二年後のある日
デルカダール城 玉座の間
バタン!
ロウ「ラースよ!ついに時の裂け目を見つけたぞ!」
ロウが焦った様子で入ってきた
ラース「本当か、じいさん!やっと......帰れる」
マルティナ「よかったわ、ラース!ずっと心配してたものね」
グレイグ「気がつけば二年か。決して短くは無かったが、なぜか二年以上お前と一緒に過ごしていた気がするな」
ロウ「場所はドゥーランダ山の山頂じゃ。準備が終わったらすぐに来てくれ。いつ消えてしまうかもわからんからの」
ラース「わかった。すぐに準備する。なあマルティナ、グレイグ。頼みがある」
二人「?」
数時間後、ドゥーランダ山山頂
ラース「悪い、待たせたな」
イレブン「よかった、間に合ったね」
カミュ「これでお別れだな」
ベロニカ「本来なら会う事や過ごす事は無かったのに、何の因果かこうしてまた一緒の時を過ごせたわね」
セーニャ「ラース様、お元気な姿が見られて感激しましたわ。これからもどうかお元気で」
シルビア「ラースちゃん!アタシ、またあなたの変わらない素敵な笑顔が見れて嬉しかったわ!」
ロウ「ほほ。またお主と話せる事ができてわし達は幸せじゃったぞ」
ラース「へへ、随分長い間この世界にいたけど、皆は俺の世界とそう変わらないな。この世界の俺に代わって言わせてもらうぜ。皆、大好きだぜ!
それと、お願いがあるんだ。この紙に俺の世界の自分達に向けて何かメッセージを残してほしい。皆に見せるのと俺の思い出にするんだ。皆が確かに存在している事を忘れないために」
数分後
ラース「それじゃあ、俺は帰るな。皆、今までありがとう」
マルティナ「こっちこそ、私とっても嬉しかったわ。ラースとの果たせなかった約束も果たす事ができた。やっぱりラースはラースね」
グレイグ「そっちの世界でも元気にしているんだぞ。姫様や子ども達と仲良く過ごすんだ」
ラース「ああ、そうするぜ。マルティナ、最後に一つ言わせてくれ。
俺は必ず君の側にいる。姿が見えなくとも、声がしなくとも、絶対にな。だから、マルティナは一人なんかじゃない。もう、あのベッドで寂しいと泣かなくていいんだからな」
マルティナ「!?........ふふ、ラースが言うならそうよね。もう大丈夫。あなたとの思い出もしっかり残ってるもの。寂しくないわ」
ラース「それじゃあ、さよならだ」
そうして、ラースは元の世界へ帰っていった
シルビア「.....行っちゃったわね。少し....寂しくなるわ」
イレブン「これでいいんだよ。ラースには、これからも元の世界で幸せになってもらうんだ」
カミュ「ラースのやつ、年をとっても大して変わらなかったな」
ベロニカ「本当ね。私達の記憶のラースとそこまで変わっていなかったわ」
セーニャ「とても嬉しくて、涙がでるような体験でした」
ロウ「そうじゃな。まさか、生きてラースともう一度会えるとはの」
グレイグ「ラースという男がどんなやつなのか。俺もよくわかりました。賢く、周りをよく見て判断し、俺達とよく笑って過ごす。とても、気持ちのいいやつでした」
マルティナ「さあ、帰りましょう。ここは.....冷えるわ」
デルカダール地方
ラース「........おお、戻ってきたのか。もしかして、これ相当まずいか?マルティナ達、どうしてるかな」
デルカダール城 玉座の間
ガチャ
ラース「........へ、へへ」
ラースは少し苦笑いしながら入ってきた
マルティナ「........ラ、ラース?」
ラース「よ、よう、マルティナ。た、ただいま」
マルティナ「よかった........」
マルティナは力が抜けたように顔を手で覆った
グレイグ「貴様......この二年、どこで何していた!!!」
グレイグが大声で怒り出した
ブレイブ「ガウ.......」
ブレイブも少し感動している
ラース「ブレイブも久しぶりだな。えっと、信じられないと思うんだが、俺は時の裂け目に吸い込まれて未来の世界に行ってたんだ」
グレイグ「未来の世界だと?」
マルティナ「それって、イレブンが前に帰っていったあの世界?」
ラース「そうそう。俺が死んだ世界だ。そこで俺は二年を過ごして、新たにできた時の裂け目でこっちに帰ってきたんだ」
マルティナ「そう......ラース、ずっと心配してたのよ」スタスタ
マルティナはラースに近寄っていく
ラース「マルティナ、俺もずっと心配して、ぶへえ!!!」ドサ!
