ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

265 / 591
未来での生活3

それから一月後、未来世界のデルカダール城

 

 

 

玉座の間

 

 

 

ラース「今日も報告は無し....か」

 

 

 

 

ベロニカ「ええ、ごめんね、ラース。そうそう現れないのはわかってたけど、もう一月が経つのね」

 

 

 

 

マルティナ「.....元の世界の皆が心配よね。何も言わずに来ちゃったんでしょ?」

 

 

 

 

ラース「ああ。心配しているはずだ。早く帰ってあげたいが、今はまだどうしようもできないな」

 

 

 

 

グレイグ「耐えるしかあるまい。互いにな」

 

 

 

 

ラース「そうだよな。報告ありがとう、ベロニカ。またよろしくな」

 

 

 

 

ベロニカ「いいのよ、気にしないで。私もラースと久しぶりに話せて嬉しいんだから」

 

 

 

 

ラース「そういえば、こっちのベロニカは元の姿に戻れないのか?」

 

 

 

 

ベロニカ「え!?そっちの私、元の姿に戻れるの?」

 

 

 

 

ラース「一時的にな。特殊な首飾りをつけて魔力を込めると戻れるんだ」

 

 

 

 

ベロニカ「ええー!いいなー!私も戻りたい!」

 

 

 

 

ラース「俺に言われても困るんだがな。だが、その姿でかなり時が経っただろ?もう慣れたんじゃないか?」

 

 

 

 

ベロニカ「そりゃあそうだけど、困る事はまだまだ多いんだから!少しでも戻りたいわ!私、その首飾り見つけるわ!」

 

 

 

 

ラース「お、おう。頑張れよな」

 

 

 

その後、訓練場

 

 

 

マルティナ「ハァ!テヤア!」

 

 

 

 

ラース「よっ!ハァ!」

 

 

 

 

マルティナ「やっぱり腕が上がってるわ。私じゃ敵わないじゃない。そっちの世界で大分強くなったのね」

 

 

 

 

ラース「まあ、邪神と戦うためにはかなり強くならないとだったからな。今となったらこの強さはあまり必要ないんだ。衰えも感じてきたしな」

 

 

 

 

グレイグ「おっさんみたいな事を言うようになったのだな」

 

 

 

 

ラース「俺はまだおっさんじゃねえ!」

 

 

 

 

バン「あ、ラース将軍!また指導お願いしてもいいですか?」

 

 

 

 

ラース「おお、バン!いいぜ、どんどん教えてやるよ」

 

 

 

 

グレイグ「やはり前の世界で皆と仲良くしていただけあって、馴染むのが速いですね」

 

 

 

 

マルティナ「元からよ。皆と仲良くしていってすぐに馴染んでいたの。性格や人柄も関係あるのかしら。いい人でしょう?ラースは」

 

 

 

 

グレイグ「.......はい。私をおもちゃにしてくるのを除けば」

 

 

 

 

マルティナ「ふふ、それも彼のいい所だから。本当に嫌な事はしてこないのよ。........でも、彼は私の知ってるラースより大人だわ」

 

 

 

 

グレイグ「そうですか。ですが、ラースも本来生きていれば、ああなっていたという事じゃないでしょうか」

 

 

 

 

マルティナ「そうね。多分そうなんだと思うわ。でも、いきなりその姿を見せられても、何だか違和感あるわ」

 

 

 

 

グレイグ「私には、深く言う事ができません。まだ、姫様ほどあの男を知らないのです」

 

 

 

 

マルティナ「ええ、ごめんなさい。わかっているわ。こんな事を思っているのは私だけなのも。私が、彼にわがままを言っている事も」

 

 

 

 

グレイグ「姫様、それはわがままではございません。当然の事です。愛する者が生きて目の前に現れたら、人は誰でもこうなります」

 

 

 

 

マルティナ「......ありがとう、グレイグ」

 

 

 

その夜、マルティナの部屋

 

 

 

ラース「なあ、どうしたんだ、マルティナ。少しボーッとしてるぞ。悩み事か?」

 

 

 

 

マルティナ「少しだけね。ラースは私の知るラースより、遠くなった気がして」

 

 

 

 

ラース「まあ、世界が違うとそれまでの自分とは変わっているのもあるかもな。年とったからかもしれないけどな」

 

 

 

 

マルティナ「それは私もそうよ。でも、私は今のラースとの思い出はほぼ無いわ」

 

 

 

 

ラース「.......それは間違ってるぜ、マルティナ。確かに思い出は無いかもしれないが、俺は俺だ。マルティナが知るラースに重ねていいんだ」

 

 

 

 

マルティナ「でも、今の私じゃああなたには」

 

 

 

ラースはマルティナの口を指で塞いだ

 

 

 

ラース「おっと。それ以上言うなよ。そんな言葉がほしいんじゃない。俺は、今のマルティナも大好きだ。マルティナは俺の事、嫌いか?」

 

 

 

 

マルティナ「そ、そんな事ないわ。私も好き。だって、ラースだもの。少し変わっていたってラースだわ」

 

 

 

 

ラース「そう。俺は俺。世界とかどうでもいいんだ。マルティナはマルティナだ。少し変わったくらいじゃ離れないし、嫌いにもならない。だから、俺と一緒に重ねてもいいんだぜ」

 

 

 

 

マルティナ「.........ふふ。ありがとう、ラース。そうね。少し難しく考え過ぎてたかしら」

 

 

 

 

ラース「そう。笑え、マルティナ。俺はその笑顔が一番好きなんだぜ」

 

 

 

 

マルティナ「ええ、そうだったわ。私、ラースにこれからもたくさん笑って生きる事を誓ったんだった。だって、私の笑顔はラースのお気に入りなんでしょ?」

 

 

 

 

ラース「お気に入りなんてもんじゃないさ。俺の宝物だ」

 

 

 

 

マルティナ「ええ、ありがとう。明日はまた少し旅行しましょう。私、ずっとラースと海に行きたかったの」

 

 

 

 

ラース「へへ、いいじゃねえか。たくさん遊ぼうぜ」

 

 

 

 

それからも報告は無く、時はどんどん過ぎ去っていった

 

 

 

 

ラースはそれでも待ち続けた。いつか、戻れる時が来ると。

 

 

 

 

それまではこの世界の皆と過ごして、自分が皆につけた心の傷を癒していく、と。

 

 

 

 

そして、ラースが未来に来てから二年の月日が流れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。