ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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潜入調査3

その後、船着場

 

 

 

ジール「あ!皆さん、あの船って!」

 

 

 

 

ギバ「おお!あれはさっきの船だな。間違いないぞ!」

 

 

 

 

ベグル「ラース将軍はまだか。なら、俺達で捕まえて少しでも名誉挽回しなければ」

 

 

 

 

ロベルト「だが、一先ずは隠れるぞ。俺達の姿を見て停まるのをやめられたら敵わない」

 

 

 

 

三人「了解!」

 

 

 

数分後

 

 

 

男性が船を止め、イカリを下ろしにきた

 

 

 

ロベルト「ハァ!」ドガ!

 

 

 

 

男性「グッ.....」ドサ

 

 

 

ロベルトが男性を気絶させた

 

 

 

ギバ「これでよしだな。乗り込むぞ!」

 

 

 

 

ベグル「てめえら!覚悟しやがれ!」

 

 

 

 

男性C「な!?お前達はさっきの兵士ども!」

 

 

 

 

ジール「皆さんを捕まえさせていただきます!ご覚悟を!」

 

 

 

 

船長「ふっふっふ、やはり来やがったか。だが、お前達の仲間の一人はいいのか?こっちはあの男を好きにできるんだぞ?」

 

 

 

船長は予想通りと余裕のある顔をしている

 

 

 

ロベルト「なに!?バンがお前らなんかに負けたとでもいうのか!?」

 

 

 

 

男性「あの馬鹿は今頃麻痺して動けねえぜ。まあ、たくさんいたぶってやったけどよ」

 

 

 

 

ベグル「だからどうした。お前らを捕まえる事になにも変わりはない」

 

 

 

ベグルは臆する事なく言い放つ

 

 

 

船長「な......。仲間をこっちは捕らえてるんだぞ。殺してもいいってのか!?」

 

 

 

 

ギバ「バンを殺す?ハハ、面白い冗談だな。あいつは簡単には死なねえよ。特に、今みたいにやるべき事が残ってる時なんかはよ」

 

 

 

ギバは少し笑っている

 

 

 

ジール「バンさんの事をあまり舐めないでください!彼は凄い人です!捕まったのも何か考えがあるはずです!」

 

 

 

 

ロベルト「すまん、ジール。それはもしかしたら馬鹿がやらかしただけかもしれん」

 

 

 

 

ジール「え.....」

 

 

 

 

ベグル「とにかく、俺達にはそんなの何の脅しにもならねえ。さあ、覚悟してもらおう」

 

 

 

四人は戦闘態勢に入った

 

 

 

船長「けっ!なら、てめえらも同じ道を辿ってもらうまでだ!てめえら、かかれー!」

 

 

 

その頃、船着場

 

 

 

隅ではイレブンとラースが隠れながら様子を伺っていた

 

 

 

イレブン「ねえ、ラース。騒がしくなってきたよ。きっと戦ってるんだと思う。僕らも参戦しようよ」

 

 

 

 

ラース「悪いな、イレブン。いい所みたいだから、俺達は一先ず様子見だ。元はあいつらの仕事。トラブルがあっても、どこまでしっかりこなしてくれるかを見てやらないとな」

 

 

 

 

イレブン「そっか。ふふ、ラースはやっぱり変わらないね」

 

 

 

 

ラース「なんだよ、そんなに変な事したか?」

 

 

 

 

イレブン「ううん。でも昔からずっと厳しそうに見えて、こうやって優しく教えてくれてたのを思い出してね」

 

 

 

イレブンは旅の頃を思い出していた

 

 

 

ラース「........なんだか恥ずかしいな」

 

 

 

 

イレブン「そんな恥ずかしがらなくてもいいよ。ラースらしくてとってもいいと思うし、ベグル達もきっと助かってると思ってるはずだよ」

 

 

 

 

ラース「そ、そうなのか?」

 

 

 

その頃、牢屋では

 

 

 

バン「よし、これで全員外れたな」

 

 

 

 

女性「上が騒がしいですね。また何かあったのでしょうか」

 

 

 

 

女の子「牢屋はどうやって出るの?」

 

 

 

 

バン「俺がぶっ壊してやるよ。少し離れてな」

 

 

 

そう言い、バンは檻を少し調べた

 

 

 

バン「よし、ここら辺に何回か打ち込めば。ばくれつきゃく!」

 

 

 

ガガガガガ!

 

 

 

バキン!

 

 

 

女性「す、凄い。牢屋が簡単に曲がっていく」

 

 

 

 

バン「よし、もう一押しだな!ばくれつきゃく!」

 

 

 

ガシャアアン!!

 

 

 

女性「出れるわ!!やった!!」

 

 

 

 

バン「よし、皆!俺についてきてくれ!」

 

 

 

 

全員「はい!」

 

 

 

少しして、部屋から甲板に出ていくと

 

 

 

バン「あ、皆!やっぱりお前らだったか!」

 

 

 

 

ベグル「てめえ、バン!!勝手な事しやがって!!絶対許さねえからな!って、お前その後ろの人達は」

 

 

 

 

バン「ここの奴隷になってた人達だ!救い出してきたぜ!」

 

 

 

 

ジール「流石バンさんです!!」

 

 

 

 

船長「余所見してんじゃねえ!」

 

 

 

船長はジールに大剣を振りかぶってきた

 

 

 

ジール「あ.....」

 

 

 

 

バン「ジール!半歩下がれ!!ばくれつきゃく!」

 

