ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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未来での生活2

夕食時

 

 

 

デルカダール王「おお、そなたがラース殿か。話は聞いている。イレブンが救った過去の世界のラースなのだな」

 

 

 

 

ラース「王様。どこの世界も変わりませんね。一応初めましてになるんでしょうか?」

 

 

 

 

デルカダール王「まあ、厳密にはそうなるな。ただ、お主を見ていると、やはりガラッシュの村を思い出す。我が息子、ホメロスがそなた達の村に取り返しのつかない事をした。この世界のラースに代わって、そなたに謝罪する」

 

 

 

デルカダール王は深く頭を下げている

 

 

 

ラース「い、いえ!王様、気にしないでください!俺はもうグレイグに恨むのは相手が間違っている事を教わりました」

 

 

 

 

グレイグ「俺に?過去の世界の俺はラースに謝罪しなかったのか?」

 

 

 

 

ラース「いや、したさ。もううんざりするくらいにな。だが、俺は皆がわかっている通りホメロスを憎んでいた。それこそ、刺し違えても、と思うほどに。

 

 

 

でも、グレイグとマルティナから魔王に取り憑かれる前のホメロスの事を聞いた。ホメロスもきっと、いいやつだったんだろ?弱い所をつけこんだウルノーガが悪いんだ。ホメロスは悪くない。そう、思い直したんだ」

 

 

 

 

 

マルティナ「ラース.....。そうよ。ホメロスは嫌々ながらも、小さい頃の私と遊んでくれたもの。その時の手や表情は優しかった。あの非道な行いなんてするはずなかったの」

 

 

 

 

グレイグ「ラース......ありがとう。俺の大切な友を、誤解しないでくれて心の底から思う。お前は優しいし、心が強いのだな」

 

 

 

 

デルカダール王「わしからもお礼を言おう。どうか、ホメロスを憎まないでやってくれ。あの子は本当は優しいんじゃ」

 

 

 

 

ラース「はい!俺はもう誰も憎んでいません。だからこそ、俺は兵士長になったんです」

 

 

 

 

マルティナ「どういう事?」

 

 

 

 

ラース「俺達が邪神を倒してマルティナ達と共にデルカダール城に帰った後、城内での俺の役職の話になってな。その時にグレイグとマルティナから軍師になればいいと言われてよ」

 

 

 

 

マルティナ「あら、いいじゃない。ラースの頭の回りのよさなら軍師でもやっていけるわ」

 

 

 

 

ラース「それを俺は絶対に認めなかった」

 

 

 

 

グレイグ「何故だ?自分の事だからわかるが、きっと姫様とラースを共にいさせたかったのだろう?」

 

 

 

 

ラース「その軍師の席はもう埋まっているからだ」

 

 

 

 

デルカダール王「.......なるほど。ホメロスの事か。確かにホメロスも軍師だった。だが、この世界もそうだがもういないのだぞ」

 

 

 

 

ラース「それでも、ホメロスは王にとって息子のような存在。そんな男が、必死に努力して就いた地位を奪う事は俺にはできない。だからその役職は断って、兵士長になったんだ」

 

 

 

 

グレイグ「そこまでホメロスの事、王の事を考えてくれていたのだな。ありがとう」

 

 

 

 

ラース「話が長くなったな。早く食べないとな」

 

 

 

その後、マルティナの部屋

 

 

 

ラース「懐かしい。俺がまだこの城に来たばっかりの頃の部屋と似ている」

 

 

 

 

マルティナ「あら、そうなの?置いてある物も大体変わってるんだけどね。それにしても、よく食べるのは変わらないのね。お父様やグレイグが驚いてたわ」

 

 

 

 

ラース「城の飯は美味いからな!毎食おかわりしてるんだぜ!」

 

 

 

 

マルティナ「うふふ、ラースらしいわ。........ねえ、ラース」

 

 

 

 

ラース「わかってるさ、マルティナ。ずっとこうしたかったんだろ?」

 

 

 

ラースはマルティナを抱きしめた

 

 

 

マルティナ「うっ......うう.......うん!あの日、ラースが死んだとわかった日が、私がラースに抱きしめられた最後の日。また......こうしてほしかった」

 

 

 

マルティナは我慢していたかのように泣き始めた

 

 

 

ラース「そうなんだな。よく....頑張っているな。姿は見えなくとも、俺はマルティナのそばにいる。絶対だ。いつも、見ているんだ」

 

