それから二週間後、デルカダール城
玉座の間
マヤ「ただいま、皆!」
カミュ「今帰ったぜ。ただいま」
マヤとカミュが帰ってきた
マルティナ「お帰り、カミュ、マヤちゃん」
グレイグ「お帰り、二人とも。また数日泊まっていくか?」
マヤ「うん!今回は一週間くらいかな。兄貴は仕事で戻ったりもするけど、私はずっといるよ」
カミュ「シャール達に魔物の様子見を頼まれてな。まあ、行ったり戻ったりするが気にしないでくれ」
マルティナ「そう、わかったわ。いつものお部屋は綺麗にしておいてあるからゆっくりしててね」
カミュ「兄貴はどこにいるんだ?また仕事か?」
グレイグ「.....ラースは今、運動中だ。どうしても動かしたいらしくてな。今日は一日暴れさせているのだ」
マルティナ「一週間くらいずっと会議とかで動いてなかったからストレスが溜まってるみたい。私もまた時間があったら動かしたいのだけど」
マヤ「じゃあ兄ちゃんは訓練場なんだね。後で顔出しにいこうよ」
カミュ「......いや、行くならマヤだけで行ってこい。俺はパスだ」
カミュは嫌な顔をしている
グレイグ「ああ。それが賢明だな。おそらく巻き込まれるぞ」
カミュ「だよな。流石にもう学んだぜ。そんな時に兄貴に会ったら、こっちが倒れるまで付き合わされるからな。コリゴリだぜ」
マヤ「でも、私が行くと兄貴もいるってわかるんじゃない?」
カミュ「.....よし、マヤ。今からデルカダール城下町の観光だな」
カミュは計画を切り替えた
マルティナ「ふふ。必死ね、カミュ。城下町にも最近いろいろ新しいお店を出したの。是非みていってね」
マヤ「本当!?行ってみたい!それじゃあ兄ちゃんにはその後にしようか。兄貴もその方がいいみたいだし」
カミュ「本当気が使えるようになったな、マヤ」
マヤ「いしし、でしょ?」
グレイグ「王には帰ってきた事を伝えておく。夕飯までには戻ってきてくれ」
カミュ「おう、じゃあまた後でな」
マヤ「行ってきまーす!」
マルティナ「行ってらっしゃい」
大広間
マヤ「どこ行こうか、兄貴」
カミュ「そうだな.....」
ギャアアアア!!
訓練場から誰かの叫び声が聞こえてきた
カミュ「.......この声はバンか。また何かやらかしたか?」
マヤ「訓練場から凄い音がしてるね。兄ちゃんがいるから一層激しいんだろうね」
カミュ「そ、そうだな。そういえば街の案内板があったな。そこを見れば何かわかるかもしれないぞ」
マヤ「そうだね。まず広場に行ってみようか」
その時、訓練場から怪我だらけのバンを連れたラースがやってきた
ラース「お!?カミュ、マヤ!来ていたのか!」
マヤ「あ、兄ちゃん!ただいま!と、バンさん?生きてる?」
カミュ「やっぱりバンがやられてたか。誰がやったんだ?」
ラース「ベグルだな。またおもちゃにされてたんだ。全く。学ばないよな、こいつも。なあ、カミュ。どうせな」
カミュ「逃げるぞ、マヤ!」
カミュはラースの言葉を聞く前にマヤの手を持って、猛スピードで出ていった
マヤ「ええ!?兄貴!?」
ラース「チッ!逃げられたか!まあいいか」
デルカダール城下町 広場
マヤ「あ!隣の掲示板に新しくできたお店が載ってるよ!姉ちゃんが言ってたのはここの事だね」
カミュ「ハァ、ハァ。そうみたいだな」
カミュは息を切らしている
マヤ「全力疾走しすぎでしょ、兄貴。ほら、そこのベンチで休んでてよ。私が水買ってくるから」
カミュ「いや、もう大丈夫だ、マヤ。ただ喉は乾いたな。最初にその新しいカフェに行ってみるか?」
マヤ「わかった、いってみよう!」
カフェ
店員「いらっしゃいませ!二名様ですか?」
マヤ「はい。席あいてますか?」
店員「はい!ご案内はこの子がしますのでついていってくださいね、ブレイブちゃーん、お客様ご案内よー」
カミュ「なに!?ブレイブ!?」
ブレイブ「ガウ.....ガウ!?ガウガウ!」
奥からはエプロンをつけたブレイブがやってきた
マヤ「ええ!?ブレイブじゃん、何してるの!?」
店員「あら?お客様ブレイブちゃんと知り合いでしたか?この子は最近うちで働いてくれているんですよ」
カミュ「そ、そうだったのかよ。ブレイブ、お前凄いな」
ブレイブ「ガ、ガウ」
マヤ「あ、ついていくんだよね?待って、ブレイブ」
店員「ブレイブちゃん、よろしくねー」
ブレイブが案内した先には二人用の席があった
ブレイブ「ガウガウ」
カミュ「ここで働いてるとはな。そのエプロン似合ってるぜ」
マヤ「兄ちゃん達も知ってるんだよね?偉いじゃん、ブレイブ」
ブレイブ「ガウガウ」
ブレイブはメニューを置いた
マヤ「完全に理解してるんだ。賢いだけあるね」
その後
ブレイブ「ガウ」
ブレイブは背中に頼まれたものを乗せてきた
カミュ「おお、よく落とさないな。ありがとよ」
マヤ「凄い斬新な発想だね。これは初見の人驚くんじゃないかな?」
カミュ「だろうな。まさかキラーパンサーが働いて襲いもしないなんて驚くだろうな」
数時間後
マヤ「ショッピングもしたし、もう戻る?」
