マルティナ「次はもっと美味しいのがいいわ。お願いね、ラース」
ラース「ああ、わかってるぜ。お、ここなんてたくさん咲いてるな。次はこの小さな黄色い花、たんぽぽだ」
ラースはしゃがんで足下に生えている黄色い花を指した
セーニャ「こ、こんなお花まで食べるのですか!?お花の部分ですか?」
ラース「驚くなよ?たんぽぽは全部食べれる。花、茎、葉っぱ、根っこに至るまでな。まあ、根っこは漢方薬として使われる事が多いけどよ」
ロウ「確かに根っこは昔に薬として使われておった。じゃが、食べれるとは知らんかったの」
シルビア「何だか少しかわいそうだわ。こんなに可愛く咲いてるのに」
イレブン「......本当に食べれるの?」
ラース「まあ、これも料理する場合もあるがそれでもひたす程度だからな。このままでもいいぞ」
ラースは取って土を取ると実際に口にいれた
マルティナ「じゃあ....ごめんなさい、少し食べさせてもらうわね。.......!そうね。さっきの花びらよりは美味しいわ。独特の苦味ね」
グレイグ「これは......悪くない」
ベロニカ「ええー!?どこが!?全然美味しくないわよ!!」
マヤ「私も.....。苦いだけじゃん」
意見は分かれるようだ
カミュ「まあ、まだ舌が子どもなんだろ。大人になればこの苦みが美味しく感じるさ」
イレブン「うう.....本当?そんな日が来るなんて思えないんだけど」
シルビア「アタシも好きではないけれど、まあ食べれなくはないわ」
ラース「この味がいいんだろ。春って感じじゃないか」
セーニャ「甘いものは無いのですか、ラース様!」
ラース「甘いもの.....ねえ。山には難しいかな。糖分は自然界にはあまり多くないんだ」
ラースは少し苦笑いしている
ベロニカ「まあ、それは何となくわかるわ。甘い植物なんてあまり聞かないもの」
ロウ「まあよいではないか。こうやって苦みにも慣れていけば、いつか美味しいと感じるやもしれんぞ」
イレブン「そっか。じゃあ、我慢しようかな」
ラース「まあ、僅かでもいいなら花の蜜でも吸ってみたらどうだ?」
イレブン「それって、素材のやつ?」
ラース「それは素材用だ。自然にあるやつな。この紫の花のムラサキツメクサとか、奥の白い花のスイカズラ、足下のホトケノザなんて毒もないし、どうだ?」
ラースは周りにある植物の名前をどんどん言っていく
グレイグ「そ、そんなにあったのか。花を取ればいいのか?」
ラース「おう。摘んでそれを口に半分ほど含んで吸うんだ。そうすれば蜜を食べられるぜ。昔はよく食べまくってたな」
ベロニカ「何だか美味しそうね。どれどれ......。あら!確かに甘いわ!美味しい!」
セーニャ「本当ですか!それでは、私も......。まあ!美味しいです!もう一つ....」
マヤ「私もこれなら食べられる!美味しいね!」
イレブン「最初からこういうのを教えてよ、ラース」
花の蜜は好評なようで、どんどん食べていく
ラース「え、ええ。そんなのでよかったのかよ。折角山の恵を教えてやりたかったのに」
マルティナ「ふふ、でもこれだけ咲いてると少しくらい食べても問題なさそうね」
カミュ「こんな少しの甘さでそんなに人気になるとはな」
シルビア「何だか不思議な光景になっちゃったわね。皆して地面と睨めっこしてるわ」
ロウ「ほほ。他の花ももらおうかの」
グレイグ「ラース、姫様にこんなものを食べさせていいのか?」
グレイグは少し困っている
ラース「こんなものとか言うな、グレイグ。まあ......言いたい事はわかる。ほら、皆。そろそろ戻ろうぜ。戻ったらたんぽぽともう一つを使って、俺が料理作ってやるよ」
イレブン「本当?ラースの手料理なんて久しぶりだな」
ベロニカ「私達の家のキッチン使っていいわよ。材料もおそらくあるはずだわ」
その後、聖地ラムダ
ラース「待たせたな。ほら、できたぜ。たんぽぽとつゆくさのおひたし、よもぎの天ぷら、さらにサラダだ。俺の村で春になると偶に出されてたんだ。食べてみてくれ」
イレブン「見事に緑だね。でも、何だか美味しそうかも」
カミュ「つゆくさ?それも生えてたのか?」
ベロニカ「よもぎとも言ってたわね」
ラース「おう。つゆくさは青い花が咲くんだ。花が咲く前が食べごろだぜ。よもぎは、まあ草だな。だが、苦みが少なくて美味しいぞ」
