ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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マヤ、働く3

その日の夕方、酒場では

 

 

 

グリー「ビルさん、少しお願いがあるんですけど」

 

 

 

 

ビル「何だ?グリーからお願いなんて珍しいな」

 

 

 

 

グリー「実は僕の知り合いがここで働きたいらしくて。いいですか?」

 

 

 

 

ビル「.........おお!それは大歓迎だ。どんどん働き手はほしいからな。嬉しいじゃないか!」

 

 

 

 

マドリー「ええ!?グリー君、もしかしてさっきの青い髪の女の子の事?」

 

 

 

 

グリー「あ、はい。そうなんです。マヤさんって方で働くのが初めてみたいです」

 

 

 

 

ビル「初めてでも構わないさ。グリーみたいにどんどん覚えていってもらえばいいだけだからな。それに、何だ?グリーの彼女なのか?」

 

 

 

 

グリー「ええ!?ち、違いますよ!ただの友達みたいな方です」

 

 

 

 

マドリー「本当かしら?ここ数日お昼によく来てるじゃない。可愛いし、優しそうよ。それとも、グリー君ってもしかしてもう彼女さんがいるのかしら?」

 

 

 

 

グリー「い、いや、それはまだ......。でも、マヤさんは綺麗な方ですから、きっと彼氏さんとかいるに決まってますよ!」

 

 

 

 

マドリー「ふーん、好意は否定しないのね」

 

 

 

 

グリー「あ......」

 

 

 

グリーの顔は赤くなっている

 

 

 

ビル「そこらでやめておけ、マドリー。グリーのやつ、どんどん赤くなってきてるぞ。まあ今後の予定とかを聞いて、いつから働きに来てもらえそうか聞いてくれ。俺達は歓迎するとその子に伝えておいてくれ」

 

 

 

 

マドリー「私も!あの子と仲良くなって恋バナとかしたいもの!」

 

 

 

 

グリー「は、はは。わかりました。それではお疲れ様でした!」

 

 

 

 

二人「お疲れ様ー」

 

 

 

その頃、デルカダール城 訓練場

 

 

 

カミュ「で?反省したか?クソ兄貴よぉ」

 

 

 

 

ラース「申し訳ございませんでした、カミュ様」

 

 

 

ラースは訓練場の隅にある柱に逆さまに吊られていた

 

 

 

バン「師匠、何やったんですか?凄く情けないですよ」

 

 

 

 

カミュ「こいつは食欲で本来の目的を忘れていやがってな。仕事の一つもせずに呑気に帰ってきやがったんだよ」

 

 

 

 

ガザル「ラース将軍もそんなバンみたいな事するんですね」

 

 

 

 

バン「いや、ガザル!俺だってやった事ねえだろ!」

 

 

 

 

ガザル「いつかやりそうだよ、お前は」

 

 

 

 

バン「そんな事ないからな!なあ、ジール!」

 

 

 

 

ジール「ひ、否定できません......」

 

 

 

 

バン「なに!?」ガーン!

 

 

 

 

ラース「早く助けてくれ。頭に血が上り過ぎそうだ」

 

 

 

 

カミュ「仕方ねえな、ほらよ」

 

 

 

カミュは縄を解いた

 

 

 

ラース「あああ.....。楽になった」

 

 

 

 

カミュ「ほら、部屋に戻るぞ。また話し合いするんだからな」

 

 

 

 

ラース「へいへい。バン達も訓練するのはいいが、やりすぎるなよ。休む事も大事なんだからな!」

 

 

 

 

バン「はい!」

 

 

 

 

ジール「お疲れ様でした!」

 

 

 

二人は出ていった

 

 

 

ガザル「......話し合いってなんだろうな?グレイグ将軍はあの二人が合わさるとろくな事無いって言ってたけど」

 

 

 

 

バン「グレイグ将軍の気持ちはわかる。まあ、師匠の事だしきっと大事な事も含んでるんだと思うぞ!」

 

 

 

 

ガザル「だといいけどな。俺、たまにラース将軍って実は少し抜けてるんじゃないかって思ってるんだ」

 

 

 

 

ジール「そ、そうですか?俺にはしっかりした人にしか見えないですけど」

 

 

 

 

