ソルティアナ海岸
バン「あれがその怪しい船か」
船着場には一見普通の船が停まっていた
ジール「見たところは変な感じがしませんね」
ギバ「そうだな。だが、話通りなら偽装工作がされている船なのかもしれないぞ」
ロベルト「まずは俺が言って調査の許可を得てこよう。流石に王国相手に門前払いは無いだろう」
ベグル「それがいいな。その後、バンが船の中の気配を感じてもらえばいい。俺達も周りの調査だ」
ロベルトが船の近くにいた男性に声をかける
ロベルト「あのー、すみません」
男性「ん?何だ、兵士さんか。こんなところでどうしたんだ?」
ロベルト「実はここの近くで怪しい船を見たという情報が出てまして、少し調査をしに来たんです。それで、そちらの船を調査させていただきたいのですがよろしいですか?」
男性「........ああ、わかった。少し待っててくれ。仲間に伝えてくる」
男性は船に戻っていった
ベグル「まずは一段階目がオーケーだな」
ロベルト「ここからだな。バン、感覚を研ぎ澄ませておいてくれよ」
バン「おう!」
男性「来ていいぞ。特に何もないんだがな。あまり荒らさないでくれよ」
ロベルト「ありがとうございます」
ギバ「何もないとわかればこちらも何もしない。少し部屋も見ていいか?」
男性「ああ。好きにしていいが、駄目な部屋もある。俺にいってくれ」
ジール「はい。それでは、少し調べさせてもらいますね」
バン「...........」
バンは隅で警戒を始めた
ベグル「俺達は周りの部屋を調べるぞ。バンは放っておいた方がいい。バン、あまり離れるなよ」
バン「ああ」
しばらくして
ジール「(特に変な部屋とかはなし。物も怪しいものはないな)」
ベグル「(こういう時ブレイブがいれば匂いとかで役に立つんだが、今は無理か)」
ギバ「(部屋の作りが不思議だな。外から見えた部屋の大きさと合っていない?)」
ロベルト「(これは、どこか別に部屋があるな。音の響きが変わっている。ここら辺に空洞があるようだ)」
一時間後
男性「何もなかっただろ?さっさと出ていってくれ」
ロベルト「ありがとうございました。少し考えさせてください」
男性「全く、何だってんだよ」
ギバ「バン、一旦戻るぞー」
ソルティコの町前
ベグル「......はっ!バンはどこにいやがる!!」
ベグルはバンがいない事に気付き、焦り始める
ギバ「なに!?あ、バンがいねえ!俺の声が聞こえてなかったのか!?」
ロベルト「しまった!船に置いてきたか!!」
ジール「急いで戻りましょう!」
ソルティアナ海岸
戻るとそこに船は無くなっていた
ベグル「くそ!!もう逃げたか!」
ギバ「これはまずいぞ。どこにいったかわからねえ」
ジール「ど、どうしましょう!!」
ロベルト「いや、落ち着け。ジエーゴさんに話して外海に出る道を封鎖してもらおう。そうすれば行き先は少し絞られる」
ベグル「なるほど、そうだな。よし、ジエーゴさんの屋敷に行くぞ!」
その頃、船内では
バン「この部屋か。どこかに仕掛けがありそうなんだが。!?誰か来るな。隠れねえと!」
バンは気配を消した
ガチャ
男性「危ねえな、全く。まさかデルカダールの兵士どもが来るとは。しかし、気づかれなかったみたいだな。なんとかなったぜ」
バンがいた部屋に二人の男達が入ってきた
バン「(ふう、身は隠せたか。師匠とカミュさんに気配の消し方を教わっておいてよかった。この部屋の下から何人もの人の気配だ。
普通の船にはありえないな。ベグルには悪いが救い出してしまおう。その後でこれからを考えよう)」
男性「おい、あいつらこの部屋をやたらと念入りに調べてたぞ。大丈夫なのか?」
男性「偶然だろ。たかが兵士に気づかれるような構造してねえよ」
男性「なら、いいんだけどよ。折角の品物がバレたら今までの努力が台無しだぜ」
男性「もうあの海岸にはいかねえ。もっと集めたかったが仕方ねえ」
男性は本棚を横に押し、隠し階段を降りていった
バン「(やっぱりな。さて、このままゆっくりと音を立てずに動こう)」
その頃、ジエーゴの屋敷
ジエーゴ「何だって!?おい、ゴリアテ!!てめえ何勝手な事してくれてんだ!」
シルビア「んもう!恥ずかしがらないの、パパ。それに、アタシからのお願いだからパパは関係ないのよ。とりあえず協力してあげて」
ジエーゴ「チッ!そういう事かよ。まあいい。わかった、門は閉めておく。これで外海には出られねえ。行くならデルカコスタ地方かダーハルーネの町、またはユグノア地方だ。
ダーハルーネは船を停めるには少々難ありだからな。残り二つが大体の目安だ。そこでなんとかしてくれ」
ロベルト「ありがとうございます、ジエーゴさん!」
シルビア「だけど、バンちゃんが残されちゃったのね。まあ心配いらないんだろうけど、彼の事だから大人しくしてるなんて思えないわね。少し問題はおこしそうな気がするわ」
ベグル「そうなんですよ。ラース将軍からは調査を頼まれたのに、これじゃあどうなるか」
ベグルは頭を抱えている
シルビア「悪いけど、少しラースちゃんに連絡いれるわね。この後の対処をどうするか考えてもらいましょう」
ギバ「お願いします。すみませんと伝えておいてください」
ジール「ありがとうございました!」
ソルティコの町
ロベルト「ハア。気が遠くなりそうだ」
ベグル「くそ......。あの馬鹿が。ちょっと目を離した隙にコソコソしやがって」
ギバ「俺達、ラース将軍に怒られるな。何してんだって」
ジール「うう、少し怖いです」
ベグル「あんの野郎、戻ってきたら覚悟しとけよ。泣いて詫びても許さねえからな」
ロベルト「勝手な事しやがって。ベグル、バンを懲らしめておけよ」
その後
ラースがソルティコへやってきた
ラース「全く....。バンもそうだが、お前達も少し甘かったんじゃないか?船を調べたら怪しかったんだろ?なら、なぜそこで相手に隙を与えた。そんなのは必要ないはずだ。そこをまずしっかり反省しろ。戦えるようにもなっていたのに、それじゃあ剣が無駄だろうが」
全員「はい....」
ラース「ここでこれ以上言ってても仕方ない。兵士達が来たのにわざわざデルカコスタ地方に行って、デルカダール王国に行くとは考えにくい。向かうならおそらくユグノア地方だ。そこで捕まえる、行くぞ」
全員「はい!」