞ!」

 

 

 

バンはベグルの顔を何度も殴っている

 

 

 

カミュ「いや、急いで運べば大丈夫だ。だからそんなに殴ってやるな」

 

 

 

カミュは少し苦笑いしている

 

 

 

バン「あ、そっか。まあ、これは日頃のお返しって事にしておきましょう!」

 

 

 

 

ラース「なにカミュみたいな事してんだよ」

 

 

 

 

カミュ「うるせえぞ、兄貴。ほら、帰るぞ」

 

 

 

デルカダール城 医療部屋

 

 

 

医者「ふむ。女性の方もそうだけどベグル君も酷いね。腫れとかは数えられないから含めないとして、肋骨五本の骨折、両腕と右足もヒビが入ってるよ。よくこれで歩いてたね。

 

 

 

それと、この女性の方の片目はどうなるかね。失明にはならないけど、視力は大分落ちるかもね」

 

 

 

 

ラース「そうですか。わかりました」

 

 

 

玉座の間

 

 

 

マルティナ「あ!よかったわ、どうだった?」

 

 

 

 

ラース「一件落着だ。マルティナ、認めてくれてありがとな」

 

 

 

 

マルティナ「ラースからお願いされた時はどうしようか悩んだけど、思い切ってみて正解だったみたいね。あら、お金まで持ち帰ってきたのね」

 

 

 

 

カミュ「おう。まあ作戦通りに洞窟も埋めてきたぜ」

 

 

 

 

グレイグ「全く。別にそうしなくてもこちらで隠す事もできたというのに」

 

 

 

 

バン「何だか凄い話になってたんですね。ベグルとジェーンさんは医療部屋に運びました。お互い酷い怪我で、一週間は起きないかと」

 

 

 

 

マルティナ「そう。まあ、命があるだけよかったわ。三人ともお疲れ様」

 

 

 

 

カミュ「よし、兄貴。お礼はしっかりしてくれよな」

 

 

 

 

ラース「はいはい。今日は泊まっていくだろ?」

 

 

 

 

カミュ「まあな。あ、マヤにも言っておかねえと」

 

 

 

 

グレイグ「王には全て無事に終わった事を伝えておく。ゆっくり休んでくれ」

 

 

 

 

バン「はい!それでは失礼します!」

 

 

 

 

 

 

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