ラースもマルティナに寄っていき抱きつこうとすると、マルティナはラースを思いっきり蹴飛ばした
ブレイブ「キャイン!!?」
ブレイブの側までラースは飛ばされてきた
マルティナ「だからといって、許されるわけないでしょう」
ラース「ま、待て、マルティナ!俺だってずっと心配だったんだ。そっちに連絡もできなくて、ずっと困って、グフゥ!」
マルティナはラースを殴っている
マルティナ「どれだけ寂しかったと思ってるのよ!!世界のどこにもいないし、生きてるかもわからなくて!私は、本当に!!本当に!!」
グレイグ「ひ、姫様、気持ちはわかりますが少し落ち着いてください!」
マルティナ「........そうね。この話の続きは皆にも連絡してからにしましょう。他の仲間達も、ラースにたっぷりお話したいはずだわ」
ラース「待ってくれ、マルティナ!その話は俺の言い訳は通るのか!?」
マルティナ「それは皆次第ね。少なくとも、私には通らないわ」
ラース「(まずい......カミュとベロニカなんてもっと酷いんじゃないか?)」
数時間後
ラース「よ、よう、皆。久しぶ、ゲフゥ!」ドサ!
会うなり速攻でカミュはラースを殴り飛ばした
カミュ「てめえは今までどこにいやがった!!!」
グレイグ「......先程も見たな」
ベロニカ「あんた......どれだけ私達が探し回って心配したと思ってんのよ!!」
ラース「こ、これには深いわけがあるんだ!」
ラースは先程の説明を皆にした
イレブン「未来の世界か。凄い所にいってたんだね」
シルビア「それならこの世界にはいないはずだわ」
セーニャ「聖龍様も生きてはいるが、干渉できないと仰っていましたがそういう意味だったのですね」
ラース「そうそう。それに、証拠だってあるぜ。ほら、未来の皆が自分達に向けたメッセージだ」
ロウ「これは....どう見てもわしの字じゃ。確かに確実な証拠じゃな」
グレイグ「ふむ。(な!?ベッドの下のあの本をラースのせいで燃やされたのか!?何と、かわいそうに)」
ラース「だからよ、俺は悪くないよな?」
ベロニカ「メラガイアー!」
ベロニカは巨大な炎の塊をラースにぶつけた
ラース「ギャアアアア!!熱い!!何でだよ!」
ラースは少し焦げている
ベロニカ「だからといって、心配させた事実は変わらないわ。私、前に言ったわよね?マルティナさんを泣かせたら焼き尽くすって」
カミュ「マヤも散々泣いてたんだぞ。その反省は、しっかりと体で受けるべきだよな」
マルティナ「マルス達もずっと寂しがってたのよ。この二年、私達が心配した分返させてもらうわ」
ラース「え、いや、それは」
カミュ「イレブン達もこのクソ兄貴に一発ぶん殴っていいぜ。皆も心配したんだからよ」
ラース「え!!?カミュさん、何を勝手に」
グレイグ「なら、一発だけな。確かに心配したのは変わりないからな」
ラース「待ってくれ!!そんな事したら俺、何回死ねば」
その後、ラースが目を再び覚ましたのは帰ってきてから三日後だったという