 

 

バンはジールに向かってばくれつきゃくを打ち込んだ

 

 

 

船長「グハアアア!!」ドサ

 

 

 

ジールはギリギリでかわした

 

 

 

ジール「すみません、助かりました!!」

 

 

 

 

ロベルト「これで全員終わりだな。縄で捕らえておくぞ」

 

 

 

 

ギバ「ふぅ〜。久しぶりに暴れてスッキリだぜ」

 

 

 

 

ベグル「皆さん怪我はありませんか?」

 

 

 

 

女性「あ、ありがとうございます!!私達は全員大丈夫です!こちらの方が助けてくださいました!」

 

 

 

 

女の子「お兄さん達ありがとう!!」

 

 

 

 

バン「へへ、いいって事よ!兵士として人々を救うのは当たり前だからな!」

 

 

 

 

ラース「一件落着みたいだな。バン、この人達を救出したのはお手柄だな」

 

 

 

 

バン「し、師匠!?どうしてここに!」

 

 

 

 

イレブン「バンが勝手な事したって怒ってやってきたんだよ」

 

 

 

 

バン「え......」

 

 

 

バンはそれを聞いて固まった

 

 

 

ラース「その話は城に戻ってからだ。全員捕まえたな?城に連れていくぞ。イレブン、この奴隷にされていた人達は任せてもいいか?」

 

 

 

 

イレブン「もちろん。全員ちゃんと故郷まで送り届けるよ」

 

 

 

 

ラース「助かるぜ」

 

 

 

 

女性「本当にありがとうございます!!もう普通の人生なんて無理だと諦めていましたが、まさか助かるなんて......」

 

 

 

 

女性「本当ですよ!皆様は命の恩人です!なんとお礼を言ったらいいか」

 

 

 

 

バン「お礼はいらないぜ!皆がまたいつも通り暮らせればそれでいいんだからな!」

 

 

 

夕方、デルカダール城 玉座の間

 

 

 

マルティナ「よかったわ。しっかり全員捕まえてきてくれたのね」

 

 

 

 

グレイグ「全員牢屋に連れ込んでおいた。処罰は後々決めようと思う。バン、お疲れだったな。ベグル達にも休んでくれと伝えてくれ」

 

 

 

 

バン「はい!それでは失礼します!」

 

 

 

 

ラース「待て、バン。少し話がある」

 

 

 

 

バン「うぐっ.....。師匠、勝手な事してすみませんでした。......で、でも!俺はあそこの人達を救いたくて!」

 

 

 

 

ラース「わかっている。お前の事だからな。少し調べた時に、確実に人が囚われている事に気付いたんだろ?だから行動をおこした。また、それのおかげで皆助かった。結果は全てよくなったな」

 

 

 

 

バン「流石師匠!そうなんですよ!」

 

 

 

 

ラース「だが、だからといって別行動を許すわけにはいかない。それを許してしまえば、お前にまた勝手に動かれると厄介だからな。次からは必ず誰かに報告しろ。絶対だぞ、いいな?」

 

 

 

ラースは強く言い聞かせる

 

 

 

バン「は、はい!!ありがとうございます、師匠!俺、師匠に殴られるかと思ってました」

 

 

 

 

ラース「もし結果もお前の考えも浅はかだったらそうしてただろうな。だが、今回はお手柄だったからな。言葉だけだ。それに、俺が手を下す必要はないからな」

 

 

 

 

バン「ふぇっ?というと?」

 

 

 

 

ラース「どこかの副長が泣いて詫びても許さねえって怒ってるぞ。今頃、訓練場で準備してるはずだぜ」

 

 

 

 

バン「........」ガタガタガタ

 

 

 

バンの顔はどんどん青ざめていく

 

 

 

ラース「あの様子なら、俺が何もしなくても必ずバンに罰が落ちるからな。俺の分も任せておいた」

 

 

 

 

バン「師匠!!俺、急にマサルに会いたくなってきました!帰っていいですよね!」

 

 

 

 

ラース「別に構わねえが、逃げたらどうなるかわかってるな?との伝言もあるぞ?」

 

 

 

 

バン「...........ありがとうございました、師匠。俺、逝ってきます」

 

 

 

バンはトボトボと出ていった

 

 

 

ラース「おう。頑張ってこいよ」

 

 

 

大広間

 

 

 

バン「しばらく城に戻るものか!!」ガシ

 

 

 

バンが走って逃げようとすると、ロベルトとギバが待ち構えており、捕らえられた

 

 

 

ロベルト「悪いな、バン」

 

 

 

 

ギバ「お前の行く場所はこっちだ」

 

 

 

二人はバンを訓練場へ連れて行く

 

 

 

バン「な、何すんだよ、ギバ、ロベルト!離せ!そっちには行きたくねえ!」

 

 

 

 

ギバ「副長が人形相手に体温めてるぞ。切り刻まれてくるんだ」

 

 

 

 

バン「やだ!!絶対死ぬ!!何でお前らまで手を組んでるんだよ!」

 

 

 

 

ロベルト「すまない、バン。断ったら俺達が人形の代わりにさせられそうだったんだ。それなら、お前一人の犠牲の方がいいと判断した」

 

 

 

 

バン「酷え!!やめてくれー!!俺は、死にたくねえー!!」

 

 

 

数分後、訓練場から悲痛な叫び声が上がったという

 

 

 

夜には医療部屋に一つの棺桶が送り込まれた

 

 

 

 

 

 

 


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