セーニャ「あ!おひたしは苦みが少ないですし、お醤油などでそれもほとんど感じませんわ」
シルビア「美味しいじゃない!サラダも苦みがあまりないわ」
マルティナ「天ぷらも美味しい。何だか不思議な味だわ」
ロウ「ええのう。これぞ、自然が作る味。大人の味でもあるが、味つけのおかげで皆が食べやすくなっておる」
グレイグ「うむ。これなら食べやすい。他のものも食べてみたくなるな」
マヤ「でも、甘いものも欲しかったな」
ラース「へへ、そう言うだろうと思ってよ。甘いものも作ったぜ。もちろん、さっきの草でな」
イレブン「あの苦い草で甘いもの?」
ラース「それがこれ、草だんごだ!」
ラースが自信ありげに皿を出した
全員「........」
全員がそれを見て少し固まっている
ラース「あ、あれ?反応悪くないか?結構作るの大変だったんだぞ」
マルティナ「ご、ごめんなさい、何だか思ってたよりも緑で.....」
ベロニカ「そうよね。というか、それそのまんま草を丸めただけじゃないの?」
ラース「失礼だな!ちゃんと甘くなってるぜ!ほら、あんこも用意したんだ。これもつけて食べてみてくれ」
ラースは全員に渡した
イレブン「よし、皆でいっせーのでいこう」
全員「うん」
ラース「お前ら、失礼すぎるぞ!」
イレブン「せーのっ!」
パクッ!
全員「美味しい!!」
イレブン「え!?全然苦くない!」
カミュ「いいじゃねえか、甘さも控えめで俺も食べやすいぜ!」
ベロニカ「見た目よりずっと美味しい!」
セーニャ「この味、ホムラの方にあるお団子に似てますわ」
シルビア「アタシ、この草だんご気に入ったわ!」
マルティナ「私もいいと思うわ。とっても美味しい」
ロウ「なるほど、こんな味にする事もできるのじゃな」
グレイグ「どれ、俺ももう一つもらおう」
マヤ「兄ちゃん、ありがとう!文句言ってごめんね!」
ラース「だろ?わかってくれたか。手間暇かければ美味しくなるんだぜ」
長老「あ、あの〜、勇者様方」
少しワイワイしていた所に長老が少し困ったように話しかけてきた
イレブン「あ、長老様!どうしたんですか?」
長老「いえ、何やら勇者様達が草を食べていると言われまして。そんなものを皆様に食べさせるわけにはいかないのですが.....」
マルティナ「あ、ごめんなさい!これは私達が勝手にやった事ですので、お気になさらないでください」
ベロニカ「長老様!この草だんご、美味しいのよ!食べてみて!」
ベロニカが長老に草だんごを持っていく
長老「わ、私が!?ベロニカよ、本当にこれは美味しいのかの?」
セーニャ「大丈夫ですわ、長老様。私達が全員美味しいと思ったものです」
長老「ど、どれ。.......おお、これは美味しい。優しい甘みが広がるのう。これが.....草なのですか?」
ラース「はい。このゼーランダ山に生えてた草を使ってます。さっき採ってきたばかりなので新鮮ですよ」
長老「そうでしたか。これは素晴らしい。皆にも食べてもらいましょう。料理の所に並べさせてもらいますね」
シルビア「いいじゃない、皆にも食べてもらいましょう!」
ラース「そんなに個数作ってないぞ。まだ草はあるが、まさか......」
グレイグ「ラース、頑張るのだ」
ラース「だよな!!マジかよ、誰か手伝ってくれ」
マルティナ「私も手伝うわ。作り方教えて」
イレブン「僕もやるよ。大変そうだもんね」
マヤ「私もやるー!」
ロウ「それじゃあわしらは少し残ったものを食べていようかの」
カミュ「そうだな。この天ぷらもらうぜ」
シルビア「じゃあ、アタシはおひたしもらうわ」
ベロニカ「あ!私も!」
ラース「何だよ、そっちも好評だったんじゃねえか」
マルティナ「ふふ、まあ山の恵を知ってもらえてよかったじゃない」
グレイグ「そうだな。最初はどうなるかと思ったが中々よかったぞ」
セーニャ「私達も勉強になりました。ありがとうございます」
ラース「それなら俺としても嬉しいぜ」
実際に山にある花や道端にも咲いているような花でも食べれたり、蜜が美味しかったりします。今回はその名前や料理を出してみました。もし興味がありましたら、ネットなどでしっかり調べてからお試しください。