バン「師匠は意外と間抜けな所多いぞ?前に馬鹿にしたら半殺しにされたけど」

 

 

 

 

ガザル「そりゃあそうだろうな。まあ、今回は大丈夫だと信じておくか」

 

 

 

その頃、大広間

 

 

 

グリー「お城なんて初めて入った。えっと、誰かいないかな?」

 

 

 

グリーは緊張した様子でキョロキョロしている

 

 

 

カミュ「ん?お前は確か、あの酒場の」

 

 

 

 

ラース「おお、さっきの。じゃなかった。君は?」

 

 

 

 

グリー「あ、えっと、僕、グリーっていいます。あれ?その青い髪のお兄さんってもしかして」

 

 

 

 

カミュ「あの酒場の店員だよな?どうしたんだ?」

 

 

 

 

グリー「あ、はい。覚えていましたか。あの、マヤさんに用事があって来たんです。いらっしゃいますか?」

 

 

 

 

ラース「......マヤに何の用事だ?」

 

 

 

 

グリー「えっと、僕の仕事先で働くのを店長からお許しが出たので、それの報告に来ました」

 

 

 

 

カミュ「マヤは働くの初めてなのによく許してくれたな」

 

 

 

 

グリー「人手不足で新人でも構わないからほしかったんです。僕も同じようなものですし」

 

 

 

 

ラース「わかった。マヤを呼んでこよう。待っていてくれ」

 

 

 

 

グリー「ありがとうございます!」

 

 

 

数分後

 

 

 

マヤ「本当!?やった!私はこのお城にいるから、いつでも大丈夫だよ。お店の都合に合わせる」

 

 

 

 

グリー「そっか、わかったよ。店長に伝えておくね。あ、それと店長さんもマドリーさんも歓迎するってさ」

 

 

 

 

マヤ「いしし、なんだか優しそうな感じだね。私、楽しみにしてるね!」

 

 

 

 

グリー「うん。僕もこれからが楽しみだよ。一緒に頑張ろうね」

 

 

 

夕食時

 

 

 

マルティナ「へえ、雇ってくれたのね!よかったじゃない、マヤちゃん!」

 

 

 

 

グレイグ「これから頑張るのだぞ。初めてだからといって、頑張りすぎるのもよくないからな」

 

 

 

 

マヤ「うん!楽しみだなー!」

 

 

 

 

デルカダール王「という事は、働いている間はお城にいてくれるのかの?」

 

 

 

 

マヤ「うん。これからずっといるよ」

 

 

 

 

デルカダール王「ハッハッハ!また夕食が賑やかになって嬉しいのう」

 

 

 

 

ルナ「マヤお姉ちゃんお仕事するの?」

 

 

 

 

マルス「がんばってね!」

 

 

 

 

マヤ「そうなんだ、ルナ。応援ありがとう、マルス」

 

 

 

 

マルティナ「ラースとカミュは今日どこにいたの?夕方まで見なかったけど」

 

 

 

 

カミュ「ちょっと野暮用でな。兄貴と一緒だったんだ。悪かったな」

 

 

 

 

ラース「まあな。弟と一緒に少し探索してたんだ」

 

 

 

 

グレイグ「そうだったか。仲がよくなっていい事だな」

 

 

 

 

マヤ「あ!聞いて!今日、酒場に兄ちゃんみたいな頼み方する人がいたんだ!メニューの品物全部注文しててびっくりした」

 

 

 

 

ラース「ゴホッ!ゴホッ!」

 

 

 

 

カミュ「.........」ジー

 

 

 

カミュはラースをジト目で見ている

 

 

 

デルカダール王「ほう、それは確かにラースに似ておるな。大食いな人もいるものじゃな」

 

 

 

 

マルティナ「頼み方までそっくりね。ラースではなかったのね?」

 

 

 

 

マヤ「似てるなーとは思ったけど顔よく見えなかったんだ。サングラスしてたし、服もなんだか兄ちゃんとは違うし」

 

 

 

 

グレイグ「そういえば、さっき俺の服がいつもと違う場所にあったな。出した覚えはないんだが」

 

 

 

 

カミュ「おっさん、知らない間に出したんじゃねえか?すぐ忘れるのはもう歳だぜ?」

 