カミュ「酒場に行っていいか?新しくできたってやつが気になってよ」
マヤ「わかった。そこが最後だね。ただ、兄貴。夕飯があるから飲み過ぎや食べ過ぎはやめてよ?」
カミュ「ああ、わかってるぜ。流石に控えるさ」
酒場
マヤ「結構雰囲気いいね。私、こういう感じオシャレだと思う」
カミュ「お酒は.....ほう、中々いいものあるな。今度兄貴と来るか」
マスター「おーい、グリー。ここのお客様に対応してやってくれ」
グリー「は、はい、ただいま向かいます!」
マヤ「あの赤い髪の人少し目立つね」
カミュ「まあ、俺達の青い髪も目立つだろ。それと同じだろうな」
グリー「お待たせしました。ご注文はございますか?」
マヤ「えっと、フォッチャ二つとレモンティーとブラックコーヒーのアイスを一つお願いします」
グリー「はい。少々お待ち下さい」
カミュ「少し伝票の書き方や目線が慌ただしかったな。まだ若そうだし、働き始めたばかりか?」
マヤ「兄貴ったらどこ見てるの。失礼だからやめてよ」
カミュ「悪い、前から癖になっててな。どうしてもやめられなくてよ」
その後
マヤ「フォッチャ美味しい!ここのお店の味好きだなー!」
カミュ「マヤはフォッチャ好きだよな。名物料理だからデルカダールのどこでも食えるじゃないか」
マヤ「わかってないな、兄貴。各お店で少し味が違うんだよ。あっさりした味だったり、濃厚な味だったりしてさ。いろんな味を楽しみたいんだ」
カミュ「そうだったのか。各店の味の違いは知らなかったな。それでマヤの気に入った味はこの店だったのか。確かにいい味してるな。グラタンみたいなものだと思ってたが、少し辛い味だな」
マヤ「美味しい!この少しの辛さがいいよね。もう一口食べたくなる感じだよ」
夕方、大広間
二人が戻るとマルスとルナがいた
マルス「あ!カミュ、マヤ姉ちゃん!」
ルナ「久しぶりー!来てたんだね」
カミュ「よう、久しぶりだな」
マヤ「マルス、ルナ。久しぶり!今日は遊んでたの?」
マルス「ううん!街の子ども達に剣を教えてたの!ロベルトさんと一緒だったんだ!」
ルナ「私は魔法を教えてたの。マーズさんと一緒よ」
カミュ「ああ、何回かある街の人達の指導か。お前達もやってたんだな」
マルス「子ども達は僕達が教えてるんだ。子ども同士の方がいいって言われてね」
ルナ「うまく教えられないんだけどね」
マヤ「偉いなー。頑張ってるんだね」
ルナ「もう夕食だよ、マヤお姉ちゃん達も食べるんでしょ?」
マルス「僕達も今から行く所だったの!一緒に行こう」
カミュ「おう。なら向かおうか」
夕食時
デルカダール王「カミュ、マヤ。久しぶりだな。元気だったようで何よりだ。またゆっくりしていくんだぞ」
カミュ「ありがとうございます、王様」
マヤ「うん!ゆっくりさせてもらうね」
ラース「ハァ.....」
ラースはため息をついている
カミュ「どうしたんだよ、兄貴。暗そうな雰囲気だぞ」
グレイグ「ラースは今日訓練場の壁に穴を空けてな。その衝撃で壁が崩れて訓練場が使いにくくなったのだ。だから直すために修理中で、ラースには罰として一週間の禁止令が出たのだ」
マヤ「なんか数年前にも似たような事あったよね。またやっちゃったんだ」
ラース「張り切りすぎてしまった。俺が悪いから仕方ないんだ」
マルティナ「まあ、張り切りすぎるのはわかるわ。もっと強くしておくから安心してね、ラース」
グレイグ「姫様、あまり甘やかさないでください。ラースの馬鹿力だと何回壊されるかわかりませんよ」
マルティナ「そ、そうだけどラースだってわざとじゃないからいいのよ。うっかりしちゃっただけ」
ラース「以後気を付けます.....」
カミュ「しおれてんな、兄貴。まあ、好きな事が自分のせいでできなくなったらそりゃそうなるか」
マルス「父さん、元気だして。バンさん達も訓練には支障ないって言ってたよ」
ラース「そうだったか。それはよかった」
デルカダール王「ブレイブよ。今日の仕事はどうだった?またたくさん声をかけてもらったかの?」
ブレイブ「ガウ」
マヤ「そうだ!私達、今日ブレイブが働いてるお店に偶然行ったの!ブレイブがいる事知らなくて凄く驚いた!」
ルナ「ええ!マヤお姉ちゃんお店に行ったの!いいなー、私も行きたかった。ブレイブの働く姿見たーい!」
ブレイブ「ガウ.....」
ブレイブは少し困ったような顔をしている
コロ「クゥーン?」
コロがブレイブを舐めている
ブレイブ「ガウ」
ブレイブもコロを舐めている
デルカダール王「やはり可愛いものだな。どうであった、ブレイブの働く姿は」
カミュ「エプロンをしてて、客を席に案内して商品を持ってくるんです。しっかり働いていました」
グレイグ「ほう。そんな事をしているのか。それは見てみたいものだ」
マルティナ「エプロン姿いいじゃない。ブレイブも少し可愛くなるんじゃない?」
マルス「ブレイブにエプロン?なんか変な感じしそう」
ラース「今度やってみてもらうといい。俺達も見てみたいからな」
ブレイブ「ガ、ガウ.....」
ブレイブは困り果てている