数日後、聖地ラムダ
ラース「おお、ラムダとは思えねえ賑わいだな」
いつもの神聖な雰囲気は少し鳴りを潜め、お祝いムードとなっている。広場の真ん中にはたくさんの料理、隅には楽器を演奏している人達もいる。
マルス「ラムダは初めて来た。綺麗な場所なんだね」
ルナ「立派な神殿があるわ。でも、お祭りで皆楽しそう」
デルカダール王「ほう。ラムダは話に聞くだけだったが、来てみると何だか神聖な雰囲気を感じるな」
ベロニカ「あ!ラース達、ありがとう!王様もようこそ、聖地ラムダへ」
セーニャ「皆様、お久しぶりです。お変わりないようですね」
ベロニカとセーニャもやってきた。服装はいつもの赤と緑ではなく、明るいピンクと黄緑の服装になっている。背中には小さな羽もある。
グレイグ「随分と華やかな服ではないか。いつもの衣装はどうしたのだ?」
ベロニカ「折角のお祭りよ。しかも久しぶりのね。少しくらいムードを出したいじゃない」
セーニャ「似合いませんでしたか?」
マルティナ「そんな事ないわ、ベロニカ、セーニャ。とっても素敵よ。ピンクと黄緑でまるでお花みたいよ」
デルカダール王「確か、この色の花の木がこの山にも生えていたはずだ。名は桜だな」
ベロニカ「流石デルカダール王様ね。物知りだわ。そう、ここの山に生えている桜の木に似せてみたの」
セーニャ「メダル女学園にもありましたね。懐かしいですわ」
ラース「それで、あそこに並んでる料理は食べていいんだよな?」
カミュ「おいおい、相変わらず兄貴は食い意地はってんな」
違う場所からカミュとマヤもやってきた
マルス「あ!カミュ、マヤ姉ちゃん!久しぶり!」
マヤ「久しぶりだね、皆。やっぱりベロニカさん達に誘われたの?」
ルナ「そうなの。マヤお姉ちゃん達もなんだね」
ラース「いいだろ、別に。いい景色の中美味いご飯を食べ、酒を飲む。最高だろ」
グレイグ「他の皆もいるのか?」
カミュ「ああ。全員ってわけじゃねえがシルビアが来てるぜ。イレブン達はまだみてえだな」
デルカダール王「この祭りの醍醐味の虹はどこから見えるのだ?」
セーニャ「こちらに高台があるので、そちらから見るとよく見えますわ」
マルティナ「ラース、虹を見てからにしましょう。食べるのは後でね」
ラース「わかった。じゃあ皆で見にいこうぜ」
高台
デルカダール王「おお!これは絶景じゃな」
高台から上を見ると、山の上なだけあって虹がとても近くでくっきりと見えている
グレイグ「本当ですね。青い空にかかる虹がこんな近くにはっきりと見えるとは」
ルナ「凄い、綺麗だわ」
マルス「ねえねえ、見て!あっちにも虹だよ!何個もできるものなの?」
マルスが遠くを指すと、そこにも少し小さいが虹があった
マルティナ「あら、本当だわ。どうなの?ラース」
ラース「別に俺は天気に詳しいわけじゃないんだがな。まあ、知ってるぜ。条件が重なれば複数できるさ。ただ、低い所からじゃなくてここみたいに高い所から見ないとだけどな。恐らく周りにもまだあると思うぜ」
ルナ「そうなんだ。お父さん、物知りだね」
グレイグ「流石ラースだな。ん?イレブン達が来たみたいだぞ」
デルカダール王「そうか。なら、わしらも行こうか」
その後、皆でバラバラに祭りを回ろうとしていた
ラース「マルティナ、一緒に回ろうぜ」
マルティナ「あ、ごめんなさいラース。私、先にベロニカ達と約束してて。カミュ達と回ってて」
ラース「そ、そうか。悪かったな。えっと、カミュは.....、マヤと回るよな。マルスもいるのか。王様は....じいさんとか。なら、グレイグと回るか。おーい、グレイグ。俺と回ろうぜ」
グレイグ「む?ラース、お前は姫様と回るのではないのか?」
ラース「それがよ、女子達で回るみてえで断られたんだ。ルナもそこに入っているんだ」
グレイグ「そうだったか。なら、一緒に回ろう」
イレブン「あ、ラース、グレイグ、僕もいれて」
ラース「おお、イレブン。いいぜ、一緒に回ろうぜ」