 

 

 

グレイグ「な!お、俺はまだ歳じゃない!」

 

 

 

 

ラース「最近白髪が増えたもんな、グレイグ」

 

 

 

 

グレイグ「うるさいぞ、ラース!人が気にしてる事をはっきりと言うな!」

 

 

 

 

ブレイブ「そういえば夕方ごろ、大広間の方に知らない気配がありました。あれはどなただったんですか?私は初めて感じたのですが」

 

 

 

 

マルティナ「え?そうだったの?玉座のほうには来てないし、私達はわからないわ」

 

 

 

 

ラース「ああ、それはグリーだな。さっきマヤに報告するために訪れたんだ」

 

 

 

 

ブレイブ「グリーさんですか。確かマヤの話に出てきた方でしたね」

 

 

 

 

グレイグ「お城に来ていたのか。マヤが城にいる事をよく知っていたな。マヤが話したのか?」

 

 

 

 

マヤ「うん。かなり驚かれたけどまあ仕方ないよね」

 

 

 

 

カミュ「変なやつには見えなかったな。しっかりしてそうだったぜ」

 

 

 

 

マルティナ「あら、そんな分析なんてしてたのね。やっぱり気になるのかしら?」

 

 

 

 

カミュ「別にそういうわけじゃねえよ」

 

 

 

 

デルカダール王「マヤはそのグリーという人が気になっておるのか?」

 

 

 

 

マヤ「え!私が!?うーん......。よくわかんないや。でも、悪くなさそうとは思うな」

 

 

 

 

マルティナ「最初はそんなものよ。私も初めはラースに対してそんなものだったわ」

 

 

 

 

ラース「え、その程度だったのかよ」

 

 

 

 

マルティナ「本当に最初の頃よ。プチャラオ村での頃の時くらいね」

 

 

 

 

ラース「その頃か。それなら俺もまあ確かにそうだな」

 

 

 

 

ルナ「それってお母さん達の出会いの事?」

 

 

 

 

マルティナ「ええ、そうよ」

 

 

 

 

マルス「僕達知らないよ。聞きたい!」

 

 

 

 

ラース「まあそれは今度な」

 

 

 

 

マヤ「でも、そこから発展していったんだよね。じゃあ私もいつかそうなるのかな?」

 

 

 

 

デルカダール王「まあ、それはマヤがゆっくりと判断するといい。なにも焦る事などないのだからな」

 

 

 

 

グレイグ「ああ、王の言う通りだぞ、マヤ。まだ若いんだ。ゆっくりで大丈夫だ」

 

 

 

 

マヤ「うん」

 

 

 

 

ブレイブ「人間の恋というやつですね。なんだか難しいんですね」

 

 

 

 

ラース「ブレイブ達にはかなり難しいだろうな。まあ、人間はこんなもんだって思っていてくれ」

 

 

 

その夜、カミュとマヤの部屋

 

 

 

カミュ「なあ、マヤ」

 

 

 

 

マヤ「ん?何?兄貴。あ、明日のクレイモランでの仕事の事はわかってるよ」

 

 

 

 

カミュ「あ、ああ。それはそうなんだが本当に働くのか?」

 

 

 

 

マヤ「え?う、うん。駄目だったの?」

 

 

 

 

カミュ「いや、反対とかじゃなくてだな。グリーってやつが気になるんだろ?何か変な事されるんじゃないかと思ってな」

 

 

 

 

マヤ「ええ!?兄貴何の心配してるの!?しかも、グリーさんと話したんでしょ?そんな事してくる人じゃないって!」

 

 

 

 

カミュ「いや、もしかしたら本性を隠してるかもしれねえだろ?」

 

 

 

 

マヤ「まさかー!あんなに優しそうな人がそんなわけないよ!兄貴の考えすぎだよ」

 

 

 

 

カミュ「まあそれならいいんだが、何かあったら俺じゃなくてもラースでもマルティナにでも相談するんだぞ」

 

 

 

 

マヤ「いしし、兄貴ったらなに不安になってんの。当たり前でしょ」

 

 

 

 

カミュ「それならよかった。おやすみ、マヤ」

 

 

 

 

マヤ「おやすみ、兄貴」

 

 

 

 

 

 

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