 

 

 

マルティナ「ごめんなさい。過去の世界のラースには、関係ない事なのに」

 

 

 

 

ラース「そんな事ないさ。世界とか難しい事は無視だ。マルティナはマルティナだろ?俺が愛してやまないマルティナなんだ。未来とか過去とか関係ない。俺は、マルティナを愛しているぞ」

 

 

 

 

マルティナ「ラース.......私もずっと愛しているわ。もう少しだけ......このままでいい?」

 

 

 

 

ラース「そんなの構わないさ。今まで頑張ってきたマルティナへのご褒美だ。たくさん楽しんでくれ」

 

 

 

 

マルティナ「うん。ねえ、私がラースをこの城に残した理由、わかってるんでしょ?」

 

 

 

 

ラース「ああ、わかってるぜ。俺は、マルティナが独り占めできるぜ。お願いがあれば何でも言ってくれ。出来る限り叶えてやるよ。この世界の俺の分までな」

 

 

 

 

マルティナ「ラース、ありがとう。それじゃあ、明日からよろしくね」

 

 

 

 

ラース「おう、任せてくれよな」

 

 

 

次の日から、マルティナは王女を休んだ。デルカダール王とグレイグからも、行きたい所ややりたい事をしてこいと言われ旅行やお祭りなど様々な事を二人で楽しんだ。

 

 

 

 

偶に仲間達と報告をして情報を交換していたが、一向に時に変化は現れなかった

 

 

 

 

 

一方、過去の世界では

 

 

 

デルカダール城 玉座の間

 

 

 

マルティナ「本当に見つからないの!?」

 

 

 

マルティナの驚きの声が上がっていた

 

 

 

グレイグ「すみません、姫様。草の根をかき分けて探しましたが、もうデルカダール地方にはいないかと」

 

 

 

 

ブレイブ「申し訳ございません。私も魔物達に聞いたのですが、誰も見ていないそうです」

 

 

 

 

デルカダール王「どこに行ってしまったのだ、ラースよ。こんな突然いなくなる事など、今まで絶対にあり得なかったというのに」

 

 

 

 

 

マルティナ「皆にも連絡しましょう。世界から情報を集めるわよ」

 

 

 

数時間後

 

 

 

カミュ「兄貴がいなくなったってマジか!?」

 

 

 

 

マヤ「本当に兄ちゃん、消えちゃったの!?」

 

 

 

 

イレブン「そうみたいなんだよ、カミュ、マヤちゃん。その反応って事は何も知らないんだよね」

 

 

 

 

カミュ「そうだな。俺達は何も知らねえな」

 

 

 

 

シルビア「困ったわね。ラースちゃんはイレブンちゃんやベロニカちゃんみたいに移動呪文は使えないからキメラの翼くらいだけど、そんな連絡も無くなんて」

 

 

 

 

セーニャ「何か異変はあったのですか?」

 

 

 

 

グレイグ「いや、何も無いな。普段通りに見回りに行くと言って出ていった。町の人も町から出て、魔物の調査をしているのを確認している」

 

 

 

 

ベロニカ「でも、そこからラースは帰ってこなかった」

 

 

 

 

ロウ「となると、デルカダール城前が怪しいのかの」

 

 

 

 

マルティナ「でも全兵士とグレイグが探して、ブレイブも魔物達に聞いてまわっても、なんの痕跡も無かったみたい」

 

 

 

 

マヤ「そ、そんな......」

 

 

 

 

バン「すみません、お力になれず。まさか師匠がそんな煙のように消えるなんて」

 

 

 

 

イレブン「気にしないで、バン。あのラースがどこかに連れ去られるほど弱いわけないし」

 

 

 

 

カミュ「兄貴を連れ去れるやつがいたらそれはもう魔王とかだろ」

 

 

 

 

マヤ「マルス達は?何か言ってた?」

 

 

 

 

グレイグ「いや、特に何も知らなかった」

 

 

 

 

全員「うーん.....」

 

 

 

 

バン「考えてても仕方ないですよね!皆で探した方がいいですよ!」

 

 

 

 

マルティナ「そうね。私はここでラースが帰ってこないか待ってるわ。グレイグもバンもブレイブも皆と協力して、世界中探して。お願い!」

 

 

 

 

全員「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

 

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