イレブン「そういえばブレイブ達は?」
グレイグ「それが数日前にコロが勢い余って階段から転げ落ちて怪我したのだ。まあ大した事ないしコロ自身も元気なのだが、一応城に残したのだ」
イレブン「そうなんだ。コロ、最近やんちゃになってきたんでしょ?マルティナが手紙に書いてたよ。いたずらしてる時もあるみたいだね。誰かさんみたいだよ」
グレイグ「ふっ、本当だな」
二人はラースを見ている
ラース「な、何だよ、俺の方みて。あ!餓鬼っぽいって思ったな!いいじゃねえかよ!いたずら楽しいだろ!」
グレイグ「コロもおそらく同じ気持ちなのだろう。ブレイブに怒られてもあまり反省しなくなったようだからな」
イレブン「うわ、筋金入りじゃん。ラース二号だね」
ラース「くそ、餓鬼扱いしやがって」
数時間後
イレブン達が話しながら祭りを回っていると、広場には他の皆が集まっていた
イレブン「あ、皆が集まってご飯食べてる。僕らも行こう」
ラース「少し話しすぎたな。皆のところにいこうか」
マルティナ「あら、ラース達も戻ってきたのね。今丁度ご飯食べようとしてたの」
シルビア「こうやって綺麗な天気の下でお食事なんてステキだわ〜」
マヤ「私もそう思う!それに気分もよくなるよね」
グレイグ「そうだ、ラース。さっき言っていた山の話をしてやるといい」
イレブン「あ、そうだね。どうせなら今から皆で行こうよ」
ロウ「山の話?ラースよ、何の事じゃ?」
ラース「実はよ、今の時期なら山にいけば食べられるものがたくさんあるんだぜ。この料理もいいけど、どうせなら花見しながら少し山を降りてみないか?」
ベロニカ「あら、いいじゃない。私達もこの山なら案内できるわ」
カミュ「しかし、食べられるものか。そういえば兄貴は自然に囲まれて育ったもんな。そういう知識もあるんだな」
セーニャ「春の山は恵の山とも言われていますわ。楽しみです」
その後、山のふもと
ラース「おお、ここまで来ると虹も遠いな」
先程まで近くに見えていた虹も遠くに見えている
ロウ「じゃが、桜がよく見える。虹が背景になってこれもいい景色じゃな」
シルビア「あら、本当ね。いいじゃな〜い、中々お目にかかれないわ」
近くには桜の木がいくつか生えている
ラース「それじゃあ一つ目だな。桜って食べられるんだぜ」
全員「ええ!?」
グレイグ「桜を.....食べる?....どういう事だ?」
ラース「まあこの桜は、だけどな。美味い桜とそうでない桜があるんだ。これは美味い桜だからこのまま取って花ごと食べてもいいし、料理に使う事もできる」
イレブン「え、ええ.....。本当に?お腹壊さない?」
ベロニカ「私も知らないわ。本当に大丈夫なの、ラース?」
殆ど全員が疑いの目を向けている
ラース「物は試しだろ?食べてみろよ」
ラースは全員に花びらを渡した
マヤ「じゃ、じゃあ兄ちゃんを信じて......。うーん、美味しいのかな?私はそこまでわかんないや」
マルティナ「かすかに味はするけど、なんとも言えないわね。まあ、毒ではないのね」
セーニャ「もっと甘い味がするのかと思いましたわ」
ラース「だろうな。本来なら、料理してからが一番美味しいからな」
全員「ええ!?」
ラース「へへ、悪いな、皆。でも、毒はないからそのまま食べて大丈夫だぜ」
ラースは少し笑っている
カミュ「てめえ、遊んでるだろ」
ロウ「ほほ、騙されてしまったわい」
イレブン「先に言ってよ、ラース!」
ラース「ハハハ!悪い、悪い。ついいたずら心が働いてな。次はもう大丈夫だぜ」
シルビア「ま、まあいいじゃない、皆。ラースちゃんだって少しふざけただけじゃない。それに、料理すれば食べられるっていう知識も貰ったわ」
マヤ「いしし、そうだね。今度友達に教えようっと」
グレイグ「次からはちゃんとやるんだぞ」
ラース「おう、任せておけ」
桜のお菓子って美味しいですよね。実際にも桜の花びらを料理して食べる事もあるそうです。私も一度食べてみたいです。