一週間後、デルカダール地方
ラースは一人で見回りをしていた
ラース「よし、見回りはこんな感じで大丈夫だな。魔物掲示板にも書いておかないと。あと、ブレイブ達のプレゼントどうするかな」
その時、突然近くに裂け目が現れる
ブワッ!
ラース「え!?な、何だこれ!?吸い込まれる!うわあああ!!」
シュン!
裂け目は消えていった
デルカダール地方
ラースは気を失っていた
ラース「.......あれ?ここ、は?デルカダール地方...だよな?でも、何となく雰囲気が違う?城に行ってみるか」
デルカダール城
ラース「おかしいな。掲示板が無くなってるし、街も変わった?お城も何だか違うしな。どうなっているんだ?」
玉座の間
ガチャ
ラース「おーい、マルティナー」
マルティナ「............」
玉座にいるマルティナは髪が短くなっている
ラース「え?マルティナ?だよな?髪が短い.....」
グレイグ「..........」
ラース「グレイグはそこまで変わってないな。あれ?マルティナ、いつの間に髪の毛切ったんだよ」
マルティナ「嘘......ラース、なの?」
マルティナはずっと驚いた表情から動かない
ラース「ん?俺がラース以外に見えるのか?」
マルティナ「何で.....だって、あなたは.....」
グレイグ「貴様....本物か?魔物ではなさそうだが」
グレイグからは疑心の目を向けられている
ラース「な、何だよ、失礼だな。何だか全部おかしいぞ。街も兵士も人も、グレイグもマルティナもどうしたんだ。俺の知ってる状況じゃないんだが、ここはどこだ?」
マルティナ「もしかして......過去のラース?」
マルティナはラースの発言にハッとしたように呟いた
ラース「え?過去?.......まさか!君は未来のマルティナか!?俺の死んだ世界のマルティナか!?」
マルティナ「ええ!私は未来の世界のマルティナ。あなたの世界とは違うマルティナよ」
合わなかった話が噛み合った
ラース「嘘だろ!!え?じゃあここは、俺の死んだ世界!?どうしてだ!?」
グレイグ「何があったのだ。落ち着いて話してみてくれ」
ラース「おう。今日は俺、いつもの見回りをしていてな。デルカダール地方の魔物の様子を見ていたんだ。それも終わって城に帰ろうとしている時に、変な裂け目が現れてな。それに飲み込まれてここに来たんだ」
マルティナ「そっか。ラースはあっちでは私と一緒にお城にいるのよね。その裂け目が怪しいわね。イレブン達に連絡してみましょう」
グレイグ「お任せください、姫様」
ラース「何だかすまない。皆を混乱させるよな」
マルティナ「ふふ、気にしないの。私はこうやって、またあなたと話せるだけで嬉しいのよ。だって、代わりでもラースはラース。ずっと.....会いたかったんだから」
マルティナはとても嬉しそうに目を細めている
ラース「マルティナ.....」
数時間後、全員が集まっていた
イレブン「ほ、本当だ!ラースだ!!」
カミュ「マジかよ。化けてるんじゃねえのか?」
ベロニカ「魔力も昔のラースとそっくりだわ。成長しているけど」
セーニャ「ラース様......また会えるなんて」
シルビア「過去から来たって言ってたわよね。大丈夫なの?」
ロウ「お主の世界に早く戻してやらんとな」
ラース「よう、こっちの世界の皆。話すのは初めてになるのか?イレブンは久しぶりだな。懐かしいぜ」
イレブン「やっぱりわかるんだ。どう?あっちの僕は元気?」
ラース「おう。今はユグノアの王だ。たくさん頑張っているぞ」
グレイグ「.......」
グレイグは少し離れてこっちを見ている
ラース「な、何だよ、グレイグ。険しい顔して。ほら、そんな顔してるから表情固いんだろ。もっと笑えよ。ほら、ここをこうして」
ラースはグレイグに近づき、グレイグの顔や口を引っ張る
グレイグ「な、何をする!ひゃめろ、貴様!」
ラース「ハハハハ!いい顔してるじゃねえか!」
マルティナ「うふふ、グレイグ、あなた今凄い顔してるわよ」
カミュ「おっさんらしくねえ顔だな。いいじゃねえか」
イレブン「あ、このやり取り懐かしい。あっちの世界でもやったよ」
グレイグ「貴様!人がどう話したらいいか悩んでいたら遊びおって!」
ラース「何だよ、俺とグレイグは前からよく話してただろ。って、そうか。俺が死んだ世界だから、グレイグと俺の関わりはほぼ無いのか」
グレイグ「そうだ。ラースと話した事は数回しかないのだ。それなのに、貴様は馴れ馴れしく」
ラース「いいじゃねえか、楽しかったぜ」
グレイグ「ぐぬぬ、反省のかけらもなしか」
ラース「面白い事はどんどんやっていかないとな。あ、そうだった。イレブン、前は色々あって言えてなかった事があるんだ」
イレブン「え?僕に?どうしたの、ラース」
ラースは突然イレブンに向かって土下座をした
全員「!?」
ラース「俺を、いや、俺達の世界を救ってくれて、ありがとうございます。イレブンがいなかったら、きっと俺はこの世界のように死んでいただろうし、世界も崩壊していたはずだ。こっちの世界のイレブンから聞いた。俺とマルティナに幸せになってほしいって言ってたってな」
イレブン「それは......うん。言った。僕は世界もそうだけど、ラースに何回も救われた。それなのに僕は何も出来ないまま、ラースは死んでしまった。だから、僕は君に必ず幸せになってほしかった。そうすれば、これまでのお礼に少しはなるんじゃないかと思って」
ラース「ハハ、そうか。俺はイレブンの助けになれていたのか。.......全く、俺は馬鹿だったな」
イレブン「どうしたの?」
ラース「俺はずっと皆と共にいるには相応しくないと思っていたんだ。大した助けにもなれず、皆みたいにはなれないと考えていた。恐らくこっちの世界の俺も同じ考えを持っていたはずだ」
全員「そんな事ない!!」
ラース「そうだよな。俺達の世界の皆にも同じ事言われた。昔はよく自分を責めてたけど、もうそれは大丈夫だ。俺は、皆の仲間だもんな」
イレブン「うん!ラースは絶対に僕達の大事な仲間だよ。間違えたら駄目だからね!」